雑記帳(新居)

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女子バレー北京五輪欧州大陸予選(1)

2008-01-23 04:02:43 | バレーボール
ロシアが北京五輪出場権を獲得。
全体として極めて順当に進んだ大会といえる。予想外の結果はトルコがオランダに勝ったくらいで、それ以外はいずれの試合も結果は順当なものになった。欧州の大会としては意外なくらい、番狂わせは起きなかった。

以下、各チームの印象。まず第一印象として、どのチームもサーブレシーブが悪い。このままでは、たとえロシアでも、イタリア・ブラジル・中国あたりに勝てると思えない。

ロシア
やはりガモワとソコロワにおんぶに抱っこだ。(ゴディナを負傷で欠いたこともその一因だったが。)現時点ではアクロワよりもシェシェニナのほうがまだまし。もう少し控え選手を見たかったのだが、クロアチア戦が初戦だった都合上、それはやりにくかった。ルーマニア戦はスコアからして控えを出せる状況ではなかったし。
ポーランド
この大会、最も勢いが感じられたのはロシアよりもポーランドである。ボニッタ監督の采配も、準決勝セルビア戦まではずばり的中を連発。劣勢の場面で交代出場の選手が活躍して逆転したことが何回もあり、特に、控えセッタースコルパを途中交代で出してそのスコルパにサーブが回ると、毎回サーブで崩し大量の連続得点に成功した。惜しまれたのは、なんでもない場面でミスが続いてセットを落とすことがあったことだ。ロシア戦の第1セットもそうだった。そして、準決勝まで冴え渡っていたボニッタ監督も、決勝のロシア戦だけは後手後手だった。
この大会では話題のバランスカが登場した。しかし高さがないだけに2枚3枚ブロックにつかれると決めるのは難しい。ロスネルと比べて大きな武器は弾丸サーブだが、当然ミスの確率も高い。

セルビア
正直、一番不安を感じたのはセルビア。
全体を通してミスが極端に多くちぐはぐ。大会前半、ルーマニア戦やクロアチア戦の第1,2セットは見るに耐えない状況だった。ニコリッチは疲れもあるのかミスを連発し非常に心配だ。ジェリシロが先発の試合が多かったが、まだ復帰には時期尚早。スパイクやサーブが決まるときは決まるもののミスも極度に多い。
ブラコチェビッチはコンスタントに決めている。モルナルの存在感が攻守ともに増してきた。ただし、モルナルが目立っているときは、セルビア本来のバレーではない。

ドイツ
パハーレが久しぶりに代表復帰した。
これまでのドイツと特に変わった印象はないけれども、以前ほどのしつこさは感じられなかった。オープンに偏重したトルコ・オランダ・ロシアの攻撃に対し、ブロックは十分に機能したとは言えない。サーブレシーブのミスもかなり多い。

女子バレー北京五輪欧州大陸予選(2)

2008-01-23 03:51:39 | バレーボール
この大会あきれたことがもう一つある。審判のレベルが低い。
Vリーグの試合あるいは世界大会は何百試合と見てきたけれども、素人が見ていてはっきりわかるレベルの誤審など滅多にお目にかかったことはない。ところがこの予選では、それが毎試合のように当たり前にあり、1セットに3回くらい立て続けの誤審すらあった。それも、解像度の低いインターネットの動画ではっきりわかるのだ。そのようなミスジャッジの直後は、「何が起こったのかさっぱりわからない」。
明らかにコート内に落ちているスパイクに対してアウトの判定とか、どう見てもブロックにさわっていないスパイクに対してワンタッチありの判定とか。さらに、ルールの解釈を根本的に間違っているものまであった。(双方のチームがネット上のボールを押し合った場面で、最後に押し込んだ方の反則をとった。現行規則では、プレー続行でなければならない場面。誤ってプレーを止めたのならまだわかる、昨シーズンまでの規則ではそうなった。)
サーブレシーブの悪さとあわせて考えるに、この状況でレベルの高い代表チームを作るのは、きわめて困難ではないかと感じた。

残り4チームの印象については→
オランダ
とにかくがっかりしたの一言。
結局グランプリから調子が下る一方できてしまった。
リードしていながらセットの終盤に逆転を許すのは、いったいなぜなのか。今大会だけでそれが何度もあった。(優勝したグランプリですらそのような場面はあった)

トルコ
知らない選手ばかりのチームになってしまった。スタメンで以前に見たことがあったのはEsraくらいである。しかしその割に試合内容は悪くはない。スパイクの力はあるし厄介なサーブを打つ選手が多い、特に#13のサーブに要注意。
結果的に山場となったドイツ戦では、セット終盤になると立て続けにミスが出て落としてしまった。この一番の原因は経験不足だろう。

ルーマニア
欧州ではかなりレアもののチーム。
ものすごく下手で見ていていらいらするが、レシーブがセッターに返ると速攻と移動攻撃をとにかく多用する。サイドの選手も速攻コンビに入りまくる。長いクイックとかダブルクイックとかバリエーションも多い。攻撃の印象は、ヨーロッパよりむしろアジア中堅のチーム、タイあたりと通じるものがある。
今大会最大の収穫で見ていて一番面白かった。セルビア戦の観戦中など、レシーブがセッターに返ると画面の前で「速攻いけ!」と叫んでいた。
これを立て続けにやられると、ヨーロッパの中堅から下位、アジアのチームと対戦したことがないチームでは、対応不可能だと思う。予備予選でスロバキアがフルボッコにされたときはこんな展開だったのだろう。
しかし、守備のしょぼさももちろんだがサイドの非力さもクロアチアよりひどい。オープンをまともに打てる選手は#6のTurleaしかいないようだ。
これ、もっと上位のチームもやれば面白いと思うのだが。でもセッターがいないか。(たとえばポーランドとかオランダとか。特にポーランドのアタッカーにはセンター上がりの選手が多いからあながち荒唐無稽ではない)

クロアチア
知っている選手が一人もいない。顔を見るからに若い選手ばかり。
崩れるとどうしようもないけれども、勢いに乗ったら強打を立て続けに叩き込んでくるしレシーブも突然上がるようになる。
これは誰も書かないだろうから、私が書いておく。ヴィジュアル度は結構高い。可愛い系の選手が多い。これも、若い選手が極端に多いことと関係があるだろう。