アトリエ 籠れ美

絵画制作、展覧会、美術書、趣味、その他日常の出来事について
平成27(2015)年5月4日より

「日月四季花鳥図屏風」作者不詳

2016-11-16 06:21:43 | 画材、技法、芸術論

右隻


左隻

 これも一目惚れした作品。うわーっ、なんていいんだろう、と。一日と一年を同時に表しているのだそうですが(そりゃ確かに言われてみればそうですが)、そんなことよりもまず見た瞬間に気に入ってしまった。

 横に流れる雲が、何とも言えずゆったりした時間の流れを表しており、神秘的ですらある。画面全体が謎めいているようで、ひょっとしたら何かの寓意が込められているのではないかと思わせる。

 優美だとか、情緒があるとか、素朴だとか、そういう見方は、かなり日本美術を色眼鏡で見ているのではないか。

 一言で言えば人生の豊かさ、時間の無慈悲さではなく、時間の豊かさ、時間の経過も悪くない、歳を取るのも、老いるのも悪くない、歳を重ねることで得る人生経験の豊かさ、素晴らしさ、そんなことを表しているような気がしてならないのだが、どうだろうか。


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