アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ユーフォルビア - 西尾市憩の農園

2019-07-02 18:36:29 | みんなの花図鑑

トウダイグサ科のユーフォルビアの花序は 杯状花序のひとつの典型です。
まず、いちばん目につく青い果実のようなのは めしべの子房です。このめしべだけで 雌花一単位となります。




雌花(子房とその柱頭)は 葉が変化してできた杯(カップ)状をした苞葉のなかで産出されるのですが、すぐに大きくなるので、カップから飛び出して果柄が曲がりぶら下がるような恰好をしています。これ(だけ)で雌花です(カップの頭に白い花びらのようなものが付いていますが、花びらではありません)。





トウダイグサ属は雌雄異花で、雌性先熟で、まず 雌花(めしべのこと)が他のおしべの花粉を受粉し、子房を膨らませた後、雄しべが伸び、花粉を放出します。この図は 果実のような大きい雌花と 黄色の花粉を付けたたくさんの雄花が見えますので、雌性期から 雄性期への移行期にあると思われます。




この写真の花序は 雄しべの黄色い花粉がとても目立ちます。
でも ちょっと変ですね、
雌性先熟といいましたが、雄花(おしべたち)に先行する 雌花(果実になる子房)がありません。




これは 上と同じ時期の花序を拡大したものです。
花弁のようなヒラヒラは その付け根に 唇のような形をした腺体をもっています。腺体の蜜を求めて 虫が集まってくると、雄しべの花粉が 虫につきます。
ここで 一番下の花序をよ~く見てください。おしべの林の中から めしべ(子房)が顔を出しているではありませんか!
この絵を見ると、どうもユーフォルビアでは すべてが 雌性先熟ではないようです!




この杯状花序では 花粉を付けた 雄性期の花序と 果実のように大きくなった子房をもった雌性期の花序が同居しています。
一番上の花序は おしべの先が2つに分かれた葯を付けて、まだ雄性期のようです。下の2つは 大きな果実が カップの外にぶら下がっています。これは 雌花(めしべ)が先にできて そのあとおしべが成長してきたのか、その反対なのか、判断できません。
(今回は ユーフォルビア属のすべてが 雌性先熟ではないことを確認しました)




カスミソウ - 西尾市憩の農園

2019-07-02 17:16:10 | みんなの花図鑑

カスミソウというと、花束を作ってもらうときに 必ず添える球のようなカスミソウが真っ先に浮かびますが、これは それとは違います。でも名前は 同じ「カスミソウ」なんです。




花屋さんのカスミソウ は、正確に言うと「宿根カスミソウ」といいます。八重咲きが多いですね。





こちらは ガーデニングで寄せ植えに使われる 一年草のカスミソウです。





学名の「Gypsophila(ギプソフィラ)」の語源は、ギリシャ語の「gypsos(石膏)」と「philein(好む)」。
この花が石灰質の土壌を好んで育つことに由来するそうです。




地中海沿岸から東アジアの石灰岩地帯が原産地。




オリエンタルユリ - 西尾市憩の農園

2019-07-02 13:39:30 | みんなの花図鑑

ユリ は ユリ科ユリ属。
北半球の温帯に約100種類が分布し、日本にもその内15種類が自生。
自然開花の時だけ出回る原種や交雑種と、周年出回る交配種の2つに大別される。





そのユリの主な交配種のもととなる4種類が
・ オリエンタルユリ(O)
・ アジアンティックユリ(A)
・ロンギフローラムユリ(L)
・トランペットユリ(T)
の4種類。




・オリエンタルユリ(O)は 簡単に言うと、
…ヤマユリ、カノコユリ等日本本州原産のユリ。オリエンタルハイブリッドの様々な香りの元となる。(LAユリのLAとはなんぞ?? より)
ということらしい。




オリエンタルハイブリッド種のユリは、優美な色彩とよく整った大輪の香り高い花で、夏の庭や玄関先を豪華なムードで演出してくれる、夏にはなくてはならない花です。(サカタノタネ ユリ(オリエンタルハイブリッド)の育て方・栽培方法)




この仲間のユリの交配の歴史は、1800年代の終わり頃に、アメリカの文学者フランシス・パークマン氏により、ヤマユリと鹿の子ユリが交配されたことに始まります。
近年になり、この仲間のユリに交配親和性の高いタモトユリ、サクユリ、乙女ユリなどが交雑され、新しいハイブリッドが生まれました。それらは交配に使われた親の原産地の名をとってオリエンタルハイブリッドと呼ばれています(同上)