なんとなくな日々

SL残日録(個人的なメモ帳)

グレッグ・ルッカ

2006年04月17日 23時10分06秒 | 本・雑誌
「わが手に雨を」(原題:A FISTFUL Of RAIN)グレッグ・ルッカ2004/9  読み始める

雨の夜。故郷ポートランドに帰りついたミム・ブラッカを待っていたのは何者かの襲撃だった。監禁され、数時間後に解放されたミム。敵の狙いは何か?バンドから一時帰宅を言い渡され、失意の底にあったミムは、敵が卑劣な罠を仕掛けていたことを知る。ネットに流された盗撮写真―それは地に落ちたミムの名誉に、さらなる汚泥を塗りたくるものだった。かつて母を轢き殺した父の帰還。愛してやまぬ養父母への思い。過去の苦い記億。アルコールに溺れる自分…。すべてを失ったミムは決意する―苦痛に満ちた過去と向き合い、見えざる敵に立ち向かおうと。もう自分には嘘はつくまいと。傷つき、孤独に震える女の苦闘。引き裂かれた親子の再生。タフでリリカルな筆致で描かれる、現代ハードボイルドの俊英の最新長篇。清新な感動をもたらすハードボイルド・サスペンス(表紙裏書より)

以前「耽溺者」で登場した私立探偵ブリッジのようにタフな26歳のヒロインが登場。「あたしたちの父が母を殺した。あたしたちは見ず知らずの人たちと暮らすことになった。うまくいくはずはなかった」とミムが述懐する。親と子の、兄と妹の哀しい物語のようだ。

ミムの描写
「ドレッドヘアのように編んだ黒い巻き毛が顔を縁どっている。茶色の目。しっかり閉じた口。虫をのみこむのではないかと恐れているようだ。左右の耳たぶから軟骨まで、列になって吊り下がった輪。親指の先が入りそうな輪で始まって、綿棒でも通りそうもない小さな輪で終わっている。‥略‥ 黒のタンクトップからむきだしになった両腕にブルーブラックのタトウー、右はトライバルバンド(曲線で構成された幾何学的模様)、左は吠える狼。くすんだオリーヴ色のだぶだぶのカーゴパンツ。黒のドク・マーテンズ(英国製の丈夫なブーツ)。なにもメイクしていないようなメイク。胸の前で腕組みをしているのは、ギターを持っていないとき、ほかにどうすればいいかわからないからだ。それがあたし。やれやれ。」(本分より)

舞台はポートランド

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