※前回の町田の記事はこちら(2節・群馬戦、2-0)
※前回の藤枝の記事はこちら(1節・いわき戦、3-2)
<町田スタメン> ※()内は前節のスタメン
- オーストラリア代表に参加していたデュークが合流、即スタメン。
- 韓国U-24代表に参加していたチャンミンギュが合流。
- セレッソから藤尾をレンタル(育成型)で獲得、4節から出場。
- 高橋祥平がJ1神戸へレンタル移籍したため登録抹消。
- GK福井、藤原が初のベンチ入り。(福井は故障離脱から復帰)
- 下田の故障が発表され、3節・金沢戦(2-1)で発生して全治5週間との事。
- 奥山洋平の故障が発表され、2/20に発生して全治10週間との事。
- 高澤の故障が発表され、2/20に発生して全治6か月との事。
<藤枝スタメン>
- 2節(長崎戦、2-0)で負傷により途中交代した大曽根の詳細が発表され、全治2か月との事。
J2に参入後も、その持ち味である「超攻撃的サッカー」(正確には、超攻撃的の後に『エンターテイメント』が付くのですが)を貫いている藤枝。
6節を終了して成績は3勝3敗の五分。
得失点を見てみても得点9・失点10と出入りが激しく、5節・ヴェルディ戦では0-5の大敗を喫するという具合に、非常にスパッとした男らしい数字が表れています。
個人成績でも、1トップの渡邉は開幕節の2得点に始まり、3勝した試合全てで得点を挙げる活躍を見せて目下得点ランキングトップ。
今が絶頂期と言わんばかりの存在感ですが、もちろん勝負はここからであり。
自身のサッカーが通用する相手ならば勝てるが、そうでなければ負けるというのがハッキリしているクラブ。
もちろん序盤戦で、何処もチーム固めに必死な時期である事は差し引かなければならず。
つまり各クラブとも相手の良さを消す余裕はあまり無い状況といえ、ある意味藤枝にとって力が発揮し易い好条件でもあります。
しかし今節は目下5勝1分と首位を快走している、既にチームが出来上がっている風である町田が立ちはだかりました。
後方にはGKポープのフィード力、前方にはデュークのターゲットを務める能力がドンと構えており、そのスタイルもそれらを活かすものであり。
つまりはターゲット狙いのロングボールを軸として、パワーサッカーに近いスタイルで相手の余裕を失わせる事を第一とする町田。
成績的な力関係は抜きにしても、いかにも藤枝にとってやり辛さ満載といった相手。
前半1分に早くも翁長の武器である長いスローインから好機を作る町田。
デュークの戻しを受けた翁長が奥へ切り込んでクロス、これはGK北村がパンチングするも、稲葉がエリア内で拾って継続。
そしてスイッチから高橋大悟がシュート(ブロック)と、押し込まれた末にエリア内へ放り込まれるハイボールをクリアしきれず……といった、試合前の懸念材料が浮かび上がるようなシーンを描き。
その圧力に屈しない姿勢を見せる藤枝でしたが、逆にアフターチャージによる反則が目立つ事となり。
そしてその遠目からのフリーキックでも放り込みを選択する町田により、尚も危惧を強められます。
そして5分、右サイドで奥山政のスローインをデュークが収めてから敵陣で繋ぐ町田。
逆サイドへ移ったのち、翁長が今度は切り込まず手前からのクロスを選択すると、エリキの頭上へ上がったボールをまたもGK北村が掻き出しにいき。
しかし今度もエリア内から出せず、こぼれた所をダイレクトでデュークがシュートすると、ネットに突き刺さるボール。
その特色通りの先制点を早い段階で得ます。
直後の藤枝のキックオフ、戻したのち杉田から中央からダイレクトパスの連続で一気に突破を図る攻撃。
これがフィニッシュに繋がらなかった事からも、いきなりの出来事(失点)による混乱を打開せんと必死な精神状態に見えました。
その後再びの町田の押し込みを受け、ピッチサイドの須藤大輔監督からも立て直しを図る指示が出され。
ようやく本来の、最終ラインからのビルドアップによる攻撃態勢を整える藤枝。
しかし9分に久保が右サイドの突破からクロスを上げるもフィニッシュには繋がらず(GKポープが直接キャッチ)と、次は中央・ゴール前の硬い町田をどう崩すかという段階に直面したようでした。
10分には左サイド奥へ進入するも、戻したのち中央へと送り、渡邉がアシストに回る格好で杉田のミドルシュート。(枠外)
続く11分には岩渕のボールキープが高橋大に倒された事で、左サイド遠目からのFK。
ここでキッカー横山はエリア手前へのクロスを選択し、収めた岩渕が再度左へと展開し、受け直した横山がカットインで左ポケットへ。
そして奥を突いてクロス(クリアされる)という具合に、単純にクロスを入れても町田の長身選手に跳ね返されるだけな事は十分理解した攻めを展開します。
しかしそうなると結局遠目からのシュートに頼らざるを得ず、14分に岩渕が、17分に渡邉がミドルシュートを放つも実らず。(前者は枠外・後者はブロック)
23分にはGKポープのフィードのミスを突き、短くなったボールを久保がカット。
そこから左サイドへと展開され、榎本が奥からカットインシュート。
しかしここでも結局はエリア外からのフィニッシュとなりポープにキャッチされて終わり。
25分過ぎから再び町田の圧力が襲い掛かり、デュークに向けたロングボールへの対処に四苦八苦するシーンが続き。
それを見るや、30分にはロングフィードをデュークが合わせるフリをしたか、そのまま流れた所をエリキが拾って好機を作るなど頭脳プレーも混ぜ合わせる町田。(左サイド奥で反則、FKを得てのチャンスもシュートは撃てず)
何とか(ミドルシュートとは)違う形でのフィニッシュが欲しい藤枝。
35分にその時を迎え、後方でのパスワークを経て左サイドで榎本・横山の2人で崩しにいき、榎本がドリブルで左ポケット奥を突き。
そしてやや後方へのパスから岩渕がシュートするも、ブロックで防がれるとこれがよりによって直接エリキに渡ってしまい。
つまりは町田のカウンターが炸裂する展開となりますが、右のデュークに渡してからのエリキのパス&ゴーを、デュークのスルーパスをカットして何とか遮断します。
カウンターの恐怖もチラつく状況となった藤枝、心理的には1点以上のビハインドが重くのしかかるといった所でしょうか。
以降、奥からのスローインを入れ替わりでエリア内を突かんとしたり、コーナーキックではグラウンダーのクロスを選択と変化を付け。
絡め手で何とかエリア内でのフィニッシュを迎えようとしましたが、結局実らず。
終盤に平河と川島の頭部同士での激突といった冷や汗もののシーンも作られながら、スコアは動かず1-0のまま前半戦を終えました。
リードしている町田サイドが動いてきたハーフタイム。
高橋大→沼田へと交代し、それに伴い平河が右へと移って沼田が左サイドハーフに入ります。
そして始まった後半、藤枝は当然ながら安易なクロス攻勢にはいかず。
しかし今度は中央突破をメインとしたようであり。
後半3分に右から久保が突破の姿勢を見せるも、中央へと戻されたのち杉田が縦パスを(横山のスルーもあり)バイタルへと通し。
そして岩渕がミドルシュート、ブロックされた跳ね返りをエリア外から新井がシュート、再びブロックされるもまたも跳ね返りを杉田がミドルシュート。
3連続のミドルシュートでしたが、得られたのはブロックに当たっての枠外によるCKと、欲しかった同点弾は生まれず。
怒涛の3連撃も、いずれも遠目からのフィニッシュに終わったのは変わらず。
中央突破を図らんとすれば、それだけ町田も防ぐ意識が強くなり、選手を密集させてエリア内への進入を阻み。
藤枝は先程見せた縦パス→スルーを始め、入れ替わりやロブといった絡め手も交えて何とか進入しようとしますが、空中だけで無く地上も堅いのが現在の町田ディフェンス。
惜しい所までいくも、エリア内に入れてもフィニッシュには辿り着けないという流れは不変のものとなります。
そしてその過程で繋ぎのミスを発生させ、その結果町田に際どいシーンを作られ。
10分には縦パスが味方に当たり跳ね返るという形でのミスを拾われ、右ポケットを突いた平河から、追い越して彼のパスを受けたエリキがマイナスのクロス。
ニアサイドで平河が合わせたものの、シュートは浮いてしまい枠外に終わり追加点はならず。
今度は基本に立ち返ったか、最後方でのビルドアップでプレッシングを呼び込む手法に出た藤枝。
18分にはGK北村から前進し、その過程で一旦奪われるも渡邉が奪い返し、新井のスルーパスで裏を突き。
しかし走り込む榎本の直前でGKポープが足でクリアと、後一歩のところで阻まれます。
さらに19分には敵陣でボール奪取からの好機と、本来のポゼッション&ハイプレスを発揮していく攻撃。
ここでは縦パスを受けた榎本が、町田ディフェンスをかわしながら前進し左ポケットを突きましたが、これもGKポープに抑えられて実りません。
手を変え品を変えていった藤枝の攻め、好循環が生まれかかるも、その合間を突くように挟まれる町田の迫力ある攻撃で雲散霧消といった印象に。
21分には押し込んだ後に左サイドから翁長のロングスロー、ニアで跳んだデュークには合わずも、クリア出来ずにデュークに繋がれた末に稲葉のシュート。
ブロックしたこぼれ球をエリキがバイシクルでシュートにいき、GK北村が弾いた所を眼前で沼田が押し込んでゴールネットを揺らします。
しかしオフサイドとなり(恐らくエリキの段階で)、藤枝にとっては何とか命拾い。
その後22分に最初のカードを切る藤枝、岩渕→平尾へと交代。
流れを変えんとした藤枝ですが、ここに来てロングスローを決定機に繋げられるなど、着実に町田のパワーでスタミナを吸われているといった感じに。
26分に町田が助っ人FW2人を揃って代えた(デューク・エリキ→荒木・藤尾)のちも、その影響か際どいシーンを作られます。
27分には自陣右サイドでのスローインから前へ運び、代わった藤尾が右ポケットを突く所まで作り。(クロスがブロックされCKに)
何とか反撃体制を取り直したい藤枝、29分に再び動き杉田→矢村。
これで矢村が1トップに入り、渡邉がシャドー、横山がボランチへとそれぞれ移動。
攻撃的な横山を後方に移し、圧力を増さんとしましたが徒労に終わり。
敵陣でのパスミスで途切れるシーンが目立つなど、スタミナ切れの様相も見せてしまいます。
藤枝の攻撃を跳ね返し続け、著しく不利な立場に追い込ませるその姿はまさに難攻不落といった町田の戦いぶり。
35分に平川→チャンミンギュへと交代して3-4-2-1へとシフト、つまり5バックシステムという完全な逃げ切り体制を築くに至り。
それでも相手を脅かすという事も忘れず。
37分には再びロングスロー(以降右サイドからでも翁長が投げ入れる体勢に)からの好機、戻されたのちの二次攻撃で、藤尾がチャンミンギュとのワンツーで右ポケットを突き。
そして奥まで進入した所で久保に倒されるも主審の笛は鳴らずと、あわやPKという場面(当然町田サイドは猛抗議するも覆らず)も演出します。
何かが起こる気配は殆ど無いまま、アディショナルタイムを迎える試合。
藤枝は万策尽きたかのように、突入直前の45分でついにロングボール攻勢を見せ、鈴木の裏へのロングパスがクリアされてCKに。
ここでクロスの跳ね返りを矢村がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、最後のフィニッシュもやはり遠目からとなりました。
結局そのまま1-0で試合終了となり。
スコア的には町田が早期の先制点を守り切ったウノゼロ勝利という形ながら、力の差が感じられた内容でありました。
ゴールに近い位置で撃たせない事を徹底させた町田の強固なディフェンスは見事という他無く。
これだけ綺麗に結果を残せば、大補強した側(フロント)も満足となる事でしょう。