constructive monologue

エゴイストの言説遊戯

オーウェル2009

2009年07月21日 | nazor
ジョージ・オーウェルの代表的な小説である、『1984年』(早川書房, 2009年)および『動物農場――おとぎばなし』(岩波書店, 2009年)の新訳版が相次いで刊行された。

『1984年』は、2009年がちょうど出版60周年目にあたり、またその関連性が容易に推察できる村上春樹『1Q84』(新潮社, 2009年)の(過熱気味の)人気も相俟って、商業的な意味でも時に適った刊行だろう。また国際政治学の領域でも近年の「美学的転回 the Aesthetic Turn」の流れを受ける形で、オーウェルの政治思想に焦点を当てた研究が登場しており、それはまた学問としての国際政治学の黎明期に活躍した研究者や知識人の思想形成に注目する趨勢にも連なる(Ian Hall, "A `Shallow Piece of Naughtiness': George Orwell on Political Realism", Millennium, vol. 36, no. 2, 2008)。

一方『動物農場』に関しては、文学的意味合いとはまったく別の文脈で気にかかり、読み直そうと思っていたところであり、新訳版の出版はありがたい。どういった文脈なのかといえば、ザ・マッド・カプセル・マーケッツ絡みで、2008年に始動した上田剛士のユニット「AA=」は言うまでもなく『動物農場』の七戒のひとつ「すべての動物は平等である All Animals Are Equal」から採られていることにある。

AA= / PEACE!!!


AA= / ALL ANIMALS ARE EQUAL

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