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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

とある科学の超電磁砲T 大覇星祭編 感想: 15話で終わってみれば「監督・食蜂操祈/主演・御坂美琴」の典型的なお姫様救出劇だった!

2020-05-25 10:47:47 | 超電磁砲/禁書目録
改めて大覇星祭編を振り返って痛感したのだけど、このエピソードは、ホント、シナリオがよく考えられている。

今までの常識を覆すような仕掛けがてんこ盛り。

それもこれも食蜂操祈の「心理掌握」という人身操作の異能があればこそなのだけど。

その結果、いつものメンバーが、全く異なる動き方をするようになり、最後までどう収まるのか、予想がつかなかった。

いや、もちろん、最終的には「いつもの日常」に戻ることは当然視していたわけだけど。

問題は、それが「いつ、どういう風に」回復されるのか、ということだったわけで。

その点で、レベルの異なる「ミステリー」が多数埋め込まれていて、面白かった。

メタ、の上に、メタが重なって、メタメタメタ・・・、となる仕掛けが多重掛けされていた。

ホント、記憶操作、認識操作の能力って怖い。

物語の語りのフレームそのものを変えてしまうから。

確か、新約の禁書目録の最後の方で、黒子が、いつの間にか、美琴の隣を占める役割が食蜂に変わりつつあることに驚愕して、みさきちに対して「この泥棒猫が!」と怒りを上げていたのだけど、まさにその出発点になっていたのが、外伝の方のこの「大覇星祭編」のエピソードだったんだな、と思った次第。

だって、大覇星祭編って、終始、美琴は助けられる側でしょ、助ける側ではなくて。

何が凄いって、タイトルは『超電磁砲』っていいながら、今回、美琴がレールガンをぶっ放したの、第1話くらいじゃない?

というか、事件の解決にそもそもレールガン、全く使われていないからw

むしろ、美琴自身は、最後は、完全に上条&削板のタッグに、とりわけ上条さんに「竜王の顎」で救ってもらう「お姫様」ポジションだよね。

つまり、美琴が完全に「表のヒロイン」。

で、そうして美琴が上条さんに再び胸キュンになるような状況に対して、事件の真相に、事実上、一人で挑んでいったのが、みさきちこと食蜂操祈。

良くも悪くも、美琴が「お姫様」となるプロットを組んだのは、そしてそのために基本的な人物の配置をしたのは、みさきちだった。

そう思うと、削板の乱入にしたって、むしろ、プロットの人工性をごまかすための、ノイズとしての投入にしか見えなくなるから不思議。

ということで、食蜂は「裏のヒロイン」と言っていいでしょ。

要は、終わってみれば、美琴&みさきちによるダブルヒロインの物語だった、ってことで。

むしろ、事件の解決に奔走したという点では、大覇星祭編については

『とある科学の心理掌握』

ってマジで言ってもいいんじゃないかな。

それくらい、みさきちの一人舞台だった。

もちろん、彼女の場合、その「人を操る」能力から、何をするにしても実行部隊は彼女自身ではなく、彼女が「心理掌握」した第三者たちになるわけだけど。

良くも悪くも「裏方」であり「黒幕」のポジション。

でも、そうして人びとを操りながらも、大きな計画の遂行を指揮するのはあくまでもみさきちだった。

これは、同じレベル7の超能力といっても、アクセラレータや美琴、あるいは第4位のむ麦野なんかとは全く位相の異なる能力。

美琴たちのように物理事象には直接干渉できないけれど、かわりに人を介してならなんでもできる。

もっとも、その分、孤独にもなるわけど。

それこそギアスを用いて人を操るルルーシュではないけれど、「王の力は孤独にする」。

みさきちの場合は、「女王の力は孤独にする」、だけど。

まぁ、だから、彼女の能力を跳ね返すことのできる美琴には素直になれるのだろうけど。


しかし、ホントに美琴とみさきちのダブルヒロインだったな。

今回の場合、みさきちが記憶を操作して、いつもの美琴チームである、黒子や初春、佐天さんが、直接、美琴の仲間としてバックアップに回ってくれなかったことも大きい。

その結果、美琴は単身で動くしかなくなった。

いや、かわりに、婚后さんたちが尽力してくれたわけだが。

ただ、その分、黒子たちうるさい外野なしに、最後には上條さんだけによって助けられる、という「お姫様」を演じることができたのだけどね。

そして、その状態、というか人員配置まで指揮棒を振ったのが、みさきちだったのだから、やっぱりこれは『とある科学の心理掌握』と名付けるべきだよなw

その後の、黒子vs警策、のマッチアップまで含めて、全部、みさきちが割り振ったのだから。

で、そんな「黒幕」たる食蜂操祈が、では、なぜ、そのような動きにでたかといえば、それは15話で明らかになったように、ひとえにドリーのためだった、というわけで。

もっとも当初は、エクステリアを含めて木原幻生たちの動きに対抗することが動機だったと思うので、最終的にドリー(2号)と再会できたのは、みさきちにとっても嬉しい誤算だったはず。

ホント、幻生に勝ててよかったよね。

でも、それもまた、ルルーシュっぽく(あるいはデスノートのライトっぽく)、自分が負けるほうに賭けていた、という計算高い思考能力があればこそのことだったのだが。


ということで、

いやー、大覇星祭編、やっぱり見どころ満載だった。

別にまだ2周目の視聴を実施しないでも、こんなふうに思えるのだから、やっぱりもう1回、最初から見直したら、新たな発見がいくつかあるのだろうな。

久しぶりに禁書の世界を面白く感じられたよw

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グレイプニル 第8話 『記憶の影』 感想: どう見てもこの世界は2周目の世界だが、果たして1周目で修一は何をしくじったのだろう?

2020-05-25 01:37:54 | グレイプニル
とうとう、子どものころに修一が通っていた山田塾が登場。

といっても、修一の塾での友だちたちの姿はまだ明らかにされず。

その一方で、今回の最後の場面では、エレナの仲間も全員、登場。

って、直人、ってちゃんともう名前出てるじゃん。

いずれにしても、このあたりから、物語のトーンは大きく旋回するからね。

でも、じっくり改めて見ると、いや、よく練られている。

とにかく、千尋、という、なんだよ「あざといケモミミ」かよ?、って一回思わせた女子に、その後、修一とエレナを細い糸ながら、きちんと繋がるバックドアの役割を任せるのだから。

しかも、エレナ以外ではいまのところ千尋だけが、修一の過去の断片を知っている。


ということで、これはすでにエレナと修一との間には一度、取り返しのつかないことが起きてしまった後の世界で、しかし、エレナとしては、2周目のアタックには修一を同行させたくない、ということで、彼の記憶を消した、ということだったんだろうな。

このあたりは、まだ原作でも明らかになっていないから。

ただ、すでに今回、修一自身が自覚していたように、彼の能力が、基本的に他者の力を引き出すための触媒のようなものであることはどうやら間違いない。

で、きっと、その力を酷使しすぎて、1周目のトライアルでは、修一は失敗してしまったのだろうな。

で、彼に想いを寄せていた(いる)エレナからすれば修一をもう巻き込めないと判断したということ。

でも、それで、たとえばスバルの能力が、どう決定打になるのかは、まだわからないけど。


ともあれ、物語は、このあたりから、修一の欠けた記憶を探すという、主人公と読者の双方にとっての疑問に駆られながら、過去に何があったのか、という探索ものにもなっていく。

いや、やっぱり、こういうの好きだなー。

今、目の前で起こっていることに対処しつつ、過去に起こったことを探り、現在との関わりを明らかにしていこうとする展開。

で、その鍵を握る役割が、要所要所に配置された、修一と関わりのある女性たち、というのが、どうにもズルいw

ただ、この時点では、山田塾の話が、あんなにも重くなるとは思わった。

完全に『あの花』のようなドロドロとしたのりになるから。

もっとも、小さい頃は塾に言っていた、というのは、たしか2話の時点ですでに、修一はクレアに言っていたんだよね。

あ、そうか、でも、その時、修一が思い出した塾は、記憶が改ざんされた結果、彼しか通っていないことになっていた山田塾だったのか。。。

・・・って具合に、物語が進むうちにだんだん、以前に修一の口から語られたこともどうやら鵜呑みにできない、という状態が増えてきて、それもまた、ミステリーと言うかホラーのテイストを増していくことにつながる。

いや、ベースは、異能力バトルなんだけどさ。


でも、ただバトルをやるのではなく、そのバトルを通じて、少しずつ修一の記憶の欠片も明らかになったり、あるいは、修一自体が、何か記憶が欠けている、ということに気づいていくことになる。

そして、それをサポートするのがなんだかんだ言って、修一激ラブ☆のクレアなんだよねw

とはいえ、クレアも本当のところ、エレナの妹なのかどうかも実は怪しいんじゃないかな、と思い始めているけど。

あ、そうそう、だからその点では、千尋が言っていた「クレアと修一は違う、だから、きっと一体化はできない」というのは、多分、違っていて、きっと、誰であれ、その人の能力を最大以上に引き上げる力が修一の力だと思うんだよね。

てか、そうでないと、クレアとの間で「合一」ができないから。


ということで、いよいよ面白くなってきた。

しかし、これ、いつまで放送するのだろう?

一つには、1クール、完走できるのか?であり、

もう一つは、1クールを首尾よく終えたとして、果たして2期は用意されるのか、ということ。

せっかく作画も演出もいい作品になっているので、できれば『進撃の巨人』のように全部映像化する、という方向に行ってほしいのだけど。

いや、マンガだと若干グダるところもあるけど、なにより、これ映像向きかつテレビ向きだと思うから。

ともあれ、次回も楽しみ。

次は、ツンツンしているクレアの活躍に期待したいw

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とある科学の超電磁砲T 第15話 『やくそく』感想2: 大覇星祭編って、実は、美琴&みさきちのダブルヒロインシステムだったんだ!

2020-05-25 00:04:04 | 超電磁砲/禁書目録
第15話の感想を視聴直後に書いた後、改めて大覇星祭編を振り返って思ったのだけど、ホントにプロットがよく練られているよね。

何が凄いって、タイトルは『超電磁砲』っていいながら、今回、美琴がレールガンをぶっ放したの、第1話くらいじゃない?

というか、事件の解決にそもそもレールガン、使われてないからw

むしろ、最後は、完全に上条&削板のタッグに、とりわけ上条さんに「竜王の顎」で救ってもらう「お姫様」ポジションだよね。

つまり、美琴が完全に「表のヒロイン」。

で、そうして美琴が上条さんに再び胸キュンになるような状況に対して、事件の真相に、事実上、一人で挑んでいったのが、みさきちこと食蜂操祈。

なので、食蜂は「裏のヒロイン」と言っていいでしょ。

要は、終わってみれば、美琴&みさきちによるダブルヒロインの物語だった、ってことで。

むしろ、事件の解決に奔走したという点では、大覇星祭編については

『とある科学の心理掌握』

ってマジで言ってもいいんじゃないかな。

それくらい、みさきちの一人舞台だった。

もちろん、彼女の場合、その「人を操る」能力から、何をするにしても実行部隊は彼女自身ではなく、彼女が「心理掌握」した第三者たちになるわけだけど。

良くも悪くも「裏方」であり「黒幕」のポジション。

でも、そうして人びとを操りながらも、大きな計画の遂行を指揮するのはあくまでもみさきちだった。

これは、同じレベル7の超能力といっても、アクセラレータや美琴、あるいは第4位のむ麦野なんかとは全く位相の異なる能力。

美琴たちのように物理事象には直接干渉できないけれど、かわりに人を介してならなんでもできる。

もっとも、その分、孤独にもなるわけど。

それこそギアスを用いて人を操るルルーシュではないけれど、「王の力は孤独にする」。

みさきちの場合は、「女王の力は孤独にする」、だけど。

まぁ、だから、彼女の能力を跳ね返すことのできる美琴には素直になれるのだろうけど。


しかし、ホントに美琴とみさきちのダブルヒロインだったな。

今回の場合、みさきちが記憶を操作して、いつもの美琴チームである、黒子や初春、佐天さんが、直接、美琴の仲間としてバックアップに回ってくれなかったことも大きい。

その結果、美琴は単身で動くしかなくなった。

いや、かわりに、婚后さんたちが尽力してくれたわけだが。

ただ、その分、黒子たちうるさい外野なしに、最後には上條さんだけによって助けられる、という「お姫様」を演じることができたのだけどね。

そして、その状態、というか人員配置まで指揮棒を振ったのが、みさきちだったのだから、やっぱりこれは『とある科学の心理掌握』と名付けるべきだよなw

その後の、黒子vs警策、のマッチアップまで含めて、全部、みさきちが割り振ったのだから。

で、そんな「黒幕」たる食蜂操祈が、では、なぜ、そのような動きにでたかといえば、それは15話で明らかになったように、ひとえにドリーのためだった、というわけで。

もっとも当初は、エクステリアを含めて木原幻生たちの動きに対抗することが動機だったと思うので、最終的にドリー(2号)と再会できたのは、みさきちにとっても嬉しい誤算だったはず。

ホント、幻生に勝ててよかったよね。

でも、それもまた、ルルーシュっぽく(あるいはデスノートのライトっぽく)、自分が負けるほうに賭けていた、という計算高い思考能力があればこそのことだったのだが。


ということで、

いやー、大覇星祭編、やっぱり見どころ満載だった。

別にまだ2周目の視聴を実施しないでも、こんなふうに思えるのだから、やっぱりもう1回、最初から見直したら、新たな発見がいくつかあるのだろうな。

久しぶりに禁書の世界を面白く感じられたよw

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