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DAZN観戦 2023年J1リーグ第8節 アルビレックス新潟vsアビスパ福岡

2023-04-17 16:00:52 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

昇格組にしては華々しいスタート(開幕から4戦無敗)を切った新潟も、そろそろ現実との戦いを強いられているようであり。
6節(名古屋戦、1-3)では長時間数的不利を強いられての逆転負けと、中々堪える敗戦も経験し、メンバーが揃わない中での戦いも余儀なくされ。
この日はその退場→出場停止を強いられた舞行龍がスタメンに復帰し、何とか体勢を整えて好調の福岡に挑みました。

強度の高い守備を誇る福岡に対し、いかにして前進を図るかというのがテーマとなったこの日の新潟。
当然ながら、相手がハイプレスを掛けて来た際の「いなし」は必須の要素であり。
前半8分にはセンターバック2人に対し2トップでプレッシャーを掛けてくる福岡、それを左右にパスを振って凌ぐ新潟。
右サイドで鈴木が降りてきて受けたのち、秋山のサイドチェンジでかわしきる事に成功し、敵陣左サイドでパスワーク。
そして伊藤・堀米・高の連係でエリア内を突かんとするも、前のアタックで高が倒されて(反則無し)惜しくも実らずとなりました。
課題を乗り切る気旺盛といった新潟の振る舞いでしたが、続く9分に今度は福岡側が、左サイド深めで金森がボール奪取に成功。
そのままスルーパスでエリア内を突く(小田に撃たれる前にGK小島が抑える)という具合に、ショートカウンターの恐怖を植え付けに掛かります。

福岡はハイプレスにいかないという選択肢もあり、当然最終ラインから一列前に送った際の寄せが新潟にとっては難儀となり。
むしろその場合の方がより厳しいといった感じで、11分には打開を図らんと自陣からゴメスがパスカットからのドリブル突破を見せましたが、アタッキングサード手前で奪われて終了となり。

そんな中で迎えた15分、GK永石のフィードから組み立てる福岡、ルキアンのポストプレイを経て金森→ルキアンのボールキープをプレスで止められない新潟。
そして右サイドへの展開を許し、奥を伺ったのちのバックパスを受けた紺野がドリブルで右ポケットへ切り込み、止めにいった堀米が足を引っ掛けてしまい倒れる紺野。
たまらず反則並びにPKを告げる笛が鳴り、新潟が行いたいはずの主体的な攻撃を絶好機に結び付けた福岡。
PKゲットした紺野がキッカーを務め、グラウンダーのシュートをゴール左へと蹴り込み。
GK小島は反応するも届かず、戦いを有利にする先制点を挙げました。

リードを奪われた新潟、早くも精神的に不利な中での戦いを強いられ。
J1の戦いも、結局はトップ下の伊藤の出来如何といった感じで、その伊藤が徹底的にチェックに遭って持ち味を発揮出来なければ当然厳しくなり。
失点直後の18分、左サイドからの攻めを経てカットインで中央へと移る伊藤、そのまま右へとパスを送るも短くなってしまいダニーロには通らず。
調子の乱れが伺えるシーンを描くと、22分には中盤でフリーキックとなった際、それを妨害した前を突き倒してしまうという絵図も生まれ。

福岡は先制点以降ハイプレスを掛ける場面は減り、コンパクトなゾーンディフェンスを重視する体勢へ。
それに伴い好機が減っていく、新潟にとっては文字通りの「ボールを持たされる展開」を強いられる事となります。

そして福岡の逆襲が冴え渡るという、予想通りの流れに。
30分に相手のお株を奪うように最終ラインから攻める福岡、左への展開に対する新潟のプレッシャーを受け、小田がパスのタイミングをズラしてのサイドチェンジ。
技ありのワンシーンの末に突破、右サイド奥へ攻め込みコーナーキックを獲得と、主体的な攻撃でもアドバンテージを得たかのような福岡。

すると当然というべき追加点が齎され。
上記ののちの右CKからも、キッカー中村ニアにクロス→金森フリック→ファーでルキアン足から跳び込みとゴールを脅かすと、攻めを継続させてさらに右CKに持ち込み。
今度はファーにクロスを上げたキッカー中村、そこにはサイズに似合わずヘッドの強さを誇る小田の跳躍が。
前回観た際の、京都・パトリックとの競り合いを制し続けたそのジャンプ力は健在で、ヘディングシュートをネットに突き刺し。
ペースを握った末にセットプレーで仕留める、一級品の流れで2点目を挙げた福岡。

一方シュートゼロのまま2点ビハインドと、窮地に追い込まれた新潟。
直後のキックオフでは裏抜けを狙うも、ロングパスに走り込んだ太田が湯澤に倒されて受けられず(反則無し)と、福岡の強度を振り払う事は出来ず。
ようやく流れを得れるチャンスが来たのは38分で、左サイドでのパスワークで密集を作ったのち、逆へ展開というお馴染みの流れで前進を果たし。
中央を伺った末の伊藤のエリア内へのラストパスは遮断される(二連続で)も、クリアボールを舞行龍が拾い継続。
再び中央へ送られ、伊藤のポストプレイを経て太田のミドルシュートが炸裂しますが、GK永石のファインセーブに阻まれゴールならず。

結局前半の決定機はこれだけに終わった新潟。
その後は福岡のロングパス攻勢を受け、デンが山岸のチャージで痛んだり、逆にルキアンが舞行龍のチャージで痛んだりというシーンが齎されるのみに終わり。
殆ど好機を作れないままの0-2と、厳しいといった感じで前半終了となりました。

それでもハーフタイムでの交代は無かった新潟。
ホームの大観衆を背に、何とか追いすがる姿勢を見せなければ雰囲気的にも後が無いという状況でしたが、スタメンを信じる選択を取った松橋力蔵監督。

しかしキックオフの利点を活かし、選手達が取った手は半ば奇襲というべき、ショートパスでの速攻でした。
左サイドで高縦パス→鈴木ダイレクトでスルーパスという素早い送りに対し、抜け出した太田を湯澤が倒してしまうと、今度は反則の笛が鳴り。
これでサイドからのFKを得た新潟、クロスが濃厚なこの位置(エリアラインからやや過ぎた所)からキッカー伊藤が取った手は、これまた奇襲のような直接シュート。
これが福岡の2枚の壁の間を抜け、巻いてゴール左へと突き刺さります。
最初の好機で1点を返すという、綺麗に「まだやれる」という意気込みを結果に反映させた新潟。

しかしその後再び福岡の好機が続き。
ボール奪取から少ないパス数で前方へと運ぶという、相手を上回る強度を活かしての攻撃で新潟ゴールを脅かしに掛かり。
フィニッシュこそ後半3分の山岸のシュート(ゴール右へ外れる)のみでしたが、10分の間にCKも2本得るなど押し込み続ける福岡。
新潟にしてみれば、まさに最初の奇襲を成功させていなければどうだったかという展開を強いられます。

何とか無失点で凌ぎ、反撃体制を取る新潟。
それでも守備面でも福岡の強度は光り、パスを繋ぐのに難儀。
12分には自陣で堀米の縦パスを高がスルーして伊藤に渡す(その後パスワークでエリア内まで迫るもシュートはいけず)という具合に、後方でもこうした絡め手を混ぜなければ前進は難しいといった印象でした。
15分には秋山の縦パスを太田がポストプレイで繋がんとするも湯澤にカットされ、思わず秋山が落胆する絵図も描かれるなど、「こんなはずでは……」という思惑を強いられていたでしょうか。

局面を変えたい新潟ですが、その最初の矢はアクシデントだった、というのは邪推でしょうか。
17分にゴメスが小田のチャージを顔に受け、倒れ込むシーンが長くなるなか、他方では高がスパイクの異常(紐が切れたとの事)で履き替え。
思わぬ形でインターバルが長くなり、落ち着きを取り戻さんとする新潟。
23分に伊藤が敵陣左サイドでパスカットしての好機、左奥を突いて得た左CK。
キッカーは伊藤でサインプレーを選択し、ファーサイド遠目で受けたゴメスがシュートを放ちますが枠を捉えられず。
流石に二度目の奇襲はモノにはなりません。

最初に交代カードに手を付けたのは福岡で、24分に金森→鶴野に交代。
これで山岸が左サイドハーフにシフトと、京都戦でも見せた手を使ってきた長谷部茂利監督。
その直後の25分、左サイドでプレッシャーを掛けた末に敵陣深めでのボールカットからのショートカウンターという、願っても無い好機が舞い降り。
交代で入った鶴野が左ポケットを突き、中央のルキアンへ横パスを送ったものの、遮断されて惜しくも撃てずに終わります。
何とか1点差を保つ新潟も、27分にベンチが動いて3枚替え。
太田・ゴメス・鈴木に代えて小見・松田・谷口を投入し、谷口の1トップに。

交代敢行した事で、前方への重心を強める新潟。
時折福岡の逆襲で裏を突かれる(28分にルキアンが収めからのトラップで抜け出すも、GK小島の好判断で凌ぐ)恐怖も過る中、松田の突破力を盾としつつの押し込みを見せていきます。
35分には再び最後方からのパスを藤原のスルーという手段で前進、松田・藤原の前進で右ポケットを突いてのクロス。
これを谷口がヘッドで合わせるも、眼前で三國のブロックに阻まれ防がれます。
徐々にゴールに近づくも、最後に立ちはだかる壁は厚いといった感じで時間が過ぎていき。

その圧力を受ける福岡も、36分に山岸が足を痛めるというアクシデントに見舞われ。
彼と併せ、こちらも3枚替えを敢行する福岡。(山岸・中村・小田→ウェリントン・田邉・前嶋)
これによりルキアンが左SHに、湯澤が左サイドバックにシフトと、ポジションチェンジも絡ませ逃げ切り体制へ。

前節とは異なり、今度はそのポストプレイ能力を逃げ切りに利用する事が求められたウェリントン。
スローインのボールを収めたのちにサイド奥へと切り込む(44分)など、その力を発揮する事はしたものの、得点力とは違いこちらの方面では加齢故の衰えは隠せないといった印象でした。
一方追いすがりたい新潟は、39分に秋山→島田へと交代。
多方面に渡り活躍が見込める島田をこの時間で投入し、推進力を高めに掛かります。

福岡が盤石でないながらも、新潟の攻撃機会を減らしていき、リードを保ったままついにアディショナルタイムへ。
しかしそこで最初の振る舞いで、パス交換の末に右サイド奥を取った紺野が、ボールキープでもクロスでも無くシュートを選んで終わり。(GK小島キャッチ)
結果にこそ直結しなかったものの、これが拙かったでしょうか。

以降最後の好機というべく、攻め上がる新潟。
リトリートに徹する福岡に対し、安易なパワープレイには入らずパスを繋ぎながら何とか隙を見つける体勢に。
そのパスワークの末に、投入された島田がミドルシュートを炸裂させますが、奈良のブロックに阻まれ。
万事休すかと思われましたが、その直後でした。
クリアボールを拾って再度最終ラインから攻める新潟、それに対し福岡はややプレッシングにいくかどうか迷いを見せ、その隙を突いてデンの縦パスで一気に前進。
そして伊藤が小見とのパス交換を経て果敢にミドルシュートを放つと、ゴール左へと突き刺さるボール。
土壇場で同点に追い付き、こうなると形勢逆転で、一気呵成とばかりに攻め上がる新潟。(福岡は直後にルキアン→佐藤凌我へと交代)

そして武器となったのが松田の推進力で、島田とのパス交換からのドリブルの末に、右サイド奥からグラウンダーでクロスを入れる松田。
これが乱戦を生み出し、高・谷口がシュートにいくもこぼれ球となった所に、待ってましたかのようにシュートを放ったのはまたも伊藤。
再びゴール左へと突き刺し、まさかともいえる連続ゴールで逆転劇を演じきりました。

そしてそのまま試合終了を迎え、3-2で勝利に辿り着いた新潟。
停滞が続いた末に待っていたのは大逆転勝利と、今後のモチベーションを保つという意味でも十二分な成果となったでしょうか。


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