パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

伊勢物語の男とドン・ジョバンニ

2013年01月20日 19時08分03秒 | 

高校時代の古文の教科書に「伊勢物語」があった
有名な杜若の章で

から衣きつつなれにし妻しあれば
  はるばるきぬる旅をしぞ思ふ

この歌の頭の文字を拾うと「かきつばた」となる
技巧的な作品であることの紹介と、お決まりの
古文の文法などが中心の授業で、その時は技巧的な部分に
興味はあったが話の内容自体には関心がなかった

ところが、最近京都絡みの本を読んでいて
この物語の男、在原業平の恋の相手が清和天皇の女御
だったか?と書いてあるのを見つけて
それこそ週刊誌を覗く感じで昔買った本を開いて読んでみた

なかなか面白い!
古典も勉強という呪縛を離れるとホント興味深い
感情の生々しいこと
そして共感できる歌が散りばめられていること
本当は古文のまま読むのが本当なんだろうが
横着して現代語訳を速読している
(古文のままの方が柔らかい雰囲気は感じれれるが
それはもう少しあとで楽しむことにして)

それにしても、この男 惚れっぽいな
全然モラリストじゃない
当時の道徳とか婚姻がどうなっていたか知らないが
それにしても、、、

そこでフト思い出したのがドン・ジョバンニだ
小説や戯曲のではなく
モーツァルトのオペラのドン・ジョバンニ
カタログの歌のようにあちこちで云々
誰彼となく言い寄って、しかし感情には正直で
どこか簡単に批判できないようなところがあるような、、

そう、歌がいいことはあるとして
このいい加減さが昔の人も共感できた一つの要因かも知れない
などと勝手に思ってしまう

真面目な人の物語はどこか疲れてしまう
どこか抜けていたり
欠点の多い人間のほうが感情移入しやすい

ところで行間を読むとか時代の雰囲気を読む
という点では、この平安時代の人の心は現代ほど
複雑ではなく、まだどこか大らかな感じがする
勿論、個々には繊細な感情も漂っていても
全体として未来を信じていられるような
そんな感じが臭わないでもない

古典関連では、「和泉式部日記」というのはいわゆる不倫の話
ということらしい
勉強ではなくて、小市民の覗き見趣味的には
面白いかもしれないので近いうちに
現代語訳のもの探してみよう!


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