constructive monologue

エゴイストの言説遊戯

高野と友川

2012年05月16日 | nazor

1)第58回江戸川乱歩賞が高野史緒「カラマーゾフの兄妹」に決まったというニュース。江戸川乱歩賞は、商業デビューしていない新人作家を対象しているとばかり思っていて、それゆえに同じミステリ関係の新人公募賞である鮎川哲也賞、あるいは後発組の「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の受賞作に比べて、近年の受賞作は、その読後感において次作への期待を抱かせるものではなかったというのが正直なところである。

ところが今回の場合は、高野の作品を既読済みであること、とりわけ現時点での「最新」長編である『赤い星』(早川書房, 2008年)の印象が強かったため、受賞作「カラマーゾフの兄妹」の内容は興味を引く。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』自体も広義のミステリに位置づけることができることを考えると、それをどのように料理しているのかが気になるところである。

2)「ナインティナインのオールナイトニッポン」をリアルタイムで聞くことは皆無になったここ数年であるが、まれに夜中覚醒し、途中から聞きだすことがある。5月10日の放送もそのような具合であったが、ラジオをつけたタイミングで、友川カズキ「生きてるっていってみろ」が流れてくる稀有な機会となった。後日ユーチューブで全編を聞き、話の流れ(志村けんのコント→ちわきなおみ「夜へ急ぐ人」→友川カズキ)を把握できたが、久しく忘れていた楽曲の存在を思い出させてくれることになった。

友川カズキ / 生きているっていってみろ


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