『技術への進化論の応用』 で書いたように、私は圧縮スプリングの最適設計を
するためのExcel_VBAをつくり利用しています。
本日、別部門の設計者が設計した圧縮スプリングを評価する依頼をうけました。
このVBAで検証した結果、設計NGという結果となりました。
設計自体はまちがっていません。しかし、公差解析(品質工学でいう許容差設計)を
おこなった結果、量産時の不適合品率が4%以上でした。
VBAをつかった最適化設計をすると不適合品率は0.1%以下の設計諸元が見つかりました。
設計者の上司はかなりのショックを受けていましたが、これは設計者の設計ミスでも
上司の検図ミスでもありません。それほど、スプリングの最適化設計は難しいのです。
最適解はそんなに簡単には見つからないのです。
最適設計をするには、『進化論』 を応用するしかありません。
設計上の制約の範囲内で、スプリングとして成立しようがしまいが、スプリングの形を
とれるものをすべてコンピュータ上で作り上げます。
つぎに、スプリングとして成立できるものだけを残して、あとは淘汰します。
最後に許容差設計をして、すべての諸元が公差内でばらついても、もっとも安定的な
諸元を見つけ出す。という戦術をとります。
VBAで多少時間がかかっても(1時間くらい)一発で最適解をみつけることができます。