最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
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●動機づけ

2007-10-24 11:22:13 | Weblog
●学習の動機づけ

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子どもに勉強をさせたかったら、
楽しませること。

これは幼児期の子どもの指導の、
大鉄則と考えてよい。

英語の格言にも、
HAPPY LEARNERS LEARN BEST.
(楽しく学ぶ子は、よく学ぶ)
というのがある。

私の教室のモットーにも
なっている。

ほかにも方法はあるが、これに
まさる方法はない。

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●楽しませる

 子どもの「勉強」を考えたら、とにかく、楽しませる。「楽しい」「楽しかった」という思いが、子どもを前向きに引っぱっていく。

心理学の世界では、こうした前向きに引っぱっていく力を、「好子(こうし)」という。また大脳生理学の世界では、辺縁系の帯状回が、「やる気」をコントロールしていると、説明する。それだけではない。

 子どもはこれから先、いろいろなカベにぶつかる。そのときそのカベを乗り越える原動力になるのも、ここでいう「楽しさ」である。「私はできる」「できるはず」「私には、できないことはない」という、前向きのストロークが、子どもを伸ばす。

 たとえば文字学習を考えてみよう。

 子どもは満四・五歳(四歳六か月)を境に、急速に文字に興味をもつようになる。それまでは、いくら教えても、一見、効果がないように見える。そしてこの時期を境に、見よう、見まねで、文字らしき文字を書くようになる。

 このとき大切なことは、子どもがどんな文字を書いても、それをほめること。読んであげること。

 文字の使命は、言うまでもなく、意思の伝達である。意思の伝達に始まって、意思の伝達に終わる。書き順、トメ、ハネ、ハライなどは、それを大切だと思う人に、任せておけばよい。あるいは、どうして、そんなものが、大切なのか?

 そしてそれと平行して、「文字は楽しい」という思いを、子どもの心の中に焼きつけておく。具体的には、子どもを抱いて、本を読んであげる。暖かい息を吹きかけながら、本を読んであげる。

 まずいのは、いきなり文字を教え、こまごまとした指導をすること。子どもは文字に恐怖心すらもつようになる。しかし一度、この時期、そうなると、修復は不可能。いわんや、「勉強」を、子どもの責め具に使ってはいけない。「毎日、三〇分、勉強しなさい!」と。

 ちなみに、年中児でも、文字に対して恐怖心をもっている子どもは、約半数はいる。中には、「名前を書いてみようか」と声をかけただけで、体をこわばらせ、涙ぐむ子どもさえいる。こうなると、将来的に、文字嫌いのみならず、国語嫌い、本嫌い、さらには勉強嫌いになるのは、明々白々。

 この日本には、無数の誤解がある。計算力があるから、算数ができるという誤解。よくしゃべるから、頭がよいという誤解。ものをよく知っているから、勉強がよくできるという誤解。そして、きれいな文字を書くから、国語力があるという誤解。こうした誤解が、無数に集まって、日本人独特の、「勉強観」をつくりあげている。

 では、どうするか?

 子どもを楽しませる。いつもそれに始まって、それに終わる。英語にも、『楽しく学ぶ子は、よく学ぶ』という格言がある。まさにポイントをついた格言である。

● 今、一人気になっている子ども(小六男子)に、S君がいる。彼は幼いときから、書道教室に通っている。だから彼が書く文字は、まさに一級。きれいである。しかし一方で、作文がまったくと言ってよいほど、書けない。「作文は大嫌い」と、いつも逃げてしまう。で、何とか書かせて、励ますのだが、正直に言えば、とても、読むに耐えない内容。いつも的はずれで、トンチンカンな作文を書く。もちろん本は、大嫌い。ときどき、「この本を読んでみたら」と単行本を貸すのだが、受け取ることさえ、拒絶する。どうしたらよいものか。親は、漢字のテストでよい点と取ることや、きれいな文字だけを見て、「うちの子は、国語はだいじょうぶ」と思っている。

● 以前、N君という小学生(当時二年生)がいた。彼もまた、きれいな文字を書いていた。が、書くスピードが、遅かった。みなの二倍以上の時間がかかった。だからいつもひとりだけ、黙々と文字を書いていた。しかしそのため、いつも、授業が中断してしまった。で、ある日、私はこう言った。「ていねいに書くときは、書けばよい。しかし今は、黒板の文字を書き写すこと。だからもっと速く、書きなさい」と。とたん、N君は、ふつうの(?)速さで書き始めた。が、私はN君の文字を見て、びっくりした。ひどいなんてものではなかった。しかしそれが彼の、オリジナルの文字だった。



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