夕霧の烏帽子

クラシックバレエと
仕事と宝塚を生きがいにしている
50代の徒然を書いてます。

発表会 その5  本番です。

2006年07月31日 | バレエ
「眠り」のゲネが終わって楽屋に戻ったら、友人からぬいぐるみ電報が
届いていた。改めて、これから自分にとっての本番である事を自覚したら
怖くなってきたのだけれど、贈られてきたモーリー君をなでなでして
いたら、なんとも気持ちが安定してきた。
実は私はタオルフェチでして、未だに中学生の頃から使っている
お気に入りのタオルケットをハンカチサイズになっているのに、握り締めて
寝ているヤツである
そのタオルフェチの私にとって、とても安心できる気持ちの良いモーリー君の
ぬいぐるみを友人が贈ってくれた。モーリー君を抱きしめている私を見て、
先輩が「未だに貴女はそういうものが好きなの?」と尋ねてくる。
・・好きとか、そういう問題じゃなく、安心できる存在が傍に居てくれる。
いつも応援してくれる友人達が私の傍に居て安心させてくれる。
これって大きいよ。

「友人の踊り」の頭に戻して、お化粧直しをして衣装に着替える。
開演のベルが鳴っている。
一部のバレエコンサートではすぐに出番になる。
舞台の袖に控えて、
其々に衣装チェックをしていたら、友人から「頭・・付いていないよ!!」と
言われる。
・・・あ、頭飾りを忘れていた
「大丈夫、まだ間に合うから取ってきて!!」と皆に言われて、楽屋に取りに戻る。
楽屋で頭飾りを付けて、モーリー君を触って、楽屋を出た。
「焦らない、焦らない」

袖で頭飾りをチェックして貰い、一緒に踊るクラスの皆さんとM先生と
円陣を組む。
「がんばろうね~~~オ~~~~っ

暗転で板付き。
後ろに並ぶ先輩が何かを言っている。
出番前に「おかしかったら言うからね」と言われていたので、立ち位置が
おかしいのだろう・・と、ちょっと位置を替える。
ライトが付いて始まった。
・・・最初にあるパッセが落ちたら緊張が解けた感じがした。
笑って踊っている自分が分った。
途中、待ちのポーズで軸足を間違えた事に気が付いて、落ち着いて変えている
自分が居た。
コーダでは私の前で踊っている先輩の音取りがなんだか変で、どうしたら
良いのか迷ったけれど、何時も通りに踊った。
そう言えば、ゲネの時に「音が聞こえない」と先輩が言っていたような
気がする。私は自分の事で手一杯だったから気にもしていなかったの
だけれど・・・・後で聞いたら皆さんはしっかりと「何時も通りの
音取りをする。迷わない」と、打ち合わせをしていたそうだ

最後のソッテで袖にいる先生の顔が見えた。
アンデオールしないといけない・・・。自分では精一杯のアンデオール。
レベランスをして、袖に入る。一番奥にあるセットまで走り切った。


楽しく踊る事が出来た。
笑いながら踊る事が出来た。
自分の中では十分に踊った・・・。嬉しかった。

今、思い出しても涙出てくるね。

さっきテレビ東京でみた「豪腕コーチング」で頑張った二人を引きずっている
みたいです