料理名を考える人は、注文のしやすさまで考えているのだろうか。
「もっちり黒豚とぷりぷりブラックタイガーのサクサクフライランチ~シャキシャキレタスと完熟うっふんトマトのサラダ添え(ザーサイ、コーヒーつき)」みたいなメニューを真顔で注文することは私にはちょっとできそうもないのである。メニュー名を考えついたなら先ずは鏡に向かいその名をあたかも注文するかの如く声に出し、鏡に映る自分の顔に語りかけてみる。ひとりの大人として、恥ずかしくなくその名を言えるようならばそれを採用すればよい。さもなくばボツ。お子様ランチではなく大人の食事なのだから、あまり擬態語や擬音語に頼らないで戴きたいものだ(お子様ランチ、というのも相当に恥ずかしい名前ではあるね)。
その他の例として「土鍋炊きほっこり玄米シアワセ五穀ミックス」とか「キュウリのたたき(ピリ辛ッ)」などが挙げられる。いかにもそれ風、悪く言うなら、定番のおどけ具合に浸っている名付け方。こりゃいけない。注文するにも恥ずかしく、名前を言わずに、これとこれとこれ、みたいに指さして注文することになる。なんということだ。
ちなみに今までで一番恥ずかしかったのは、豊島園のプールで注文した「ブルーハワイ」という青いシロップのかかったかき氷だ。豊島園のプールでブルーハワイを注文することはある意味、「もっちり黒豚」よりもずっと恥ずかしい(もっとも、今はベヂタリヤンなワタクシであるので、もっちり黒豚も注文しないのだがね)。
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