BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

ダーウィンズゲーム 原作 感想: ストレスなく読めて楽しめるエンタメの良作!って感じ。

2020-02-28 12:41:03 | ダーウィンズゲーム

原作は未読だったのだけど、第7話『圧砕』まで見て、あれ、これ、もしかして面白い?と思って、原作を読んでみた。

そしたらサクサクと読めて、最新話(82話)まで一応フォローしたのだけど。

うん、これ、面白い。

いい意味で、昔ながらのマンガらしい元気・楽観主義があり、同時に、今どきの多様なコンテントの流行りが、それほど無理なく「てんこ盛り」になっていること。

なんていうか、コードギアスから厨二色を抜いて平行世界要素を入れた国盗りゲーム、とう感じかな。

まぁ、そこまで脱色すると、今どきの物語はたいてい当てはまっちゃうのだけどw


ともあれ、思いつくままに、そういう原作全体の特徴を挙げていくと、

主人公のスドウカナメ(須藤要)は、今風の「やるときはやる悩める俺強ぇ!」系。

慎重かつ面倒見のよい兄貴気質のところもあるので、物語が進むうちに、どんどん周りを率いるリーダーとして台頭していく。

もっとも、半分くらいは、周りの人びとが(それこそゲームマスターも含めて)カナメの将来性に一目置き、むしろ、向こうの方から彼の下に集ってくるというノリなのだけど。

このあたりが、厨二病じゃないルルーシュといいたくなるところw

ともあれ、特に物語が進むにつれて、カナメによるクラン(=ギルド)間の調停が次々となされていくため、途中から、ルルーシュ的な「国盗り」ゲームの様相が増していく。

まぁ、このへんは、連載掲載誌に「チャンピオン」という名がつくことからもわかるように、単純に、ヤンキー同士のチーム抗争という側面もあるのだけどw

でも、もしかしたら、最近のはやりからすると、チャンピオン的なマイルド・ヤンキーなトーンが主人公キャラとしてメジャーじゃないのか?とも思えてきた。

あと目についたのは、年長者や実力上位者の中から、むしろ、カナメの潜在能力を引き出すことに面白みを抱いてしまい、積極的に助力を申し出るくらいものが続いてしまうこと。

このあたりは、『ダンまち』のベルくんみたい。

これも物語が進むうちに明らかにされるのだけど、どうやらこのダーウィンズゲームは、然るべき敵の襲来に備えて実力者による抵抗勢力を自発的に組織するためのものだったらしい。

その流れの中で、カナメは、統率者としての「王」の候補者になっていく。

つまり、ベルくんみたいに「英雄」となることが運命づけられた主人公。

それでいて、カナメ個人の攻撃能力は、武器をその場で創造する異能である『火神槌(ヒノカグツチ)』によって、ほとんどワンマン・アーミーのような突破力をもつことになる。

このあたりは、『ありふれた職業で世界最強』のハジメのようなものw

なにしろ、都合よくどんな武器でも作れてしまうから、一種の錬金術士だよね。

でも多分、その「創造」能力は、この先、もっと巨大なもの、あるいは想像を超えたものの創造にも発揮されることになるのだと思う。


で、そんなカナメを取り巻く環境がどんどん広まっていく中で、突然、というか、実際にはタイミングよく、異なる平行世界で、似たようなダーウィンズゲームに取り組んでいる者たちと接触、交戦し、最後には、そちらの世界に転移してしまう。

さらに、これもまたお約束ではあるけれど、当然のごとく、その平行世界から元いた世界に戻るとすでに世界=シブヤは破壊しつくされ、さらに、時間ははるかに進んでいて、5年後の世界になっていた(←イマココ)、ということになる。

だから、この先の展開としては、多分、カナメは、平行世界の能力者たちとも協力して、この全ての並行世界の収束点?としての「災厄」の排除に乗り出す、ということになるのだろう。

ただ、これもまた、今風の話らしく、時間軸は、平行世界を減ることで、前後しているようで、他の世界では、カナメたちの世界を襲ったシブヤ崩壊の惨劇は、はるか太古の歴史として語り継がれているものだったりする。

だから、正しく平行世界を含む物語のあり方として、現在と未来、過去が相互に入り組むような世界観といえばいいか。


・・・ということで、これ、結構、フツーに面白いw

まだ全体を通しで読んだだけなので、細部でいろいろ見落としているところもあるだろうけど、それでも、物語の展開がバランスよく考えられている、と感じる。

そもそも、物語のはじめから、人間が転送されるなんて不可解なことが起こっているから、ダーウィンズゲームのアプリが、超常のオーバーテクノロジーであることは自明なのだけれど。

それを最初の間は、その「異常さ」に読者も慣れさせるという点で、カナメたちプレイヤーに普通にゲーム攻略をさせていく。

で、そのゲーム攻略に一定の理解が、作中人物も読者もともに得られた、と思えたあたりから、ゲーム攻略自体は脇において、とっととゲームそのものの謎に挑もうとするわけで。

その展開の速さがいい。

このあたりは、ほんと、コードギアスっぽい。

敵と思っていたものが容易に味方になるし、その人たちも含めて次のステージに向かうということ。

あと、ゲームマスターもどうやら中ボスに過ぎないというのも、早々に明かされて、となると、このダーウィンズゲームの開催自体、ゲームマスターによる「やがてくる災厄」に対する抵抗策の一環だった、ということもわかって。

必要悪による屍の上で、「さらなる巨悪?」に備える、という展開。

このあたりは、『進撃の巨人』に近くて、二転三転は当たり前、という感じ。


・・・というわけで、『ダーウィンズゲーム』、思っていた以上に面白いので、これは、できれば、アニメの方も長く続けてもらえるといいのだけど。

ただ、原作でもわりと重要な役割を担っている刑事のおっさんが、アニメ版ではまったく登場していないので、多分、今回アニメ化されただけで続きはないのだろうな、とは思っている。

実際、刑事の部分は、さしあたって、なくても物語は流れるし、実際、そのほうが展開もスピーディになるのは事実。

ただ、後々、刑事、あるいは警察という司法機関の関わりは、この物語が「異世界?からの侵略者からの地球の防衛」というフェーズになったときに、物語を前進させるためには必要なものである。

だから、それが端折られているということは、この先のアニメの展開は推して知るべし、ってことなんだろうね。。。


まぁ、個人的には、あれ、これ、異世界に行っちゃったら、きっと戻った時、ウラシマ効果が発動しているよね?と思っていたら、そのままの展開になったので、そのわかりやすさにちょっとうれしくなっていたのだけど。

もっとも5年後、というのは微妙なところで。

以前は年下だった幼女キャラが、勝ち気で実行力も備えた少女キャラに転じている、というくらいの時間の流れで。

そのあたりも含めて、ストレス少なく、読みやすい物語であることはまちがいない。

ということで、連載の続きも楽しみ。


でもね、とにかく、よくも悪くも、今どきの面白さがてんこ盛り。

となると、次に気になるのは、終盤に向けて、どうこの「今風」な要素の山を畳み込むか、というところだよね。

その結果で作品の評価も割れるはず。

ともあれ、こういった感じで、安心して読める物語なので、結構、オススメですw

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 痛いのは嫌なので防御力に極... | トップ | とある科学の超電磁砲T 第7話... »

ダーウィンズゲーム」カテゴリの最新記事