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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

西尾維新 『余物語』 感想

2019-07-01 17:03:29 | 西尾維新
阿良々木くんの大学生シリーズ、てか、モンスターシーズンだっけ?の第3弾。
発売後、わりとすぐに購入していたのだけど、読むのにここまでかかってしまった。
いまさらだけど、とりあえず、スペース開けときます。




































いやー、しかし、つまらなかった!
多分、物語シリーズの中で、一番、つまらなかったかな。
読み進められなかったのも、簡単に言えば、そのせい。
で、最後まで読んで、更に徒労感が増して。。。

えーと、もう児童虐待ネタ、マジでいいよ。
てか、そのネタ自体が、とんでもなくゼロ年代的でまず古い。
しかも、虐待ネタ、前回の『宵物語』で使ってたじゃん。

いや、まぁ、その連続っぷりをごまかすために、わざわざ老倉に、阿良々木くんは「児童虐待の専門家」、と言わせたのだろうけど。
もしも、このまま虐待ネタでモンスターシーズン終わるのなら、さすがに、物語シリーズも辞めどきかな、と思ってしまう。
まったくもって、人に勧められるような出来ではない。


今回、真面目に本気で何の盛り上がりもなく、見せ場もなく、ダラダラと状況説明ばかりが続くばかり、マジで退屈。

事実上、登場人物は、阿良々木くんと斧乃木ちゃんの二人で、会話はほぼこの二人によるもの。忍すら出てこない。
あとは、今回の事件を持ち込んだ阿良々木くんの大学の(ニセ)教授。
この人の心情を吐露した暗号化された手紙による告白があるばかり。

そして、なんかよくわからないうちにこの事件がおわったところで、まさかの羽川登場。
そして、羽川+阿良々木で、なぞとき、というか、今回のオチの解説。

で、なにが今回、最悪か、って、その先生が怪異だった、というのが、このオチのところで「語られる」ところね。
しかも、このオチについての、羽川との対話が、今回の最大の見せ場になるのだから。
さすがに、これは禁じ手だろう。
呆れる。

もちろん、羽川とのやりとりが見せ場になるのは全く問題ないのだけど、だったら、そこまでの展開を、『暦物語』のときのエピソードくらいの、せいぜい50ページくらいにして、おもむろに羽川登場、という方がよかった。

明らかに今回の中盤は、どうでもいい水増し。
いや、どうでもいい水増し、も西尾維新の常套手段であるのだけど、どうでもよくても「面白い」のが常道。今回は、それすらなかったからね。

で、察するに、最後に加えられた短編「よつぎシャドウ」のところで扱われた、撫子のお話のほうが本流のように思えるのだよね。
だから、前半の「よつぎバディ」のパートは、要するにこの事件の結果、斧乃木ちゃんが阿良々木から追放されて、撫子の家に事実上、居候するためだけの事件だったという気がする。

となると、きっとモンスターシーズンの本領は、撫子と斧乃木ちゃんの方にあるのだろうな、と。
てか、もう撫子って、ジョジョの岸辺露伴ポジションだよね。
モンスターシーズンは、だから、撫子のスピンオフのための舞台づくりなんだよ、きっと。

あとは、斧乃木ちゃんが阿良々木家から離れることで、いよいよ月火のラスボス化が生じて、というか、彼女が本気で「モンスター」と化して、
「撫子+斧乃木ちゃんvs月火」
のマッチアップが行われるんだよ、クライマックスとして。

だって、月火の話って、まだ本格的に扱われてないものね。

で、大学生の阿良々木くんが抱える最大の危機になって、そこに羽川やガハラさんも参入ってことになるんじゃない、特別にw

てか、それくらい、うまくキャラを使ってくれないと困る。
要は、戯言シリーズにおける「ネコソギラジカル」的な展開。
で、それは、阿良々木くん個人の闇の問題が、一応「終物語」で解決しているからこそできる話だと思うんだよね。
大学生の阿良々木くんは、メンタル面ではもうブレない、ということで。

そういうふうに持っていってくれないかなぁ。
ともあれ、次巻あたりは、撫子の話を扱う方が、後に置かれているにもかかわらず中編だった、という構成を期待。

良くも悪くも阿良々木くんはもう直接的には目に見えて成長はしないので、その成長の部分のすったもんだは、撫子の方に担当してもらって、ラスボス月火とガチでやりあう、というのでよろしくw

ともあれ、ホント、この『余物語』はつまらなかった。退屈だった。
弁護する余地が全く無いよ、マジで。
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