ODORAMOX!

BABA庵から  釣り糸なんぞが ごちゃごちゃ こんがらかった状態を ここでは「オドラモクス」と言う。

政治家と夢

2010-12-07 17:41:40 | 引用
前記事の『それでも、日本人は戦争を選んだ』の「はじめに」から:

・・・国民の正当な要求を実現しうるシステムが機能不全に陥ると、国民に、本来い見てはならない夢を疑似的に見せることで国民の支持を獲得しようとする政治勢力が笑われないとも限らない・・・

大岡昇平も・・・歴史は単純にはくりかえさない、「この道はいつか来た道」と考えること自体、敗北主義なのだと大胆なことを述べています。
 

政治家と覚悟

2010-12-05 19:39:51 | 引用
1935年、日中戦争のなかで 胡適 は、
「中国は絶大な犠牲を決心しなければならない。」
と「日本切腹、中国介錯」論を展開したという。

日本は満州から南へ沿岸へと占領を拡大するだろう、
どのような困難があっても降伏せずに苦戦を続ければ、
2―3年以内に、次の結果が期待できる。
満州の日本軍が移動しなければならなくなり、
ソ連はつけ込む機会が来たと判断する。
世界中の人々が中国に同情する。
英米は脅威を感じ、太平洋の海戦がせまってくる。

と、45年までの展開をしっかり見据え、

「我々は、3-4年の間は他国参戦なしの単独の苦戦を覚悟しなければならない。
日本の武士は切腹を自殺の方法とするが、その実行には介錯人が必要である。
今日、日本は全民族自滅の道を歩いている。
上記の戦略は「日本切腹、中国介錯」というこの八文字にまとめられよう。」
 
(石田憲編『膨張する帝国 拡散する帝国』所収の「世界化する戦争と中国の“国際的解決”戦略)

蒋介石に向かって「逃げるな」と主張を展開できる政治家が、
日中戦争の歴史の中にいた。

以上は、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』という本で勉強したこと。
東京大学の加藤陽子教授が、中学・高校生におこなった5日間の歴史授業である。

去年発行され、購入した本はすでに15刷りだった。
ネットでもたくさんの人に取り上げられている。

考えれば、中国でこの時代に、
「覚悟」をもって現実に立ち向かった政治家は、
胡適だけではない。
紅軍にも、日本に協力した政権の中にもいた。
中国の政治力は、こんな歴史に支えられてる。