7つの短編だが、気がつくとどの主人公にも名前がない。権力を持つ者と支配される者、したたかに生きる女たち。時代に翻弄されながら望みを果たせず消えていく人たち。悲しく切なさもある物語だが、今の時代だからこその思いで書かれた物語だろうか、。いつもながら読み始めたら、一気に読んでしまったのです。
2012
1957年「ぼくの叔父さん」で初めて映画買い付けの現場に参加。1959年「勝手にしやがれ」を撮影中に世界で最初に買い付け、パリ公開の10日後、1960年3月、日本公開に。「太陽がいっぱい」「危険な関係」など数々の名作を日本に輸入した。 著者略歴より
映画のバイヤーとしてのパリ時代と、戦前から戦後にかけての東京の少々上流家庭の生活ぶりを交互に配して語る構成の回想記?だがどちらも読み応えある話でしたね。語り口もフランス映画を思わせてくれました。
J.タチの「ぼくの叔父さん」を初めて見たのは高校生のころかな?確か2本立ての映画館で見たと思うのですがほのぼの面白かったなあ、と思った記憶がありますが、今の時代ではどうだろう?