十師族会議への襲撃で終わった前巻からの続き。
とりあえず、スペース空けときます。
えーと、さすがに三巻かけての物語の中巻ということもあって、物語が動き出すようで全然、動き出さない。
ていうか、あー、稲垣さん、退場かぁ、残念だなー、と途中から既に思っていたので、もう一捻り欲しかったけどねー。
まぁ、その結果、寿和も襲われてしまうわけだけど。
でも、これも、身内に危害を加えられたエリカがぶちきれて、下巻で、達也たち十師族のグ・ジー討伐に参戦するための道作りでしょ。
ていうか、寿和にしても、藤林さんたちがギリギリで救出するのではないか、とは思うけど。あるいは、USNAの兵士が乱入して事なきを得る、ということかな。なにしろ、グ・ジーの追跡だけは確実にできていたのが、USNAのアドバンテージだったわけだから。
対して、最後の深雪たちへの襲撃のところは、どうなのかなぁ。
正当防衛として自力で、人間主義者を制圧するか。
あるいは、ここぞとばかりに、一条が飛び出してきて・・・と思ったけど、
あ、そうか、一条も達也たちに合流しているんだから、無理かぁ。
じゃ、自力救済かなぁ。
で、十師族の子女二人が巻き込んで、またぞろ、マスコミ合戦になって、そこで、今回達也にアクセスしていた雫パパが一肌脱ぐ、って感じなのかな。
ともあれ、思っていたほど全体が盛り上がらずに、残念。
なんとなく、達也たちが一年の時の「来訪者編」を意識した構成にしているのだろうけど、なんだろうなぁ、来訪者編ほど面白くないなぁ。この感じだと下巻に期待、って感じでもない。
来訪者編って、どこかしら怪奇譚っぽいところがあって、全編通じて、これは何がおこっているのだろう?という謎がずっと継続していて、単純な魔法合戦でもなかったところは、結構面白かった。なにより、ほのかのピクシーエピソードがきちんと意味があって笑えたのだけど。今回は、バレンタインも、そこで2・14が来てしまうから無視できないよな、という感じの消化試合モードで、どちらかと言うと紙幅の無駄遣い、という感じの方が強かった。
これは、結局のところ、真由美や十文字が卒業してしまって、にもかかわらず、彼らとの接点を作ろうとして無理やりに、二人との定例会合を入れたりしてしまったからだよね。彼らが在校生であれば、全て一高の中の出来事で済ませられるし、多少無理があっても、その間で想定外の遭遇によるドラマが生じてもおかしくないのだけど。
でも、卒業生組を物語に噛ませようとすると、勢い十師族ネタになってしまって、そちらに焦点が当たると、今度は、エリカやレオの登場機会がなくなる。
今回の一条の一高への一時在籍にしても、いやー、それ、さすがに無理があるだろう。リーナの反復を狙っているのはわかるけどねー。
あえて物語らしい物語が動き出しているとすれば、それは、達也と深雪の間に生じ始めている不和ぐらい。
兄妹だとばかり思っていたのが、実は違いました!(いや、ホントは違わないのだけどw)、という展開なら、それまで兄妹としてあった「気安さ」が消えてしまい、いろいろと不自然な動きが生じてしまうのはわかるのだけど。
でもさー、この物語にそういうラブコメ?恋愛話?いや、悲恋?の物語は求められているのかなぁ、と疑問。
多分、多くの人は、魔法の薀蓄と、お兄様の無双っぷり、にあるんじゃないかな。
それが完全にチグハグしてきているよね。
来訪者編の何が面白かったかといえば、あれは、結局、達也のクラスメイトや先輩を含めて、みなのキャラが一通り明らかになって、そういう意味では、キャラの説明がもういらないところで、吸血鬼や霊子の話が、純粋にも物語の「謎」として与えられていて、その解決に、原則的に、友人+先輩の面々で対処しきったからだよね。
新キャラもリーナに焦点を当てることで、むしろ、彼女がトリックスターのような感じで、彼女の素性が徐々にバレることが物語を実は進め、その過程で、魔法の薀蓄も語られて設定厨歓喜!って感じだったし。
リーナと深雪のライバルって関係もわかりやすかったし。
その渦中で、ほのか事件が挟み込まれて、シリアスとコミカルの塩梅も割とよかったし。
その来訪者編と比べると、十師族編は、盛り上がりにかける。
これは、結局、シチュエーションづくりばかり紙幅が費やされていることが一番の原因かな。一高、卒業組会合、魔装大隊、四葉一門の間を、達也が動くだけ。
そこに、本来、達也の一番のバディであったはずの深雪との間に亀裂が走る。
その上で、敵のグ・ジーが単なる爺さんで、何の面白みもない。
ていうか、彼の四葉ないし十師族への報復の理由が全く理解できない。
どうして自分をないがしろにした中国の魔法師を討伐した四葉を恨むのか。
いや、世の中には逆恨みってものもあるのはもちろんわかっているけど、それにしても、グ・ジーのエモーショナルな部分が明らかでないと、盛り上がらないよね。
来訪者編であれば、ラスボスではないけど、リーナには、ちゃんと葛藤があったわけで、そういう心理的ブレがあると、イレギュラーなことが起こりうるし、実際に起こったとしても違和感はない。そういう部分が、全く無いよね、ここまでは。
というか、そもそも期待されたリーナの再登場もないし。
なんだかなー。
だって、18巻ってよくよく見れば、ほとんどマスコミ対策の話ばかりしている。
それも、保守派と革新派との対立と、それらを支持するテレビメディア、ってことだけど、どうして、そこだけ、100年ぐらい先の未来の話なのに、こんなに現代と変わらないんだ、というくらい、芸がない。
そもそもマスコミの情報操作とか世論操作とか、そんなに面白いネタなのかなぁ。
あくまでも、物語の背景として世論操作とかマスコミがある、というのはわかるけど、それを話の中心に据えられても、なんだかね。あからさまに作者のマスコミ批判を読まされてもね、って思うけどなぁ。
繰り返しになるけど、来訪者編って、そういうどうでもいい「お上」の要素とかなかったかし。
達也が軍属だから軍隊の話が出るのはわかる。
また、傷害事件や殺人事件があれば警察が出るのもわかる。
そして、軍人や警官がでるのだから、彼らの口から、自分たちの立場もわかってほしいというのもわかる。それで、勝手きままに報道するマスコミを腐すのもわかる。
でも、それくらいにとどめておけばいいんじゃないかな。
ていうか、なんで、軍隊にも警察にも魔法師がいて、魔法が利用されているのに、マスコミだけ魔法を利用しないのか、よくわからない。
というか、藤林みたいな情報操作系の魔法師や心理操作系の魔法師がいるのだから、マスコミって存在が今と変わらずある方が不思議なんだけどね。そこは、突っ込まないけどね。
ということで、なんだか、とてもチグハグな展開になっていて、ちょっとなぁ。
面白いかといわれれば、うーん、といわざるをえないのが、本巻の正直な感想。
まぁ、これは巻数が増えた電撃文庫全般にいえるのだけど、途中から物語ではなく、キャラ小説化させようとするんだよね。アクセル・ワールドが今まさに、その泥沼に陥っていて、以前ほどの爽快感がなくなってきたように。
来訪者編のような、スリラー&ホラー的な、物語としての面白さを期待していたのだけど、あのようなことは、もはや達也たちが皆、魔法大学に進学して、真由美たちと同じキャンパスにいる、というシチュにでもならないかぎり難しんだろうな、と思う。
要するに、グ・ジーに悪役としての魅力がコレっちもないからいけないんだけどね。
まぁ、どうやら七賢人レイモンドがラスボスみたいだけどねw
しかし、あのイラストは、ほんとにレイモンドだったのだろうか。
てか、フリズスキャルヴのアドミニストレータって、誰だよ、それ?
どうせ、レイモンドが二重人格でした!ってオチなんだろうけどさw
とりあえず、スペース空けときます。
えーと、さすがに三巻かけての物語の中巻ということもあって、物語が動き出すようで全然、動き出さない。
ていうか、あー、稲垣さん、退場かぁ、残念だなー、と途中から既に思っていたので、もう一捻り欲しかったけどねー。
まぁ、その結果、寿和も襲われてしまうわけだけど。
でも、これも、身内に危害を加えられたエリカがぶちきれて、下巻で、達也たち十師族のグ・ジー討伐に参戦するための道作りでしょ。
ていうか、寿和にしても、藤林さんたちがギリギリで救出するのではないか、とは思うけど。あるいは、USNAの兵士が乱入して事なきを得る、ということかな。なにしろ、グ・ジーの追跡だけは確実にできていたのが、USNAのアドバンテージだったわけだから。
対して、最後の深雪たちへの襲撃のところは、どうなのかなぁ。
正当防衛として自力で、人間主義者を制圧するか。
あるいは、ここぞとばかりに、一条が飛び出してきて・・・と思ったけど、
あ、そうか、一条も達也たちに合流しているんだから、無理かぁ。
じゃ、自力救済かなぁ。
で、十師族の子女二人が巻き込んで、またぞろ、マスコミ合戦になって、そこで、今回達也にアクセスしていた雫パパが一肌脱ぐ、って感じなのかな。
ともあれ、思っていたほど全体が盛り上がらずに、残念。
なんとなく、達也たちが一年の時の「来訪者編」を意識した構成にしているのだろうけど、なんだろうなぁ、来訪者編ほど面白くないなぁ。この感じだと下巻に期待、って感じでもない。
来訪者編って、どこかしら怪奇譚っぽいところがあって、全編通じて、これは何がおこっているのだろう?という謎がずっと継続していて、単純な魔法合戦でもなかったところは、結構面白かった。なにより、ほのかのピクシーエピソードがきちんと意味があって笑えたのだけど。今回は、バレンタインも、そこで2・14が来てしまうから無視できないよな、という感じの消化試合モードで、どちらかと言うと紙幅の無駄遣い、という感じの方が強かった。
これは、結局のところ、真由美や十文字が卒業してしまって、にもかかわらず、彼らとの接点を作ろうとして無理やりに、二人との定例会合を入れたりしてしまったからだよね。彼らが在校生であれば、全て一高の中の出来事で済ませられるし、多少無理があっても、その間で想定外の遭遇によるドラマが生じてもおかしくないのだけど。
でも、卒業生組を物語に噛ませようとすると、勢い十師族ネタになってしまって、そちらに焦点が当たると、今度は、エリカやレオの登場機会がなくなる。
今回の一条の一高への一時在籍にしても、いやー、それ、さすがに無理があるだろう。リーナの反復を狙っているのはわかるけどねー。
あえて物語らしい物語が動き出しているとすれば、それは、達也と深雪の間に生じ始めている不和ぐらい。
兄妹だとばかり思っていたのが、実は違いました!(いや、ホントは違わないのだけどw)、という展開なら、それまで兄妹としてあった「気安さ」が消えてしまい、いろいろと不自然な動きが生じてしまうのはわかるのだけど。
でもさー、この物語にそういうラブコメ?恋愛話?いや、悲恋?の物語は求められているのかなぁ、と疑問。
多分、多くの人は、魔法の薀蓄と、お兄様の無双っぷり、にあるんじゃないかな。
それが完全にチグハグしてきているよね。
来訪者編の何が面白かったかといえば、あれは、結局、達也のクラスメイトや先輩を含めて、みなのキャラが一通り明らかになって、そういう意味では、キャラの説明がもういらないところで、吸血鬼や霊子の話が、純粋にも物語の「謎」として与えられていて、その解決に、原則的に、友人+先輩の面々で対処しきったからだよね。
新キャラもリーナに焦点を当てることで、むしろ、彼女がトリックスターのような感じで、彼女の素性が徐々にバレることが物語を実は進め、その過程で、魔法の薀蓄も語られて設定厨歓喜!って感じだったし。
リーナと深雪のライバルって関係もわかりやすかったし。
その渦中で、ほのか事件が挟み込まれて、シリアスとコミカルの塩梅も割とよかったし。
その来訪者編と比べると、十師族編は、盛り上がりにかける。
これは、結局、シチュエーションづくりばかり紙幅が費やされていることが一番の原因かな。一高、卒業組会合、魔装大隊、四葉一門の間を、達也が動くだけ。
そこに、本来、達也の一番のバディであったはずの深雪との間に亀裂が走る。
その上で、敵のグ・ジーが単なる爺さんで、何の面白みもない。
ていうか、彼の四葉ないし十師族への報復の理由が全く理解できない。
どうして自分をないがしろにした中国の魔法師を討伐した四葉を恨むのか。
いや、世の中には逆恨みってものもあるのはもちろんわかっているけど、それにしても、グ・ジーのエモーショナルな部分が明らかでないと、盛り上がらないよね。
来訪者編であれば、ラスボスではないけど、リーナには、ちゃんと葛藤があったわけで、そういう心理的ブレがあると、イレギュラーなことが起こりうるし、実際に起こったとしても違和感はない。そういう部分が、全く無いよね、ここまでは。
というか、そもそも期待されたリーナの再登場もないし。
なんだかなー。
だって、18巻ってよくよく見れば、ほとんどマスコミ対策の話ばかりしている。
それも、保守派と革新派との対立と、それらを支持するテレビメディア、ってことだけど、どうして、そこだけ、100年ぐらい先の未来の話なのに、こんなに現代と変わらないんだ、というくらい、芸がない。
そもそもマスコミの情報操作とか世論操作とか、そんなに面白いネタなのかなぁ。
あくまでも、物語の背景として世論操作とかマスコミがある、というのはわかるけど、それを話の中心に据えられても、なんだかね。あからさまに作者のマスコミ批判を読まされてもね、って思うけどなぁ。
繰り返しになるけど、来訪者編って、そういうどうでもいい「お上」の要素とかなかったかし。
達也が軍属だから軍隊の話が出るのはわかる。
また、傷害事件や殺人事件があれば警察が出るのもわかる。
そして、軍人や警官がでるのだから、彼らの口から、自分たちの立場もわかってほしいというのもわかる。それで、勝手きままに報道するマスコミを腐すのもわかる。
でも、それくらいにとどめておけばいいんじゃないかな。
ていうか、なんで、軍隊にも警察にも魔法師がいて、魔法が利用されているのに、マスコミだけ魔法を利用しないのか、よくわからない。
というか、藤林みたいな情報操作系の魔法師や心理操作系の魔法師がいるのだから、マスコミって存在が今と変わらずある方が不思議なんだけどね。そこは、突っ込まないけどね。
ということで、なんだか、とてもチグハグな展開になっていて、ちょっとなぁ。
面白いかといわれれば、うーん、といわざるをえないのが、本巻の正直な感想。
まぁ、これは巻数が増えた電撃文庫全般にいえるのだけど、途中から物語ではなく、キャラ小説化させようとするんだよね。アクセル・ワールドが今まさに、その泥沼に陥っていて、以前ほどの爽快感がなくなってきたように。
来訪者編のような、スリラー&ホラー的な、物語としての面白さを期待していたのだけど、あのようなことは、もはや達也たちが皆、魔法大学に進学して、真由美たちと同じキャンパスにいる、というシチュにでもならないかぎり難しんだろうな、と思う。
要するに、グ・ジーに悪役としての魅力がコレっちもないからいけないんだけどね。
まぁ、どうやら七賢人レイモンドがラスボスみたいだけどねw
しかし、あのイラストは、ほんとにレイモンドだったのだろうか。
てか、フリズスキャルヴのアドミニストレータって、誰だよ、それ?
どうせ、レイモンドが二重人格でした!ってオチなんだろうけどさw