あるマーケティングプロデューサー日記

ビジネスを通じて出会った人々、新しい世界、成功事例などを日々綴っていきたいと思います。

あるプロデューサーとの出会い3

2007-10-11 23:15:30 | 出会い
Tさんは、大学卒業後グレイ大広で数年仕事をし、その後マーケティングプロデューサーとしての道を歩み始めます。

ただ、当時の日本にはまだマーケティングという言葉は浸透しておらず、ハーバードとスタンフォードで学んだとはいえ、一介の若者に仕事を任せてくれる企業はなかなかありませんでした。

「生来僕は、負けん気が強くてね(笑)。当時はとにかく、実績を作ることに必死だった。マーケティングといっても、基本はシンプル。商品をいかに市場に普及させ、顧客満足を作るかだ。昔、松下幸之助が全国に販売店網を作ったのも、立派なマーケティング政策だ。そういう意味では、日本という国にあったマーケティングスタイルは必ずある。日産のカルロス・ゴーンの改革は、マスコミは良い時だけ散々囃し立てるけど、10年20年のスパンで見た後に本当の真価が問われると僕は思うよ」

負けず嫌いのTさんは、有名コンサルタントで前マッキンゼー日本支社のトップでもあったO氏とも、大手企業のプレゼンで対決したこともあったそうです。

娘さん二人は、それぞれ留学先のイギリス人とフランス人と結婚し、2人のお孫さんもいるTさん。

「イギリス人の方は、やはり大英帝国のプライドを感じるね。一方、フランス人の娘婿は優しいんだよ。“将来日本で暮らしたい”って言ってくれている。同じヨーロッパ人でも、イギリスとフランスは気質が全く違うね。あとイギリス人と一緒になった娘が、以前旦那と孫を連れて日本に遊びに来てくれたんだ。男の子なんだけど、まだ5歳の孫が“イチバン、イチバン!”って叫ぶんだよ。僕と同じ負けず嫌いな血が流れているんだと思うと嬉しかったね」

そう語るTさんの表情は、やり手のプロデューサーの顔ではなく、また孫と会えるのをとても楽しみにしている好々爺の顔でした。

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