バークレー友子のテニスアカデミー日誌

オーストラリア、シドニーで30年目になるテニスアカデミーでの様子を書いています。よろしくお願いします。

トニーとのタイブレーク

2006-01-06 13:34:30 | ノンジャンル


トニー・ローチ氏がいつものようにやって来た。コートに入るなり、ヨシとシングルスのタイブレークを始めた。どうやら、自分に勝った生徒にシドニーインターナショナルのセンターコートのチケットをあげると明言をして始まったらしい。
 何とも夢のような光景だ。全豪を初め、ビッグトーナメントの続くこの時期にこんなことしている余裕あるわけないのだが、とにかく留学生全員とゲームをし始めた。1時間弱で一番バッターのヨシを皮切りに、次々に倒されいった。それにしてもフェデラやソフィーのコーチはしなくていいのか。余計な心配をしたりして。
 7人の生徒が倒され、ついに最後、俺の番だ。まずい、明らかに年甲斐もなく舞い上がっている。この前のジュニアのレッスンでもっとラリーしておけばよかったなんて、せいこい後悔している場合じゃない。うー始まってしまった。
 生徒のゲーム中は「バカだな。みんな、なんでトニーの薄いグリップのフォアハンドにスピンを打たないんだよ」と冷静に思っていたが、残念なことにもうそんな自分ではなくなっていた。
 さあ、トニーのサーブからだ。俺のリターンは、フォアハンド。とんでもないオーバー。やべ!本格的に足が宙に浮いていた。次は俺のサーブだ。サウスポーのトニーのフォアハンド目がけて、夢中で打ったサーブはエースだった。「やったー!」でも結局ポイントはその1ポイントだけだった。やはり、そつがないプレーはグランドスラマーの貫禄だ。
 そもそも、何故、こんなことをトニーがしに来たかというと、アカデミーのみんなでトニーがコーチをしているソフィのために、応援プラカードを持って応援に行く企画があることを知ったからだ。どんなに名誉や地位があっても感謝の気持ちを忘れない姿勢に単純に感動したのだった。でも、本当は感謝の気持ちを常に持っていたからこそ、トニーは今まで成功してきたのだろうと思う。
 結局、チケットは5ポイントを取って善戦したタケのものになった。個人的にはこんな機会を得ただけで満足だった。感謝です。