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DAZN観戦 2023年J2リーグ第8節 レノファ山口FCvs栃木SC

2023-04-11 16:01:04 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の山口の記事はこちら(5節・金沢戦、2-5)
※前回の栃木の記事はこちら(5節・大宮戦、2-1)

<山口スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節からシステムを一新、明確なドイスボランチを置き、メンバーも(リザーブ含め)それに合わせて大幅に調整。
  • 田中の負傷が発表され、発生日時は不明(6節以降ベンチ外なので5節以降)で全治5週間との事。

<栃木スタメン>

  • 神戸が前節退場(警告2度)のため出場停止。
  • 小堀が今季初のベンチ入り。
  • 小野寺の負傷が発表され、3/29の手術敢行から復帰まで8か月との事。

膨らむ失点に対し、手を打たざるを得なくなった山口。
確かに前回観た際は5失点という結果もさる事ながら、ビルドアップの手段をひたすら変えるその姿は凝り過ぎといった感があり。
あれだけ基本形の部分で不安定になれば、リスクは高まる一方でリターンと釣り合わないのはある意味当然といえました。

そんな訳で、守備の安定化のためテコ入れを図った名塚善寛監督。
GKの入れ替え(関→吉満)を含め、松本・佐藤謙介・五十嵐陽太といったレギュラー級の選手が軒並みメンバー外となり。
そして勝ち点3を挙げたのが前節で、結果も出た事で継続して挑む事となったこの日。

ルヴァン杯の影響で日程のズレによる連戦(6・7節)を強いられた栃木との一戦。
一筋縄ではいかない試合になりそうな中、難しくしたのがピッチ内の強風。
ロングボールに影響を及ぼすのは言わずもなが、前半のうちに風向きが幾度も変わるという不安定ぶり。
おかげで風上なはずの栃木も、その情景を考慮しての立ち回りを余儀なくされました。

立ち上がりはそんな風のご機嫌を確かめるような振る舞いで、お互いさしたる好機は無く。
風を利用したかった栃木も、その不安定さを感じるやいなや、地上でのビルトアップが中心の攻めを展開するに至りました。

一方の山口のビルドアップは、確かに戦術変更の節が見られ。
サイドバックが高い位置を取るのは敵陣までボールを運んだ後で、栃木がプレッシングを強めて来た際は素直にロングボールで逃げ。
反省を踏まえての、リスク管理を第一とした思考が明確に感じ取られるサッカーとなりました。
その代わりパスがズレてしまいタッチを割るシーンが続発する等、繋ぎの部分に違和感を齎していたようで、この辺はキッチリとトレードオフを強いられ。

相手のそんな変化を受け、風という要素もあった栃木サイドがやや難儀な展開を強いられた前半。
前半12分左サイドから攻める山口、スルーパスに走り込んだ沼田に黒﨑が蓋をするも、沼田が粘って奪い返した末に反則を受け。
左奥からのフリーキックとなると、その攻撃を防いだ栃木は、あろう事か味方同士でチャージし合う(クリアにいった高萩の足が根本の頭部に入る)絵図を作ってしまう等リズムの悪さが垣間見えました。
それを突くように、尚もコーナーキックを連続させてセットプレーの攻撃を続ける山口。

栃木は地上からの攻撃がメインとなるも、繋がる事は殆ど無く好機を得れない状況。
5試合ぶりのスタメンとなった大ベテラン・高萩が、ボールキープとポジショニングの妙で何とか循環させようとしますが、焼け石に水といった感じに。
最も目立ったのは22分に自陣でクリアボールを拾った際、山口のゲーゲンプレスを受けるも囲まれながらボールキープの末に、浮き球で脱出を図ったシーンだったでしょうか。(その後それを拾われて尚も山口の好機に)

山口は繋ぎの部分で若干不安定ながらも、徐々にポケットを突くシーンを見せて好機を演出。
この辺りは根底の部分は残っているといった感じでしょうか。
30分には右サイドからの攻めで、クロスがクリアされた後に拾って二次攻撃、縦パスを右ポケットで受けた山瀬がシュートを放ち。(ブロック)
この30分を過ぎた辺りから風向きが山口の追い風となるなど、試合展開も山口ペースに相応しくなりつつありました。

しかし風向きが元通りになると、栃木は37分にラフなロングボールを根本が収めてからの好機。
福森のミドルシュートはブロックされるも、拾って左サイドから繋いで西谷がクロスに持っていき、跳ね返りをさらに佐藤祥が拾い継続。
そして山田がシュート(枠外)と波状攻撃を掛け、これで流れを奪い取れたでしょうか。
迎えた40分、ここも右サイドから高萩のクロスが上がり、跳ね返りを山田が拾って連続攻撃の構え。
戻しを経て高萩が再度エリア内へロビングを上げると、左から福森の足での折り返しを経て、福島が足から跳び込んで合わせ、ゴールネットを揺らし。
セットプレーと見間違うような浮き球の繋ぎで、栃木が先制点に辿り着きました。

攻撃機会では上回りながら、ビハインドとなってしまった山口。
文字通り難しい展開を強いられ、その後前半の残り時間はさしたる見せ場も無く。
0-1のまま折り返す事となりました。

後半開始の時点では、猛威を振るっていた風も弱まりを見せ。
そうなると栃木はアバウトな前進でも好機を作る事が出来るようになり。
後半2分にGK川田のロングフィードから先んじて攻撃機会を生み出すと、続く3分にファーストシュート。
西谷の縦パスを高萩がスルー、これをエリア手前中央で受けた根本がシュート(ブロック)でCKへと持ち込みます。

しかしここから、防いだ山口のカウンターとなり、遅らされるも敵陣でパスワーク。
高橋縦パス→皆川もクリア→拾った高橋ドリブルと右ポケットを出入りする攻撃で、最後は吉岡がワイドからカットインしてシュート(GK川田セーブ)で逆にCKに持ち込み。

一進一退という感じの立ち上がりですが、早めに追い付きたい山口も、無理をする事無くSBの振る舞いはほぼそのまま。
その姿は、2点差にされては身も蓋も無い、という事を痛いほど理解したようでありました。
一方の栃木もリードを保ちつつ、リスクを冒す事無く得点したいのは明白。
11分にCKを得ると、ここでサインプレーを選択してキッカー高萩はエリア手前へとクロス。
福森がトラップからボレーシュートを狙うも、エリア内での反則を取られて有耶無耶に。

こうなると前年から失点の少ない戦いを繰り広げていた栃木に一日の長があるという感じで、14分に高萩のスルーパスを受けた黒﨑が右ポケットを突いてクロス。(ブロックののちクリア)
追加点を得て勝利を確実にしたい所でありましたが、18分にアクシデントが発生。
攻撃の中心を担っていた高萩が背中(ないしは腰?)を痛め、交代を強いられてしまいます。
すかさず大島を投入して破綻を防がんとした栃木ベンチ。
しかしこれを境にハッキリと山口へペースが移り、やはりベテランの力は偉大という事が示されるだけとなってしまったでしょうか。

失点のリスクが減った事で、次第にSBの上がりが目立つようになる山口。(22分に吉岡→松橋へと交代)
沼田がワイドを請け負い、小林がそれに伴い中央~右に張り出し攻めに加わるなど、流動性も徐々に高まっていきます。

人数を掛けて地上でパスを繋ぎ、ポケットを突く事を第一とした攻め。
27分には右CKからもショートコーナーを選択し(ショートコーナー自体は前半から何度か見せていた)、矢島のグラウンダーのクロスを小林が右ポケットでポストプレイと、あくまで細かく繋ぐ攻撃。
クリアされるも尚も二次攻撃で、高橋右ポケットへスルーパス→走り込んだ河野ポストプレイとその姿勢は変わらず、こぼれ球を拾った高橋が奥からクロス。(手前でカットされる)
しかし栃木サイドも守備意識を高め、フィニッシュに繋げさせません。

それでも守備に奔走する時間が長くなる栃木。
25分に山田・黒﨑→植田・森へ交代と、前節スタメンだった選手を紋切りのように投入。
運動量を保つべくの采配を見せるベンチ。
一方山口は32分に山瀬・皆川→池上・梅木へと2枚替え。
時間的にも勝負手を仕掛けなければいけない局面でしたが、ここから山口ペースは途切れ。
尻を叩かれるように前からの圧力を高めた栃木、敵陣でパスを遮断する場面が目立つようになりました。
決定機は生み出せずも、リードされている山口にとっては厳しい展開なのは当然であり。

40分にはボールカットした植田を、その勢いのままに削ってしまった高橋が反則・警告。
すると直ぐさま交代となった高橋、もちろん準備はしていたのですが、絵的に可笑しな一幕となりました。
併せて2枚替えを敢行し、高橋・小林→国本・高木へと交代、同時に3-4-2-1へとフォーメーションを弄り。(梅木の1トップに高木・河野の2シャドー、3バックは右から前・生駒・国本)

栃木とミラーの布陣になりましたが、それとは裏腹に以降再度パスワークを冴え渡らせる山口。
前が右SBのように振る舞い、矢島が最終ラインへ降りる可変を伴う事で栃木のプレッシングに対抗します。
それでも43分、高木の縦パスをエリア内で梅木が受ける絶好機となりましたが、すかさず取り囲む栃木ディフェンスによりシュートは撃ちきれず。
崩しきるには時間が足りない、という状況に。

そのまま突入したアディショナルタイム、最早梅木狙いのロングボールに傾倒するしか無く。
それでもその裏を掻き、池上に裏を走らせるロングパスにより右CKを獲得した山口。
GK吉満も前線に加わる、まさに最後の賭けといったセットプレーとなりましたが、キッカー池上はニアサイドへ低いクロス。
これを沼田がヘッドで合わせると、前方に居た高木に当たった事でナチュラルな折り返しとなり、跳び込んで足でゴールにねじ入れたのは梅木。
偶然にも栃木の先制点と酷似する形となった結果、執念で同点ゴールを生み出しました。

勢いそのままに勝ち越しを狙う山口。
尚も直後に池上クロス→梅木ヘディングシュートと一矢を放ちましたが、ループの軌道となるも惜しくもゴール上へと外れ。
一方の栃木も右サイドから佐藤祥クロス→小堀ボレーシュートとフィニッシュで締めるも、GK吉満がキャッチ。
お互い譲らない精神がフィニッシュに現れたものの、結局1-1のまま引き分けに終わる事となりました。

塹壕戦ともいうべき2戦のなか、着実に勝ち点積み上げを果たした山口。
攻撃サッカーで結果を残してきた以前(2018年辺り)から隔世の感が出来つつありますが、現実を見つめての戦いも不可欠であり。
特に翌年以降は降格枠の拡大が決定しているとあり、生き残るためには理想論のみでは難しいので、正しい方策と言えるかもしれません。


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