アトリエ 籠れ美

絵画制作、展覧会、美術書、趣味、その他日常の出来事について
平成27(2015)年5月4日より

お金か時間か、見極めが肝心。

2022-05-05 03:00:00 | 画材、技法、芸術論、美術書全般、美術番組
 画家でなくてもいいですが、何事かやってそれで成功するには、お金が要るのか、時間が要るのか、見極めが肝心です。

 日本画の大家、東山魁夷がその昔、雑誌だか絵本だかの挿絵で糊口を凌いでいたとき、もっと挿絵の仕事をすることはできるし、そうすれば生活は楽になるが、しかしその分、日本画の勉強をする時間がなくなる、という悩みを抱え、随分苦しんだそうです。

 これは誰しもそうです。私の場合は油絵ですが、画材を買うにはお金が要るし、でもお金を稼ぎに走ると、休みの日に油絵を描こうにも、くたびれていて、できなかったりします。

 お金か時間かはそのときそのときの自分の状況に応じて変化します。だからその判断が難しいのです。

 もしお金か時間かで迷ったなら、お金がいいと思ってます。何をするにも、何を買うにも、お金が必要だからです。

 お金の場合、お金を稼ぐことに労力を取られますから、肝心の勉強は少ししかできません。お金を稼ぐことで疲れてしまい、一切勉強できなくなることだけは絶対避けなければなりません。

 時間の場合、勉強する時間はたっぷりありますが、必要な道具や本を買うお金が不足したり、あるいは全くなかったりします。そのことで自分の勉強が遅れる、止まる、回り道をせざるを得ないことは絶対に避けなければなりません。


 私個人のことで言えば、お金に比重を置いてました。理由は画材を買ったり、美術館に行ったりするのにお金がかかるからです。その分(つまり時間に比重を置かなかった分)、油絵を描く時間が少なくなりますが、そこは頭を使って勉強方法の効率化を図ることで補おうという方針でした。

 これで間違ってはいなかったと思っていますが、これからは今までと違い、お金よりも時間だと気づきました。きっかけはアルバイト先での早出(鍵開け)と労働時間の削減で収入が減ったことです。

 鍵開けは、週5日のアルバイトのうち、4日担当してました。早朝手当がつくので、これが塵も積もれば山となる、で結構、大きい収入になります。加えて鍵開けは本来の仕事外なので、担当部署の仕事を普通通りこなすと、大抵残業になります(15分から30分くらいかな)。

 先月、4月から鍵開けを外れることになり、またそれにより本来の終業時間は16時から17時に戻ったんですが、なるべく早く上がるようにということで16時終業が基本になりました。

 こうした話は事前にあり、私も了承したので、何ら問題はありませんが、思っていた以上に収入が減ることになりました。もちろん17時まで働く権利はありますし、忙しい時期、特に夏などは17時に上がれず、おそらく30分は残業になっても構わないとの合意もできています。

 要は浮いた時間、浮かした時間は繁忙期に使う、というわけなんですが、実際のところ、夏でも16時上がりならそれはそれでいいと思ってます。

 そういうわけで労働時間が減って一ヶ月、ようやく気づきました。鍵開けでかなりの体力を奪われていたんだなと。大体朝5時前に起きて、6時前に家を出てました。それが今では朝6時過ぎに起床し、7時過ぎに家を出てます。

 この一時間の差がこれほど大きいとは露知らず、まさに天と地でした。体が楽になり、アルバイトから帰宅しても、心身共に元気で、これなら就寝前に本を読んだり、将棋やチェスの勉強をしたりできます(だからギター練習が再開できてます、近々記事を入れられると思います)。

 つまりは鍵開けで疲れすぎていて、何もできない状態になっていたんですね。朝早いということは前日の就寝時間も早いわけで、夜10時過ぎには寝てました。これではアルバイトから帰宅後に何もできない(入浴、晩酌、夕食、そこで疲れすぎていて歯磨きして寝るだけ)。

 このブログで、1年ほど前から、新しいこと、チェスや書道、ギター、といったことを始めようと書いておきながら、なかなか進まないのは、私の怠慢ではなく、アルバイトで疲れすぎていたからなのだと、骨身に染みました。
 
 だから下手をすると、実は2年位前から、お金よりも時間が要る生活だったのかもしれません。まさにこの記事で自分の書いた通り、「お金か時間かはそのときそのときの自分の状況に応じて変化します。だからその判断が難しいのです」。


 これからの私はお金よりも時間ですね。やりたいことはたくさんあります。もう十分稼がせてもらいました、今のアルバイト。もう7年もいるらしく、勤続7年表彰があるとか。ですが今のアルバイトは、私にとって腰掛け、いずれ辞めます(準社員登用の話もあったんですが)。

 今後収入が減っても、毎月の収支が赤字にならなければ十分(月収は最大約3万5千円減、最小約1万円減で、実際のところは2万円減程度だと思います)。

 赤字にならない範囲内で、必要な出費はできるだけして、ここ2年でチェスやギター、書道などをある程度習得したいです(さすがに乗馬は資金難で無理ですが)。

 肝心の油絵は今年で決着しますが(技術的問題の解決)、こちらは幸い、通常の出費(画材や書籍など)で済んでいます。


 本当に「お金か時間か」の問題は難しいです。自分ではうまく対処してきたつもりですが、ちょっと「お金」を重視してしまっていたのかもしれません。

 私も今年で51歳。年齢と共に体力も落ちてきます。健康管理も重要になってきます。目下、視力の低下が気がかり。そろそろアルバイト先で年一回の定期健康診断があります。


 付)記事の後半は個人的なことを書きましたが、こうしたことを書かないと記事にリアリティーがないと思った次第。

 注)もう「鍵開け」は結構。こんなに負担になっているなら、やらないのが正解。

 蛇足)臨時で「鍵開け」を頼まれることはあります(既に一回ありました)。

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