雑記帳(新居)

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クレムリンカップ

2004-10-18 02:59:16 | テニス
先週のクレムリンカップではインターネットライブに入り浸った。
とはいえ、サーバの処理能力の問題か回線帯域の問題かわからないが、見られる動画の状態は前週のソウルの大会と比べても格段に悪い。すぐに紙芝居状態になってしまう。センターコートの放送は基本的に解説付きだが、その音声が入らないこともしばしばである。

今回ライブは月曜日(予選最終日兼本戦初日)から放送されており、ロシアの上位選手はもちろんのことだが、ランク下位の選手も何人か見られる機会があった。
その観点で今回の最大の拾いものはパスティコワかな。ランクは(この大会時点で)およそ140位だが、今回は予選でダニリドウを破り本戦進出、その本戦1回戦で杉山も破った。それほど若い選手でもないのでこの後もそう上位にくるとは思えないけれども、フォアとサーブの威力はなかなかのものだと思われた。

クレムリンカップは、2001年にすでにインターネットライブを行っていた(もっと早くからかもしれない)という、きわめて先進的な大会である。そのときはエレーナ対エレーナの決勝を楽しんでいた。片方のエレーナ(ドキッチ)は消息不明というくらい落ちてしまったが、もう一方のエレーナ(ディメンティエワ)はこの大会3年ぶりの決勝進出を果たしている。それも、冷や汗をかく場面が全くない、エレーナらしくない(?)安定した勝ち上がりだった。

決勝はミスキナとの対戦、奇しくも全仏決勝と同じ顔合わせとなった。
エレーナの決勝前半はとても安定しているように見えた。サーブの駄目さは相変わらずだが、第1セットは5-4とリードしてServing for Setを迎えた。しかし、スコアではエレーナが先行していても、エレーナのサービスゲームでナスーチャのプレッシャーは次第に強くなっていた。このゲームを落とした後、このセットの第12ゲームも、そして第2セットの第2ゲームと、デュースにもつれながらいずれもエレーナがサービスをブレークされるという展開が続いた。
このあとはエレーナにミスが連続し、最悪の自滅パターンが出てしまった。結局は、第1セット5-3エレーナのリードから、なんとナスーチャの10ゲーム連取。エレーナはまたしても準優勝に終わった。

それでも、今となっては、さあ次の大会いきますか、とすぐに気持ちを切り替えることができてしまう。それくらい上位に進出するのが当たり前になっている。1年前いや半年前にさえ想像もできなかったことである。

さて次の大会は同じくティア1のスイスコムチャレンジだが、考えてみるに、デメの場合とにかく初戦が鬼門である。それも、問題はエレーナ自身であり、相手がランク下位でも負けることがたびたびあるし、(初戦としては)厳しい対戦でも勝つときはすんなりと勝つ。
この1年(昨年のチューリヒから起算)で実に9回の初戦負けを喫している。それでこのランクにいるのは不思議としか言いようがない。ランクの近いロシア選手と比較すると、ミスキナ・クズネツォワ・ズボラネワはいずれも初戦負けが1年で2回、シャラポワは実は1回しかない。
逆に言うと、ここさえクリアすれば、どんなタフな大会でもエレーナは準決勝あたりまで進んでいる確率は高い。(逆に、シャラポワの場合、ウィンブルドン優勝を除くと荒稼ぎが全くない。グレードの高い大会ではそれなりのラウンド、ティア3以下の大会ではがっちりと優勝で、地道にポイントをためている。派手な印象とは逆の成績だ)