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DAZN観戦 2023年J3リーグ第5節 福島ユナイテッドFCvsいわてグルージャ盛岡

2023-04-07 18:18:29 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

続々とJ2昇格するクラブが現れ、今やJ3の側が少数派となってしまった東北勢。
その中でも福島は、J3発足当初からのクラブであるにも拘わらず、昇格の縁が無いという立場になりました。

対戦相手の岩手は前年の1年のみですがJ2を経験。
昇格→降格という経緯を歩み酸いも甘いも知り、それを還元すべく監督の秋田豊氏が社長へ転身するという荒業を使ってきたオフ。
空いた監督業を受け継いだのは松原良香氏で、現役時代の南米でのプレーを指導者歴に生かさんとしている人物。
前年までは大学講師としてその研究に勤しむという変わり種の人材であり、ここに来てJリーグの監督へ移行(一応、2015年に相模原で3試合のみ指揮の経験あり)と、ここからどんな歩みを見せるか興味津々といった感じでしょうか。
しかしこの日は悪い意味で目立つ事となってしまいました。

キックオフから中々ボールが落ち着かない状況が続き。
福島はその中で何とか攻め込まんとするも、岩手の速いプレッシングの前にその攻撃は殆ど形にならず。
数多の選手が移籍でチームを去ったとはいえ、この日は前年J2を経験した選手がセンターラインならびに前線に揃って起用されていた岩手。
修羅場を体験した事が、強度の違いに明確に表れる格好となり。

そうしてペースを手繰り寄せ、好機を作り始める岩手。
そのビルドアップはボランチを1人降ろし、最終ラインを3枚にしたうえでサイドバックを高く上げるという定型の形。
しかしこのクラブには宮市・クリスティアーノ(ないしはこの日ベンチスタートのドウグラス・オリベイラ)狙いのロングボールという手段があり、入りからそれを散々見せた事で、繋ぐのも容易となります。

前半9分、藤村のミドルシュートがブロックされたのち、福島の攻撃を切って再度作り直しとなった岩手。
仕切り直し直後でボランチの降りが無いと踏んだ福島サイドは、すかさず2トップがセンターバックにプレスを掛けるも、GK丹野が前に出てビルドアップをカバーする事でそれをかわし。
そして甲斐のミドルパスを降りて受けにいったクリスティアーノ、ダイレクトでのスルーパスを選択して右サイドで石田が抜け出す局面を作ります。
石田の中央へと向かうドリブルはディフェンスに遭うも、エリア内へこぼれたボールを宮市がポストプレイで繋ぎ、すかさず石田が反応してシュート。
プレッシングを見事に逆手に取る形で、先制点に辿り着きました。

序盤の失点で色を失う、という形となった福島。
気を取り直し、こちらも最終ラインからの繋ぎをメインとして反撃体制を作ります。
こちらのビルドアップは殆ど可変を行わず、せいぜいアンカー上畑の脇でシャドーが降りてきてボールを受けるぐらい。

対する岩手、先制したのちはアンカーを常時クリスティアーノがチェックしてミドルプレス、というぐらいの前線の守備意識。
15分、大武がそのクリスティアーノに付かれている上畑にパスを送り、虚を突かれた格好となったクリスティアーノを上畑が剥がし。(その後ロングパスを送るも三木には繋がらず)
後方の選手が多少無理をしてでも運ぶ事で、プレッシングが控えめとなった岩手の隙を突かんとしていたでしょうか。

しかしその意に反して、立ち上がりの岩手の圧力を受けていた影響か、中々歩が進まないCB。
特にスペースがあるにも拘わらずドリブルを選択しない雪江に対し、監督の服部年宏氏から「運べよ」という檄が目立ち。
また全体的に勝負のパスが早く、浅めの位置で送るスルーパスが悉く岩手ディフェンスにカットされる事で、中々好機を生み出すに至りません。

そんな中で24分に事件の伏線となる一幕が生まれ、GKからのビルドアップでアタッキングサードを窺う福島。
しかし右ポケットを突くスルーパスは、走り込む古林に対し新保が蓋をして攻撃終了となり。
ボールがラインを割るかどうかというタイミングで主審(友政利貴氏)の笛が鳴り、(古林の)反則かと思われましたが、何故かGK丹野がボールを持った状態で試合再開となります。
ドロップボールだとしたら、何故……と首を傾げるシーンとなります。

自分としては以前(2年前の試合)にこうしたJ3の試合における審判のコントロール能力の無さを目にしたこともあり、試合画面を見ている側としたら「まあ仕方無いか」で済んだでしょうが、済まなかったのが岩手ベンチ。
当然ながらこれに異議を飛ばしていた監督の松原氏、フラストレーションを溜める事となっていたのでしょう。

その後30分に、再び福島の攻撃が切れたというタイミングで、画面外で何かを蹴ったような大きな音が響き。
それでも試合が継続され、福島がビルドアップを敢行する中、今度は松原氏らしき「何らかの暴挙を行い(審判に対して)弁明する」というようなニュアンスの声が上がります。
そして試合が止まると、主審の長い笛が鳴り響き、ピッチ脇の松原氏に対して警告を突き出し。
しかしそれでは終わらず、他の審判から何があったのかを無線で聞かされた主審は、処分を変えて赤い紙を突き出します。
つまりは退席処分であり、前半半ばで早くも指揮権を取り上げられてしまった松原氏。(その後の放送席の談から、ペットボトルを蹴ったとの事)
その後監督としての役割は金成勇(キムソンヨン)ヘッドコーチが務める事となりましたが、ピッチ上の岩手選手としては、突然の出来事に混乱を収めるのに趣を置く事を強いられます。

そんな相手の隙を突きたい福島ですが、その後も攻めの調子は変えられず。
ショートパス主体のビルドアップから、中盤辺りでスルーパスを狙うという攻撃は変えるは無く、それにより結果も不変。
フィニッシュに辿り着く事はままならないまま終盤を迎え。
41分に岩手が縦パスを降りて受けたクリスティアーノのスリップでボールロスト、こぼれ球を雪江がすかさず縦パスして攻守逆転。
受けた長野がドリブルでバイタルを突き、ペナルティアークからシュートを放ったもののGK丹野がキャッチ。
ここから潮目が変わり(転んだ際にクリスティアーノが足を痛める)、以降前半終了までに3本シュートを放つ福島。
45分に初のCKを得るという具合に、ようやく本格的に押し込みに入った、いや入れたと言った方が正しいでしょうか。

それでもスコアは動く事無く、0-1で迎えた後半戦。
ハーフタイムで1枚交代を敢行した福島、粟野→吉永へと代えて臨みます。

監督を失ってのプレーを強いられた岩手ですが、HTが挟まれた事で意思統一された感があり。
後半1分に新保のアバウトな蹴り出しから好機を作り、敵陣で溜めを作って石田が右サイドからクロス。
これをファーでクリスティアーノがヘディングシュート、ループでGKを越える軌道となるも、惜しくもゴール上へと外れ。

7分には福島の攻撃、後方から雪江がミドルシュートを放つもブロックされ、これを拾った岩手がカウンターに持ち込み。
左サイドで溜めを作ったクリスティアーノから、上がってきてパスを受けた藤村がエリア内を突いてシュート。(枠外)
しっかりと守備を固めてカウンターに徹し、自発的な攻撃はロングボール主体、といった感じとなったでしょうか。
また前半に足を痛めたクリスティアーノを、10分という速い段階で退かせてドウグラスを投入します。(同時に中村→松原へと交代、松原がボランチに入り2列目は右から宮市・和田・藤村に)

そんな岩手の状況から、ボールを握っての攻撃に活路を見出すしかなくなった福島。
前半は尻すぼみだった左右CBの攻撃参加も目立ち、人数を掛けて崩さんとします。
サイドでCB・ウイングバック・シャドーによるトライアングルを形成しながら、ショートパスを繋いで隙を伺う体制に活路を見出し。

しかしやはり(J3では)屈強な岩手の守備陣を崩すには至らず。
時折挟まれる、「岩手の選手が倒れるもノーファール」というシーンに、フラストレーションを与えるに留まり中々攻撃権を確保出来ません。
それでも16分にCKを得たというタイミングで、その影響か17分に異議?で田代が警告を受けるシーンもあり。
直後のCKではサインプレーを選択し、遠目から小林のボレーシュートで隙を突いたものの、これもブロックに阻まれ崩れず。

それでもこのブロックの際に石田が腹部を痛める等、アクシデントが常時付き纏うこの日の岩手。
担架で運ばれる事態となった石田、一旦はピッチに復帰しプレーを続けたものの、23分に再度倒れ込んで続行不可能となってしまい。
桐へと交代し、宮市がスクランブル的に右SBに回る事となりました。
その直後(25分)に福島も、三木→延へと交代。

相変わらず、スローインの判定などを巡って岩手サイドの異議が目立つ状況の中、強引に押し込みを果たす福島。
30分にCKを得ますが、クロスの跳ね返りを拾った上畑が左サイドへ展開するも、あろう事かコース上に居た主審に当たってしまい攻撃が途切れる事となり。(その後ドロップボールも一旦戻して作り直しを強いられる)
難儀なシーンを演出し続けてしまったこの日の主審。

それでもホームでこのまま終わる訳にはいかない福島。
32分に人数を掛けてパスワークで前進、延が右ポケット奥を突くシーンを作り上げ。
このマイナスのクロスはクリアされるも、ワイドで拾った古林がさらにカットインを仕掛けた所、新保に引っ掛けられて反則・フリーキックに。
角度の小さい所でのFKでしたが、キッカー宮崎はクロスと見せかけてゴール左を襲うボールを入れ、GK丹野がパンチングでセーブと脅かします。

しかしこれが限界だったのか、すぐに岩手がペースを握り返し。
やり返すように右サイドを前進し、桐のエリア内へのスルーパスに走り込んだ和田がシュート、ブロックに防がれてCKに。
ここからCKが連続し、37分の2本目のCKでは、先程の福島と同様にサインプレー。
エリア外に高く上がったクロスを、遠目から藤村がボレーシュートと変化を付けるも、ブロックに遭い福島がカウンターの体勢に。
しかしここから、フィニッシュした藤村が素早い戻りでカバー、浮き球を収めた長野に対しスライディングでボールを奪う事に成功します。
そして拾った田代が再び最前線へミドルパスを送るという、福島のポジトラを完全に突いた形になると、収めた和田がエリア内を突いてシュート。
ゴールネットを揺らし、目論見通りのカウンターで貴重な追加点を挙げた岩手。

キックオフの前に2枚替え、塩浜・宮崎→森・清田へと交代した福島。
そのキックオフからの攻め(39分)で、例によって右サイドでショートパスの連続による前進、古林のクロスへと繋げ。
クリアされたボールを後方から鈴がミドルシュートを放ち、ゴールを襲ったもののGK丹野が何とかセーブして右ゴールポストに当たり。
その跳ね返りを清田が詰めたものの、シュートはバウンドして枠外となり、ゴールに肉薄したものの結局決められず。

結局これが最も得点に近付いたシーンとなり、以降も地道にショートパス主体で攻め込むものの、好機が訪れない福島。
それを尻目に、40分に最後の交代を敢行する(藤村・新保→オタボー・李栄直、松原が左SBへ)など着実に逃げ切りを図る岩手。

アディショナルタイムに突入し、逆に岩手が敵陣深めでのボール奪取から好機。
左サイド奥での繋ぎから中央へ展開、宮市がミドルシュートを放つもブロックに当たり枠外に。
その後のCKで、クロスをキャッチしたGK山本のスローからカウンターに持ち込み(シュートまでは行けず)、リードされている側がカウンターという逆転現象が起こる珍妙な展開も生まれます。

結局最後までゴールに辿り着けなかったホームの福島。
0-2で勝利を挙げた岩手、判定面に悩まされながらも勝ち点3をしっかりと得た辺り、J2を経験して間も無いクラブの真価が見られたでしょうか。


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DAZN観戦 2023年J2リーグ第7節 ファジアーノ岡山vsいわきFC

2023-04-06 16:00:09 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(3節・水戸戦、1-1)
※前回のいわきの記事はこちら(1節・藤枝戦、2-3)

<岡山スタメン>

  • フォーメーションを4-3-1-2から3-4-2-1へと変更。
  • 故障していた永井龍の経過が発表され、手術敢行して全治4~6か月との事。
  • GK堀田・河井・高橋が今季初のメンバー入り、GK堀田は即スタメン。

<いわきスタメン>

  • 有馬が前年の故障離脱から復帰してベンチ入り。
  • 山口が5節・徳島戦(1-0)で負傷交代し、以降ベンチ外が続く。
  • 江川が前節負傷したとの事でベンチ外に。

全体の7分の1(6試合)を消化した今季のJ2。

その中で新規参入のいわきはというと、前回観た際のその危なっかしいディフェンスは、やはり同じ昇格組(藤枝)との対戦での例外だったらしく。
徐々にそのフィジカルを活かしてのサッカーを発揮し、勝ち点を伸ばしに掛かっています。

主力選手が引き抜かれたとはいえ、熊本とは異なり軸となるセンターラインが無事なのは何よりも大きく。
宮本・山下が中盤の底を固め、ディフェンスの中心である家泉も健在ならば、持ち味を消す事無く「自分達のサッカー」をJ2でも貫く事は容易というものでしょうか。

さて、この日の相手は岡山。
そんないわきの特異なスタイルを考慮してか、基本フォーメーションを弄って戦いに挑んできた木山隆之監督。
入りのアバウトな蹴り合いを経ても、尚もいわき最終ラインの裏を突きに掛かり
インセンシティの勝負となる事を覚悟で、これまでの繋ぎのスタイルをかなぐり捨てたかのような攻撃を見せていきます。

ただしターゲットとなるべき櫻川が、屈強ないわきセンターバックの徹底マークに遭う事は明白なので、中心となったのはサイドから。
ハンイヴォンや佐野のスピードを活かすものでありましたが、前節から大幅にメンバーも弄ったとあってコンビネーションは今一つ。
敵陣で勝負のスルーパスが繋がらないシーンを量産するだけに終わった立ち上がり。

いわきはそんな岡山に対し、布陣を圧縮する事、つまりは「ワンサイドアタック」の気質を高めて対抗。
そして自身のペースに引き込むと、前半10分に左サイドから前進。
距離感が近いという効果もあり、山下の縦パスが遮断されても尚繋がっていき、カットインでチャンスエリアに進入した永井颯がエリア内へパス。
これを本来ストライカーの有田がポストプレイでやや前方へ叩くと、後方から進入してきた宮本がバイスの裏を取ってシュート。
見事に奏功してゴールネットを揺らし、早くも先制点に辿り着きます。

この得点で主導権を握るいわき。
主にディフェンスで、ハイプレスかリトリートかの選択を突き付ける事で岡山の勢いを削がんとします。
そして攻撃では、持ち味の縦に速い攻めでエリア内へとボールを送り込むスタイルでプレッシャーを掛け。
追い付くためには主体的な攻撃が必要な状況に追い込まれた岡山は、それにより意識の切り替えに難儀する事となります。

それでも22分、岡山はGK堀田の短いフィードから左サイドで前進の姿勢を見せたのち、佐野の逆サイドへの展開で右から敵陣へ。
そして再び左へとサイドを変え、そこに櫻川のポストワークも加えた事で佐野がクロスに辿り着き、これをファーサイドでハンイヴォンが足で合わせ。(GK高木和キャッチ)
いわきの圧縮守備に対し、サイドを揺さぶる姿勢でフィニッシュに繋げた事でようやく目覚めた格好となります。
27分にはハンイヴォンが敵陣でボール奪取、そのままドリブルに入った所を遠藤に倒されて反則(遠藤に警告)、直接フリーキックを獲得。
右ハーフレーンからの位置で、キッカー佐野はクロスを選択すると、櫻川がヘディングシュートを放ちましたがこれはゴール上へと外れ。

早めに追い付きたい岡山ですが、いわきのようなパワーサッカーのチームを相手にする事で、必然的に発生するフィジカルコンタクトが悩ましくもなり。
33分にボールの奪い合いを制したいわき、そのまま距離感の近さを活かして細かく繋いで前進。
永井颯のドリブルが阻まれ、倒れた永井颯が後方から戻ってきた櫻川に引っ掛かってしまった事で、その後プレーが止まった際に両者ヒートアップ。
いわきの屈強な選手達に対しても、櫻川の迫力ある体格はそれを凌駕する事が示されたシーンでしたが、プレー外で目立ってしまっては珍妙という感は拭えません。

前半も終盤、そんな気まずさを振り払い攻め込む岡山。
最終ラインから柳が縦パスを通した事で、その後輪笠の裏への浮き球を櫻川が収めてエリア内へ進入。
そのままマーカーの家泉を振り切ってシュートを放ちましたが、GK高木和の右を抜くもゴールポストを直撃してしまい惜しくもモノに出来ず。
それでも意気上がる岡山、その後流れの中からの攻めでバイスがターゲットとして前線に上がるなど、ここが好機と見て仕掛けにいきます。
コーナーキックも2本得るなど押し込みますが、結局得点に繋げる事は出来ず。

結局0-1のまま折り返し後半へ。
追い付きたい岡山ですが、終了間際の押し込みを考慮したか、好循環を保つために交代無しで挑みました。

入りは再び慌ただしくボールが動く時間となる中、後半3分には岡山・輪笠といわき・加瀬が頭部同士激突して倒れ込むというシーンも発生してしまい。
幸い両者とも無事でしたが、このバチバチにやり合う意識が白熱する事は避けられず、その後もう一度類似するシーンが生まれる事となりますがそれは後述。

次第に、岡山のビルドアップvsいわきのプレッシングという典型的な試合絵図に落ち着いていきます。
放送席では「強固な4-4-2ブロック」と紹介されるいわきですが、リードを保った状態でもハイプレスは幾度も敢行され。

8分にGK堀田にまでプレッシャーを掛けるいわき、それを右へかわして前進を図る岡山。
一旦遮断されるも拾って逆サイドへ展開、高木がドリブルする絵図へと繋げます。
そして高木から低いクロスが入るも、足から跳び込んだ櫻川には惜しくも合わず。

こうして最終ラインでの繋ぎから、いわきディフェンスを呼び込んだ末に逆サイドへ送り前進という流れを作る岡山。
しかし押し込まれるいわきも、一層ディフェンスの寄せを激しくして対抗。
その結果、岡山選手が倒されるも笛は鳴らずというシーンが膨れ上がり、ホーム(シティライトスタジアム)の雰囲気も悪くなり始めます。
15分にいわきは宮本が反則気味のボール奪取、そこからショートカウンターを仕掛けエリア内へミドルパスを通さんとしましたが、走り込む谷村には繋がらず。

16分に両サイドともベンチが動き。
いわきが永井颯・石田→有馬・辻岡へと2枚替え(嵯峨が逆の右サイドバックへ回る)した直後に、岡山も本山・輪笠→田中雄・河井へと2枚替え。(佐野が右ウイングバックへ回る)
ともに故障明けの選手投入・ポジションチェンジと、采配が交錯。

その結果か、直後の17分にいわきが決定機、それも投入された有馬のボール奪取から。
ミドルパスを受けた谷村がそのままドリブルで切り込み、ワイドからレーンチェンジののちにエリア内へ進入。
そしてGKの右を抜くシュートを放ちますが、ゴール右へと外れて追加点はなりませんでした。

その後も次第にいわきの優勢が描かれる試合絵図。
しかしその中で、23分に前述した最悪のシーンが招かれてしまいます。
こぼれ球をヘッド繋ぎにいった岡山・柳に対し、いわき・有馬が激しく寄せていった結果、両者頭部激突して倒れ込む事態となり。
ダメージが深いのは有馬でしたが、有馬の反則となった末に警告まで貰ってしまう事に。
柳は1分程で起き上がり、有馬は2分以上掛けて起き上がりピッチ外で治療の末に復帰。
幸いともにプレーを続けましたが、これで岡山の不利なジャッジに悩まされるという流れは消失したでしょうか。

有馬がピッチ外に居る中、さらに動いてくる岡山ベンチ。
26分にハンイヴォン・田部井→ルカオ・木村へと2枚替え、これによりWBに回っていた佐野がシャドーへ戻る事となり。
ルカオの存在感は言うに及ばず、前回観た試合でも良いサイドアタックをしていた木村の活躍は、この日も試合を動かす事となりました。

強まった圧力を受け、いわきサイドもプレッシングを掛ける余裕が無くなりリトリート主体へと移行。
それに伴い敵陣でサッカーを展開する岡山、投入された木村のロングスローもチラつかせながら(フェイントで後方に投げ入れるという場面が2度)揺さぶっていきます。
それでも好機の中心となったのはセットプレーで、それもクロスが跳ね返された後のミドルシュートが主体となり。
豊富なターゲットが直接的に生きないのがもどかしかったでしょうか。(33分に岡山は高木→高橋へと交代)

35分に左サイドからのクロスを、ブロックに入った宮本がハンドの反則を取られた事で左奥からのFKに。
これをキッカー河井はトリックプレーを選び、グラウンダーで遠目にクロスを入れた所をバイスがダイレクトでシュート。
しかし遠藤が素早くブロックに入って防ぎ、集中力の途切れを見せないいわきディフェンス。

反面攻勢に出るシーンは殆どなくなったいわき、38分に2枚替えを敢行(谷村・加瀬→近藤・杉山)してもそれは変わる事は無く。
岡山が交代で投入した木村や高橋にサイドを抉られ、そこからクロスを防ぐアクションでCKを与える等、押し込まれる流れは最早変えられず。
そして43分に最後の交代を敢行し、谷村→速水。
FWに代えてDFを投入と、明確な守備固めの合図を出しました。(恐らくは杉山・有田の2トップによる3-5-2・5-3-2システムか)

流れの中でバイスがエリア内へ入り込む、というシーンも頻繁に作るなど、後は執念でゴールにねじ込むだけという岡山。
しかしその一手があまりにも遠く。
それでも最後の手段となったのが木村の推進力で、44分に右サイドをドリブルで切り込むも、辻岡に倒されて好機に繋げられず。(反則無し)

またも判定に対する苛立ちを溜めかねないワンシーンでしたが、これが伏線となった感があり。
アディショナルタイムに突入し、またも右サイドで切り込む木村、今度は奥へと切り込むなかエリア内を窺う軌道でのドリブル。
これを辻岡が振り切られ、後追いの形で倒してしまい反則を告げる笛が鳴り。
際どい位置ながらも主審が指示したのはペナルティスポットと、PK獲得の運びとなります。
映像で見る限り最初に身体が掛かったのはエリア外でしたが、そこで踏ん張りを見せた末にエリア内で倒れた事で、「辻岡がうつぶせになったその腕に木村が引っ掛かった」ように見えたのが勝負の分かれ目だったでしょうか。
これにいわきサイドは猛抗議するも、宮本が異議により警告を受けるのみに終わって当然覆らず。
決められなければ地獄、というこのPKを、櫻川は見事にGKの逆を突いて左へ蹴り込んでゴール。

土壇場で追い付いた岡山、尚も逆転を狙わんといわき陣内に襲い掛かります。
得た左CKから、キッカー河井のクロスを中央で木村が合わせヘディングシュートに持っていきますが、枠を捉えられず。
木村が悔しがるという具合に、あくまで目指すのは勝ち点3、何も達成していないとばかりに振る舞う岡山。
その意識からか、いわきがカウンターを仕掛けようとした所を有馬のドリブルを倒してしまったルカオが警告を貰った事も責められないでしょう。
結局この自陣からのいわきのFK、GK高木和のロングフィードが流れた所で試合終了を告げる笛が鳴り。

1-1で引き分けに終わったこの試合。
いわきのパワーに対し、岡山もパワーで対抗したのが最後に実を結んだ、という内容となりました。
目下J2の首位が町田という今季の順位表からも、やはり「最後に解決するのはパワー」という事を示した、とは言い過ぎでしょうか。


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DAZN観戦 2023年J2リーグ第7節 FC町田ゼルビアvs藤枝MYFC

2023-04-05 16:42:33 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の町田の記事はこちら(2節・群馬戦、2-0)
※前回の藤枝の記事はこちら(1節・いわき戦、3-2)

<町田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • オーストラリア代表に参加していたデュークが合流、即スタメン。
  • 韓国U-24代表に参加していたチャンミンギュが合流。
  • セレッソから藤尾をレンタル(育成型)で獲得、4節から出場。
  • 高橋祥平がJ1神戸へレンタル移籍したため登録抹消。
  • GK福井、藤原が初のベンチ入り。(福井は故障離脱から復帰)
  • 下田の故障が発表され、3節・金沢戦(2-1)で発生して全治5週間との事。
  • 奥山洋平の故障が発表され、2/20に発生して全治10週間との事。
  • 高澤の故障が発表され、2/20に発生して全治6か月との事。

<藤枝スタメン>

  • 2節(長崎戦、2-0)で負傷により途中交代した大曽根の詳細が発表され、全治2か月との事。

J2に参入後も、その持ち味である「超攻撃的サッカー」(正確には、超攻撃的の後に『エンターテイメント』が付くのですが)を貫いている藤枝。
6節を終了して成績は3勝3敗の五分。
得失点を見てみても得点9・失点10と出入りが激しく、5節・ヴェルディ戦では0-5の大敗を喫するという具合に、非常にスパッとした男らしい数字が表れています。
個人成績でも、1トップの渡邉は開幕節の2得点に始まり、3勝した試合全てで得点を挙げる活躍を見せて目下得点ランキングトップ。
今が絶頂期と言わんばかりの存在感ですが、もちろん勝負はここからであり。

自身のサッカーが通用する相手ならば勝てるが、そうでなければ負けるというのがハッキリしているクラブ。
もちろん序盤戦で、何処もチーム固めに必死な時期である事は差し引かなければならず。
つまり各クラブとも相手の良さを消す余裕はあまり無い状況といえ、ある意味藤枝にとって力が発揮し易い好条件でもあります。
しかし今節は目下5勝1分と首位を快走している、既にチームが出来上がっている風である町田が立ちはだかりました。

後方にはGKポープのフィード力、前方にはデュークのターゲットを務める能力がドンと構えており、そのスタイルもそれらを活かすものであり。
つまりはターゲット狙いのロングボールを軸として、パワーサッカーに近いスタイルで相手の余裕を失わせる事を第一とする町田。
成績的な力関係は抜きにしても、いかにも藤枝にとってやり辛さ満載といった相手。

前半1分に早くも翁長の武器である長いスローインから好機を作る町田。
デュークの戻しを受けた翁長が奥へ切り込んでクロス、これはGK北村がパンチングするも、稲葉がエリア内で拾って継続。
そしてスイッチから高橋大悟がシュート(ブロック)と、押し込まれた末にエリア内へ放り込まれるハイボールをクリアしきれず……といった、試合前の懸念材料が浮かび上がるようなシーンを描き。
その圧力に屈しない姿勢を見せる藤枝でしたが、逆にアフターチャージによる反則が目立つ事となり。
そしてその遠目からのフリーキックでも放り込みを選択する町田により、尚も危惧を強められます。

そして5分、右サイドで奥山政のスローインをデュークが収めてから敵陣で繋ぐ町田。
逆サイドへ移ったのち、翁長が今度は切り込まず手前からのクロスを選択すると、エリキの頭上へ上がったボールをまたもGK北村が掻き出しにいき。
しかし今度もエリア内から出せず、こぼれた所をダイレクトでデュークがシュートすると、ネットに突き刺さるボール。
その特色通りの先制点を早い段階で得ます。

直後の藤枝のキックオフ、戻したのち杉田から中央からダイレクトパスの連続で一気に突破を図る攻撃。
これがフィニッシュに繋がらなかった事からも、いきなりの出来事(失点)による混乱を打開せんと必死な精神状態に見えました。
その後再びの町田の押し込みを受け、ピッチサイドの須藤大輔監督からも立て直しを図る指示が出され。

ようやく本来の、最終ラインからのビルドアップによる攻撃態勢を整える藤枝。
しかし9分に久保が右サイドの突破からクロスを上げるもフィニッシュには繋がらず(GKポープが直接キャッチ)と、次は中央・ゴール前の硬い町田をどう崩すかという段階に直面したようでした。

10分には左サイド奥へ進入するも、戻したのち中央へと送り、渡邉がアシストに回る格好で杉田のミドルシュート。(枠外)
続く11分には岩渕のボールキープが高橋大に倒された事で、左サイド遠目からのFK。
ここでキッカー横山はエリア手前へのクロスを選択し、収めた岩渕が再度左へと展開し、受け直した横山がカットインで左ポケットへ。
そして奥を突いてクロス(クリアされる)という具合に、単純にクロスを入れても町田の長身選手に跳ね返されるだけな事は十分理解した攻めを展開します。

しかしそうなると結局遠目からのシュートに頼らざるを得ず、14分に岩渕が、17分に渡邉がミドルシュートを放つも実らず。(前者は枠外・後者はブロック)
23分にはGKポープのフィードのミスを突き、短くなったボールを久保がカット。
そこから左サイドへと展開され、榎本が奥からカットインシュート。
しかしここでも結局はエリア外からのフィニッシュとなりポープにキャッチされて終わり。

25分過ぎから再び町田の圧力が襲い掛かり、デュークに向けたロングボールへの対処に四苦八苦するシーンが続き。
それを見るや、30分にはロングフィードをデュークが合わせるフリをしたか、そのまま流れた所をエリキが拾って好機を作るなど頭脳プレーも混ぜ合わせる町田。(左サイド奥で反則、FKを得てのチャンスもシュートは撃てず)

何とか(ミドルシュートとは)違う形でのフィニッシュが欲しい藤枝。
35分にその時を迎え、後方でのパスワークを経て左サイドで榎本・横山の2人で崩しにいき、榎本がドリブルで左ポケット奥を突き。
そしてやや後方へのパスから岩渕がシュートするも、ブロックで防がれるとこれがよりによって直接エリキに渡ってしまい。
つまりは町田のカウンターが炸裂する展開となりますが、右のデュークに渡してからのエリキのパス&ゴーを、デュークのスルーパスをカットして何とか遮断します。

カウンターの恐怖もチラつく状況となった藤枝、心理的には1点以上のビハインドが重くのしかかるといった所でしょうか。
以降、奥からのスローインを入れ替わりでエリア内を突かんとしたり、コーナーキックではグラウンダーのクロスを選択と変化を付け。
絡め手で何とかエリア内でのフィニッシュを迎えようとしましたが、結局実らず。
終盤に平河と川島の頭部同士での激突といった冷や汗もののシーンも作られながら、スコアは動かず1-0のまま前半戦を終えました。

リードしている町田サイドが動いてきたハーフタイム。
高橋大→沼田へと交代し、それに伴い平河が右へと移って沼田が左サイドハーフに入ります。

そして始まった後半、藤枝は当然ながら安易なクロス攻勢にはいかず。
しかし今度は中央突破をメインとしたようであり。
後半3分に右から久保が突破の姿勢を見せるも、中央へと戻されたのち杉田が縦パスを(横山のスルーもあり)バイタルへと通し。
そして岩渕がミドルシュート、ブロックされた跳ね返りをエリア外から新井がシュート、再びブロックされるもまたも跳ね返りを杉田がミドルシュート。
3連続のミドルシュートでしたが、得られたのはブロックに当たっての枠外によるCKと、欲しかった同点弾は生まれず。

怒涛の3連撃も、いずれも遠目からのフィニッシュに終わったのは変わらず。
中央突破を図らんとすれば、それだけ町田も防ぐ意識が強くなり、選手を密集させてエリア内への進入を阻み。
藤枝は先程見せた縦パス→スルーを始め、入れ替わりやロブといった絡め手も交えて何とか進入しようとしますが、空中だけで無く地上も堅いのが現在の町田ディフェンス。
惜しい所までいくも、エリア内に入れてもフィニッシュには辿り着けないという流れは不変のものとなります。

そしてその過程で繋ぎのミスを発生させ、その結果町田に際どいシーンを作られ。
10分には縦パスが味方に当たり跳ね返るという形でのミスを拾われ、右ポケットを突いた平河から、追い越して彼のパスを受けたエリキがマイナスのクロス。
ニアサイドで平河が合わせたものの、シュートは浮いてしまい枠外に終わり追加点はならず。

今度は基本に立ち返ったか、最後方でのビルドアップでプレッシングを呼び込む手法に出た藤枝。
18分にはGK北村から前進し、その過程で一旦奪われるも渡邉が奪い返し、新井のスルーパスで裏を突き。
しかし走り込む榎本の直前でGKポープが足でクリアと、後一歩のところで阻まれます。
さらに19分には敵陣でボール奪取からの好機と、本来のポゼッション&ハイプレスを発揮していく攻撃。
ここでは縦パスを受けた榎本が、町田ディフェンスをかわしながら前進し左ポケットを突きましたが、これもGKポープに抑えられて実りません。

手を変え品を変えていった藤枝の攻め、好循環が生まれかかるも、その合間を突くように挟まれる町田の迫力ある攻撃で雲散霧消といった印象に。
21分には押し込んだ後に左サイドから翁長のロングスロー、ニアで跳んだデュークには合わずも、クリア出来ずにデュークに繋がれた末に稲葉のシュート。
ブロックしたこぼれ球をエリキがバイシクルでシュートにいき、GK北村が弾いた所を眼前で沼田が押し込んでゴールネットを揺らします。
しかしオフサイドとなり(恐らくエリキの段階で)、藤枝にとっては何とか命拾い。
その後22分に最初のカードを切る藤枝、岩渕→平尾へと交代。

流れを変えんとした藤枝ですが、ここに来てロングスローを決定機に繋げられるなど、着実に町田のパワーでスタミナを吸われているといった感じに。
26分に町田が助っ人FW2人を揃って代えた(デューク・エリキ→荒木・藤尾)のちも、その影響か際どいシーンを作られます。
27分には自陣右サイドでのスローインから前へ運び、代わった藤尾が右ポケットを突く所まで作り。(クロスがブロックされCKに)

何とか反撃体制を取り直したい藤枝、29分に再び動き杉田→矢村。
これで矢村が1トップに入り、渡邉がシャドー、横山がボランチへとそれぞれ移動。
攻撃的な横山を後方に移し、圧力を増さんとしましたが徒労に終わり。
敵陣でのパスミスで途切れるシーンが目立つなど、スタミナ切れの様相も見せてしまいます。

藤枝の攻撃を跳ね返し続け、著しく不利な立場に追い込ませるその姿はまさに難攻不落といった町田の戦いぶり。
35分に平川→チャンミンギュへと交代して3-4-2-1へとシフト、つまり5バックシステムという完全な逃げ切り体制を築くに至り。

それでも相手を脅かすという事も忘れず。
37分には再びロングスロー(以降右サイドからでも翁長が投げ入れる体勢に)からの好機、戻されたのちの二次攻撃で、藤尾がチャンミンギュとのワンツーで右ポケットを突き。
そして奥まで進入した所で久保に倒されるも主審の笛は鳴らずと、あわやPKという場面(当然町田サイドは猛抗議するも覆らず)も演出します。

何かが起こる気配は殆ど無いまま、アディショナルタイムを迎える試合。
藤枝は万策尽きたかのように、突入直前の45分でついにロングボール攻勢を見せ、鈴木の裏へのロングパスがクリアされてCKに。
ここでクロスの跳ね返りを矢村がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、最後のフィニッシュもやはり遠目からとなりました。

結局そのまま1-0で試合終了となり。
スコア的には町田が早期の先制点を守り切ったウノゼロ勝利という形ながら、力の差が感じられた内容でありました。
ゴールに近い位置で撃たせない事を徹底させた町田の強固なディフェンスは見事という他無く。
これだけ綺麗に結果を残せば、大補強した側(フロント)も満足となる事でしょう。


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DAZN観戦 2023年J1リーグ第6節 セレッソ大阪vs横浜F・マリノス

2023-04-04 16:01:31 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

春の雰囲気が高まると、桜カラーであるセレッソのサッカーが観たくなる……という事はあるのかどうか。

そのセレッソは何時の間にか、3トップへと基本フォーメーションをシフト。(ルヴァン杯1節からとの事)
奇しくも、同じ大阪のクラブであるガンバと同一のものとなりました。
しかし機能不全のようになっているガンバに対し、こちらはチェンジ後は1勝1分(リーグ戦)と悪くない成績を残しています。
真の大阪のクラブはどちらかという難題も、近年は成績的な優劣はすっかりついてしまったかのような格好に。

この日ホームに迎えたのはマリノスで、レオ・セアラの加入で軽い因縁がついたような相手。
しかしマリノス側にとってみれば、セレッソのホームゲームでは長らく勝利が無いという状況で、決して軽くないものだったでしょう。

その布陣の通り、以前に比べて前線を厚くしたセレッソ。
マリノスのビルドアップに対して果敢にハイプレスを掛ける入りで、早々の前半1分に毎熊が敵陣でパスカットに成功してショートカウンター。(シュートまでは行けず)
この日のマリノスは、右サイドバックに特別指定選手の吉田を起用。
センターバックもエドゥアルドが今季初出場と、最終ラインにいささか不安があり。
永戸が出場停止となった4節(札幌戦・0-2)然り、中心軸1人が欠ければ脆さが露呈する程、後方の安定感がチームに与える安心感に欠けるといった状況でしょうか。

一方セレッソも、正GKキムジンヒョンが故障をおしての出場。
その所為かフィードが乱れがちで、こちらもチームに齎す安心感に多少不安があるような状況に。

そんな不安を抱えながらも、マリノスは9分にミドルパスを交える前進を経て水沼がGKと一対一を迎える(オフサイド)等、攻撃力を発揮しつつあり。
セレッソの攻撃は前述のショートカウンターのように、プレスが嵌った際やマリノスのパスミスが契機であり、主体的な組み立てがもう一つの立ち上がり。

しかし14分、GKキムジンヒョンからの組み立てで、不安視されたフィードが為田に渡ったのを切欠にアタッキングサードへ進入。
そしてセアラが右サイド奥でエドゥアルドに倒され、反則・フリーキックを得ます。
キッカー鈴木のクロスをセアラが合わせヘディングシュート、ループの軌道でゴールを襲うもGK一森がセーブ、しかしさらに左コーナーキックへ。
そしてそのCK、またもキッカー山中のクロスをセアラが合わせ、落ちたボールがエドゥアルドの足に当たってコースが変わりゴール内へ。
シュートとは言い辛いボールの軌道でしたが、ともあれ得点が認められたセアラ。
先制点を挙げたセレッソ、直接的にはセットプレーながら、ビルドアップを一つ通した事が見事に繋がりました。

反撃したいマリノス、18分にエリア手前という位置で西村が鈴木に倒されて反則。
FKとなるも、西村は素早いリスタートを選択、その結果永戸へのスルーパスがカットされてセレッソのカウンターを招いてしまいます。
これがセアラに右ポケット奥まで運ばれてCKまで繋げられるなど、思わぬ被弾からか焦りが垣間見えたマリノス。

落ち着きを取り戻し、自慢のパスワークを駆使して押し込み始めるマリノス。
不安視された初出場の吉田も、「偽SB」システムの色を出し、水沼とのコンビネーションで右サイドで攻め上がりを見せ。
25分には敵陣でサイドチェンジ攻勢の末に、水沼の低いクロスをニアサイドで合わせにいった吉田。(惜しくも撃てず)

自在にボールを回され続けたのを受け、セレッソサイドも次第にプレッシングの勢いは無くなり。
そうなるとCBの組み立てがキーとなるマリノス、畠中が後方から勝負のパスを打ち込み始めます。
33分には喜田拓とのパス交換からいきなり裏へロングパスを送る畠中、エリア内で永戸が受けた事でGKと一対一が出来上がり。
しかし間合いを詰めたGKキムジンヒョンが至近距離でシュートを防ぎ、後一歩のところで決められず。

持ち味を発揮して攻め込み続けるも、得点出来ないとあれば流れを失った時が怖い。
それを象徴するかのように、セレッソが攻撃権を得ると結果が出されるのも早かった。
36分、クリアボールをセアラが拾うと中央をドリブルの後にエリア内右へスルーパス、奥埜がダイレクトでクロス。
そして走るのを止めなかったセアラがまたもヘッドで合わせ、この日2得点目となるゴール。
セアラの強烈な「恩返し」が炸裂し、リードを広げたセレッソ。

その後セレッソが、立役者であるセアラが足を痛めてしまい(41分)ヒヤリとするシーンを描くなか、何とか反撃体制を作るマリノス。
乾坤一擲の好機は44分で、再び吉田・水沼で右サイドを推進したのち、水沼のラストパスをエリア内中央で受けたロペス。
反転しながら放ったシュートがゴールネットを揺らしたものの、水沼のパスがオフサイドを取られ、またも惜しい逃し方となってしまいます。
結局その後はセレッソがボールポゼッションで時間を潰し、3分あったアディショナルタイムもあっけなく消費。
2-0のまま前半を終える事となりました。

共に交代無く後半開始を迎え。
セレッソのキックオフ、いきなりヨニッチのロングパスから、セカンドボールを拾って好機を作りCKに持ち込み。
後半5分にはこぼれ球をラフに前線に送り、拾われるも奥埜がボール奪取して攻撃開始。
そして山中の左サイド奥からのクロスをセアラがヘディングシュート(枠外)と、アバウトな運びから結果を出していくセレッソ。
対するマリノスは前半同様緻密にボールを繋がんとするも、肝心なところでミスが目立ってしまい、最初の好機は7分までずれ込む事に。

「巧さより強さ」に針が振れていたようなこの試合の絵図。
この日のスタジアム(ヨドコウ桜スタジアム)のイベントは、カプコンサポーティングマッチと釘打たれたもので、某有名格闘ゲームとコラボした限定ユニフォームを着用しての入場となったセレッソ選手。
それ故に、プロゲームの世界のように「強いのが正義」という精神が注入されていたのでしょうか。

そんな劣勢(?)を跳ね返したいマリノスは、10分にエウベルが左サイドを持ち運び、エリア内へスルーパス。
これは誰にも合わずも、自身が香川にアフターチャージを受けた事で反則となり、中央からのFK。
正確さよりもとにかく前に運ぶ姿勢を求めた事で好機を得ると、やや距離があったこのFKを水沼が直接シュート。
壁の下を巧く通したものの、その後ろで山中にブロックされて防がれ、こぼれ球をロペスがボレーシュートに持っていくも枠外に。
14分にも直接FKを得たマリノス、先程からは近い距離で今度も水沼が直接狙ったもののこれはゴール上へと外れ。

この日のセレッソのような力強さを見せたいマリノス。(16分に西村と水沼に代え、マルコス・ジュニオールと井上を投入)
20分に永戸の左サイド裏へのミドルパスに走り込むエウベル、奥で受けたのちにマイナスのカットインで一気に中央へ。
迫力ある運びを展開し、そのエウベルの落としを経て喜田拓が後方からシュート。
GKキムジンヒョンにセーブされ、こぼれをロペスが詰めにいくも松田のカバーリングで撃てずと、どうしても後一歩が届きません。

逆にセレッソは直後の21分、こぼれ球を香川がダイレクトでスルーパスして一気にセアラへ通し、そのままエリア内へ持ち運び。
しかし何とか戻ったエドゥアルドがスライディングでシュートを防ぎ。
攻め込むも得点出来ず、相手の少ないタッチによる攻撃で危機を招くという厳しい展開を強いられるマリノス。
25分に再度ベンチが動き、渡辺とエウベルに代えて藤田譲瑠チマとヤン・マテウスを投入。
一方のセレッソは29分に最初のカードを切り、セアラ→加藤。

主役級の活躍を見せたセアラが退いても、試合絵図は変わらず。
31分に左→右へ対角線の長いスルーパスを通した事でCKを得る等、そのセレッソの少ない手数による攻撃の中枢を担う香川。
この右CKをその香川がキッカーを務め、放たれたファーへのクロスはGK一森が跳び出すも触れないボールとなり、流れた所を毎熊がボレーシュート。
GK不在のゴールへ決まったと思われましたが、右ゴールポストに当たって跳ね返り。

止めを刺される事は免れたマリノス、33分に早くも最後のカードを切る事となり。(吉田→山根)
一方のセレッソも34分に鈴木・為田→喜田陽・カピシャーバへと2枚替え。

絵図が変わる事となったのが37分。
ここでもセレッソは敵陣深めで奥埜がボールカットに成功と、好循環を保っていたものの、その奥埜がこの直後に足を攣らせてしまい。
ベンチは交代の準備を行うも、これで一貫していた「強さ」が薄れてしまったでしょうか。
直後の38分マリノスは敵陣へ押し込んでの最終ラインからの攻撃で、左サイドからのパスワークでの前進にチェックが遅れがちとなるセレッソ。
ワンツー・フリックを交えながら奥まで運び、マテウスの左ポケット奥からのマイナスのクロス。
ロペスの前で喜田陽がスライディングでクリアに入るも、これも遅れた影響か蹴られたボールはゴールの中へ。
オウンゴールという形で1点差となります。

奥埜・松田→クルークス・進藤へと2枚替えしたセレッソ。(40分)
これで3-4-2-1へ布陣変更(ボランチは喜田陽・香川、ウイングバックは右が毎熊・左が山中)と、判り易い5バックシステムへとシフトします。

専守の姿勢のセレッソに対し、残り時間敵陣での押し込みに全てを賭けるといったマリノス。
しかしそこでもパスミスから危機を招いたのが44分で、カットしたカピシャーバがエリア内へスルーパスを送り、受けた加藤がGKと一対一に。
しかしシュートをGK一森がセーブした、という所でオフサイドを告げる笛が鳴り、何とか命拾いします。

気を取り直し攻めるマリノス、45分に今度はセレッソのパスミスを突いての絶好機という形で、永戸が左ポケットからグラウンダーでクロス。
これを中央でマルコスが走り込むも合わせきれず。
それでも繋いで左CKを得ると、キッカー永戸は低いクロスを選択し、エドゥアルドのフリックを経て中央で井上がシュート。
しかしこれも鳥海の頭部でのブロックに阻まれ同点ならず。
やはりこの日はセレッソから勝ち点を奪うには今一歩届かない、といった象徴的なシーンとなりました。

結局2-1のままセレッソの勝利に終わったこの試合。
攻撃力が自慢のマリノスも、今年はここまで3得点以上挙げた試合はまだ皆無とやや陰りが見えている状態。
王者に相応しい力強さを取り戻し、連覇に辿り着けるかどうか。


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DAZN観戦 2023年J2リーグ第7節 ベガルタ仙台vsV・ファーレン長崎

2023-04-03 16:01:30 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(3節・清水戦、1-1)

<仙台スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 3-3-2-2(3-1-4-2)から4-4-2へと布陣をシフト。(前節の後半から)
  • ただし左SBなはずの福森はあまり攻撃参加しないので、攻撃時3-3-2-2・守備時4-4-2というシステムかも。
  • キムテヒョンが母国(韓国)の代表(U-24)に参加のため離脱しており、今節から合流もベンチ外。
  • 徳島からGK松澤香輝がレンタルで加入。
  • 来季加入内定の石尾(仙台大)が特別指定で登録。

<長崎スタメン>

  • 今津が4節・栃木戦(0-0)で負傷交代し、以降欠場中。
  • 名倉が5節・熊本戦(2-0)で負傷交代し、以降欠場中。
  • カイケが前節(山形戦、3-2)負傷交代したものの、今節は無事スタメン出場。
  • U-22代表に参加していた加藤聖は、今節から合流もベンチ外。
  • GKルカ・ラドティッチが加入。
  • MF松澤海斗が加入。(新年度直前と、まさにギリギリ……)

4戦未勝利(1~4節)から、連勝を果たした事で4戦負け無し(3~6節)へと華麗な転身を果たした長崎。
ここから一気に上位争いへと加わりたいという所で、仙台の地へと乗り込み。
この日の解説を務めていた手倉森誠氏を巡る「手倉森ダービー」は、単なる一戦以上の重みを持って迎える事となったでしょうか。

その長崎のキックオフからの攻撃は、センターバックのカイケが前線に上がった所にロングパスを蹴り込むという、本来終盤ビハインドで行うような手を取ります。
これで慌ただしくなった入りの展開、すぐさま攻撃権を奪った仙台がロングパスで返した所、クリアボールを繋いだ所に郷家がシュートチャンスを迎え。
しかしブロックに入った米田と交錯し、米田が痛んでしまうという形で終着。
すると前半3分に仙台が決定機を迎え、ここも秋山の反則気味のボール奪取から、拾った松下縦パス→氣田エリア内右へスルーパスに真瀬が走り込み。
そして放たれたシュートはGK波多野がセーブし、こぼれ球を自ら真瀬が詰めにいったものの追撃のシュートは枠外となり、モノに出来ず。

いきなり自身の振る舞いがカオスを呼び起こしてしまったような長崎でしたが、「前節負傷したカイケが問題無くプレーできるかどうか」を確認したようなキックオフだったでしょうか。
以降カイケは問題無いどころか、要所でのカバーリングをソツ無くこなすディフェンスで貢献度を高めます。

前節での布陣変更もあり、未だ戦術が固まっていないという雰囲気の仙台。
それを誤魔化すようにハイプレスの意欲が旺盛で、対する長崎はビルドアップに四苦八苦。
簡単にサイドに送っては、サイドバック(右=増山・左=米田)の持ち上がりに全てを賭けるといった振る舞いで、それを止められるシーンを頻発させてしまい中々攻撃機会を作れません。

そんな長崎で頼りになったのが増山の飛距離の長いスローイン。
自陣からの投げ込みでも、ターゲットのフアンマの力もあってあわよくばという流れを生み出し。
前述のドリブルを止められてタッチラインを割る、という流れが多かっただけに、ビルドアップ省略に非常に役立つ事となりました。
22分には敵陣でロングスロー、というシーンで意表を突いて短く投げ込んでクロスを入れる流れを作り、2度目の鍬先のクロスがフアンマのヘディングシュートに繋がり。(GK林キャッチ)

ストロングポイントがハッキリしているものの、パスワークの流れが出来ない長崎に対し、仙台が主体的な攻撃を繰り広げる流れとなるのは当然であり。
オーソドックスな布陣(4-4-2)としたものの、これまで同様にエヴェルトンがアンカーのような位置取りで、もう片方の松下が前線へのパスの配給役を務めるというドイスボランチ。
ここからエリア内へボールを運ぶ流れは作るものの、長崎・カイケの八面六臂の活躍もあり好機をモノに出来ず。

局面を変えたのが26分、右サイドでパスを受けにいった郷家が、カイオと激突して痛んでしまうシーンが発生。
反則となり仙台がフリーキックで好機を作った(キッカー松下がクロス気味に直接ゴールを狙うもGK波多野セーブ)ものの、郷家はこの際に1分以上も倒れ込んでしまい。
何とかプレーを続けた郷家でしたが、35分に再度倒れ込みここで続行不可能の憂き目となり。
中山へと交代し、山田が郷家の代わりに右サイドハーフへ回るスクランブル体制を強いられます。

長崎が流れを掴めなかった一因として、宮城の突破力が巧く発揮出来ずにいたというものもあり。
しかし仙台の右サイドが穴となった事で、判り易くここから本領発揮する宮城。
早速の39分に左ポケットへのスルーパスに走り込み、クロスに繋げた事でコーナーキックの好機を得た長崎。
キッカー宮城のクロスをニアでカイケがフリック、ファーサイドへ浮いた所を増山がヘディングシュート、しかしGK林がセーブ。
尚もCKは続き、今度はクロスの跳ね返りを大竹がミドルシュート(枠外)とフィニッシュを重ね。
続く43分にも宮城が左から突破ののちカットイン(エリア内で奪われる)と、翼が羽ばたくようにサイドから跳梁を見せていきます。

右サイドの炎上の凌ぎを強いられた仙台、その矢面に立っていた真瀬はアディショナルタイムにカイオのドリブルを反則で止めてしまった事で警告を受け。
後半に則して余計なカードが付いて回る事となり、アクシデントもあり竜頭蛇尾という流れで前半を終える事となりました。

共に交代無く迎えた後半、先に攻撃機会を得たのは仙台。
後半2分にその右サイドでパスを繋ぐ攻撃と、攻め込む事で無理矢理鎮火を図ったでしょうか。
これは山田がカイオに反則を受けた事でFKのチャンスに繋がり、右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という位置からキッカー松下が直接シュートを放つも、ゴール上へと外れ。
続く3分に再び長崎のビルドアップをSBのドリブルで詰まらせ、ボールカットした氣田からショートカウンターを仕掛ける(氣田がそのままシュートもGK波多野キャッチ)など、前半の良い流れを引き戻したような仙台の立ち上がり。

しかしそれをひっくり返されたのが5分でした。
右サイドでの繋ぎを経て、同サイドへのスルーパスを走り込んで受けたのは本来左サイドの宮城。
この宮城の動きは仙台にとって意識外だったらしく、中央でフリーとなったフアンマへとラストパスを許し、受けたフアンマがそのままエリア手前からシュート。
思わぬ形でフアンマと相対した真瀬も寄せきれずにゴール右へと突き刺さり、後半最初の攻撃をゴールに繋げた長崎。
仙台は前半の伏線を巧く利用され、優勢にも拘らずリードを許してしまう事となりました。

反撃に出ざるを得なくなった仙台、9分には懸念の右サイドから、真瀬のボール奪取から運んで氣田がミドルシュート。
ブロックに当たりCKとなり、ここからCKを2本続けるもののゴールは奪えず。
そうなると必然的に、長崎は宮城の跳梁が止まらないという流れになり。
米田のオーバーラップも交えながら、11分・13分と左サイド深くを抉り左ポケットからクロスを入れる攻撃で追加点の恐怖を与えます。
好循環が巡ってきた長崎、16分にはGK波多野からのパスワークでプレッシングをかわしきるという具合に、懸念だったビルドアップも巧くいくようになり。

窮地に陥った仙台は、17分に交代カードを切り。
福森→遠藤へと交代と、攻撃の切り札である遠藤投入に踏み切りました。
布陣的には秋山が一列降りて左SBとなり、氣田が左SHへと回って遠藤が右SHに、そして山田がFWへと戻り。

その直後は中々効果が出ずにいたものの、徐々に好循環が生まれ始める仙台の攻撃。
26分には左サイドから氣田がエリア内左へスルーパスを通し、受けた中山がボールキープののち中央へラストパスも、秋山の目の前でクリアされ。
直後(同じく26分)に今度は中央からパスワークで前進し、真瀬がエリア内へラストパスを送るも、ズレてしまい中山には渡らず。
サイドにキープレイヤーを置いた事で、SBの選手も中央に集まっての好機を作っていきます。

しかしその矢先の29分に再度アクシデントに塗れ。
よりによって遠藤が足を痛めてしまい、自力でピッチ外に出るもそのまま交代の措置が採られます。
併せてカードを切る事となり、遠藤・山田・真瀬→中島・ホヨンジュン・蜂須賀へと3枚替え。
ボランチタイプが3人揃った事で、エヴェルトン・中島がやや前目となる4-3-1-2(4-1-3-2?)へとシフトしたでしょうか。

これで完全に流れを失ってしまった仙台。
以降長崎がペースを握り、セットプレーや増山のロングスローも交えながら押し込み。
フアンマというターゲットを最大限生かしながら、あわよくば追加点を狙っていく立ち回りを展開します。

仙台唯一の橋頭堡となったが氣田の突破力で、38分には左サイドでドリブルを仕掛けた所、後ろから倒して止めた鍬先が反則・警告。
これで得たサイドからのFK、キッカー中島が直接狙うもののゴール右へと外れ。
ATに今度は深めの位置で氣田のドリブルが(増山に)倒され、完全サイドの位置からのFK。
これもキッカー中島がゴールに向かうボールを入れる(クリアされてCKに)など、前半の松下然り、クロスを入れても良いような場面で直接枠を襲うシーンがこの日の仙台は目立ちました。

既に28分に最初のカードを切っていた(大竹→安部)長崎、40分に再度動き2枚替え。(澤田・宮崎→笠柳・高橋、米田が左SHへ回る)
着実に逃げ切りのためのカードを投入、といった所ですが、ここから決定機を目立たせます。
43分にゴールキックからのロングフィード、フアンマの頭を越えたボールを米田が拾って左ポケットを突き、そのマイナスのクロスを中央で受けた笠柳がシュート。
若狭のブロックでこぼれたボールを、後方から走り込んだ鍬先が追撃しますが、シュートは右ゴールポストを直撃とモノに出来ず。
続く44分にもこぼれ球を拾った笠柳から安部→カイオと繋がって右ポケットを突き、カイオのシュートが放たれるもGK林のセーブに阻まれ。
追加点は挙げられずも好循環を保つ長崎、45分に最後の交代を敢行(フアンマ・カイオ→都倉・五月田)してATへ。

仙台が放り込み中心の攻撃へとシフトしていく中、それを切り続ける長崎。
投入された都倉が露骨なマリーシア(オフサイドを取られたのち軽くボールを蹴り出す)を見せる等、着実に時間を消費していき。

何とか同点を目指した仙台でしたが、最後は無理矢理こぼれ球を繋ぎにいった小出が米田をチャージしてしまい反則・警告と、その被害は次節以降にも残る事となり。
結局0-1のままスコアは動かず、長崎が3連勝を果たしました。
勝利を先行させた長崎(3勝2分2敗)とは正反対に、黒星先行となってしまった仙台。(2勝2分3敗)
まさに元監督を巡ってのダービーマッチに相応しい数字となりましたが、そんな余裕は無い状態であり。
布陣変更も実らない等、迷走の雰囲気も醸し出す事となりましたが、今後の行方は果たして。


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