名南将棋大会ブログ 名古屋

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20160824今日の一手<その375> ; 薄い玉ゆえの苦労

2016-08-24 | 今日の一手
20160824今日の一手


8月6日の名南将棋大会から、NさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。後手に持ち歩がないのでカウントします。
先手の56の銀は守りの駒に入れないので舟囲いよりも薄く、玉の堅さは後手のほうがかなり堅いです。
先手の攻め駒は55角25桂持ち駒銀で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒銀1枚。24角はまだ数えません。

総合すれば互角です。

ちょっと不思議な図ですね。少し前は

腰掛銀右四間飛車で、68の銀を77~66~55と持ってきたのです。凝った作戦ですね。56銀が残っているので、4筋の守りにはなっていますが、玉が薄いです。序盤の研究をしないでまねると痛い目にあいそうです。
そのあと後手から35歩同歩14歩と無理な動き方をしました。1歩手に入れて36歩のねらいですが、こんなことをしないで攻めを待っているほうがいいでしょう。

大局観として

後手が無理な動きをしているので、自然な手でとがめられたら一番です。まずは25桂と跳ねて36歩を緩和して問題図。

25桂が使えるように34歩か14歩が自然な手です。それでどうかを考えます。それが悪ければ別の手です。
よくある理想の展開は飛角をさばいて攻め駒4枚で寄せ合いです。この場合は後手が無理に攻めている感じですから、うまく手に乗りながら相手の攻めを切らす展開でもいいでしょう。後手の飛角を封じる、いじめる(取る)ことを考えます。


△ 実戦は34歩でした。

これで33銀を狙うというのが腰掛銀特有のちょっと筋の悪い攻め方です。飛車に当たるのでこの場合は有効になることがあるのです。この問題の場合はそれを見せて無理に動いてもらうのです。後手は歩切れで33銀を受けにくいです。
37銀49飛46銀成

これは後手の悪手です。(33銀ではなくて)33歩成で困っていますね。41飛に34と

で駒得になります。

Iさんは68金左と5筋を守って、これも悪い手ではないのですが、後手の悪手は帳消しです。56成銀同歩65桂

これで57銀を見せられました。でも構わず66歩57銀65歩

でよかったのです。

これを逃し、47飛は薄い受け、46歩37飛47銀

と絡まれて、受けきりが望めなくなりました。こういう展開は後手の美濃囲いが堅すぎます。

33銀の変化をやっておくと、34歩に15歩33銀

33同桂同歩成41飛34と

37銀49飛46角

ここで38歩で先手よし、と思ったら48銀打がありますね。68金左でも65桂で困ります。
実は33銀は脅しだけで、成立するのはほかの条件が整っているときだけです。

34歩に15歩と落ち着かれたら、実は難しい局面です。ゆっくりしていると36歩がありますし、45歩も65桂が気持ちよいです。先手玉が薄くて、せめて68金左が入っていたら、というのがIさんのボヤキでした。


○ 14歩でどうか。

後手は歩切れ解消するためには35の歩を取るのですが、54歩88角35角には38飛

34歩36飛24歩に26銀(26銀では13歩成や13桂成でも)

25歩35銀同歩同飛

と長く進めてしまいましたが、飛車がさばける展開は理想です。2枚換えでも後手は歩切れで飛車成を防ぎにくいです。13歩成もあるので桂か香は取れるでしょう。

後手は35の歩を取りにくいのです。32飛として飛車で取りにくれば34銀でしょうか。

36や26に打つのもありそうです。35角には23銀不成から34銀成で角をいじめます。
14香同香と捨てて42飛

とされると24の角をいじめきれないのですが11香成から21成香で桂香得ですから何とかなるでしょう。ここでももう少し先手玉が堅ければ、というところです。


× 34銀は(さっきもでてきましたが)少しもったいなくて

54歩88角35角33桂成同桂同銀成

41飛34成銀31飛33歩37銀49飛46角

これは互角の局面ですが、29桂では84桂、44角には48歩です。でもゆっくりしていると65桂が飛んでくるので、よい手がなければ先手が悪くなりそうです。


× 38飛は49銀があり

36飛58銀成同金15歩

これで悪いわけでもないですが、先手玉はさらに薄くなりました。ぱっとしませんね。


× 45歩は本来自然な手ですが

45同歩11角成46歩

ここで43歩は32飛で困るので、44歩35角43歩成同飛21馬

以下は飛車を追いかけて、良くて千日手です。

45歩には32飛が軽く

36銀か34銀か、それで良しとも思えません。

また、45歩に35角もあり

44歩54歩88角46銀68金左65桂

と攻められるのも怖いです。


× あとはひねって47金ですが

54歩88角15歩34歩32歩38飛16歩

49銀の割打ちも避けて38飛と指せますが、駒が入れば後手から45歩が厳しい攻め筋です。


検討するほどに玉が薄いと苦労するというのがわかりますね。悪い手を指せばはあっという間に負けます。
Iさんは薄い玉でも手厚く指す、という珍しいタイプの人で、その将棋には憧れます。でもこの作戦では金銀の連携が悪いので粘りにくいです。手厚く指すことが難しいので力を発揮しきれなかったという感じです。

実戦の34歩は、33銀が成立しにくいなら本筋ではなかったか。本譜は後手が無理に動いていて、もっとやってきなさいと指して、46銀の急ぎ過ぎの悪手を引き出したのですが、とがめきれなかったのが残念です。

となれば14歩が本線で、よく見れば35角と取るのでは不安定です。38飛からうまくさばけます。後手の32飛に銀を使うのでは少し不満ですが、駒得にはなりそうなので悪くはありません。

普通なら45歩が本来の攻める手ですが、44歩~43歩成までの道のりは長いです。後手からの反撃が手ごわいので負けます。

他の手、34銀とか47金とか、不自然な手は特に玉の薄い時にはやめておきましょう。悪手だったらひどいことになりますから。(その確率が上がるような気がします。)

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