最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
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●子どもの叱り方(2)

2009-10-26 06:27:18 | Weblog


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●父のうしろ姿(中日新聞に書いたコラムより)

 私の実家は、昔からの自転車屋とはいえ、私が中学生になるころには、斜陽の一途。私
の父は、ふだんは静かな人だったが、酒を飲むと人が変わった。二、三日おきに近所の酒
屋で酒を飲み、そして暴れた。大声をあげて、ものを投げつけた。そんなわけで私には、
つらい毎日だった。プライドはズタズタにされた。友人と一緒に学校から帰ってくるとき
も、家が近づくと、あれこれと口実を作っては、その友人と別れた。父はよく酒を飲んで
フラフラと通りを歩いていた。それを友人に見せることは、私にはできなかった。

 その私も五二歳。一人、二人と息子を送り出し、今は三男が、高校三年生になった。の
んきな子どもだ。受験も押し迫っているというのに、友だちを二〇人も呼んで、パーティ
を開くという。「がんばろう会だ」という。土曜日の午後で、私と女房は、三男のために台
所を片づけた。

片づけながら、ふと三男にこう聞いた。「お前は、このうちに友だちを呼んでも、恥ずかし
くないか」と。すると三男は、「どうして?」と聞いた。理由など言っても、三男には理解
できないだろう。私には私なりのわだかまりがある。私は高校生のとき、そういうことを
したくても、できなかった。友だちの家に行っても、いつも肩身の狭い思いをしていた。「今
度、はやしの家で集まろう」と言われたら、私は何と答えればよいのだ。父が壊した障子
のさんや、ふすまの戸を、どうやって隠せばよいのだ。

 私は父をうらんだ。父は私が三〇歳になる少し前に死んだが、涙は出なかった。母です
ら、どこか生き生きとして見えた。ただ姉だけは、さめざめと泣いていた。私にはそれが
奇異な感じがした。が、その思いは、私の年齢とともに変わってきた。四〇歳を過ぎるこ
ろになると、その当時の父の悲しみや苦しみが、理解できるようになった。

商売べたの父。いや、父だって必死だった。近くに大型スーパーができたときも、父は「J
ストアよりも安いものもあります」と、どこか的はずれな広告を、店先のガラス戸に張り
つけていた。「よそで買った自転車でも、パンクの修理をさせていただきます」という広告
を張りつけたこともある。しかもそのJストアに自転車を並べていたのが、父の実弟、つ
まり私の叔父だった※。叔父は父とは違って、商売がうまかった。父は口にこそ出さなか
ったが、よほどくやしかったのだろう。戦争の後遺症もあった。父はますます酒に溺れて
いった。

 同じ親でありながら、父親は孤独な存在だ。前を向いて走ることだけを求められる。だ
からうしろが見えない。見えないから、子どもたちの心がわからない。ある日気がついて
みたら、うしろには誰もいない。そんなことも多い。ただ私のばあい、孤独の耐え方を知
っている。父がそれを教えてくれた。客がいない日は、いつも父は丸い火鉢に身をかがめ
て、暖をとっていた。あるいは油で汚れた作業台に向かって、黙々と何かを書いていた。
そのときの父の気持ちを思いやると、今、私が感じている孤独など、何でもない。

 私と女房は、その夜は家を離れることにした。私たちがいないほうが、三男も気が楽だ
ろう。いそいそと身じたくを整えていると、三男がうしろから、ふとこう言った。「パパ、
ありがとう」と。そのとき私はどこかで、死んだ父が、ニコッと笑ったような気がした。

(注※)この部分について、その実弟の長男、つまり私の従兄から、「事実と違う」という
電話をもらった。「その店に自転車を並べたのは、父ではなく、私だ」と。しかし私はその
叔父が好きだったし、ここにこう書いたからといって、叔父や従兄弟をどうこう思ってい
るのではない。別のところでも書いたが、そういう宿命は、商売をする人にはいつもつい
て回る。だれがよい人で、だれが悪い人と書いているのではない。ただしその従兄に関し
ては、以後、印象は、180度変わった。以後、断絶した。誤解のないように。


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●憎むvs恨む

 人を恨んだり、憎んだりするのも、たいへん。
ものすごいエネルギーを消耗する。
だったら、恨んだり、憎んだりするのは、やめたらよい。
反対に、その人のために、祈ってやる。
「どうか、心を平安に」と。

 というのも、恨まれたり、憎まれるような人は、そういう人。
放っておいても、自ら墓穴を掘っていく。
定められた運命に沿って、自らの道を選んでいく。
私やあなたが、どうこうしたところで、その運命は、変えられない。
あとのことは、その人自身の運命に任せればよい。

●相手にしない

 こういう私の意見に対して、ワイフはこう言う。
「憎むも、恨むもないわよ。何も考えなければいいのよ」と。

 つまりあれこれと気を回すから、こちらも疲れる。
まったく忘れてしまえば、それでよい、と。

ワ「話しあったところで、何も解決しないでしょ」
私「そうだね」
ワ「どうせわかる相手でないし……」
私「そう。そういう限界は、このところよく感ずる」
ワ「そうよ」と。

●人生のドラマ

 人生にはいろいろなことがある。
その(いろいろなこと)が、無数のドラマを作り、それが人生を楽しくする。
みながみな、聖人でも、この世の中は、つまらない。
(悪人でも、困るが……。)

 あっちで衝突し、こっちで衝突し、そうした(衝突)の中から、ドラマが生まれる。
もっとも当事者は、とことん神経をすり減らすが……。
それに人とのトラブルは、できるだけ避けたい。
平凡は、それ自体が、美徳。

 だから……。
あなたの身の回りに、恨んだり、憎んだりしなければならないような人がいたら、
無視すればよい。
ただひたすら、無視。
あとはワイフが言うように、忘れる。
忘れて、自分の心の平安を大切にする。


Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司

●相続問題

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相続問題が、これほどまでに厄介なものとは、
思わなかった。
人間の欲得には、際限がない。
その際限のなさが、相続問題を、こじらせる。

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●額には関係なし

 数億円の相続財産があるというのなら、まだわかる。
争うだけの価値は、ある(?)。
しかし実際には、わずか数百万円の財産を取りあって、兄弟姉妹が、骨肉の争いを
繰り返す。
そんな例は、いくらでもある。
金銭問題がこじれると、とかく人間関係はこじれやすい。
そこへ相続問題がからむと、さらにこじれる。
たいてい泥沼化し、やがて悪臭を放つようになる。

●1円ももらえなかった

 A子さん(現在60歳)の父親が亡くなって、もう20年になる。
A子さんは、現在、85歳の母親と、2人暮らしをしている。
そのA子さんが、こんな話をしてくれた。

 「歳をとればとるほど、人はお金に執着するようになる」と。

 85歳になった母親が、毎日、お金の話ばかりしているという。
やや認知症ぽいところはあるが、その年齢の女性にしては、平均的とのこと。

●20年も前の話

 A子さんの母親は、今でもことあるごとに、こう言うという。
「私は、(亡くなった夫の)実家から、遺産分けをしてもらっていない」と。

 亡くなった……といっても、先にも書いたように、それからもう20年になる。
その夫には、2人の兄弟がいた。
(亡くなった夫も含めて、3人。
うち2人は、すでに他界。現在は、末の三男が郷里の実家に住んでいる。)
亡くなった夫は、その中の二男だった。
たいした財産ではなかった。
G県の山奥の、もとはと言えば、小作農。
しかも夫が生きている間は、夫婦喧嘩ばかりしていた。

 そんな妻であっても、亡き夫の相続財産に執着し、「私たちは、遺産相続を
してもらえなかった」「1円ももらっていない」と。

●兄弟関係

 こだわる人は、こだわる。
こだわらない人は、こだわらない。
それが相続問題である。

 「親の財産など、最初からアテにしないこと」とは言うが、その年齢が
近づいてくると、何かと気になる。
日ごろから、兄弟姉妹関係が良好なら、まだ救われる。
が、関係がおかしくなると、とたん、相続問題が浮上する。
「判を押す」「押さない」がこじれて、裁判沙汰になるケースも少なくない。

●便利な『ダカラ論』

 義兄はこう話してくれた。
「ぼくにも、2人の妹がいるが、あいつら、ときとばあいに応じて、ダカラ論を
うまく使い分ける」と。

 お金を払う話になると、「私らは女だから」「家を出た身分だから」と言う。
つまり「払わない」「払う必要はない」と。
しかしこと遺産相続の話になると、「私らも、子どもだから」と。
「子どもだから、分け前にもらう権利がある」と。
つまり自分の都合に応じて、『ダカラ論』を、うまく使い分ける、と。

 相続問題がからんでくると、その『ダカラ論』が、がぜん、多くなる。

●遺言

 こうした問題が起きないようにするには、親自身が、自分の死後をしっかりと
見つめながら死ぬしかない。
親の威光(?)がまだそれなりの力がある間は、こうした問題は、地下にもぐっている、
しかし親の威光が鈍り始めたとたん、表に顔を出す。

 冒頭に書いたように、「額」の問題ではない。
(もちろん相続財産が巨額であれば、問題は起きやすいが……。)
そこで「遺言」ということになる。
しかしこれは公正証書として、文書化しておく必要がある。
というのも、私の母もそうだったが、そのつど世話になる人に向かって、
「あの家はお前にやる」「この家はあなたにあげる」などと言ったりする。
それを聞いた人は、その言葉を真に受けてしまう。
それが騒動の原因になる。

●協議分割

 財産分与の仕方には、いろいろある。
一般的には、兄弟に、遺産相続放棄をしてもらうという方法がある。
が、最近、よく使われるのが、「協議分割」という方法。

 これは当事者どうしがあらかじめよく話しあい、それぞれの取り分を
数値で示しておくという方法。
もし長男がすべてを相続するというのであれば、分割割合のところに、「全財産」と
明記しておけばよい。
あとは相手方の、印鑑証明と実印の捺印、それに住民票があればよい。

●伏兵

 が、この段階で、別の問題が起きることがある。
親が死ぬころというのは、息子も、娘も、その年齢になる。
平均的な家族で考えれば、60~70歳。

 そのころになると、認知症の心配も出てくる人もいる。
そのときはよく納得して判を押したとしても、数か月、あるいは数年も
すると、「私は知らない」「判を押した覚えはない」と言って、騒ぎ出す。

 そういうケースも、たいへん多い。

たいていは、その子孫がそれに同調する。
「書類が偽造された」「おやじは、叔父に財産を横取りされた」と言って、騒ぎ出す。

●無知

 しかし民法の世界では、とくに不動産関係の世界では、「書類」がすべて。
書類に始まって、書類に終わる。
その書類に不備がなければ、よほどのことがないかぎり、(事実)がひっくり返る
ということは、ない。

 不動産は、つぎつぎと転売されていくことが多い。
分割されることも多い。
その途中で、「契約無効」ということになると、それ以後の社会生活に深刻な
影響を及ぼす。

 ここでいう「よほどのこと」というのは、公文書偽造のような犯罪性のある行為をいう。
(が、それでも一度動いた権利関係を、もとに戻すのはむずかしい。)

 で、ある女性(64歳)は、法務局の窓口で、「私はこんな書類に判を押した覚えはない」
「署名した覚えはない」と言って、泣き叫んだという。

 しかし印鑑は、その女性の実印。
署名したのは、その女性自身。
直筆。
結局、その女性は、一度は、相続放棄はしたものの、あとになって、惜しくなったらしい。
それで腹を立てて、異議を申し立てた
が、こんな道理は、この世界は、通用しない。
そのあと弁護士に相談したというが、もちろん、門前払い。

●孫が相続権を争う?

 司法書士をしている友人のM氏は、こう話してくれた。

「今では、遺産相続権者である当の本人というよりは、さらにその下の
息子や娘が、騒ぐケースがふえている」と。

 たとえば実の親が死ねば、その息子や娘が、相続権者ということになる。
で、そういう相続権者が、相続を争うのは、まだ話がわかる。
が、実際には、さらにその息子や娘、つまり相続権のない息子や娘(=死んだ
実の親の孫たち)が、遺産相続をめぐって争うケースがふえているという。

M「つまりね、孫たちが、親にも取り分があるといって、親をたきつけて、
騒動を大きくするんだね」
私「……なるほど。孫の代になると、人間関係も希薄になっているから、その分だけ、
騒ぎやすいというわけか」
M「そうなんだよな。もらえるべきものは、もらうべきという、おかしな平等意識
ばかり、強くてね」と。

●教訓

 繰り返すが、こと遺産相続に関しては、書類に始まって、書類に終わる。
その書類を、しっかりと整えておくこと。
さらに土地の権利関係においては、書類がすべてを物語る。
これは鎌倉時代の、地頭の時代からの常識。

 ずっとあとになって、「そんなつもりはなかった」と言っても、
それこそ、「あとの祭り」。
実印を捺印するときはもちろん、署名するときも、それなりの覚悟と
確認をしっかりとすること。

 遺産相続問題がからんでいるときは、なおさらである。

●付記

 こうして兄弟姉妹が、バラバラになっていくケースは、たいへん多い。
ざっと私の周辺をながめてみても、すんなりとこうした問題が片づいていくケースは、
10に、1、2もない。
言い換えると、兄弟姉妹に幻想はもたないこと。
甘えはもたないこと。
その(甘え)が、騒動を大きくする。

 だからくしくも昔の人はこう言った。
『兄弟は、他人の始まり』と。
まさに核心をついた言葉である。


Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司

●認知症

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認知症は、こわい!

昨日、こんな話をワイフから聞いた。
何でもその女性の義母(68歳くらい)が、
毎晩のように、こう叫ぶという。

「ワシ(=私)のサイフを、嫁(=その女性)が盗んだ!」
「嫁が、夕飯を食わせてくれない!」
「嫁が、土地を勝手に処分してしまった!」と。

68歳と言えば、まだ若い。
ワイフは、「若年性アルツハイマー病らしいわね」と言ったが、
その可能性は、高い。
そういう話は、よく耳にする。

で、その母親には、3人の娘がいる。
その3人の娘が、義母の話を真に受けて、その女性に対して、
よくない印象をもち始めているという。
つまり、疑いの目で、その女性を見始めているという。

「私がきちんと説明しても、横目で、『そうかしら?』と、
いかにも疑っていますという顔で、私を見つめるのね」と。

で、その女性が夫(=母親の実子、長男)に、「お母さん、おかしいから、
病院へ連れていってみたら?」と声をかけるのだが、この夫が、また
たいへんなマザコン。

そのつど、「母は、何ともない」「お前がしっかりしろ」と、
反対に怒鳴り返されてしまうという。

で、こうなると、打つ手なし。
3人の娘たちは娘たちで、「自分の相続の取り分が少なくなる」と、もう、今から
そんな心配をしているという。


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