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DAZN観戦 2023年J2リーグ第5節 栃木SCvs大宮アルディージャ

2023-03-21 16:01:07 | サッカー視聴記(2023年J2)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 3節で負傷交代した大谷がベンチに復帰。

<大宮スタメン>

  • 出場停止明けの浦上がスタメンに復帰。
  • 石川が今季初のベンチ入り。
  • 栃木・大森渚の実弟である大森理生はベンチ外で、兄弟対決とはいかず。

共に2年目の監督同士の対決。(栃木=時崎悠氏・大宮=相馬直樹氏)
とりわけ戦術的にも大きな違いは無く、お互い手の内は判っている、といった試合になったでしょうか。
それだけに、大宮・相馬監督の試合前インタビューでの「どういった試合展開になるか」という質問に対する「良くわからない」という答えが趣深く。
相手を理解しているからこそ、ぶつかった結果がどうなるか判らないのか、ないしはそういった思惑を隠すための駆け引き的な返答だったのか。

試合が始まると、その大宮が、相手の栃木の特性を良く見ているかのような立ち回りを演じます。
つまりはプレッシング意欲を逆手に取り、最終ラインで何度かのパス回しの後に裏狙いのロングパスを送るという攻撃。
アンジェロッティのポストワークを囮としながら、サイドハーフに裏抜けさせるというハッキリしたサッカーを見せていきました。
一方栃木もその大宮の攻撃を防ぎながら、矢野・宮崎のツインタワーを狙ってのロングボール攻勢という立ち回り。
徐々に持ち味の前線のプレッシングも相手にアジャストさせ、前半10分には西谷のボール奪取から、森がダイレクトで裏狙いの浮き球を送るも繋がらず。

立ち上がりのそうした攻め合いが繋がらなくなり、落ち着き始めた際にどうなるかという展開に。
栃木サイドは、最終ラインからの繋ぎに活路を見出すという前年の通りの姿勢を見せ始め。
一方の大宮はアンジェロッティをサイドに開かせ、裏抜けとターゲット双方をこなす体勢を作る、といった攻め。

先に有効打となったのは大宮で、サイドを意識させたうえで中央から好機に繋げたのが23分。
袴田の縦パスを左ハーフレーンで受けた高柳、そのまま中央に向かってのドリブルで前進ののち、ペナルティアークからシュート。(ブロック)
27分にも中央から小島がスルーパスを送り、カットに入られるもこぼれ球を中野が拾い、ラストパスに走り込んだアンジェロッティがエリア内からシュート(GK藤田セーブ)とフィニッシュを重ね。
目に見えて押され始めた栃木、30分には高柳のパスカットから大宮のショートカウンターで、再びエリア内のアンジェロッティへラストパス。
そして放たれたシュートは大森渚がスライディングでブロックと、徐々に際どい好機となっていきます。

流れを変えたい栃木、直後(同じ30分)にクリアボールを自陣で宮崎が収めたのち、彼から受けた植田がセンターサークル内でロングシュートを狙い。
ゴール左上へ外れるも、この強引なフィニッシュが奏功したか、以降攻撃権は逆転します。
33分に大宮のビルドアップを左サイド(大宮から見て右サイド)で嵌め、これがウイングバック(森)・左センターバック(大森渚)が前に出て奪うという実に栃木らしい敵陣での奪取。
この攻撃が反則で止められると、フリーキック→スローインからの攻撃を経て、神戸のミドルシュートがブロックに当たってコーナーキックへ。
そしてCKが3本続くという流れのなか、2本目の右CKからクロスの跳ね返りを西谷がボレーシュート、これが枠を襲うもGK笠原のセーブに阻まれます。

その栃木のプレッシングは、前の5人vs大宮の4バック+ボランチの6人という体勢が基本形。
先程大宮に中央突破を許していた影響か、ボランチを切りつつ中央を固めるという意識を強めて対抗します。
そしてサイドに出させたうえで、果敢にWBと左右のCBが前に出て奪いにかかるというスタイル。

ペースを握って終盤を迎え、42分にはGK藤田のロングフィードから空中戦を制し、黒﨑が右サイド手前からクロス。
これを宮崎が綺麗に合わせるも、放たれたヘディングシュートはゴールバーを直撃と決めきれず。
一方で見せた変節も対応され、劣勢を強いられた大宮は43分に小島が反則気味にボール奪取してからの好機。
右から柴山がカットインで仕掛け、中央へのパスがカットされたこぼれ球をアンジェロッティがシュート。(枠外)
こちらも多少強引なプレーを交え、ペースを取り戻さんとします。

こうして攻防が続きながらも、スコアは動かずに前半が終了。
動き辛い試合展開と言わんばかりに、ハーフタイムでの交代も無く後半を迎えました。

そんな状況での立ち上がり、栃木は中央からのFKを得ますが、遠目での位置。
大宮サイドも壁を作らないなかで、キッカー植田は思い切って直接シュートを狙い。
GK笠原が正面でキャッチするも、中々動き難いなかで強引さを押し出す立ち回りだったでしょうか。

そして最終ラインからのビルドアップにより、攻撃権を支配していく栃木。
大宮は攻撃を切っても、ポゼッションを交えて落ち着く事はままならず。
前半通りにSHの裏抜けか、アンジェロッティ狙いのロングボールを中心とするも、せざるを得ない展開を強いられていた感じでしょうか。

そして先に動く大宮、後半14分に中野・柴山→室井・泉澤へと2枚替え。(高柳が右SHへシフト)
いかにも流れを変えようという姿勢の相馬監督。

15分の大宮、最終ラインからの繋ぎを選択し、ここでは迫る栃木のプレッシングを地上でかわしきりに成功。
そして栗本が最終ライン裏へ浮き球を送り、室井が走り込んで好機になりかけるも繋がらず。
しかし栃木は、室井に追走していた福島が足を痛めて続行不可能となる事態が発生します。
たまらず栃木・時崎監督も動き、福島を諦めてこちらも故障から復帰して間も無い大谷を投入。(同時に植田→根本へ交代)

これで状況は一変し、交代投入された2人の居る左サイドで跳梁する大宮。
19分には袴田縦パス→アンジェロッティポストプレイ→泉澤裏へロングパスという流れで、抜け出した室井がワイドからカットイン、そしてエリア内中央からシュート。(ブロック)
22分には再びアンジェロッティのポストプレイを交えて左サイドで前進、泉澤が得意のドリブルからスルーパスを選択し、エリア内へ室井が走り込み。
これが岡﨑に引っ掛かって倒れてしまうも反則の笛は鳴らずと、際どい所での凌ぎを強いられる栃木。

そうした流れで迎えた25分、栃木の攻撃が途切れた直後にカウンターを仕掛ける大宮。
右サイドから高柳のアーリークロスがブロックされるも、CKとなるや否や素早くショートコーナーで再開させる高柳。
一旦はクリアされるも最終ラインから繋ぐ二次攻撃、この際に浦上は戻って来るも、袴田を残した上で再度右からクロスを入れる体勢に。(そもそも素早いリスタートにも拘わらずCBが上がっていたという点で栃木は惑わされた感があり)
そして高柳のクロスをその袴田がファーで折り返し、これをアンジェロッティが綺麗にボレーシュートで仕留めます。
主導権の奪い合いのを制した末に、先にリードを奪った大宮。

イニシアティブは得た大宮ですが、同時に長らく緊迫した展開を強いられた影響が危惧されたその後。
リードした事もあり、ボールポゼッションで落ち着くという思惑を見せ始めた大宮。
しかし28分に最終ラインでのパスのズレを突かれ、ボールカットに入った根本が浦上に倒されて反則となり、根本は警告を受けてしまいます。
すかさず、このFKでの攻撃後に高萩を投入する栃木。(宮崎と交代)

そしてその後も大宮のミスから栃木の好機は続き。(30分にはオフサイドの位置にいた根本に浮き球が出るも、大宮ディフェンスのクリアが挟まり根本に渡ったためオフサイドにならず)
暗雲を振り払わんと、その後泉澤の得意の左ワイドからの跨ぎフェイントからの仕掛け(31分)などを見せ攻め込む大宮。

しかし結局その危惧の部分からスコアは動きます。
34分再び(ロングボール回収ののち)自陣でボールを持って落ち着かんとする大宮に対し、栃木は森がプレッシャーを掛けて岡庭からボール奪取。
そしてそのままドリブルから果敢にミドルシュートを放つと、豪快にゴール右へと突き刺さり同点に。
苦境を一人で打開したような森のゴールでしたが、大宮にとってはリードを奪ってからの緩みを修正できなかったのが悔やまれる失点となりました。

そしてその流れは止まらず。
36分大谷のロングパスを収めた根本が右ポケットを突き、一気に好機を作る栃木。
彼のヒールパスは栗本が遮断するも、こぼれ球に対してGK笠原と高萩が競争となり、セーブとスライディングが交錯した結果ボールはゴールの中に。
あっという間の逆転ゴールとなり、沸き立つ栃木サイド。
リプレイでは笠原に当たった跳ね返りが高萩の腕に当たり、それがゴールに入ったという映像が流れたものの、VARの無いJ2では覆りようは無く。
前述の通り、大宮サイドが締められなかった故にここまでの場面を招いたという事で納得するしかないでしょう。

勝ち越しに成功した栃木、その直後に西谷・黒﨑→佐藤・福森へと2枚替え。(森が右WBへと回る)
大宮も40分に最後の交代、アンジェロッティ・栗本→河田・富山へと2枚替え。
これで高柳がボランチに回るという、文字通り得点しなければならないという布陣を敷きます。(富山は右SH)

しかし5-4-1のブロックで自陣を固める栃木に対し、有効打は中々放てず。
その外側でパスを回しながら隙を伺うも、一向にそれは見つけられません。
パスワークの中から、袴田が前線に上がっていくシーンが何度か見られましたが、アディショナルタイムも間近に迫ると完全に前線に固定となる袴田。
そして富山も室井と入れ替わりでFWに回るなど、完全なパワープレイ体制に賭ける事となり。

そして突入したAT。
変化を付けようと、高柳がハーフレーンからスルーパスで富山を走らせたり、泉澤のカットインでポケットを突くもののやはり守備の硬さの前にシュートまでは行けず。
防いだ栃木は、前掛かりの大宮の裏を突いてロングパスを送り、それを受けた根本がコーナーでキープする体制を築く逃げ切り体制に。
その後に再び左サイドで福森が同様の体制に入らんという所で、試合終了の時を迎えました。

過去4試合で1得点のみという栃木が、この試合で2点取っての逆転勝利。
胸すく展開で挙げた今季初勝利でしたが、浮上に繋げる事が出来るか。


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