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DAZN観戦 2023年J2リーグ第9節 ジュビロ磐田vsFC町田ゼルビア

2023-04-15 16:52:22 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の町田の記事はこちら(7節・藤枝戦、1-0)

<磐田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • ファビアン・ゴンザレスが移籍問題により出場停止の真っ只中。出場可能は15節から。
  • 杉本がJ1・マリノスへ完全移籍、6節以降をもって登録抹消。
  • 針谷が7節(大分戦、1-2)で負傷交代、以降ベンチ外が続く。
  • GK齋藤・伊藤稜介・舩橋・川合の4名が4節から2種登録。
  • 李が7節から2種登録。
  • 来季加入内定の植村が特別指定で登録。

<町田スタメン>

  • 前節(秋田戦、0-1)は3-4-2-1。4-4-2へと戻して挑む。
  • 宇野の故障が発表され、6節(いわき戦、1-0)で発生して全治12週間との事。
  • 7節で負傷したミッチェル・デュークの詳細が発表され、全治6週間との事。

新規登録禁止という、厳しい船出を強いられた磐田の今シーズン。
その成績は3勝2分3敗と可も無く不可も無く、といった感じですが、チームを進化させる手段に乏しいのは明らかであり。
飛び級で新加入となった後藤の活躍はあれど、未だ17歳の若武者を全試合(リーグ戦)に出場させる程、選手層の問題は特にFWに厳しく襲い掛かっています。ここからさらに杉本が移籍した訳だが、本人が成績を残せていなかったため大した要因では無いと思われているのが珍妙

そして現在、ルヴァン杯の参加も強いられている影響で連戦の真っ只中。
1年でのJ1復帰、というフレーズを気軽に言える状況では無さそうですが、果たしてその凌ぎの先に待ち受けている情景はどのようなものか。

この日は目下首位の町田を迎えての一戦。
前節の大勝(水戸戦、5-1)もあり、ある意味チームの現在地を確認するにはうってつけの相手ですが、当然一筋縄ではいかぬ強敵。
ロングボール攻勢で強度を前面に押し出す町田に対し、前半3分センターバックの鈴木海が早くも(エリキへの反則で)警告を受ける事となってしまい。

ホームの声援を背に受け、普段通りのサッカーを貫かんとする磐田。
しかし町田のゆったりとしたペースに対し、主に町田のゴールキックの際に上がるブーイングが目立つといった状況。(相手の町田サポーターも、磐田のビルドアップに対しブーイングを目立たせていましたが)
これが良くなかったでしょうか。
11分町田はそのゴールキックからで、ポープのロングフィードが跳んだ荒木の頭上を越えると、エリキが拾った事で一気に好機が生まれ。
ラストパスを受けた平河がエリア内へ進入してシュートと、僅か1本のパス(ロングフィードも含めると2本)であっさりゴールに辿り着き。
いかにもパワーサッカーらしい攻めで、先制点を挙げました。

先行された磐田、ボールポゼッションを高めて反撃を敢行します。
しかし当然町田のプレッシングに悩まされる事となり。
遠藤が最終ラインに降りた時は前に運ぶ事が出来るようになるも、そうでない時は町田ディフェンスに引っ掛かったり、無理矢理なロングボールを上げるしか無いといった状況。
そして前に運んでも、町田の素早い寄せの前に結局は好機を作れずという時間がを強いられます。
一方の町田も無理攻めはせず、マイボールの際は最終ラインからの繋ぎを重視する姿勢へ。
それに磐田もプレッシングで対抗し、お互いにボールを握るも好機に辿り着けないというシーンが長く続き。

先に打開を見せたのは町田で、23分にGKポープの縦パスから稲葉ポストプレイ→藤原ダイレクトで縦パスでエリキに渡し。
そして平河をスルーパスで走らせるという、先制点と類似したシーンを生み出さんとしますがこれは繋がらず。
先手を取られた磐田も直後の24分、遠藤が厳しめの短いスルーパスを送り、これを松本がスライディングで繋ぐ事で打開を図り。
その後もプレッシャーをいなしながら前進し、遠藤の左への展開からドゥドゥのクロスが上がる(金子がヘッドで合わせるもシュートにはならず)という具合に、プレッシングを恐れず繋ぎに成功しての好機を生み出した両チーム。

そんな中で磐田・松原が町田の強度に対しやや神経過敏といった絵図を見せ、上記の好機の中で奥山政との接触があり、倒れ込む奥山政。
それに対し何らか言い放っていたシーンが映し出され、不穏な空気を生み出します。
30分には磐田が前進する中、荒木にアフターチャージを受けた事でパスワークそっちのけでヒートアップを見せてしまい。
リードされても冷静さを保つ中で、松原1人がそれに乗れていないといった流れとなります。
この空気は後も続き、37分には磐田のフリーキックの際に、リスタートを平河が妨害してしまい警告を受け。

そんな松原の居る左サイドを余所に、鈴木雄が盛んに上がる右サイドを重視して攻める磐田。
31分にそこから決定機、町田のパスカットに遭いつつもパスワークを完遂し、松本のスルーパスで右ポケット奥を取った鈴木雄。
入れられたグラウンダーのクロスはGKポープに弾かれるも、遠藤がエリア外で拾ってシュート、ブロックに当たるも尚もゴールに向かい。
しか右ポストに当たってしまい惜しくも実らずとなると、磐田は悔しがる暇も与えられず町田がカウンターに持ち込みます。
藤原がラフに裏へとボールを送り、拾われた所をすかさずエリキが奪い返し、そのままドリブルでエリア内へ。
最後は荒木への横パスを選択するも、GK梶川が抑えて何とか凌ぎます。

前への意識を高めるも、それを逆手に取られるという負けパターンが過る磐田。
42分には再び町田がGKポープからの組み立て、ボランチに対し上原が食いつきにいった事でかわされてしまい、そこからダルマ式に前に出てはかわされるの連続でピンチを招き。(最後は右から高江のスルーパスがエリア内に入るも平河には繋がらず)

磐田がポゼッションを高めて好機を作れるようになるも、その間に町田の逆襲を浴びるという流れが形成されつつあり。
そのまま迎えたアディショナルタイム、ここも右サイドからの攻撃で、パスワークの中でドゥドゥが逆サイドから張り出して攻めに絡み。
そしてハーフレーンから右ポケットへスルーパスを送るドゥドゥ、それに走り込むのは当然ながら鈴木雄で、奥からマイナスのクロス。
これを金子が合わせてシュートし攻撃を完遂させ、ゴールネットを揺らして同点に。
その後町田のキックオフ、ロングボールを送った直後に前半終了の笛が鳴るという具合に、最後の好機で見事結果を出したという形の磐田。

共に交代無く迎えた後半。
勢いそのままに、とはいかずも、最初に好機を作ったのはやはり磐田で後半2分。
ここも遠藤が中盤の底でミドルパスで展開、そのまま自身も左サイドで攻撃に絡みつつ前進。(松原からクロスが上がるもシュートにはいけず)

前半の苦境の時間帯然り、やはり遠藤が絡む事が今の磐田の生命線、という事を再認識させるには十分な内容。
それを町田サイドも理解したようで、8分は自陣でボールコントロールする遠藤に対し、2トップが素早くプレッシャーを掛けボール奪取に成功します。
しかしここはショートカウンターに繋げられず、一旦戻して作り直しに。
その直後に磐田も、町田ボランチ・高江を4人で囲んで奪うという具合に、キーマンへのチェックをお互い強める姿勢に。

攻めのリズムを掴むとともに、前述のパワーサッカーと相対する故の不穏な空気を振り払いたい磐田ですが、5分に不運な形でミソが付きます。
磐田のクリアでタッチに出たボールが壁に当たって跳ね返り、そのままGKポープが抑える事態になると、町田サイドに素早く渡さなかった事で遅延行為となり警告が出され。
俗にいう「スイカ泥棒」に思わぬ形で相成ってしまったポープ、前半の平河とともに、のちの伏線になってしまったでしょうか。

そんな中、磐田は11分に早くも遠藤を交代させる手段を採り。
連戦を考慮しての事なのは明白(前節もハーフタイムで交代)で、鹿沼へと代えて残り時間に臨みます。(同時に大津→後藤へと交代)

直後の12分、再び町田はGKポープのロングフィードによる好機。
跳ね返りを繋いだのちに高江がミドルシュートを放ち、コントロール重視でゴール右を狙ったものの惜しくも枠を捉えられず。
遠藤不在となった以上、先にペースを与えてしまった磐田は綺麗に繋げる事は厳しいといった状況で、再び町田の強度に悩まされる時間帯へと突入します。(15分に町田は高橋→沼田へと交代、平河が右SHへシフト)
攻めではプレッシャーを受けて前進に難儀し、守りは相手の長いパスによる前進を止めるのに四苦八苦。

それでもホームである以上、引き分け上等な戦いを見せる訳にはいかない磐田。
23分に松本の反則気味のボール奪取からの攻めで右サイド奥でのスローインに持ち込み、鈴木雄がカットインからミドルシュートを狙い。
ブロックされた尚もCKで継続するも、これを防がれると町田のカウンターが牙を剥きます。
2本目のクロスをGKポープがパンチング、このボールが直接平河に渡ると、一気にドリブルでエリア手前中央まで進む平河。
たまらず鹿沼が倒してしまい反則・警告、そして絶好の位置での直接FKを得た町田。
是非ともモノにしたい所でしたが、キッカー翁長の直接シュートは壁を直撃。

悔いが残る逃し方をした町田、これを境にチーム全体もペースダウンが見られ。
磐田が流れを引き戻し、攻撃を続けるも決定打に欠く中、31分に交代カードも切り(金子・松本→山田・藤川)勝負を賭けにいきます。
32分には左サイドのスローインから素早く松本がクロスを上げ、クリアボールを鈴木雄が再びミドルシュート。
これも翁長のブロックに阻まれ、尚もエリア内を伺うようにパスを繋ぐもののモノに出来ず。

しかし町田サイドも危うい流れの中、直後のゴールキックでGKポープがやらかしてしまいます。
フィードが低くなって直接後藤にカットされる事態となり、そのままエリア内でGKと一対一に持ち込む後藤。
ポープを右へとかわし、GK不在のゴールへシュートを流し込んだものの、ここも翁長が戻ってブロックで防ぎ難を逃れ。
町田にとってはホッと一息といったシーンでしたがそれも束の間、最悪の事件がここで発生します。
外に出たボールが藤原の下に転がると、素早くCKを始めるべく山田が強引にボール奪取。
しかしこれにより生まれたのは逆上した藤原の蛮行であり、山田を押し倒した藤原によって両軍入り乱れる事態に繋がってしまいます。
ベンチのスタッフ総出で何とかこれを収拾し、この要因となった藤原に対して主審が赤いカードを突き出したのが37分。(同時に藤原に対して手を出したと思われるドゥドゥ・鈴木雄にも警告)

数的優位となった磐田ですが、状況が状況故に直ぐに試合再開する事は許されず。
その間に町田ベンチはCBを補充する交代を敢行(荒木→グティエレス)してしまい、町田の動揺を突く事は出来ませんでした。
以降、町田が4-4-1ブロックで固める体勢を取る中、それをどう崩すかという問題に立ち向かう事となった磐田。
(町田は42分にエリキ→藤尾に交代、直後に磐田も上原→小川に交代)

43分に好機を迎え、山田が細かい繋ぎによる前進を経てエリア内右へスルーパス、そこに藤川が走り込み。
しかし町田は翁長がショルダーチャージで藤川を弾き飛ばしてのディフェンスで防ぎ、これが反則無しとなった事で磐田ベンチは一斉に異議を唱える事態となってしまいます。
乱闘後もその暗雲を引きずる事を強いられ、それに従うように45分には山田がスライディングでグティエレスを削ってしまい反則・警告。

状況を打開できない磐田。
突入したATでも、町田のブロックの外でボールを回すだけ、というシーンを長く強いられ。
その結果フィニッシュに辿り着く事無く、数的優位が逆に足枷となったようなサッカーを強いられる事となりました。
町田は引き分け上等、といった感じでしたが、こちらも遅延行為でグティエレスが警告を受ける等カード塗れの流れには逆らえず。

結局長いATで試合は動く事無く、1-1のまま試合終了の笛が鳴り。
ホームの磐田は言わずもなが、町田にとってもこれで首位の座を明け渡すなど、連戦を象徴するように難儀な試合になりました。
お互い3日後にはスカッとする試合をこなしたい所でしょう。


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DAZN観戦 2023年J3リーグ第6節 ガイナーレ鳥取vsヴァンラーレ八戸

2023-04-13 16:01:17 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

ここ2年昇格争いから遠ざかっている鳥取ですが、監督の金鍾成(キンジョンソン)氏は続投となって今季が3年目。
過去に琉球を3年かけて昇格させた実績に賭ける、といったフロントの選択でしょうか。単に金氏の母親が鳥取県出身という縁で繋がっている節もあり

そして今季に向けての編成は、新井・魚里・妹尾ら見慣れた主力選手がこぞって移籍。
金氏就任(2021年途中)以前の選手達は、GK糸原・鈴木・石井・世瀬・大久保・坂本しか残っていないという、激しい血の入れ替えを敢行して挑んでいるシーズン。
「監督を取るか、選手を取るか」という難しい選択を強いられたようなフロントで、選んだのは前者だったでしょうか。
そんな非情な政策の末に、この日の対戦相手である八戸に移籍した妹尾との古巣対決が実現する事となりました。

キックオフから、追い風効果もあり攻め続ける鳥取。
流れに乗れずリトリートに徹する八戸を尻目に、GK以外の全員が敵陣に進入しての攻撃を続け。
前半2分に早くも、右サイドでスルーパスに走り込んだ田村がクロス、中央で跳ぶ大久保を越えて収めた東條がシュート(GK大西セーブ)と決定機。
これを皮切りにガンガンフィニッシュを放っていき、それに伴いGK大西のセーブ数も膨らむという良好な流れを築きます。

一方5-3-2の陣形での専守を強いられた八戸。
9分に自陣から國分がスルーパスを送り、そこに妹尾が走り込むも繋がらず。
持ち味を発揮せんとする妹尾ですが、流石にチームが苦境の最中とあってはそれは難しいといった絵図に。

ハーフコートマッチと表現すべき展開を続けていた鳥取ですが、14分に重松が山田のチャージを顔に受けてしまい、これにより鼻から出血。
すかさずピッチ脇で止血を強いられる事となり、一時攻勢を止めざるを得なくなり。

相手の隙を突いてようやく攻め上がりを見せる鳥取ですが、18分に重松が復帰。
その直後の攻撃で右サイドからスローインを得ると、相田のロングスローで一発打開を狙います。
しかしダイレクトでGK糸原がそれを抑えると、ここからの繋ぎが先制点を齎します。
左へスローされたボールをパスワークで前進させていく鳥取、東條ミドルパス→大久保収めて浮き球で中央へ→田村と、空中でボールを繋いだ末にシュートチャンス。
そしてエリア内でボールコントロールを果たした田村のシュートがゴール右へと突き刺さり。
災い転じて……という具合に、アクシデントが相手を引き込む効果があったでしょうか。
八戸に堅守を築かせる前に、ゴールに辿り着きました。

八戸は22分に再び右サイドでのスローインで相田がエリア内へボールを投げ入れ。
今度は鳥取がクリア出来ずに乱戦が齎され、こぼれ球を妹尾がシュートするもブロックに跳ね返され。
さらに近石シュート→ブロック→近石繋いで國分がシュートと連続攻撃を見せますが、これが味方に当たった事でオフサイドで終了に。

その後再度鳥取の攻勢に突入すると、リードされた事で、八戸ディフェンスの姿勢も曖昧となり。
24分に最終ラインから右サイドで攻める鳥取、石井→田村ダイレクトで戻し→石井ダイレクトでスルーパスという繋ぎで、裏を取った大久保が奥を突いてマイナスのクロス。
これをニアサイドで走り込んでいた石井が合わせ、シュートはゴールバーを直撃するも、跳ね返りを東條が狙いすましてボレーシュート。
追加点を挙げ、試合展開に相応しい点差を付ける事に成功します。
石井のスルーパスは「田村の戻しがぶち当たった」ような絵図で偶発的という感じでしたが、それであっさりと破られる辺り、点差が齎す意識は大きい事を実感させるに至り。

まだまだ取れそうなシーンが続く鳥取。
27分にはコーナーキックから、キッカー田村のやや遠目へのクロスを大久保がボレーシュート。(GK大西キャッチ)
続く28分も、GK糸原からの繋ぎでフィニッシュまで辿り着き、世瀬がミドルシュート。(GK大西セーブ)
前半から、大西が居なければ何点取られたか判らないような展開を強いられる八戸。

専守だけでは埒が明かない八戸は、次第にボールを握る時間を作る(強いられる)なか、右センターバックの加藤が攻撃に絡み出し。
この辺りは石崎信弘監督のチームらしく、前年まで富山を率いていた際の柳下を彷彿とさせる攻めの形。

しかし主体的な攻撃の意思を見せる八戸を襲ったのは、ビルドアップを遮断されての逆襲というシーン。
40分に世瀬のパスカットで中盤からのショートカウンター、重松が中央でポストワークを果たしてエリア内右へ繋ぎ。
上がって受けた石井が切り返しからシュートするも、蓑田がスライディングで何とかブロック。
45分にも東條のボール奪取から素早くエリア内へ運ぶ鳥取、今度は田村がエリア内右からシュートを放つも枠を捉えられず。
目も当てられないといったシーンが続いた末に、突入したアディショナルタイムでも鳥取が好機。
今度はポゼッションで、左サイドで数多パスを続けた末に右へと素早く展開、石井のクロスを大久保がヘディングシュート。(GK大西キャッチ)

このままでは何も好材料を持てずにハーフタイムを迎える八戸。
しかしその直後に好機が訪れ、切欠は妹尾のドリブルからのシュート。
ブロックで防がれるも、右サイドで拾った國分からクロスが上がり、ニアサイドで宮本が擦らすようにヘディングシュート。
これがゴール左へと突き刺さり、苦境の中放った一矢が希望を齎しました。
1点差となり、直後の鳥取のキックオフはロングボールを左奥ピッチ外へと蹴り出す選択が取られた末に前半終了。

そしてHT、八戸は交代を敢行。
リベロの近石を退かせ饗庭を投入、蓑田がリベロに回るという具合に最終ラインを弄ってきた石崎監督。
なお饗庭は元秋田(前JFL・高知ユナイテッドSC)ですが、そこで出番は無かったためこれがJリーグデビューとなりました。

鳥取のキックオフで始まるも、またもや左サイド奥へ蹴り出すという選択を採り。
そこからスローインの攻防、という戦略を描いていたと思われますが、傍らからでは消極的にも映りました。(以降2度キックオフがあったが全てこの立ち回り)

そんな相手の姿勢もあり、前半終わり際の得点で力を得たか、八戸がプレッシングを強める守備意識へとシフトした後半。
布陣的には、相田がボランチへと回る3-4-2-1(妹尾が右シャドー)へとシフトしたと思われますが、シャドーが前目の5-2-3という守備体系。
前掛かりという言葉がピッタリな陣形ですが、GK糸原にまで果敢にプレッシャーを掛けていき、鳥取のビルドアップを乱していきその効果は抜群となります。

ペースを奪った八戸、これによりようやく活躍の下地が出来上がったと言わんばかりに妹尾が跳梁。
後半5分スローインの繋ぎからの右サイドからのクロスは跳ね返されるも、中央で拾って攻撃継続、稲積の縦パスを前澤がスルーしてエリア内へ。
受けた相田がディフェンスにこぼされた所を妹尾がシュート。(ブロック)
7分には中盤でのパスカットから素早く前進、妹尾が中央から斜めのドリブルでエリア内左を突いてシュート(GK糸原キャッチ)と、着実に古巣へ活躍を見せ付けていきます。

流れを切りたい鳥取、9分に早くもベンチが動き東條→小澤へと交代。
突破力旺盛な選手を入れて対抗せんとしたでしょうか。

しかしそれは果たされず、15分ついにその時が訪れます。
蓑田のラフなロングパスを宮本が収めにいき、足下にこぼれた所をすかさずエリア内右へスルーパス。
これを走り込んで受けた妹尾、その勢いのまま奥へと進みシュート。
角度の少ない所ながらも、ボールはGK糸原の股を抜いてゴールに吸い込まれ。
見事に恩返し弾という目的に辿り着いた妹尾により、同点に追い付いた八戸。

その後も攻勢を続ける八戸。
しかしそれにより、前半あれだけ押し込まれたという事実を何処かに置き去りにしてしまったでしょうか。
19分の鳥取はGK糸原のロングフィードからの攻撃、大久保は収めきれずも、カバーした重松がエリア内へスルーパス。
田村がGKと一対一となるシーンを作り上げ、その期待に応えてワントラップでGK大西を左へかわした末にシュートを放った田村。
八戸の上げ潮も束の間、というような勝ち越し点が鳥取に入りました。
直後に鳥取は、大久保・普光院→澤上・富樫へと2枚替え。

再びリードしたものの、後半は圧され気味の鳥取。
もう1点取って安堵したいという気持ちは当然であり、22分に小澤が左サイドをドリブルで奥を突いたのちにカットインでそのチャンスが。
左ポケット奥からマイナスのクロス(というより殆どバックパスに近い)を送り、後方で澤上が合わせシュートと、交代選手の躍動でそれを果たさんとしますがGK大西に防がれ。

一方またも追い付くためのサッカーを余儀なくされる八戸。
その途中でアクシデントに見舞われ、26分加藤が筋肉系トラブルを発生してしまったらしく続行不能となり、担架で運ばれる事態に。
交代準備をする間、山田が最終ラインへと降り、饗庭が左サイドバックに回っての4-4-1で凌ぐ体勢を採ります。

28分に再び小澤がカットインでエリア内を掻き回さんとし。
それを切った八戸、クリアした蓑田が富樫のアフターチャージを受けて反則(富樫に警告)と、鳥取の前へのベクトルを何とか防ぎます。
そして29分に加藤と併せて3枚替えを敢行。(加藤・宮本・妹尾→丹羽・佐々木・佐藤)
これにより3-4-2-1へと布陣が戻り、山田がリベロを務める事で相田・前澤のドイスボランチに。

数的有利の時間が終わっても、鳥取の前掛かりな姿勢は変わる風は無く。(31分に直接フリーキックの好機を得るも、キッカー重松のシュートは枠外)
これが勝負の分かれ目となったでしょうか、33分に右サイドから攻め上がる八戸に対し、放たれるスルーパスを前に出てブロックという形で防ぐ鳥取。
しかしこぼれ球を尚も繋ぐ八戸、佐々木のダイレクトでのスルーパスが裏に送られると、佐藤がオフサイドポジションに。
これに鳥取サイドは一瞬緩んでしまったか、スルーする佐藤を尻目にエリア内へ走り込む相田、先んじて抑えにいったGK糸原が伸ばした手に引っ掛かる形で倒れ。
たまらず反則を告げる笛が鳴り響き、当然PKの運びとなり同点のチャンスを得た八戸。
キッカーは代わって入った佐々木が務め、威力を重視してのシュートをゴール右へとキッチリ突き刺します。
再び追いついた八戸、スコアは乱打戦というべき3-3に。

そしてまたもキックオフでボールを捨てる選択をする鳥取。
しかし今度は、八戸のスローインのボールを奪う形で実らせて攻撃権を得ます。
37分には右サイドで細かく繋ぎ、ポケットを伺いつつパスを回したのち石井がクロス。
これをファーで小澤がヘディングシュートに持っていきますが、ゴールバー上部に当たっての枠外となり惜しくも逃します。

しかしペースを握らせない八戸、39分にこちらも絶好機。
右からクロス→クリア→左手前からクロス→クリアを経て、跳ね返りをダイレクトで前澤が縦パスを送り、トラップした相田が落とし。
収めた佐々木とスイッチする形で、再度ボールに向かった相田がシュートにいきましたが、GK糸原が前に出てのセーブに阻まれ勝ち越しならず。

乱打戦に相応しい、決定機の交錯を経てペースを掴んだのは八戸。
鳥取の前進を中盤で遮断する場面を頻発させ、ゴールに迫る流れに。
そこからはモノに出来ずも、迎えたATでは押し込みの末にセットプレー攻勢に持ち込み。
乱戦をセットプレーの一発で締める、という胸すく展開を作り上げたかったですが、こちらも実らず。

すると最後に鳥取がカウンター気味に脅かしに掛かります。
GK糸原のロングフィード一本で、裏に小澤が走り込む所を國分がクリアミス。
まさかの大ピンチかと思われましたが、その國分の足に引っ掛かる形で倒れてしまった小澤、しかも反則無しという判定に終わり。

いきり立たざるを得ない鳥取、尚もラストプレーで好機。
先程判定に泣かされた小澤が中盤でボール奪取、そのままドリブルで左サイド奥を突いたのちにカットイン、左ポケットに入り込み。
しかし稲積に倒されると、またも主審の笛は吹かれずに終わってしまいます。
そしてクリアされて笛が鳴り響きましたが、それは試合終了を告げるものでした。

序盤の攻勢からの複数得点、後半一転しての劣勢に、過去の同僚の活躍が交っての同点劇。
それを突き放すも、今度はPKで追い付かれ、逆に自身にPKは与えられず……といったイベント満載の試合となった鳥取。
しかし引き分けで勝ち点1という事実は変わらず。
これで3連続引き分けで足止めを喰らう形となりましたが、目標の昇格に向けて、出入りの激しい試合に終止符を打てるかどうか。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第7節 アビスパ福岡vs京都サンガFC

2023-04-12 16:59:08 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

前年の残留争いとは打って変わって……といえるかどうかはまだ不明な序盤戦。
とは言っても今季の降格枠は1のみなので……というのは連呼し過ぎか。
そんな状況同士、既に3勝を挙げている福岡と京都の対戦。

それでも、敗戦数でも1敗のみという福岡の方が出色の出来であり。
今季は基本フォーメーションを3バックで貫いている(3-4-2-1)との事で、その成果か守備の安定化は目覚ましく。
得点は6試合で6と同数ながら、負けない戦いが出来ているのが大きいでしょうか。
しかしこの日は一転して、4-4-2と布陣を変更して臨みました。

前半の立ち上がり、お互い相手の強度をかわすようにロングボール中心の立ち回り。
その中でも京都は、前半3分に中盤の位置で(松田が)反則を受けると、遠目からにも拘らず放り込みを選択するなどその割り切りは徹底されており。
このやや左からのフリーキック、エリア内右へのロビングをパトリックが折り返し(こぼれ球をクリアされて撃てず)としっかり形にした京都が、相手を自分のペースに巻き込んだという印象の序盤戦となりました。

その後右サイドから、長短どちらもくまなく使った攻撃で押し込む京都。
「短」は、盛んにオーバーラップする白井が高目でパスを引き出して奥を取り。
「長」は、自陣からのスローインでターゲットとなるパトリックのフリックを軸に一気に敵陣へ切り込み。
福岡はその圧に押されながら何とか攻撃を切るものの、副産物であるコーナーキックも膨らむ苦しい時間帯を強いられます。

悪い流れを払拭したい福岡、16分にクリアボールを中村のポストプレイを経て前が拾うと、そのまま中央遠目からシュート。(枠外)
果敢なフィニッシュで振り払わんとする姿勢を見せると、直後の17分に今度は京都が、ロングパス→パトリックの落としを経て木下が遠目からシュート。(枠外)
お互いにロングシュートを撃ち合う珍妙な絵図となり。

それにより流れが変わる期待を抱く福岡でしたが、20分に京都が再び遠目からのFKでの放り込みによる攻撃。
一旦は跳ね返すも京都サイドが拾い、今度は白井がエリア内へ放り込むと、井上の折り返しを尻目にアクシデントが発生します。
ボールの行方を追っていたパトリックとグローリが頭部同士で激突、まともにパトリックの後頭部を受けてしまったグローリがダメージ深く倒れ込む事態となってしまい。(パトリックは割と直ぐ起き上がる)
2分程かけて何とか立ち上がるグローリ、鼻から出血もあったらしく、ピッチ外で治療を受けてプレーを続けます。

痛々しいシーンながらも、これにより京都ペースは途切れた感があり。
その後福岡がセットプレーから攻勢、25分に左サイドからのFKで、ルキアンがヘディングシュートを放つもパトリックが頭でブロックして防ぎ。
27分のCKでは湯澤がヘディングシュート(枠外)と、折り返しメインの京都とは対照的に、ダイレクトでフィニッシュする事が目立った福岡。

こうしてセットプレーからの好機がお互い続くうちに、福岡サイドも30分に自陣からのFKで放り込みを選択するなど、その姿勢に拍車がかかる試合展開。
流れの中からでは、どうしてもプレッシングにより最終ラインからの繋ぎがままならないので、強引な放り込みに舵を切るのは半ば想定済みといった両クラブ。

先程負傷したグローリですが、再びその危惧に巻き込まれたのが33分。
自陣から木下が巧いトラップからドリブルで持ち込む京都、こぼれた所を拾わんとしたグローリ、今度は木下のスライディングで足を削られる事態となってしまいます。
倒れ込むグローリを余所に、犯行?側の木下が足裏を向けていたため、退場となるかどうかのVAR判定が行われるスタジアム。
そしてOFRにまで持ち込まれ判定結果が下される、木下にとっては緊張の一幕となりましたが、主審(福島孝一郎氏)が突き出したカードは黄色で何とか命拾い。
一方のグローリも無事に起き上がり、11対11のまま試合は続きます。

その後も43分に佐藤響のミドルシュートを頭部でブロックしたルキアンが倒れ込むなど、負傷交代の危機といったシーンが続発する試合絵図。
その影響で長くなったアディショナルタイム、序盤で再び京都がFKで放り込みによる攻めを見せるも、クリアした福岡がカウンターで紺野が右からカットインを見せるシーンを作り。
ここからはフィニッシュに繋げられずも、これでペースを奪った福岡が以降攻撃権を独占するに至り。
最後はまたもFKから、中村のクロスを小田がヘディングシュートに持っていきましたが枠を捉えられず。
結局前半はスコアレスで終了となりました。

ハーフタイムで動いてきたのは京都で、山田→一美へと交代。
3トップ全てがフィニッシャータイプへ傾倒といった京都の布陣ですが、この交代でそれをさらに固定化させるに至ったでしょうか。最も純正なウインガーは絶滅種族っぽいですが
早速の後半1分に、パトリックが左ワイドでスルーパスを受けるという具合に、ファーポストが両方ともに控えた利点を活かす攻撃を見せ。

一方の福岡、紺野の跳梁する右サイドを橋頭堡として反撃。
3分に前進からのカットインで右ポケットを突いた紺野、奥へのスルーパスを選択して走り込んだ湯澤のクロス。
京都サイドは意表を突かれたか、クリア出来ずにバウンドしたボールをファーサイドでルキアンがシュート。
さらに中央の山岸に当たるというイレギュラーが加わりましたが、GK太田は動じずにコースが変わったボールををキャッチ。

その後6分にもワイドからカットインを仕掛けた紺野、エリア内からのシュートがブロックされたのちに再び一悶着のシーンが生まれます。
呼び起こしたのはまたも木下の左サイドのドリブルで、カウンターに入りかけた所を前が追走した結果、木下の振った腕が前の顔に入ってしまい反則に。
倒れ込む前を尻目に、既に警告を受けている木下への注意を綿密に行う主審と、カード(並びに退場)をアピールする福岡サイドといった絵図。
結局カードは出されなかったものの、事態を重く見た京都サイドは、今後の退場を避けるべくすかさず木下→豊川へと交代しました。(一美が左サイドに回る)

カードを切る事を余儀なくされたような京都でしたが、再びセットプレーの好機に持ち込んだのが9分。
しかも今度は右サイド奥まで攻め込み、白井のボールキープが(小田の)反則を誘うという形で、クロスには絶好の右奥という位置からのFK。
キッカー福岡慎のクロスはクリアされるも、一美が拾って今度は逆サイドでボールキープし、佐藤響が手前から角度を付けたクロス。
これを豊川がフリックで流すと、ファーサイドでパトリックが足でシュート。
それはまさに「合わせただけ」な格好のシュートでしたが、GK永石は反応できずゴールネットに突き刺さり。
放り込みの姿勢がついに実り、京都がリードを奪う事に成功しました。

アクチュアルプレーイングタイムの少ない試合展開で、ビハインドとなった福岡は苛立ちが隠せず。
15分には自陣で反則を受けてプレーが途切れると、ポイントから離れなかった佐藤響を前が押し倒してしまうというシーンも描かれます。

紺野の居る右サイドに比べ、左での押し込みが不足といった攻撃陣。
その影響か、20分に最初のカードを切り金森→鶴野に交代、FWに入った鶴野により山岸が左サイドハーフへと回ります。

一方の京都、先制点により落ち着きを得たか、以降も白井の切り込みやパトリックのフリックといった手段で攻撃。
しかしパトリックが疲労のためか、ハイボールで競り負けるシーンが目立ち始め。
これにより後方からのロングボールによる攻撃は成り立たなくなります。

有利な条件を得た福岡ですが、ハイプレスからミドルプレスへと切り替えた京都に対し中々攻撃の形を作れず。
最終ラインはボールを持てるようになるも、一度前方へ送ればすかさず取り囲まれるという状況に難儀を見せる事となり。

そうして時間が進んでいき、ジョーカーとしてウェリントンを用意させていた矢先の30分。
先程手を打った左サイドからの攻撃が嵌り、上がって奥を窺わんとした小田から前→ルキアンと経由して中央へ。
ペナルティアークでトラップして浮かせたルキアン、そのまま浮き球をエリア内へ入れる選択をすると、これが眼前でチェックに入っていた麻田の右腕に当たる事となり。
こぼれ球をシュートした前を尻目に、ハンドの反則を告げる笛が吹かれると、京都サイドの猛抗議を受けるなか再びVARチェックの時間に入ります。
ハンドかどうか→その場がエリア内かどうかという二重のチェックを経て、主審の福島氏が下した判定はPK。
絶好機を得た福岡、キッカーはそのPKを呼んだルキアン。
これを冷静にゴール右へと蹴り込み、GKの逆を突いて見事同点弾を齎します。

追い付いた福岡ですが、ウェリントンの投入は止めず。
紺野と交代し、これで4トップかと錯覚するようなメンバー揃いましたが、実際には鶴野・ウェリントンの2トップに山岸がトップ下、ルキアンが右SH。
そして前が左に回り、4-1-3-2という現代ではややレアなフォーメーションを採ります。
一方の京都も、同時に福岡慎→アピアタウィア久へと交代し、3-4-2-1へとシフト。

双方布陣変更を交えた交代となりましたが、いかにも前掛かりな姿勢を採った福岡の勢いは止む事無く。
37分に左サイドでウェリントンが収めて起点となり、スルーパスで奥を取った小田がCKをゲット。
ターゲットも増えて絶好のセットプレーといった福岡(CBの一人の奈良は後方で控えている事が多かったこの日)、キッカー中村のクロスが中央へと上がり。
アピアタウィアを外し、ノーマークの状況を作ったウェリントンが綺麗にヘッドで合わせると、DFに当たりネットに突き刺さるボール。
期待に見事過ぎる程に応えたウェリントンにより、逆転を果たした福岡。

喜び一色というホームチームを尻目に、追う立場となってしまった京都。
40分に最後の交代を敢行すると、投入したアピアタウィアをインアウトさせるという手段を採り。
三沢と交代、同時に松田→谷内田へと代え、これによりフォーメーションを4-1-2-3へと戻す選択をしてきました。

手は打ったものの、ピッチ上ではベンチのその意気込みに応える事が出来ず。
既にパトリック狙いのロングボールは無効と化し、後方から組み立てようとすれば、ここに来て強さを増す福岡のプレッシングに苛まれ。
41分には寄りによって自陣深めの位置で鶴野にカットされると、そのまま左ポケットへ切り込んでシュートを放つ鶴野。
GK太田が横っ飛びで何とかセーブしたものの、同点を狙いにいく余裕すら無くなる京都。

福岡の最後の交代は45分、山岸→三國ケネディエブスで、それにより普段の3-4-2-1へとシフト。
以降も敵陣で果敢にプレッシングを掛けていき、マイボールの際はサイド深めに持ち込んでキープする姿勢で時間を使う立ち回り。

最早これまでといった京都ですが、ATの最終盤にスローインから右サイドを前進していくと、川崎がカットインでエリア内を急襲。
そして出された横パスを豊川がシュートと、針の穴を縫うように好機を作ったものの、GK永石のファインセーブでモノに出来ず。
直後のCKでのクロスが掻き出された所で、試合終了の笛が鳴り響きました。

決して高くない得点力の中、胸すく逆転勝利で4勝目を挙げた福岡。
ここまでは恒久的なJ1定着の足掛かりを築くには十分すぎる成績ですが、果たして毎年残留を目指すだけのシーズンからの脱却はなるかどうか。


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DAZN観戦 2023年J2リーグ第8節 レノファ山口FCvs栃木SC

2023-04-11 16:01:04 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の山口の記事はこちら(5節・金沢戦、2-5)
※前回の栃木の記事はこちら(5節・大宮戦、2-1)

<山口スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節からシステムを一新、明確なドイスボランチを置き、メンバーも(リザーブ含め)それに合わせて大幅に調整。
  • 田中の負傷が発表され、発生日時は不明(6節以降ベンチ外なので5節以降)で全治5週間との事。

<栃木スタメン>

  • 神戸が前節退場(警告2度)のため出場停止。
  • 小堀が今季初のベンチ入り。
  • 小野寺の負傷が発表され、3/29の手術敢行から復帰まで8か月との事。

膨らむ失点に対し、手を打たざるを得なくなった山口。
確かに前回観た際は5失点という結果もさる事ながら、ビルドアップの手段をひたすら変えるその姿は凝り過ぎといった感があり。
あれだけ基本形の部分で不安定になれば、リスクは高まる一方でリターンと釣り合わないのはある意味当然といえました。

そんな訳で、守備の安定化のためテコ入れを図った名塚善寛監督。
GKの入れ替え(関→吉満)を含め、松本・佐藤謙介・五十嵐陽太といったレギュラー級の選手が軒並みメンバー外となり。
そして勝ち点3を挙げたのが前節で、結果も出た事で継続して挑む事となったこの日。

ルヴァン杯の影響で日程のズレによる連戦(6・7節)を強いられた栃木との一戦。
一筋縄ではいかない試合になりそうな中、難しくしたのがピッチ内の強風。
ロングボールに影響を及ぼすのは言わずもなが、前半のうちに風向きが幾度も変わるという不安定ぶり。
おかげで風上なはずの栃木も、その情景を考慮しての立ち回りを余儀なくされました。

立ち上がりはそんな風のご機嫌を確かめるような振る舞いで、お互いさしたる好機は無く。
風を利用したかった栃木も、その不安定さを感じるやいなや、地上でのビルトアップが中心の攻めを展開するに至りました。

一方の山口のビルドアップは、確かに戦術変更の節が見られ。
サイドバックが高い位置を取るのは敵陣までボールを運んだ後で、栃木がプレッシングを強めて来た際は素直にロングボールで逃げ。
反省を踏まえての、リスク管理を第一とした思考が明確に感じ取られるサッカーとなりました。
その代わりパスがズレてしまいタッチを割るシーンが続発する等、繋ぎの部分に違和感を齎していたようで、この辺はキッチリとトレードオフを強いられ。

相手のそんな変化を受け、風という要素もあった栃木サイドがやや難儀な展開を強いられた前半。
前半12分左サイドから攻める山口、スルーパスに走り込んだ沼田に黒﨑が蓋をするも、沼田が粘って奪い返した末に反則を受け。
左奥からのフリーキックとなると、その攻撃を防いだ栃木は、あろう事か味方同士でチャージし合う(クリアにいった高萩の足が根本の頭部に入る)絵図を作ってしまう等リズムの悪さが垣間見えました。
それを突くように、尚もコーナーキックを連続させてセットプレーの攻撃を続ける山口。

栃木は地上からの攻撃がメインとなるも、繋がる事は殆ど無く好機を得れない状況。
5試合ぶりのスタメンとなった大ベテラン・高萩が、ボールキープとポジショニングの妙で何とか循環させようとしますが、焼け石に水といった感じに。
最も目立ったのは22分に自陣でクリアボールを拾った際、山口のゲーゲンプレスを受けるも囲まれながらボールキープの末に、浮き球で脱出を図ったシーンだったでしょうか。(その後それを拾われて尚も山口の好機に)

山口は繋ぎの部分で若干不安定ながらも、徐々にポケットを突くシーンを見せて好機を演出。
この辺りは根底の部分は残っているといった感じでしょうか。
30分には右サイドからの攻めで、クロスがクリアされた後に拾って二次攻撃、縦パスを右ポケットで受けた山瀬がシュートを放ち。(ブロック)
この30分を過ぎた辺りから風向きが山口の追い風となるなど、試合展開も山口ペースに相応しくなりつつありました。

しかし風向きが元通りになると、栃木は37分にラフなロングボールを根本が収めてからの好機。
福森のミドルシュートはブロックされるも、拾って左サイドから繋いで西谷がクロスに持っていき、跳ね返りをさらに佐藤祥が拾い継続。
そして山田がシュート(枠外)と波状攻撃を掛け、これで流れを奪い取れたでしょうか。
迎えた40分、ここも右サイドから高萩のクロスが上がり、跳ね返りを山田が拾って連続攻撃の構え。
戻しを経て高萩が再度エリア内へロビングを上げると、左から福森の足での折り返しを経て、福島が足から跳び込んで合わせ、ゴールネットを揺らし。
セットプレーと見間違うような浮き球の繋ぎで、栃木が先制点に辿り着きました。

攻撃機会では上回りながら、ビハインドとなってしまった山口。
文字通り難しい展開を強いられ、その後前半の残り時間はさしたる見せ場も無く。
0-1のまま折り返す事となりました。

後半開始の時点では、猛威を振るっていた風も弱まりを見せ。
そうなると栃木はアバウトな前進でも好機を作る事が出来るようになり。
後半2分にGK川田のロングフィードから先んじて攻撃機会を生み出すと、続く3分にファーストシュート。
西谷の縦パスを高萩がスルー、これをエリア手前中央で受けた根本がシュート(ブロック)でCKへと持ち込みます。

しかしここから、防いだ山口のカウンターとなり、遅らされるも敵陣でパスワーク。
高橋縦パス→皆川もクリア→拾った高橋ドリブルと右ポケットを出入りする攻撃で、最後は吉岡がワイドからカットインしてシュート(GK川田セーブ)で逆にCKに持ち込み。

一進一退という感じの立ち上がりですが、早めに追い付きたい山口も、無理をする事無くSBの振る舞いはほぼそのまま。
その姿は、2点差にされては身も蓋も無い、という事を痛いほど理解したようでありました。
一方の栃木もリードを保ちつつ、リスクを冒す事無く得点したいのは明白。
11分にCKを得ると、ここでサインプレーを選択してキッカー高萩はエリア手前へとクロス。
福森がトラップからボレーシュートを狙うも、エリア内での反則を取られて有耶無耶に。

こうなると前年から失点の少ない戦いを繰り広げていた栃木に一日の長があるという感じで、14分に高萩のスルーパスを受けた黒﨑が右ポケットを突いてクロス。(ブロックののちクリア)
追加点を得て勝利を確実にしたい所でありましたが、18分にアクシデントが発生。
攻撃の中心を担っていた高萩が背中(ないしは腰?)を痛め、交代を強いられてしまいます。
すかさず大島を投入して破綻を防がんとした栃木ベンチ。
しかしこれを境にハッキリと山口へペースが移り、やはりベテランの力は偉大という事が示されるだけとなってしまったでしょうか。

失点のリスクが減った事で、次第にSBの上がりが目立つようになる山口。(22分に吉岡→松橋へと交代)
沼田がワイドを請け負い、小林がそれに伴い中央~右に張り出し攻めに加わるなど、流動性も徐々に高まっていきます。

人数を掛けて地上でパスを繋ぎ、ポケットを突く事を第一とした攻め。
27分には右CKからもショートコーナーを選択し(ショートコーナー自体は前半から何度か見せていた)、矢島のグラウンダーのクロスを小林が右ポケットでポストプレイと、あくまで細かく繋ぐ攻撃。
クリアされるも尚も二次攻撃で、高橋右ポケットへスルーパス→走り込んだ河野ポストプレイとその姿勢は変わらず、こぼれ球を拾った高橋が奥からクロス。(手前でカットされる)
しかし栃木サイドも守備意識を高め、フィニッシュに繋げさせません。

それでも守備に奔走する時間が長くなる栃木。
25分に山田・黒﨑→植田・森へ交代と、前節スタメンだった選手を紋切りのように投入。
運動量を保つべくの采配を見せるベンチ。
一方山口は32分に山瀬・皆川→池上・梅木へと2枚替え。
時間的にも勝負手を仕掛けなければいけない局面でしたが、ここから山口ペースは途切れ。
尻を叩かれるように前からの圧力を高めた栃木、敵陣でパスを遮断する場面が目立つようになりました。
決定機は生み出せずも、リードされている山口にとっては厳しい展開なのは当然であり。

40分にはボールカットした植田を、その勢いのままに削ってしまった高橋が反則・警告。
すると直ぐさま交代となった高橋、もちろん準備はしていたのですが、絵的に可笑しな一幕となりました。
併せて2枚替えを敢行し、高橋・小林→国本・高木へと交代、同時に3-4-2-1へとフォーメーションを弄り。(梅木の1トップに高木・河野の2シャドー、3バックは右から前・生駒・国本)

栃木とミラーの布陣になりましたが、それとは裏腹に以降再度パスワークを冴え渡らせる山口。
前が右SBのように振る舞い、矢島が最終ラインへ降りる可変を伴う事で栃木のプレッシングに対抗します。
それでも43分、高木の縦パスをエリア内で梅木が受ける絶好機となりましたが、すかさず取り囲む栃木ディフェンスによりシュートは撃ちきれず。
崩しきるには時間が足りない、という状況に。

そのまま突入したアディショナルタイム、最早梅木狙いのロングボールに傾倒するしか無く。
それでもその裏を掻き、池上に裏を走らせるロングパスにより右CKを獲得した山口。
GK吉満も前線に加わる、まさに最後の賭けといったセットプレーとなりましたが、キッカー池上はニアサイドへ低いクロス。
これを沼田がヘッドで合わせると、前方に居た高木に当たった事でナチュラルな折り返しとなり、跳び込んで足でゴールにねじ入れたのは梅木。
偶然にも栃木の先制点と酷似する形となった結果、執念で同点ゴールを生み出しました。

勢いそのままに勝ち越しを狙う山口。
尚も直後に池上クロス→梅木ヘディングシュートと一矢を放ちましたが、ループの軌道となるも惜しくもゴール上へと外れ。
一方の栃木も右サイドから佐藤祥クロス→小堀ボレーシュートとフィニッシュで締めるも、GK吉満がキャッチ。
お互い譲らない精神がフィニッシュに現れたものの、結局1-1のまま引き分けに終わる事となりました。

塹壕戦ともいうべき2戦のなか、着実に勝ち点積み上げを果たした山口。
攻撃サッカーで結果を残してきた以前(2018年辺り)から隔世の感が出来つつありますが、現実を見つめての戦いも不可欠であり。
特に翌年以降は降格枠の拡大が決定しているとあり、生き残るためには理想論のみでは難しいので、正しい方策と言えるかもしれません。


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DAZN観戦 2023年J2リーグ第8節 大宮アルディージャvsモンテディオ山形

2023-04-10 16:03:37 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の大宮の記事はこちら(5節・栃木戦、1-2)
※前回の山形の記事はこちら(2節・千葉戦、2-0)

<大宮スタメン> ※()は前節のスタメン

  • 河田がJ1・鳥栖へ完全移籍、7節から登録抹消。
  • 鈴木の故障が発表され、練習中に発生(日付は不明)して全治8週間との事。
  • アンジェロッティの故障が発表され、練習中に発生(日付は不明だが、少なくとも6節の3/25以降)して全治6週間との事。
  • 中野が前節(ヴェルディ戦、0-1)で負傷交代、詳細が発表され全治6~8週間との事。
  • 大橋が今季初のベンチ入り。
  • U-20代表候補のキャンプに参加したGK若林がそこで負傷し、全治8週間との事。
  • 4/5に来季加入内定した関口(山梨学院大)が特別指定で登録。

<山形スタメン>

  • 監督交代。前節終了後にピーター・クラモフスキー氏を解任し、コーチの渡邉晋氏が昇格という形で就任。
  • 西村は大宮からのレンタル選手なため今節出場不可。
  • 南が6節(長崎戦、2-3)で負傷交代し、以降ベンチ外が続く。
  • 岡﨑が離脱から復帰し今季初のベンチ入り、前年の7節以来と実に約1年ぶり。
  • 来季加入が内定している狩野(関東学院大)が3節から特別指定で登録。
  • 来季加入が内定している相馬丞(仙台大)が7節から特別指定で登録。

フロントレベルで動きがあった両クラブ。
最大のものはやはり山形サイドの監督交代で、5連敗とジェットコースターの下降中という状態を受けてクラモフスキー監督の解任を断行するに至りました。
開幕連勝と華々しいスタート、というのが遥か昔に感じるような成績ですが、その連勝を果たした2節の内容はあまり芳しいものでは無く。
修正するどころか、南の故障などアクシデントも追い打ちを掛けるという具合に、断ち切れなかった泥沼への誘い。
選手層の決して厚くないクラブの性か、狂った歯車を整えるのは難しいという結果に終わったクラモフスキー氏の今季。
個人的に楽しみにしていた清水との古巣対決も実現せずというのは物悲しく、もっと言えば前日の清水の監督交代(ゼ・リカルド氏→秋葉忠宏氏)を受けてこちらも動くに至った風にも映り。
結局清水に振り回され続けた監督業だったでしょうか。(邪推)

一方の大宮は、補強期間の最終盤にFW河田が個人昇格という形で移籍。
今季の河田はリザーブの域を出ていなかったため、出番を求めてオファーに飛び付いたという形となりました。
しかしそれだけなら傷は深くならなかったものの、合わせるようにアンジェロッティと中野が負傷により離脱。
バッドニュースの3本の矢、というべき形で一気に3人もFWが抜けた状況を強いられてしまいました。
苦境がスタメンにも表れた大宮、小島をFWの位置へと上げ、栗本が3試合ぶりのスタメンでボランチを埋める形を採り。
セカンドトップにも近い形で、攻撃の円滑化に努めたこの日の小島。

そんな動きがあった両クラブですが、グラウンドレベルでは前述のように故障者続出という要素に難儀。
そこから抜け出したいのはやまやまでしょうが、開始間もない前半1分に山形・野田が大宮・富山の競り合いで痛みを見せるというシーンで幕を開けたように、果たされる事は無く。
その流れを払拭出来ないまま、9分に藤本がポストプレイの際に袴田のチャージを受けて痛んでしまい。
その後プレーを続けるも、16分に再度痛み倒れ込んでしまい交代の憂き目になってしまいました。
前年の離脱に比べれば重くなさそうですが、ともかくまたも故障でプレー出来ずとなってしまった藤本、デラトーレが変わって投入されます。

試合の方は、そんなアクシデントに見舞われた山形を圧倒する立ち上がりの大宮。
こちらもその流れに逆らわずに、6分に得た右コーナーキックでショートコーナーを選択してからの攻撃。
石川の手前からのクロスは跳ね返されるも、拾った小島からショートパスの連続でエリア内へ切り込み、最後は富山のポストプレイを経て茂木が右からシュート。
GK後藤雅の股を抜いてゴールゲットと、試合内容をしっかりスコアに反映させました。

指揮官交代・故障者に加え、西村が契約上の関係で出場出来ずという要素も加わった山形。
その西村とは違い、完全移籍の小野は出場出来たものの、それによりNACK5スタジアムのほぼ全方位から浴びせられる大宮サポーターのブーイング。
それに拍車を掛けるように、11分には柴山に対しスライディングを敢行して反則・警告を受けてしまった小野。(山形サイドも前述の通り負傷させられる格好となっていたのでこの空回りは仕方ないか)
以降ボールを持っただけでブーイング、というシーンが健在化するに至ってしまいました。

反撃に出たい山形ですが、その攻撃はサイドから前進を果たさんとしても中々ままならず、手前からのクロスが中心となるという前回観た時と類似した内容。
前述の小野を取り巻く影響も絡み、逆の右サイドからの攻撃一辺倒を強いられた事も痛かったでしょうか。
しかし20分に左サイドからの攻撃、例によって手前からのクロスに留まったものの、流れた所を右ポケットでイサカが拾う好機となり。
そしてシュートが放たれるも、枠を捉えられず。

以前のように、序盤から攻撃権を支配という流れは望むべくも無い状況の山形。
そうした落差を跳ね除けられず、選手達ももどかしさを覚えていたでしょうか。
27分には大宮の攻撃、右サイドで柴山のスルーパスを受けた岡庭がチアゴのチャージを受けて倒れるも、反則の笛は吹かれず。
すると反則をアピールした岡庭に対しあろう事かチアゴの側がヒートアップし、これにより警告を貰ってしまったチアゴ。
依然暗雲に包まれたまま、という事を象徴する一幕を描いてしまいました。

流れでの攻撃でもオフサイドの量産が目立った山形、裏を狙いにかかるも中々冷静さを保てないといったここまでの展開。
それ故に、大宮のコンパクトなディフェンスを崩すのにはやはりショートパス攻勢で、32分には喜岡の縦パスが遮断されるもそれを藤田が繋いで継続。
ここから13本パスを繋いで右ポケットを取る攻撃でイサカのマイナスのクロスに持っていき、これがブロックに当たるもデラトーレがそのままシュート。
しかしズレた分ジャストミート出来ず、GK笠原に抑えられ。
モノに出来ずも、山形はこれでようやくアイデンティティを取り戻したでしょうか。
34分にも最終ラインからパスワークで前進、左から右へとサイドを移した末にイサカがグラウンダーでクロス。
ファーサイドでチアゴが合わせシュートするも、これもゴール左へと外れ。

パスミスから山形のショートカウンター(37分)、クロスを入れる体勢もスリップして上がらず(38分、岡庭)と、逆に大宮の失速を匂わせるシーンが描かれたのちの39分。
左サイドから前進していき、チアゴのカットインがディフェンスに遭うも、アタッキングサードへこぼれた所をデラトーレが拾って継続、エリア内中央へスルーパス。
するとボールロスト後も判断良く走り込みを止めなかったチアゴが、このパスをダイレクトでシュートしてゴール右へと突き刺します。
連続性を維持しての攻撃で、同点に追い付いた山形。

結局前半はそのまま1-1で終わり。
仕切り直しとなった後半ですが、またもやいきなりの後半1分、茂木がイサカのチャージを受けて倒れ込むシーンで始まり。
今度は大宮が被害を受ける立場か……と思われましたが、この伏線はイサカが警告を受ける(6分、石川に対する反則で)事でまたも山形サイドが回収してしまいました。

そして最初に相手ゴールに迫ったのも大宮。
4分に茂木のロングパスが中央の富山に通り、収めた勢いでそのままエリア内を突いてシュートを放った富山。
GK後藤雅の足でのセーブに阻まれ、続く右CKでもキッカー高柳のクロスを合わせにいった富山ですが、このボレーシュートはミートせず左へ大きく逸れ。

一方の山形は9分、右サイドのスローインからの攻めで、逆サイドへと渡す流れから逆を突く形で小西が左ハーフレーン→中央へ斜めの縦パス。
受けたデラトーレがエリア内を突いてシュートするも、GK笠原がセーブ。
両FWがゴールに迫るというシーンを交錯させます。
その流れを継続させんとしたのは山形で、12分・16分にも中央のデラトーレに縦パスを通す攻撃を見せるも、ともにシュートには辿り着けず。

一方の大宮は15分に3枚替えを敢行、栗本・高柳・富山→大山・泉澤・室井に交代。
いずれも同ポジションの交代ながら、サイドアタッカー泉澤の投入が最大のカードだったでしょうか。
故障もあり本領発揮とは言い難い大宮での選手生活ながら、そのカットインの威力はまだまだ健在であり。
21分に袴田からロングパスを左ワイドで受けた泉澤、そのままカットインを経て左ポケットからシュート。(GK後藤雅キャッチ)

これで山形は色を失ったか、以降攻撃機会を得てもそれが中盤でボールの奪い合いからのトランジションによるものだったりと、相手依存のような立ち回りを強いられ。
その中で22分にチアゴが足を痛めて交代の運びとなってしまいます。
併せて2枚替えを敢行する山形ベンチ、チアゴ・田中→加藤・河合へと交代。

山形は守備時は4-5-1の形を採るため、前線のプレッシングがどうしても甘くなり。
次第に押し込まれるようになり、ゾーンディフェンスを敷くものの、強いられている感は拭えず。
それとも新監督・渡邉氏の下、守備的に転身しての凌ぎを今後展開するのでしょうか。

28分にようやく自陣からの攻撃を実らせる山形、右サイドから中央へとショートパスを渡しつつ、エリア内左の加藤へラストパスが送られ。
そしてシュートが放たれるも、GK笠原のセーブに阻まれ勝ち越しはならず。
以降はどうしてもプレスを掛け辛く、大宮にボールポゼッションを許す時間が長くなります。

大宮も泉澤が左サイドでプレッシャーを与える中、それ以外の手段では活路を見出せない攻撃。
そんな中で決め手となったのが、審判の心象だったでしょうか。
既に山形サイドに総計4度警告が出る展開で、迎えた29分には袴田のロングパス一本で裏を取り、エリア内に走り込む室井。
これを喜岡が倒してしまったものの、反則の笛は鳴らずに終わります。
一気にホームの雰囲気が最悪に近いものとなりましたが、このシーンが繋がった感があり。

オープンと表現すべき試合展開が描かれる中、迎えた34分に山形の前進を大山がスライディングで遮断。
そして敵陣から攻撃を始めた大宮、左ハーフレーンでの泉澤の前進から中央でパスを貰った小島、そのままエリア内を突き。
ここで野田のチャージを受けて倒れてしまうと、主審の笛が鳴り響き反則・PKの判定となります。
尚この脇で室井が喜岡に倒されており、それにより小島が味方の室井に引っ掛かった風に見える絵図となりましたが、そう捉えた(と思われる)山形サイドの猛抗議も実らず。
不満が残る山形サイド、川井や野田の遅延行為とも取れるエリア内への残りを経て、時間が掛けられていざキックの体制を取ったのは柴山。
フェイントを仕掛けてゴール右へと蹴り込み、それに動じず反応したGK後藤雅が触れるも、及ばずゴールイン。
判定は不透明ながらも、ハイレベルなPKを制して大宮が勝ち越します。

キックオフの前に山形は最後の交代(これが予定通りならば、遅延行為などせずにPKの前にやっておくべきでは)、イサカ・小西→國分・岡﨑。
39分に大宮のプレッシングを呼び込んだ後、左サイドで前進して加藤のクロスに繋げるも、これはスルーパスに走り込んだ加藤がオフサイドで実らず。
これが大宮の裏を突ける最後のチャンスとなり。

以降大宮は守備的に……では無く、敵陣でサッカーを展開。(42分に柴山→大橋に交代、大山が右サイドハーフへシフト)
押し込んでサイド奥からのスローインで山形サイドの焦りを呼ぶ攻撃で、時間と余裕を奪っていきます。
アディショナルタイムには再度泉澤がドリブルからシュートを狙う(GK後藤雅キャッチ)など、最大の武器を見せる事も忘れず。
そうした末に、小島→新里へと交代し逃げ切りの5バックシステムへ。

その後山形は万策尽きたという感じで、喜岡を前線に上げてのパワープレイ体制へ。
何とかセカンドボールを繋がんとするも、シュートは放たれる事無く試合終了の時を迎えました。

大宮が4勝目を挙げましたが、それはいずれもホームと、この要素でも山形は相手に見せ付けられるかのような結果が描かれ。(2試合ながら未だホーム未勝利)
数年来の出足の悪さを結局払拭できずとなってしまいましたが、カンフル剤を打った(監督交代)以上は這い上がるしかない。
結果はともかく、まずはそうした意気を表す試合運びを見せたい事でしょう。


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