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『土の文明史 ローマ帝国、マヤ文明を滅ぼし、米国、中国を衰退させる土の話』の感想

2021-01-30 13:19:45 | 読書
『土の文明史 ローマ帝国、マヤ文明を滅ぼし、米国、中国を衰退させる土の話』を読んだ。先日この本の続々編の『土・牛・微生物』を読んでこの本も読みたくなったのだ。この本も思った以上に説得力がある。

文明が土壌侵食により滅びる流れはおおまかに下記の通りだそう。
 肥沃な土地で農業を始め、人口が増える。
→土地が足りなくなって斜面も使い始める。
→斜面は浸食されやすく、土壌が浸食される。
→収量が減ったり、新しい土地が手には入らなくなって増えた人口を養えなくなる。
→文明が衰退する。

なんで痩せた土地に人が住んでいるのかということが謎だったけど、初期の農耕民が定住していく流れはこんな感じなのか。なるほど……。
不作で飢えて人口減少することはたびたびあった。人口が増えると不作になっても、他の土地には他の人がいるので移動できず、その土地で農業をしてやっていくしかなかった。そして土地にしばられるようになっていった。

植民地だった国では独立後も、よい土地は輸出用の作物栽培に使われてしまい、現地の人は作物が育ちづらい土地を使わざるをえない状況にあると知って、何だか腹立った。

太古の昔から現代まで土壌を使いはたして収量が減って飢える事態が世界各地の土地で起きている。日本にいるからか実感していなかったけど、アメリカで起きたダストボウルなどの事例からその大変さが伝わってきた。日本の状況もちょっと知りたくなってきたけど、地球全体への関心が芽生えた。

現代にはでは地球全体の規模も分かり、作物が育たなくなったからと言って他の土地を当てにすることができないことが分かった。
またこの本に書かれているような調査で、対策も見えてきている。
なんとかうまく未来の人が飢えなくてすむような地球を残していきたいと思った。

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