矢車草の咲く道を。

アートで穏やかで豊かな暮らしを。

感じて想う♪〜『ニーゼと光のアトリエ』

2017-03-15 10:14:19 | 映画館へ行こう!

映画の内容に触れます。



昨年末に観た作品、
『ニーゼと光のアトリエ』


たしか映画公開よりもかなり前に新聞で監督が紹介されていて、その記事を読んだ日から、ず〜〜っと日本で上映される日を指折り数えて待ち望んでました

ちょうど自分が臨床美術アートセラピーの中でユング心理学などを学んでいたときとも重なり、実在した人物、ニーゼ・ダ・シルヴェイラに強い興味を持ったからです。
もちろん監督のホベルト・ベリネールという人も!


ニーゼは1940年代にブラジルの精神病院で活躍した精神科医だ。物語の冒頭で、鉄の扉を叩き続けるニーゼ。私はその彼女の凛とした後ろ姿にまず胸を打たれた。このシーンだけで、ニーゼという人の人柄が圧倒的な強さを持って伝わってくる。
強さだけではなく、深い愛情が全体に滲み溢れているのだけど、私が好きなシーンは、ニーゼが家庭の中で夫や猫たちと愛に包まれながら暮らしている場面
。なんか、ほっとするんですね。


現場の病院では、日々格闘するような戦闘モードにはなるけれど、家に帰ればちゃんと家族がいて猫がいて触れ合いながら生活している部分がニーゼの中にある、ということ 家庭と仕事のバランスが内側から湧き出る自然な愛によって保たれているように見えるのです
仕事でどんなに辛く困難な状況に陥っても、そばにいて寄り添い支えてくれる夫がいる。猫たちと触れ合って優しく癒される
ニーゼという人が、愛の力を信じている人間だから、外に向かっても愛を持って立ち向かってゆけるのだと。


やわらかで清々しい自然重く分厚い鉄の壁

画面からは、そんな対比がいたるところで感じられます。

言葉を発するよりも、まずはじっくり観察する態度。心の感度を研ぎ澄まし、いつでもキャッチできるように見つづける
。 言葉がやたらと氾濫しているから、本当に必要な声かけから会話が始まり、真のコミュニケーションが成り立っていくのかもしれない。その積み重ねが信頼関係を築いていくのだと思う


まるでドキュメンタリーを観ているような感覚になるのは、これって演技なの?もしかして本物のクライアントさん?ってびっくりするくらい役者さん達の演技が素晴らしい
。 長い時間をかけて制作された作品には、目に触れないところでの努力が蓄積されているのですね。


粗暴な人が、絵を描くことで穏やかになっていったり、人に積極的に触れ合おうとしたり…
周りからやらされるのでなく
あくまでも自分の中から動き出していく行動に変化していく様子はほんと胸が熱くなります 自我や自意識を自分でコントロールできるようになるって事でしょうか


ラストにニーゼ本人が語りかけるシーンは、胸に突き刺さります。
なんか、子育てにも通じるものを感じたし、自分の事としても励まされた感じです。


この作品を見終わって、幸せな気持ちになれたのはなぜかな?と自問してましたが、それはあのセリフだったのだ、と
確信しました。 物語の終わりのほうで、あるクライアントがみんなの前で笑顔で言うんです。

僕は、大丈夫だよ…、居場所を見つけたんだ
ここで聞いてる仲間が「君の居場所はここじゃないよ!だって家に帰るんでしょ?」と。

それにまた満面の笑みを浮かべて
僕の居場所は、ここだよ!
自分の頭を指さすのです。

ああ! そうなんだよね! とすごく嬉しくなった瞬間


ああ、なんて心地いいセリフ

居心地のよい居場所が自分の中にあれば、生き抜いていける。そう信じて生きて生きたいし、人に対してもそう願わずにはいられない。だから、
祈る、のかもね

お知らせ☆

2017-03-13 14:53:07 | アートセラピー

昨年末で、障がい者施設での
色彩アートセラピーの活動が終了しました。

これに伴いまして、

子どもアート療法士・チャイルドアートカウンセラーとしての活動も終了致します。

さいたま市のN施設様には大変お世話になりました。ありがとうございました❤️




今後は、より幅広く自由な創作ができて心も解放される場作りを目指して精進していきたいと思います。

臨床美術士・子どもアートセラピーインストラクターとして、すべての子ども達、女性、障がい者児、心の病を抱えた人、認知症の方など、アートを通して繋がっていき、みんなが心豊かに平和に暮らせることを願い、を持って活動していきますね



どうぞよろしくお願いいたします

アトリエ ル・ブルエ主宰
曽根岡 舞子

【猫まみれ展】〜川越〜

2017-03-12 18:03:45 | 美術館へ行こう!
最終日、次男を誘い行ってきました。

川越市立美術館で今日まで開催していた

【猫まみれ展】 です



美術コレクター・招き猫亭さんが40年にわたり収集してきた作品‼︎


ご夫婦でのコレクション活動なんて、素敵です
猫・愛に溢れていました



とにかくたくさんの作品があり、知ってる作家、初めて見る作家。
種類も、油、彩墨画、浮世絵、版画、コラージュ、水彩、立体…とバラエティーに富んだ楽しい展覧会でした。


好きな作品が数点見つかりました


図録には猫歴史🐈を知る手がかりも…

私はまだ生きてる猫2匹の世話をするのと、写真を撮ることくらいしかできないけれど…

いつか猫をモチーフに絵を描きたいニャ〜

次男の卒業式♪

2017-03-10 20:55:08 | 庭と小鳥と雑草と…
息子がきょう特別支援学校を卒業しました

ちゃんとした卒業式に出席するのは次男が最初で最後となりました。長女・長男のときは、東日本大震災と重なり式は中止となってしまいましたから…。

きょうは、私の25年間に渡る子育て卒業の日でもあります


息子から私たち夫婦にあてたカードです


中身は華やかな雰囲気ですね〜。


先生がたの愛に溢れた素晴らしい卒業式でした




手作りのアルバムは、在校生や他学年の先生達からのメッセージもあり、写真も沢山貼っていただいて、もう泣きたくなるくらいの愛情がいっぱい溢れたもので、これは親子にとって宝物になりました
お見せできないのが残念ですが…





手作りの抹茶茶碗スイートピー


本当に、特別支援学校にきて
良かった‼️ と心から思いました
小学生から高校生まで、支援級や支援学校で学んだ時間はかけがえのない時間でもあり、周りの大人達と子どもの成長を共有できた時間の積み重ねでもあります


この3年間の積み重ねを糧にして、それぞれのを歩んで行って欲しい、と願うばかりです


息子はパン工房に就労が決まりました。


パン職人への夢を、黄金色の翼に託して‼️ さあっ、飛び立とう‼️

子育ては卒業するけれど、母は一生子どもの応援団長で頑張るぞ!

母親としての責任、主婦としての役目、妻としてのサポート。 ああ、結局、子育ては終わっても、
家庭マネジメントの仕事に終わりはないのよね〜

さっ、つぎは息子の個別支援計画書の作成やら受給者証と契約手続き、4月からは毎日送迎の仕事が始まるーーー



ワンオペ育児は続く…

美味しいもの食べて、ガハハッと笑い、笑顔で顔晴るしかないよね〜〜


障がい児と臨床美術〜《りんごの量感画》〜

2017-03-09 10:24:55 | みんなの美術
いつもの障害児デイサービス3月最初の美術は、

臨床美術のアートプログラムから

《りんごの量感画》 を制作しました。



青森のりんご、ふじ

障がい児と一緒のセッションは、何度かやってますが、毎回どうなるかな⁉️ドキドキワクワクでチャレンジしてます




前回は、モチーフのりんごにオイルパステルで描いた子がいたけれど、今回は男の同士で取り合いになったり、ちょっとだけかじる子がいたくらいでしたね〜。



スタッフさんとの合作もあり!



Mさんはいつもエネルギッシュ


ダウン症のmさんは、しず〜かに柔らかい笑顔で描いてたね



ぐるぐる描きが楽しそうなT君。不思議〜?みたいな表情が可愛らしい


hさんもニコニコしながら、ちょっぴりりんごをかじってたね



テーマが終わったら自由なお絵描きだー



おぉ! R君はやっぱりお気に入りキャラクターだね りんごをいっぱい触って満足したあとはマイワールドで遊ぶのね
今日のキャラクターの眼は…りんごのだぁ‼️


描きたいものが決まってるR君は、自発的に動けるから手出し口出しは無用なんだね


切って・貼るのが気に入ったような






久しぶりにプチ鑑賞会をしました。やっぱり自分の作品が前に張り出されて、ひとりひとりが主役になれる場っていいね。子どもたちの目のかがやき・集中力が俄然変わるシュ・ン・カ・ン




未知なる世界へと着地しました