◎2015年1月27日(火) 昔のように美しい海や渚を取り戻せ
アベノミクスに華を添える希望の灯 「 NO ・ 216 」
干潟とは、潮の満ち引きによって、水面から
出たり入ったりする砂と泥でできた場所です。
河川から流れてくる淡水と海水が混じり合干潟は、陸から栄養分が流れ込み、
干潮時にはたくさんの酸素や光を浴びて、『海のゆりかご』と呼ばれるほどた
くさんの生き物を育てます。
干潟には、カニや貝、ごかいなどのたくさんの生き物が住んでいます。ハゼな
どの多くの魚も、幼魚の間の生育場所として干潟を利用します。野鳥も、餌場
や休憩場所として干潟にやってきます。このように干潟はたくさんの生き物の
すみかなのです。
また、干潟では、潮のみちひきによって、汚れた水が干潟の砂粒の間を通るこ
とで、ろ過されます。砂粒の間に住むバクテリアなどのちいさな生き物の働き
にって、有機物が分解されて水がさらにきれいになります。また、アサリなど
の生き物は、水の中にういているものを餌として体内に取り込み、さらにそう
いった生き物を野鳥や魚が食べ、干潟の外に運んでいくことで、海をきれいに
します。
かって、英虞湾の奥部には、海面面積の約10%に
当たる約269ヘクタールの干潟がありました。しかし、江戸後期から干潟は干
拓され、田んぼに変わっていきました。そうして、約70%の干拓が英虞湾から
姿を消したのです。
しかし、今となってみれば、干拓して田んぼにした場所も、その85%以上が休
耕田や荒れ地になっています。周辺域からの生活排水の流入や真珠養殖からの汚
れの影響に加えて、干潟が減少していることから、干潟の持っている海水浄化力
や生き物を支える力が失われて赤潮や貧酸素が頻発し、特産品である真珠のアコ
ヤガイをはじめ、二枚貝に被害が出る状況が続くなど、海域の汚染が大きな問題
になってきました。
そこで、干潟の干拓地が使われなくなっているのなら、もう一度干潟に戻そう、
それによって英虞湾をもう一度きれいな海に戻そうという取り組みが進
められている。
この取り組みを進めているのは、三重県水産研究所です。2006年から3年間、
以前干潟だった場所に海の水を出し入れするという研究をおこなったところ、アサ
リなどの多くの生き物が戻ってきました。
英虞湾自然再生協議会が立ち上がり、漁業関係者、観光業者、自治体などで話し合
いをすすめています。
美しい日本を取り戻そう 干潟のある自然も大切です