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QT Lab.品質・技術研究室

技術者のための品質工学、品質管理、統計学、機械設計、信号処理を
解説します。

QT Lab.品質・技術研究室 室長よりお知らせ

2015-01-21 20:16:54 | 技術・エンジニア

 昨年末にホームページ版 『QT Lab.品質・技術研究室』を引っ越ししました。
 しかし、全然更新できていません。

 というのも以前のOCNさんにお世話になっていたときには、OCNさんが提供していた
ソフトウェアで、書きたい内容を自動的にHTML化することができていたのですが
今回からお世話になる『さくらネット』さんからはこのようなソフトウェアの提供がないためです。

 そのため、HTML記述を今、勉強中です。しかし、提供されていた制約の多いソフトウェア
よりも、自分の望みどおりのデザインや動作ができそうで、勉強も楽しくなってきました。

 少し時間がかかるかもしれませんが、がんばって、技術者をきっちり支援できるサイトを
めざしますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 さて、一昨日ですが、自分の著作 『目指せ!最適設計 実践・公差解析』がAmazonさんで
機械工学のベストセラー第5位になっていて、びっくりしました。もちろん、瞬間最大ですが。

 拙書をご購入いただいた方々にとって、少しでもお役にたつことができれば、幸せです。

 そして、品質工学の静特性、望目特性のSN比に関する問題提起について、いろいろな
先生方からご意見、ご指摘をいただき、私のなかでとても盛り上がってきています。

 懇意にしていただいているQE関係の方々にも、これからどんどん相談して、QEの発展に
すこしでも貢献できれば・・・と思う今日この頃です。

 ご意見・ご指摘をいただいているある先生がSN比についてこのようにたとえておられる
ことを紹介します。

 『SN比はレーダーである!』



 


技術者にとっての仕事にたいする思いとは

2014-12-05 12:13:54 | 技術・エンジニア

 昔は・・・だった。とか、俺たちの若いころには・・・ などというとかなり脳の老化が進行し、
記憶の劣化が進んでいることを十分認識しつつも

 私は入社4年目から、約3年半にわたって4機種のタイムレコーダを連続して開発しました。
 一番最初に開発した機種がもっとも汎用性が高く非常に広い仕様をカバーするべき機械
だったので、タイムレコーダに関する膨大な知識を得ることができました。

 最後に開発した機械は、当初おどろくほど低いコストを設定され、それを満足するために
メカニズムを主体とした構成で、試作完成時点でいろいろな方々に
「お茶を運びそうだな」などといわれたカラクリ装置の様相を呈していました。
 この機械の正式出図がすみ、ドキュメント整理や金型業者対応のために休日出勤
していたところ、当時の社長がご自宅からプロジェクトリーダの私に直接電話をかけてきて、
「あんな機械すぐ中止にしろ!」 といわれました。わすれもしない、1987年6月10日
(時の記念日)でした。

 社長には安いだけで、全く魅力が感じられなかったようです。そのため、金型製作などを
ストップして、全く別なコンセプトで再設計することになりました。

 しかも、ある式典に間に合わせるため、設計期間はわずか3か月、そして、今までにない
機能を多数組み込む、というめちゃくちゃな要求でした。

 しかし、予定より12日遅れでしたが、設計開始からちょうど100日で出図することが
できました。そして、ある式典に試作を20台初公開したところ、当日に1万台の注文が
はいり、翌日の午前10時までにさらに5千台の注文が・・・
 
 当時の工場の容量を軽くオーバーしてしまったため、その直後から受注を停止することに
なりました。

 ディーラーにとってはそれほど魅力的に映ったのです。なにしろ、今までにない機能が
多数盛り込まれていて、しかも、安いのですから。

たぶん、タイムレコーダとしては、世界一売れた機械だと思います。

数年前、深夜アニメでその機械が登場したとき、なんともいえないうれしさを感じたものです。



 なぜ、短時間で新規機能を多数盛り込んだ機械が開発できたのか?

 その機械の開発設計にたずさわった技術者が、1機種開発が終わるたびに、
「こういう機能があるといいな。それには・・・すればよいかも?」などと、常に自分たちが
つくりたいタイムレコーダの機能に思いをはせ、それの実現方法を常に考えていたから
だと思います。

 技術者の仕事に対する姿勢は、
「なにができるか?ではなく、なにをしなければならないのか?なにを実現したいのか?」
ということが重要だと思います。


QC検定2級試験

2014-09-22 20:59:47 | 技術・エンジニア
 先日、日本規格協会さんに発注した第18回品質管理検定の試験問題が
手元に届きました。
 封筒を開いて偶然手に取ったのが2級の問題でした。
 さて、第1問をみると・・・あまりいい問題とはいえませんね。
 品質管理手法の計算知識を問うというより、数学パズルの問題ですね。

 第1問がこれでは、多くの受験者がかなり時間を消費してしまい、100問も
ある試験の時間が足りなくなってしまったことでしょう。

 この問題の解答も規格協会のホームページにアップされていますが、この答を
みても、なぜそうなるのか?を解決できた方は少ないのではないでしょうか。

 そこで、ホームページ版『QT Lab.品質・技術研究室』がgooさんに引っ越しする
まで、待っていられなくなりました。

 次回のブログから、第18回品質管理検定の試験問題の解説をはじめます。
 
 まず、2級、そして3級の『手法編』問題を解説しますので、ご期待ください。

 ところで、先週急にスパゲッティ・ミートソースが食べたくなり、日曜日に
つくるぞ、ときめたので、土曜日は燻製をつくることにしました。

 なぜかというと、ミートソースには牛ひき肉以外に、鳥レバーのスモークを
隠し味にすると、抜群においしくなるからです。

 せっかくスモークをするので、例によってスペアリブのスモークチャーシュー、
豚タン、味玉、チェダーチーズ、鳥手羽先などもスモークしました。







 豚タンは今回も絶品でした。

 スペアリブスモークチャーシューは妻に絶賛されました。

圧縮ばねの設計

2014-06-24 21:02:41 | 技術・エンジニア

 『技術への進化論の応用』 で書いたように、私は圧縮スプリングの最適設計を
するためのExcel_VBAをつくり利用しています。
 本日、別部門の設計者が設計した圧縮スプリングを評価する依頼をうけました。
 このVBAで検証した結果、設計NGという結果となりました。
 設計自体はまちがっていません。しかし、公差解析(品質工学でいう許容差設計)を
おこなった結果、量産時の不適合品率が4%以上でした。
 VBAをつかった最適化設計をすると不適合品率は0.1%以下の設計諸元が見つかりました。

 設計者の上司はかなりのショックを受けていましたが、これは設計者の設計ミスでも
上司の検図ミスでもありません。それほど、スプリングの最適化設計は難しいのです。
 最適解はそんなに簡単には見つからないのです。

 最適設計をするには、『進化論』 を応用するしかありません。

 設計上の制約の範囲内で、スプリングとして成立しようがしまいが、スプリングの形を
とれるものをすべてコンピュータ上で作り上げます。

 つぎに、スプリングとして成立できるものだけを残して、あとは淘汰します。

 最後に許容差設計をして、すべての諸元が公差内でばらついても、もっとも安定的な
諸元を見つけ出す。という戦術をとります。

 VBAで多少時間がかかっても(1時間くらい)一発で最適解をみつけることができます。

 


ドラム式洗濯機 ダクト清掃装置

2014-06-15 10:21:32 | 技術・エンジニア

 以前、『システムに埋め込まれたトラブルの遺伝子』 で書いたようにドラム式洗濯機(特定のメーカーだけでなく)の構造上、ダクト内にダストが堆積、固着してしまう品質上の問題があることを知りました。
 そこで、毎回乾燥後にはフィルタボックスを清掃していますが、以前紹介した 『トイレカップ』 に 替えて、先月末ごろから”新兵器” を投入し非常に大きな効果があがっています。
 その新兵器は、綿棒の樹脂ケースと塩ビの配管部品で作成しました。

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  洗濯機のフィルタボックスをいれる部分はこんなかんじで、写真下側の丸い穴から空気がながれ、フィルタを通ってドラム内に空気をもどす構造になっています。

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 綿棒ケースの全長がフィルタボックスの幅と、そして、直径はダクトの穴径とほとんど一致しています。これをセットして掃除機で吸うのですが、秘密兵器にしかけたネットには毎回、ダクトからはがれた固着して固くなったダストのかたまりがとれます。
 今回の ”収穫” は少なかったのですが、毎回この清掃を行うことで、動脈硬化は防げそうです。

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