時々やってくる読書のスランプ
そんな時は気軽なミステリーを一気読みするのが良い
今回手にしたのは内田康夫、浅見光彦シリーズの「箸墓幻想」
松本清張もそうだが、殺人事件の犯人探しとか謎解きよりも興味を惹かれるのが
サイドストーリーとしての情報だ
この本では邪馬台国の場所についての様々な情報提供がある
近畿説、九州説が学術書を読むよりわかりやすく説明されている
同じミステリー作家の松本清張、高木彬光の説も同業のよしみか紹介されている
この邪馬台国の説も面白かったが、興味を持ったのは実は別の話題で
堀口信夫の「死者の書」だ
この人の名前は「猿丸幻視行」を読んだときもでてきたような気がするが
勝手に学者さんと勝手に理解していた
ところが「死者の書」には、二上山の葬られた運の悪い大津皇子の魂のことが
想像力たくましく書かれていると紹介されていて
運の悪い人(大津皇子)に興味がある自分としては
今度はこの「死者の書」を読まねばという気になった
(こうして読書のリレーは続いていく)
それにしても多作な作家というのは、ある種のテクニックとかパターンが
必要なのだと実感する
ミステリーでは犯人探しはもちろんのこと、起承転結のためのストーリー展開
ページを稼ぐための(?)お決まりのシーン
そしてサイドストーリーとしての情報提供
内田康夫氏のこうした定番化した方法論は
バッハがカンタータを週毎に作曲できた作曲技法を想像させた
それにしても何かを作り続けるということは、本当にすごいことだなと改めて実感
と同時に、こうしたミステリーを読んでいて登場人物が多くなってくると
その人物はどういう役割の人物かが記憶から飛んでしまって
わけが分からなくなってしまうことにショックを覚える
ま、それも仕方ないか、、年齢を重ねるというのはこういうことだ