Nyancoin Bakery / 江都屋

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とっくりセーター

2007年11月01日 22時15分47秒 | ベジタリアン
 
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 タートルネックのセーターを「とっくり」と言う人を笑い者にする傾向があるね。何かおかしくはないか?なぜ日本人が日本語を使って同じ日本人に笑われなければならんのだ。しかもだね、タートルネックって直訳すれば「亀首」なわけで、意味合いとしてはどっちもどっちではないか。英語で言うのが上等であると、日本人一般の中にはおかしな思い込みがあるのだろうか。

 俺がよく聞く某ラジオ番組にて。例えばハープなんかの演奏家がゲストで出演し、生演奏をしたりする。彼女はやはりなんとなくエレガント(註*)な存在感を持っている。演奏の合間にパーソナリティ氏との会話がある。「朝食はどんなものを?」「和食が多いですね。ご飯にお味噌汁と納豆とか…」「えぇ~?似合わないなあ、○○さんの雰囲気だと洋食のイメージなんですけどねえ?」「和食が多いですよ」とかなんとかそういうパターンの会話がなされることがある。やはり俺には理解しがたい。お金持ちだとか、お上品だとか、エレガントだとか、とにかく一般庶民よりも生活レベルや教養が高い人々が和食を食べていてはいけない(?)みたいな固定観念があるようなのだ。洋食が上等で高級で憧れの対象であるようなのだ。

 そうだ、こんなことを言っている俺にしてもかつては洋食が上等なものであると漠然と思っていたのだった。小学生の頃購読していた学習雑誌の連載漫画で目にしたお金持ち家庭の食生活に憧れめいた感情を抱いていた。どんな内容の漫画高は忘れてしまったが、とにかくそこには上流階級の象徴の一つとして洋風の食事が描かれていた。ビーフステーキというものを知ったのはその漫画でだったな、そういえば。そこで描かれている食生活と比べて、我が家の御飯と味噌汁漬け物中心の(おかずは多少洋風化されてはいるが)和食をみすぼらしく感じてしまっていたのだ。子供の読者にそんな思いを抱かせるとは罪作りな漫画だ(これは半分冗談。半分本気)。しかし結果的にはその食事が、今のわりと丈夫な体を作ったのだからそれで良かったのだ。いや、それ"が"良かったのだ。いやいやほんとに、上流階級に生まれて偽物の洋食で育ったりしなくてほんとに良かった。

 さて、今の俺の食生活は基本的に玄米菜食(註**)だ。子供の頃の俺が見たら間違いなくみすぼらしいと感じるだろう。が、これでいいのだ。世間ではいまだにお肉たっぷりの食事をありがたがっているようだが、肉のない食事の方が実は味覚的にも栄養の吸収という点においても、上等であるのだから。現代日本人の中にある漠然とした固定観念…何につけ洋風なのが上等であるから食事も洋風なのが良い、例えばアメリカの人々のごとく肉を喰らいミルクを飲み、米の飯は少なくした方が良い…みたいなところからはどうにか抜け出せたようだ。

 (なんだかとりとめのない話になってしまったね。まあ単なるベジタリアンのヨタ話ってことでご勘弁を。特に何かを主張したいわけでは御座いませぬ)

註* 「エレガント」に対応する日本語が思い浮かばなかったので不本意ながらカタカナで表現。
註** 哺乳類および鳥類の肉は食べないが、完全な菜食ではない。状況や気分によっては乳製品や鶏卵、魚介類は口にする。