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EDGE



前半は世界各地でおこる、一見 関連性の無いような事件をそれぞれ丁寧に描いているため
なんとなくかったるい印象を受けるが、これは鈴木光司のお得意の手法とわかっていれば、何の苦もない。
すべてが後半への伏線なのだ。
後半、たたみかけるように すべての出来事はつながり、この物語は「ある結末」をむかえる。

主人公がその過程を解き明かす様は、とてもサイエンスティックで複雑だが
どんどん引き込まれてしまう。そして、
これはフィクションではなく、本当に起こる事なんじゃないかと思ってしまうほどの説得力だ。


「リング」では、怨念とウィルスの増殖
「らせん」では、再生
「ループ」では、仮想世界

それぞれのキーワードに親子愛を盛り込んで、綿密につくられたエンターテーメントホラー小説だ。

しかし、本書はけっして「ホラー小説」ではない。
ホラーなんて言葉でくくってしまってはいけないほど壮大な「歴史と科学への挑戦状」なのだ。

「宇宙の起源を解き明かし、世界の結末を見てみたい」と鈴木光司は常々語っている。
自分なりの仮説と解釈でたどり着いた先がこの物語だ。

「EDGE」のキーワードは、その単語こそ出てこないが「マヤ暦とアセンション」だな。
本書を読むと、ホントに2012年に「何か」がおこるような気がする。

お~コワッ!


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