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採決の決まり

2022年08月18日 09時43分27秒 | 市政、市議会に関することなど

世の中にはいろんなルールがある
普通の人が直感的にそう思い込んでいるものが、実はそうでないというものもある
例えば多数決がそれで、3つの選択肢があった場合、一つ一つ採決を行って
その中で一番多かったものが採用すべき答えと思ってしまうが
そんなに簡単なものではないらしい

もう一つ普通の人の思い込みには、採決は一人一回というのがある
3つの選択肢のなかからひつとだけを選んで自分の意思表示とする
これなども、疑いもなく自明なことと信じている

ところが、一般人が少しばかり悩んでしまう採決が新城市の6月議会であった
それは、新城市議会に提出された請願の扱いについてだ
請願は、いろいろ問題となっている給食の共同調理所に関することで
ウクライナ戦争の煽りを受けて建設資材等が高騰している今
安易に計画を推し進めることは市の財政に負担を課すことになる
更に、この計画の進め方に市の失策がいくつか存在する
また、計画自体にも技術的に無理と思われるところがいくつか存在し
この際、一度立ち止まって計画の再検討をしたらどうか、、というものだ
(もう少し緻密な内容の請願だが、大枠の感じはこんな内容)

これは議員6人が属する厚生文教委員会では採択とされ
議会最終日の議員全員で行われる本会議で採決をすることになった

ところが本会議では、採決前の討論という場面で「趣旨採択」という選択肢が新たに提出されたので
「趣旨採択」「採択」「不採択」の3つの選択肢が存在することになった
会議のルールには、採決をする場合は順序があるらしい
一番最初の採決は「趣旨採択」について問うものとなった
その数は7名で、議長を除いて17名の議員の過半数を超えないので趣旨採択は否決された
17人のうち残りの10人の判断はどうなのだろう、、となるが
次に採決されたのは「採択」についてで、その数は5名だった
ここで普通に考えると、不採択は残りの5名になりそうで、
結果的に3つの中で一番多かったのは「趣旨採択」なので
趣旨採択が議決結果になるのかな、、、と思いきや結果は「不採択」という表現のものになった

3つの選択肢のうちどれも過半数を超えることがなかった場合は「不採択」とする
これが議会に存在する決まりらしい
どうも分かりづらいが、最新の議会の広報誌「議会しんしろ」にこのときのルールが
掲載されていた

ここで、注目すべきは※がある部分の文章で
「趣旨採択に賛成した議員も改めて採決をします」とある

つまりは採決は一回だけでなく、もう一度判断できるということになる
なるほど、過半数を超えない場合は有効な判断ではないというのは
フランスの大統領選などで見られるような方法で
採決にはいろんな方法があるものだと理解はするが
問題はこうしたルールを議員は事前に知っていたか、、という点だ

趣旨採択をした人物が心情的には「採択寄りか」「不採択寄りか」を
意思表示する機会があることを知っていたなら(今回はみんな知っていなかったと思うが)
この結果はどうだったのか気になる

ルールとか規則というものは生まれる必然性があるのだが
部外者はそれらを理解するのは難しい
議場で騒がしい傍聴者は排除できるようなルールがあるが
聴いているだけと思われる傍聴者にも、ある手続きを取れば
発言の機会があるような規則もあるようで
これはある会議で自分が実際に経験した
(議長が許可すれば傍聴者にも発言の機会が与えられるというもの)

世の中は確かにいろんなルールのなかで生活をしている
そのルールは直感的に納得できるものが大半と思いたいが
どうもルールを知っている人には使い勝手の良いルールが
存在しているようだ(それができた必然的なプロセスがあったとしても)

ということで、6月にはなんだかな、、
と疑問に思った出来事があったので、
これらのルールの説明でなんとなくスッキリしたということ
(納得はしていないかもしれないが)


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