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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ ラウンド16 ポルトガルvsスイス

2022-12-09 18:14:12 | サッカー視聴記(2022年その他)

<ポルトガルスタメン> 4-1-2-3
GK コスタ
RSB ダロト CB ペペ CB ディアス LSB ゲレイロ
DH カルバーリョ
IH ベルナルド・シウバ IH オタビオ
RWG ブルーノ・フェルナンデス CF ラモス LWG フェリックス
<スイススタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK ゾマー
RCB アカンジ CCB シェア LCB ロドリゲス
RWB エジミウソン・フェルナンデス DH ジャカ LWB バルガス
IH ソウ IH フロイラー
FW エンボロ FW シャキリ

参考動画 -ポルトガル vs スイス|決勝トーナメント1回戦|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

フランス・ブラジル同様に、グループリーグ3節をターンオーバーに費やしての1位通過を果たしたポルトガル。
それでも大スターのクリスティアーノ・ロナウドは、周囲の期待から使わざるを得なかったようで、代わりにこの日スタメン落ちの運びとなりました。

そんな強豪としての振る舞いを見せるチームとの対戦は、既に予選で経験済みのスイス。(2節・ブラジル戦、0-1)
しかしそこで敗れてしまい結局最終節で突破を決めるという事となった結果、ターンオーバーを果たせず。
スコア的にも点の取り合いとなり(セルビア戦、3-2)、余裕が作れないままの進出という感がありありで、離脱者の関係でこの日はフォーメーションも弄る事となりました。

試合が始まると、余裕の無かったスイスが立ち上がりから積極性を見せ。
ポルトガルのビルドアップに対ししっかりと前線に人数を掛けてプレスを嵌め、前に運ばせない立ち回り。
フィールダー同士で数的同数を確保し、ポルトガルはGKを使わなければ優位を確保できない状況を強いられます。(俗にいう7対6、8対7の状況か)

そうして相手にロングパスを蹴らせる事で、攻撃機会を確保していくスイス。
前半5分にGKコスタのフィードを跳ね返してから敵陣で攻撃開始、拾ったエンボロが単騎突撃でエリア内を突き、左へ流れつつシュートを放ち(ブロック)ポルトガルゴールを脅かし。

スイスペースで進んだ頭の10分間でしたが、ここからポルトガルが押し返します。
戦術的には、この辺りからアンカーのカルバーリョが降り、最終ラインを3枚にしてのビルドアップが始まり。
そして両サイドバックがデフォルトで高い位置を取る攻撃により、その分ウイングやインサイドハーフの流動性が増す事で、スイスは一気にプレスを嵌められない状況に陥りました。

迎えた17分のポルトガルの攻撃、左サイドからBフェルナンデスの裏へのミドルパス、スイスのクリアからの空中戦を制してフェリックスが中央で収め。
そして左ポケットを突いてのクロスがクリアされるも、直後の左スローインからの攻撃をフィニッシュに繋げます。
具体的には、スローをエリア脇で受けたフェリックスが左ポケットへパスを送ると、受けたラモスが豪快なシュート。
角度的に厳しい所からながら、ニアサイドを強烈に破ってゴールに突き刺さり。
ロナウドの代役としての出場ながら、先制点を挙げたラモス。

この得点で試合の針はポルトガルに振れたようで、21分にはオタビオがシュート(GKゾマーキャッチ)、22分にはラモスがシュート(GKゾマーキャッチ)と尚もスイスゴールに迫る攻撃。

コンディション的にも苦境に立たされたスイス、その後は左サイドでのバルガスの突破で何度かチャンスを作り。
まだ元気な選手の推進力でどうにかしようという思想に囚われたでしょうか。
29分にはパワー溢れるエンボロが、ポルトガル・ディアスのチャージを振り払いつつドリブルで中央を推進。
それに対し結局反則で止めてしまったディアスにより、直接フリーキックの好機となり。
やや遠目の距離ながらも、キッカー・シャキリから放たれた直接シュートはゴール右下を襲い、GKコスタが辛うじてセーブするという際どいフィニッシュを生み出します。
戦術的には、3バックでのスタートながら、攻撃時には左センターバックのロドリゲスが左SBとして振る舞う事で人数を掛け。
この左サイドでの体制が、バルガスの推進力にも繋がっていたようでした。

しかし前への意識を強めた結果か、5バックでのブロックで対抗する姿勢に乱れが生まれたでしょうか。
32分、ポルトガルが敵陣に進入し右→中央→左へとサイドを振り、ワイドで受けたフェリックスがカットインからクロス。
クリアされて右コーナーキックに移るも、キッカー・Bフェルナンデスのクロスをペペが合わせヘディングシュート。
綺麗にゴールネットを揺らし、ロナウド以上の高齢ながらもスタメン出場を続けるペペによる追加点で、点差を広げたポルトガル。

窮地に立たされたスイス、後半に向け望みを繋げたい状況で、38分にシェアのミドルパスから決定機が訪れます。
これをソウのフリックでエリア内右へ送られると、走り込んだE・フェルナンデスがシュート気味に速いクロスを入れ、GKコスタが弾き。
浮いたボールをフロイラーが詰めてヘディングシュート、決まったかと思われたシーンでしたが、素早く立て直したコスタの腕に弾かれたうえ後方のダロトにクリアされゴールならず。
点差を詰める事は出来なかったスイス。

逆に43分にポルトガルが決定機、フェリックスのポストプレイがシェアに倒されるも繋がってアドバンテージ、Bフェルナンデスのスルーパスでエリア内のラモスに繋がり。
そしてシュートが放たれるも、GKゾマーのセーブで何とか防いだスイス、その後シェアが警告を受けるという具合にギリギリの凌ぎを余儀なくされました。

結局2-0で前半を終え、押し返すために策を立てる必要性があるスイス。
ハーフタイムでシェア→キュマルトヘと交代し、本来のフォーメーションへとシフトします。
<後半頭~9分までのスイス> 4-2-3-1
GK ゾマー
RSB B・フェルナンデス CB アカンジ CB キュマルト LSB ロドリゲス
DH フロイラー DH ジャカ
RSH シャキリ CH ソウ LSH バルガス
FW エンボロ

かくして後半が始まったものの、圧力を強めるポルトガルに対し、布陣変更の効果を示す事が出来ないスイス。
攻撃機会を作れないまま、何とかして攻め上がりを見せたのが後半5分でしたが、無情にもそこから奪われての逆襲に沈む事となります。
縦パスを受けたエンボロが反則気味に奪われてポルトガルの攻撃に移ると、左サイドからのクロスは何とかクリアするも、逆の右で拾ったダロトが奥を突いて再度クロス。
このグラウンダーのボールをニアサイドでラモスが合わせシュート、GKの股を抜き3点目を告げるゴールが生まれる事となりました。

その後も8分に反則気味のボールロストから危機を招いたスイス。(フェリックスがエリア内からシュート、枠外)
戦術的にもデュエル勝負でも厳しいという状況で、再度布陣変更込みの交代。
9分にフロイラー・ソウ→ザカリア・セフェロビッチへと2枚替えし、セフェロビッチがFWに入る事で2トップ、つまり4-4-2へとシフトします。

しかしその矢先の10分に更なる得点が齎され。
左サイドでゲレイロがパス&ゴーで前線へ上がるなか、フェリックス→オタビオ→フェリックス→ラモスと経由して中央へ渡り前進し、ラモスのラストパスを受けたのはゲレイロ。
そして放たれたシュートがゴールに突き刺さり4点目と、ここに来てSBの得点が生まれるという具合に、やりたい放題の様相となったポルトガル。

何とか一筋の光明を見つけたいスイス、12分にポルトガルのクリアミス気味のプレーから得た右CK。
キッカー・シャキリのクロスが中央へ上がると、ここも(ラモスの)クリアミスがフリックのようになってファーサイドへ流れた所、アカンジが足で合わせてゴールに突き刺し。
ようやく1点を返し、反撃ムードに火を灯さんとします。

その後14分に、ポルトガル・Bフェルナンデスの裏抜けを止めようとしたキュマルトが反則・警告を受ける一幕はありましたが、ポルトガルの攻撃を凌ぎつつ攻め込むスイス。
しかしクロスの精度を欠くなど、コンディション面が最後まで足を引っ張ってしまっていたようであり。

21分にバルガス→オカフォーへと交代したスイスですが、またしても交代直後にポルトガルの得点が生まれます。
22分、GKコスタのターゲット(Bフェルナンデス)へのロングフィードから、セカンドボールを拾っての攻撃。
そして素早くエリア内を突き、スルーパスを受けたラモスがGKと一対一となると、出されたGKゾマーの足の上を通すループ気味のシュートで決めたラモス。
これでこの日3点目、即ちハットトリック達成と、抜擢にこれ以上ない結果で応える事となりました。

僅かな望みも潰されたスイス、こうなるとポルトガルの独壇場といった展開となるのは避けられず。
24分に右からBシウバが対角線のロングパスで一気にエリア内左を突くと、走り込んだゲレイロがダイレクトで折り返し、そしてBフェルナンデスが跳び込むも僅かに合わず。
13-1更なる追加点の期待が膨らむ中、ついにロナウド投入に踏み切ったのが28分でした。(ラモスと交代、同時にオタビオ・フェリックス→オルタ・ビティーニャに交代)

早速の30分に、Bシウバが(キュマルトに)反則を受けた事で直接FKの好機を得るポルトガル。
場内ほぼ全方位で、ロナウドのゴールに期待を寄せる声援が上がる中、その通りに放たれたロナウドの直接シュートでしたが壁を直撃してしまい実らず。

その後もロナウドが敵陣でボールを持つのみで大歓声が上がる場内の雰囲気という、とても辛い状況を強いられるスイス。
35分にエンボロがワントラップからのバイシクルシュートを見せゴールを脅かす(ブロックに当たり枠外)も、流れを変えるのは既に不可能でした。
そんな状態を齎したロナウドは39分、スイスのパスミスからの好機でダイレクトのスルーパスに抜け出し、シュートをゴールネットに突き刺すもオフサイドで得点ならず。

36分にBシウバ→ネベス、42分にBフェルナンデス→レオンと、次戦に向けて?のカードを切っていくポルトガル。
スイスは反撃を試みたいのはやまやまですが、終盤に来てパスミスも目立ち、攻勢に持ち込む事は出来ず。

そんな流れのまま突入したアディショナルタイム、さらに駄目を押すポルトガル。
左サイドへ展開ののちゲレイロとレオンがダイレクトでのパス交換で前進していき、スルーパスを受けたレオンがそのままエリア内を突いてシュート。
GKゾマーも反応できずあっさりとゴール右へ突き刺さり、これで6点目。
スイスを粉砕し尽くしたという試合となりました。

結局そのまま試合終了となり、最後にベスト8進出を決めたポルトガル。
最後だけに、ここから中3日→中2日という厳しい日程を強いられるものの、それを跳ね除けて初優勝に辿り着けるでしょうか。

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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ ラウンド16 ブラジルvs韓国

2022-12-08 16:01:21 | サッカー視聴記(2022年その他)

<ブラジルスタメン> 4-2-1-3
GK アリソン
RSB ミリトン CB マルキーニョス CB チアゴ・シウバ LSB ダニーロ
DH ルーカス・パケタ DH カゼミーロ
IH ネイマール
RWG ラフィーニャ CF リシャルリソン LWG ビニシウス
<韓国スタメン> 4-4-2
GK キムスンギュ
RSB キムムンファン CB キムミンジェ CB キムヨングォン LSB キムジンス
RSH イジェソン DH チョンウヨン DH ファンインボム LSH ファンヒチャン
FW チョギュソン FW ソンフンミン

参考動画 -ブラジル vs 韓国|決勝トーナメント1回戦|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

グループHを、3節後半アディショナルタイムでの勝ち越しという劇的な幕切れで突破を果たした韓国。
現ガンバのキムヨングォンをはじめ、GKにキムスンギュ(元神戸・柏)・左サイドバックにキムジンス(元新潟)・ボランチにチョンウヨン(元京都・神戸)と、Jリーグ在籍の経験を持つ選手もスタメンに目立つ陣容であり。
サッカー王国に対しどう挑むのか注目されましたが、やはり壁は厚かったというべきでしょうか。

ネイマールが故障から回復し、スタメン復帰したブラジル。
その影響か、システムは1節(セルビア戦・2-0)で見参となった「前後分断」の趣が強くなりました。
つまりはSBの攻撃参加が控えめとなり、前線のタレントが創造的な攻撃を見せ付けるという内容に。

しかしこの試合は、そんなシステム云々を語る前に大勢が付いてしまったという流れに。
グループリーグ突破の勢いそのままに、ブラジルのビルドアップを果敢に阻みにいった韓国でしたが、その思惑はあっさりといなされ。
前述の通りSBが上がらないブラジル、その分安定性を増したビルドアップでは、生半端なチームでは太刀打ちできないといった感じでした。
具体的にはボールサイドと逆側のSBが中央に絞り(時には両側ともボランチの位置でプレー)、ボランチのように振る舞う事で、最終ラインからのパスの出所を増やす事で容易に対処。

そしてその分カゼミーロが前に出たり、パケタは右ワイドに張る場面が増える等前線にも好影響が。
前半7分の好機、右ボランチのような位置から出されたミリトンのパスをワイドで受けたラフィーニャ、ボールキープを経てカゼミーロ・パケタとのパス交換から(韓国のパスカットもあったが拾い直し)奥に切り込み。
そしてマイナスのクロスを入れると、中央で合わせにいったネイマールはディフェンスと交錯して撃てずも、ファーサイドへ流れたボールをビニシウスが拾ってシュート。
ゴールネットを揺らし、早くも試合のイニシアティブを握る先制点を得ます。

早々の失点で焦りを露わにする韓国。
9分にも長いボールポゼッションから左サイドを脅かすブラジル、ネイマールが戻しのパスを受けた所(ソンフンミンに)反則を受け。
ここはサイドからのフリーキック止まりでフィニッシュには繋がらずも、続く11分にも左サイドを突き、ビニシウスのクロスがブロックに遭うもボールはエリア内へ。
拾ったのは韓国・チョンウヨンでしたが、背後からすかさずリシャルリソンがボール奪取すると、勢い余ってチョンウヨンの足がリシャルリソンに入ってしまい。
躊躇わずに主審の笛が吹かれ、反則ならびにブラジルのPKが告げられました。
蹴るのは当然とばかりに、キッカーの位置に立つネイマール。
GKキムスンギュとのフェイント合戦を制し、右に蹴り込んでキムスンギュを反応させずにゴール。
あっという間にリードは2点に変わる事となりました。

相手の遠い背中を追う立場となった韓国、17分にようやく初シュートに辿り着き。
左サイドで受けたファンヒチャンがマイナスのカットインからエリア内へ縦パスを送り、カットされた跳ね返りを自ら拾い直すと、果敢にミドルシュート。
GKアリソンにセーブされるも、反撃の狼煙とすべき一矢が放たれました。

しかしその後が続かず、前線のポストワークや裏抜けはブラジルディフェンスの前に機能不全という感じ。
必然的にボールポゼッションによる遅攻、つまり「ボールを持たされる展開」を強いられる時間も増えていきます。
26分にはパスミスをブラジルに繋がれ、ネイマールがドリブルでエリア内へ持ち込むという危機的状況も作られ。(フィニッシュは撃てず)
スター選手に訪れた絶好機にスタンドも盛り上がり、地域では無く雰囲気でアウェーの状態を強いられるのを実感する事となったでしょうか。
そんな雰囲気からか、ブラジルのチャージを受けて倒れ込む選手が目立っても、オーバーアクションと判断されての事か笛は鳴らず流される場面が多くなりました。

そのネイマールのプレーから、27分・28分と立て続けにコーナーキックを得たブラジル。
後者からゴールが生まれる事となり、2本のクロスこそ跳ね返した韓国でした、尚も攻撃継続するブラジル。
右サイドからカゼミーロのエリア内へのミドルパスも跳ね返されるも、リシャルリソンがヘッドからリフティングのようにボールを収めて繋ぎ。
そして前残りしていたセンターバックのマルキーニョス→シウバとパスが繋がるなか、エリア内へ送られたボールをリシャルリソンが受け直して勝負あり。
シュートがネットに突き刺さり、今大会初の3点目を奪ったブラジル。

尚もブラジルの前線の勢いが止まらないなか、韓国はその間の32分に再びファンヒチャンに好機が訪れ。
左サイド奥に切り込んでからのカットインで、GKアリソンの眼前でシュートを放ちましたが、セーブされ惜しくもゴールならず。

何処かで1点奪えれば……という流れでしたが、それが果たせぬまま迎えた36分。
カウンターを仕掛けて数的優位を作るブラジル、リシャルリソンドリブル→ネイマールエリア内左へスルーパス→ビニシウストラップから柔らかいクロスというアタッカーの流れるような攻撃を、パケタがファーサイドでのボレーシュートで締め。
前半のみで4点と、完全にお目覚めモードとなりました。

ATに突入しさらにブラジルは決定機、パケタがパス&ゴーでエリア内を突き、ラフィーニャのスルーパスを合わせるシュート。
これがワンテンポ遅らせた技ありのシュートでしたが、GKキムスンギュのセーブに阻まれゴールならず。
しかし安全圏といえる4点差を保ち、前半を終えます。

ここから勝利を狙うには厳しすぎる韓国ですが、諦める訳にはいかず。
ハーフタイムで2枚替え、キムジンス・チョンウヨン→ホンチョル・ソンジュンホに代えると共に、布陣も変更します。
<後半からの韓国> 4-1-2-3
GK キムスンギュ
RSB キムムンファン CB キムミンジェ CB キムヨングォン LSB ホンチョル
DH ソンジュンホ
IH ファンインボム IH イジェソン
RWG ファンヒチャン CF チョギュソン LWG ソンフンミン
ブラジルと同様の3トップにする事で、予想される「ボールを持たされる展開」からの打開を図らんとしたでしょうか。

ブラジルキックオフからの攻撃は切ったものの、すかさずラフィーニャにカットされて継続、そのままエリア内からシュートを放たれる(ブロック→GKキムジンヒョンキャッチ)幕開けで始まった後半。

まずは主導権を握りたい韓国、左サイドへ流れた最終ラインのキムヨングォンからのロングパスが通り、入れ替わって受ける事でDFを剥がしたソンフンミンがエリア内からシュートを放った(GKアリソンセーブ)のが後半2分。
その後はこれをヒントとしたか、サイドに人数を掛け、ブラジルディフェンスを寄せた末にサイドチェンジを通す攻撃を何度か見せます。
しかしブラジルのペースは揺るがず、その後もプレッシングは奪いきれず、アタッキングサードでは際どい場面を作られるという具合に反撃の機運は高まりません。

11分に再びネイマールが(ソンジュンホに)反則を受けた事で、今度は直接FKを狙う好機を得たブラジル。
中央やや左寄りという絶好の位置で、誰もがネイマールがシュートする事に期待を掛ける中、その裏を掻いてラフィーニャがシュートするも壁を掠めてゴール左へ外れ。

何とかポゼッションを確保したい韓国。
4-1-2-3の布陣にも拘らず、アンカーが降りて3枚の最終ラインの形とする事でそれを果たすという苦しい展開はボール保持時でも変わらず。
それでも高い位置を取り始めたSBにより、厚みを増したサイド攻撃から好機を作る流れとなります。
そんな中でブラジルは18分にミリトン→ダニエウ・アウベスへと交代。
韓国も20分にファンインボム→ペクスンホへと交代と、両者カードを切った中盤。

スタート時のボランチを双方とも交代させる事となった韓国、その心はブラジルの圧力による消耗の激しさか、ないしは攻めに変化を出したい故の苦肉の策か。
それでもサイドでの前進から、ソンジュンホやペクスンホが前線の輪に加わる事によるパスワークで好機を生み出し。
23分には右サイドでの繋ぎから中央→左へと渡り、SBのホンチョルが高い位置からクロス。
チョギュソンが合わせにいくもシウバと交錯して撃てず、ファーにこぼれたボールをファンヒチャンがシュートしましたがGKアリソンがセーブ。
尚も決定機は続き、ソンフンミンが詰めにいきましたが今度はマルキーニョスが立ちはだかり、2度のシュートはいずれもブロックされゴールを奪えません。

惜しいシーンは見られるも得点差を詰められない韓国。
それを尻目にブラジルはさらにカードを切り、27分にダニーロ・ビニシウス→ブレーメル・マルティネッリへと2枚替え。
そしてその2分後に韓国も動く(イジェソン→イガンイン)という先程と同様の流れを見せ。

意地を見せんと、センターバックもサイドに流れつつの前進を混ぜて押し込みを見せる韓国。
その姿勢が報われたか、30分にこぼれ球を拾いにいったチョギュソンが反則を受け、右サイドからのFK。
キッカー・イガンインのクロスは跳ね返されるも、絶好のミドルレンジで拾ったのはペクスンホで、その通りにミドルシュートを放ちます。
強烈なシュートに流石のブラジルも成す術無く、ゴール右へと突き刺さり。
ようやく1点を返した韓国。

尚も35分に右へと開いたキムジェンスがエリア内へミドルパスを送り、チョギュソンが走り込んでシュート、GKアリソンにセーブという際どいシーンとなりましたがオフサイドを取られ。
直後にそのチョギュソンに代え、ファンウィジョを投入してカードを使い果たした韓国。
同時にブラジルも最後の交代、その内容はGKを代えるというもの(アリソン→ウェベルトン)で、さらにネイマールも退く(ロドリゴと交代)という具合に次戦を見据えた采配。
ブラジルのGK交代という事で思い出されるのが2006年の日本との対戦(グループリーグ3節)で、奇しくもこの日と同スコア(1-4)での完敗で、余裕を見せ付けられる格好でした。

その後交代選手の奮闘でブラジルが押し返し、韓国は攻勢を続けたくてもままならない状況に。
GKウェベルトンの良いフィードから右サイドで前進し好機を作ったり(43分)、敵陣エリア内でロドリゴがパスカットしたり(41分)と、要所で見せ場を作り。
44分には左ハーフレーンでの素早い運びから、マルティネッリがエリア内左奥を突いてクロス、ファーサイドでアウベスがボレーシュートで合わせる(韓国・ホンチョルブロック)とその総決算のような決定機も生まれました。

結局そのままスコアは動かず、4-1でブラジルが貫禄の試合を演じ。
5大会ぶりの戴冠まで後3勝と、短いようで長いその道のりに足を踏み入れる勝利となったでしょうか。

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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ ラウンド16 イングランドvsセネガル

2022-12-06 16:01:47 | サッカー視聴記(2022年その他)

<イングランドスタメン> 4-1-2-3
GK ピックフォード
RSB ウォーカー CB ストーンズ CB マグワイア LSB ショー
DH ライス
IH ヘンダーソン IH ベリンガム
RWG サカ CF ケイン LWG フォーデン
<セネガルスタメン> 4-4-2
GK エドゥアール・メンディ
RSB サバリ CB クリバリ CB ディアロ LSB ヤコブス
RSH ディアタ DH シス DH ナンパリス・メンディ LSH イスマイラ・サール
FW ディア FW イリマン・エンディアイエ

参考動画 -イングランド vs セネガル|決勝トーナメント1回戦|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

勝負のノックアウトステージ、とはいっても未だ各チーム間の実力差は千差万別。

優勝候補筆頭と目されるイングランドは、グループBを無敗で危なげなく首位通過。
2位のアメリカと引き分けに持ち込まれたのみで、まずは順調と言って良いグループリーグとなったでしょうか。

一方のセネガルはグループAで、初戦でオランダに敗戦した事で追う立場を強いられ。
2・3節と連勝してエクアドルをかわし、勝ち点を6に乗せ2位で勝ち抜けたものの、エクアドルとの直接対決(3節・2-1)で決めるギリギリの戦いに。
勝ち点差は1しか違わないものの、盤石なイングランドに対しセネガルがどう挑むか、という見所のカードとなりました。

派手なサポーターの大音響による応援を背に受け、強豪に立ち向かう力を得ようとするセネガル。
しかしイングランドの実力・組織力は想像以上だったようで、入りに何度か好機を作ったのちは、以降ひたすら押し込まれる展開を強いられます。

そのイングランドのサッカー。
左肩上がりの最終ライン3枚によるビルドアップが基本形ですが、あくまで「迷ったらここに帰る」という意識を強く感じるのみで、ガチガチのポゼッションスタイルでは無く。
セネガルのプレッシングをいなすだけの力こそあれど、見所は相手のビルドアップを破壊するシーン。
つまりは自身のプレッシングと、失った際のゲーゲンプレスでセネガルから文字通り自由を奪い取る事で、ペースを掴むのに成功しました。

セネガルは何とか攻撃の形を掴まんと、イングランドのビルドアップを阻もうと試みるものの、GKピックフォードのフィード力もあり中々実らず。
FWケインに当てるロングフィードを軸に、仮に拾われてもすかさず取り囲むという、思わず栃木SCストーミングスタイルかと疑ってしまう程のゲーゲンプレスを敢行しボールを確保するイングランド。

しかし前半22分に、その流れを変えるかのようにセネガルは右サイドでディアタが縦パスをカット、そこから好機に繋げ。
クロスボールを中央でディアが合わせにいき、イングランド・ストーンズのディフェンスに遭いこぼれた所を、Iサールが詰めにいきシュート。
ゴール上へと外してしまい、さらにこの際にストーンズの腕に当たったという事でVARチェックも挟まれましたが、ハンドは採られず惜しいシーン止まりに終わります。
それでもここからイングランドはにわかに雲行きが怪しくなり、自慢?のプレッシングが影を潜め始め。
ボールを持つ時間が増え、この流れのなか力関係をひっくり返す先制点が欲しいセネガル。

そして32分に決定機、しかも敵陣深めでのパスカットという願っても無いシーンが生まれます。
カットを果たしたIサールがその勢いのままマイナス方向へカットイン、中央まで流れたのちエリア内左へスルーパス。
走り込んだディアがシュートを放ちましたが、GKピックフォードの左手一本でのビッグセーブに阻まれてしまい先制ならず。
ゴールまで後一歩まで迫り、アップセットの期待を高めるセネガル。

しかし流石はイングランドというべきか。
36分にクリアボールを収めたFWがそのままボールキープ、その振る舞いは「落ち着きを取り戻す」というメッセージのようであり。
そしてサイドチェンジも絡めながらのボールポゼッションを敢行するイングランド。

直後にセネガルがIサールの突破(イングランド・ウォーカーを股抜き)から、反則でフリーキックのチャンスを得たもののモノに出来ず。
迎えた38分、イングランドは基本に立ち返るように最終ラインからのビルドアップ、上がった左サイドバック・ショーが起点となる攻撃。
ショー縦パス→フォーデンフリック→ケインと渡ってセネガルのプレッシャーを外し、そしてエリア内左を突くスルーパスを受けたベリンガムのマイナスのクロス。
セネガルはファーサイドのサカの動きに釣られたか、中央で一瞬空いたヘンダーソンが合わせ、綺麗にゴールネットを揺らし。
流れるような前進もさる事ながら、合わせる動きも組織力満載といった先制点を挙げたイングランド。

勝機を見出しつつあっただけに、一度リードを奪われたセネガルは一気に突き落とされたような錯覚を受けたでしょうか。
その後再びイングランドペースとなり、今度は可変の布陣とは逆の右サイドから攻め上がるシーンを膨らませ。
41分再びマイナスのクロスに合わせたケインのシュート(枠外)を始め、何度もエリア内を突かれるセネガルディフェンス。

何とか1点差で凌ぎ、ハーフタイムで建て直し後半に反撃の機会を伺うという流れに賭けるセネガル。
しかしそれすら許されずに、アディショナルタイムに再び奈落へと落とされる事となります。
2分間のATの最終盤、左サイドで前進していきイングランド陣内でボールを回す展開を作るセネガル。
しかし中央でシスが隙を突かれ、奪ったベリンガムによりイングランドのカウンターに持ち込まれると、ベリンガムの細かいタッチでの前進を止められずにスルーパスを許し。
このパスをダイレクトでフォーデンが右へ送ると、完全フリーになったケインに渡り、そのままエリア内を突いてシュートを放つケイン。
ゴールネットを揺らし、見事に高速カウンターを完結させ追加点を挙げたと同時に、前半終了の笛が鳴り響きました。

セネガルにとって痛すぎる2点目なのは言うに及ばず、ベンチもHTで大胆な策を採らざるを得ないという3枚替えを敢行。
シス・ディアタ・Iエンディアイエの3人に代えてパペ・ゲイエ、パペ・マタル・サール、バンバ・ディエンを投入すると共にフォーメーションも弄ります。
<後半頭からのセネガル> 4-1-2-3
GK E・メンディ
RSB サバリ CB クリバリ CB ディアロ LSB ヤコブス
DH N・メンディ
IH P・サール IH P・ゲイエ
RWG ディア CF B・ディエン LWG I・サール
イングランドと同様の3トップへと移し、これが反撃の橋頭堡となるか。

入りでその流れを作りたいセネガルでしたが、リードとともに心身的余裕も得たイングランドの前に叶わず。
後半4分に中盤の底でボールを受けたイングランド・ライスに対して囲みを掛けるも、ボールキープの前に奪う事が出来ずというシーンが象徴的で、積極性を出したい状況でもそれはままなりません。

最初に好機を作れたのは5分で、イングランドのプレッシャーを掻い潜りつつ何とか繋ぎ、エリア内右へのスルーパスからB・ディエンのクロス。
その跳ね返りをダイレクトでP・サールがミドルシュートを放つもふかしてしまい、苦し紛れの遠目からのシュートという印象を残すのみに終わり。
そしてその後はチャンスすら作れず、逆にセネガルゴールに迫るイングランド。
9分にはライスのボール奪取からのショートカウンターで、エリア内右を突いたサカのシュートが枠外に終わるも、以降も攻勢を続け好循環を維持します。

そして12分、ショーのパスカットから左サイドで前進していくイングランド。
それに対しセネガルディフェンスもケインのドリブルを阻むなど抵抗するも、セカンドボールを拾ったフォーデンも続けざまにドリブル、そしてグラウンダーでクロスを入れた末にニアサイドでサカが合わせて万事休す。
3点目を告げるゴールが生まれ、イングランドが盤石の体制を築くに至りました。

この得点を期に、以降イングランドの攻撃はフィニッシュよりも支配へと意識が移り。
その試合運びを何とか乱したいセネガル、16分には自陣でのボール奪取からカウンターを仕掛けんとするも、ディアのドリブルを止められてアタッキングサードにすら入れず。
トランジションの速さはペースダウンしてからも健在といったイングランド。
20分に2枚替えを敢行し、フォーデン・サカ→グリーリッシュ・ラッシュフォードと、両翼を揃って交代させました。

3点差となってからも鳴り止まないサポーターの応援、それに応えたいセネガル。(27分にディア→ディエディウに交代)
28分にクリアボールを直接P・サールがフリックし、ディエディウを経由してB・ディエンが前進する体勢となると、(ショーの)反則を誘って直接FKに。
多少距離がある位置ながら、キッカーP・サールが直接シュートを放ち、低い弾道でゴール右を襲ったものの惜しくも外れ。
イングランドの寄せの速さに対し、こうしてダイレクトプレーを巧く繋げた際には好機が生まれるといった感じ。
しかしダイレクトプレー中心の前進は確実性に欠けるため、結局厳しさは変わらずという状況でした。

32分にイングランドはまたも2枚替え。(ベリンガム・ストーンズ→マウント・ダイアー)
センターバックを入れ替える等、既に勝利は揺るぎ無いと見ての采配も敢行します。

時間が進むにつれて次第に守備意識を高めるイングランドに対し、もはや遅攻でどうにかするしかない状況となるセネガル。
左サイドでパスを繋いだのちにサイドチェンジし、フリーの右SB・サバリに受けさせるというやり口を何度か見せて好機を作り。
44分にようやくその流れで、受けたサバリがP・下家とのワンツーでエリア内右奥を突き、マイナスのクロスを入れる展開に。
しかしここでもエリア内でディエディウのポストプレイがズレてしまい、遠くなった所から(P・サールが)ミドルシュートを放って枠外に終わり。
効果的な攻撃を見せれば、フィニッシュワークをミスしてしまうという悪循環に陥った風でした。

その間にもイングランドは隙を突き、セネガルが散々苦労したサイド奥への進入を悠々と果たし、クロスを入れる攻撃を展開。
35分にはグラウンダーのクロスにケインが跳び込むも僅かに合わず、ATにはエリア内左からショーが浮き球のクロスをファーサイドに送り、跳び込んだラッシュフォードが合わせるもサイドネット外側。
更なる追加点を意識させつつ、試合も最終盤に。

先程よりも近い位置で(イングランド・ライスの反則で)再び直接FKの好機を掴んだセネガル。
入念に壁を作ったイングランドに対し、キッカーB・ディエンが直接シュートを狙ったものの、今度はその壁にぶち当たってしまいモノに出来ず。
尚も圧力を掛け、終盤故にセーフティな守備を心がけるイングランドの意識もあり、CKを連続で獲得とセットプレーの流れを得ます。
しかし最後までゴールを奪う事が出来ず、試合終了の時を迎え。
余裕も感じられたイングランドの進軍を止められず、3-0で膝を屈する事となりました。

コマを進めたイングランド、次は準々決勝ですが、その舞台で早くも前回王者のフランスとぶつかる運命に。
この日の試合とは打って変わって、強豪同士凌ぎを削る内容となる事請け合いで、どんな結果が齎されるか楽しみでなりません。

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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ グループB第3節 イランvsアメリカ

2022-12-01 17:06:56 | サッカー視聴記(2022年その他)

<イランスタメン> 4-4-2
GK ベイランバンド
RSB レザイアン CB マジド・ホセイニ CB プーラリガンジ LSB モハマディ
RSH ゴリザデ DH ヌーロラヒ DH エザトラヒ LSH ハジサフィ
FW アズムン FW タレミ
<アメリカスタメン> 4-1-2-3
GK ターナー
RSB デスト CB ビッカーズ CB リーム LSB ロビンソン
DH アダムス
IH ムサ IH マッケニー
RWG ウェア CF サージェント LWG プリシッチ

参考動画 -イラン vs アメリカ|グループB|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

グループリーグ突破を巡り、血で血を争う戦いとなる第3節。

野球・バスケットボール・アメリカンフットボールといった、他のスポーツが主流のイメージが強いアメリカ。
4年前のロシア大会では予選敗退の憂き目に遭い、出場すらならなかっただけに、今大会の復権に賭ける立場であり。(ちなみに最高成績はベスト8と、日本より上)

1節(ウェールズ戦、1-1)を観た所、高いボールポゼッションを軸に積極的なスタイルで攻撃権を支配し、前半のうちにリードを奪い。
しかし相手の交代策の前に徐々に押し込まれ、劣勢を強いられた末に追い付かれての引き分けとなってしまいました。
一方前試合の2節では、強豪イングランド相手に引き分け(0-0)と価値のある試合となり。
その内容はというと、1節の反省を踏まえ、フォーメーションを若干弄った(4-4-2)うえで慎重な立ち上がりを演じたアメリカ。
しかしイングランドの長い縦パス攻勢をあまりに通し過ぎてしまい、結局元の4-3-3でのディフェンスに切り替えるなど試行錯誤が見られ。
ディフェンスでも積極性が持ち味だけに、ブロックを整理してのサッカーは不得意という趣が垣間見えたようでありました。
結局その後持ち直すも、ゴールバーを叩くなど決定機をモノに出来ずのスコアレスドロー。
先行逃げ切りで勝てず、スタミナ温存策を取っても裏目という流れでの2引き分け。
突破のためには勝利あるのみという状況で、選択したのは言うまでも無く前者でした。

1節と同様に4-3-3でのスタートとしたアメリカ。
3トップでのビルドアップはと言えば、アンカーが2センターバックの前でどっしりと構えたうえで、サイドバックはボールの前進に成功するまでは上がりが控えめというのが一般的であり。
しかしアメリカはSB、特に左のロビンソンがガンガン前線に上がり、サイド攻略の軸とするスタイルを貫徹していました。

引き分けでも(ウェールズがイングランドに勝利しない限り)突破を決められるイランを尻目に、持ち前の積極性で攻撃権を支配していく理想の流れに。
立ち上がりはロングボールを多めにして好機を作っていた事もあり、イランがプレスを控えめにした所で、繋ぐサッカーを展開して先制を狙います。
前半23分にはサージェントのポストワークを囮にして、引き付けてスペースを作った所に(リーム→ムサへと)縦パスを通すという具合に、崩し方も熟知しているといった印象。

完全に攻撃権を握ったのちは、ロビンソンのみならず右SBのデストも最前線まで上がるようになるアメリカ。
30分にはデストが右ワイドから中へ向かうドリブルののち角度を変えてカットイン、そして中央エリア手前からシュート、ブロックされるも尚も繋いで左サイドへ。
今度はロビンソンが仕掛けて奥からマイナスのクロスを入れる(シュートには繋がらず)という具合に、一度の攻撃で両SBが絡む事も数多。
またSBが上がりきったうえで、ムサ・マッケニーのインサイドハーフがドリブル突破を図るシーンも目立ち、サイド攻撃に厚みを持たせていきました。

イランがシュートどころか、攻撃の糸口も中々見出せないという状況に追い込まれつつも、スコアが動かないまま時間は進み。
そして迎えた38分、そんな状況を打開せんと最終ラインまでプレッシングにいったイランでしたが、アメリカはGKターナーのフィード→ウェアのポストプレイでいなして攻撃開始。
アンカー・アダムスを経由してゆっくりとした攻めで左へ展開し、受けたロビンソンは戻しを選択すると、再び中央へ渡ったのちマッケニーが右へとミドルパス。
裏を取ってエリア内右へと走り込んだデストがダイレクトで折り返すと、中央で合わせたのはプリシッチ。
GKの眼前で放ったシュートがゴールネットを揺らし、どうしても欲しかった先制点に辿り着きました。
しかし跳び込んでのシュートとなった結果、プリシッチはGKベイランバンドと交錯してしまい、長く倒れ込んで容態が心配される事態となり。
「ゴールの代償はあまりにも大きかった……」という台詞が浮かびましたが、何とか立ち上がり、その後ピッチに復帰したプリシッチ。

その数的優位の間に攻めかかったイランでしたが、逆にアメリカがカウンターを浴びせたのが42分。
中央~左サイドを伺ってからの、エリア内右への浮き球のパスという先制点のシーンを再現させる攻撃を経て、収めたサージェントがシュートを放ちましたが角度が足りなく枠を捉えられず。

プリシッチ復帰を経て、45分に今度はイランにアクシデントが。
左SBのモハマディが、タッチライン際でトラップしたボールをコントロールしようと脚を伸ばした所、痛めてしまい倒れ込み。
ライン際という事で倒れたままピッチ外に出る事態となり、一転してイランが数的不利という立場となりました。
既にアディショナルタイムに突入していた事もあり、このままやり過ごして「ハーフタイムでの交代で回数をカウントさせない」事とするかどうか選択を迫られたであろうイランベンチ。
しかし審判団の方からイランのカルロス・ケイロス監督に確認を行った結果、それに押されるように交代カードに手を付ける結末となりました。(詳細は不明も、映像ではそのように見えた)
カリミが投入され、左サイドハーフに入った事でハジサフィが一列降りて左SBにシフト。

相次ぐアクシデントで長くなったAT。
その最後はアメリカの攻撃で、再びGKターナーの巧みなパスでイランのプレスをいなし、それを受けたマッケニーのスルーパス一本で一気に裏を取ったウェア。
そしてエリア内左からシュートを放ち、GKベイランバンドの右を破ってゴールに入れましたが、オフサイドの笛が鳴って2点目とはなりませんでした。
止めを刺し損ねた格好で、0-1のまま前半終了となり。

逆転突破に向けて意気軒昂といったアメリカでしたが、HTでプリシッチを諦める選択を取り、彼に代えてアーロンソンを投入。
一方のイランも2度目の交代策を敢行し、アズムン→ゴッドスへと交代しました。

後半開始が告げられ、イランの布陣はタレミの1トップに。
そのうえで中盤はエザトラヒの1アンカー+ヌーロラヒ・カリミという3センターに近い布陣となり、右にゴリザデ・左にゴッドス。
4-1-4-1と取れる布陣ですが、ウイングがやや下がり目な4-1-2-3ともいえ、即ちアメリカの布陣と類似したものとなり。

そのため、その変化に馴染む作業を強いられたイラン。
相変わらずアメリカペースは続き、後半2分にはリーム縦パス→アーロンソンスルーパス→サージェントエリア内左からシュート(GKベイランバンドキャッチ)という速い攻撃。
イランはビハインドの状況もあり、最終ラインから繋ぐ意識を強めるも、アメリカのプレッシングの前に中々前進できずといった入りとなりました。

次第に右SBのレザイアンが上がってボールを受け、クロスに辿り着くという攻撃を繰り広げられうようになるイラン。
後半5分にはそのレザイアンのクロスがニアでバウンドしたのちに、ゴッドスが中央でヘディングシュートを放つも枠外に。
アメリカのフォーメーション並びにストロングポイントをインスパイアした攻撃を見せましたが、後は相手のストロングポイントを逆手に取る攻めをしたい状況。
9分にはアメリカの攻撃を切ると、デストの上がった隙を突いて左サイドで素早く運び、タレミがドリブルでエリア内左を突くもシュートには辿り着けず終わり。

反撃体制は築いたものの、それでもアメリカから主導権を奪うまでには至らず。
依然としてアタッキングサードまで進入を続けるアメリカの攻撃、12分からCKを連続で取るなど押し込みの成果も膨らみます。

何とかその間隙を縫いたいイラン。
20分に左からゴッドスのクロスが入れられ、クリアされるもエザトラヒが落としで繋ぎ、拾ったゴリザデがエリア内右へ進入。
そして中央へ横パスが送られ、タレミにはズレて合わずも、その奥で反応したゴッドスがシュート。
GKも反応できずという意表を突いたシュートとなりましたが、ゴール右へと外れてしまい、やっとたどり着いた決定機もモノに出来ません。
直後にアメリカはマッケニー→アコスタへと交代。

その後ボールを握ってイランは攻め込むも、(ハジサフィの)ロングスローという原始的な好機の演出も見られ。
試合開始前とは一転して、とにかく得点が欲しいという状況となったチームの藻掻き(失礼)が描かれます。
しかし26分にハジサフィが退き(ジャラリと交代、同時にヌーロラヒ→トラビへと交代)、以降ロングスローは見られず。

アメリカも、29分にサージェントが足を痛めてピッチ外に出る事態となったのを受けてさらにカードを切り。(ライトを投入)
同時にイランもゴリザデ→アンサリファルドへ交代と、勝負を賭けに早めにカードを切り終えました。

36分、イラン・ジャラリが反則を受けた事で左サイドからのフリーキックの好機に。
このタイミングでアメリカも最後の交代を敢行し、デスト・ウェア→ムーア・ジマーマンへと2枚替え。
FW→DFへの交代という事で布陣変更は必至でしたが、その前のセットプレーの守備。
キッカー・ゴッドスのクロスはクリアされるも、逆サイドでエザトラヒが拾って再度クロス。
これが再びバウンドした所に(カリミが)合わせにいくというボールとなりましたが、ディフェンスに遭い撃てずGKターナーに抑えられ。
この際にアメリカ・ムーアの腕にボールが当たったとしてイランサイドは猛抗議するも、得られたのはベンチメンバーのカナーニに対する警告のみに終わりました。

ヒヤリとしたアメリカ、以降布陣変更を披露。
<後半38分以降のアメリカ> 3-3-2-2
GK ターナー
RCB ビッカーズ CCB ジマーマン LCB リーム
RWB ムーア DH アダムス LWB ロビンソン
IH ムサ IH アコスタ
FW ライト FW アーロンソン
5バックシステムと、典型的な守備固めの体勢に。

PKにならなかったという怒りの感情も交えながら、同点を目指し押し込むイラン。
左右からクロスを入れ続けるという攻撃の流れを作るも、肝心のシュートは生まれる事無く、とうとう後半のATへ。
しかし9分という長丁場で、1点差とあり最後まで目が離せない展開となります。

先行逃げ切りを果たせそうなアメリカですが、1節同様尻すぼみの内容となり、疲労度も隠せず押し込まれ。
左サイドでジャラリのドリブルがアメリカ・ムサに倒され、FKを獲得するイラン。
キッカー・レザイアンの低いクロスに、ニアサイドで跳び込んだのはプーラリガンジでしたが、放たれたヘディングシュートはゴール左へ外れ。
ここから、そのプーラリガンジを前線に上げるパワープレイに活路を見出す事となります。

そこから2度目の好機、Mホセイニのロングボールをフリックするプーラリガンジ、エリア内に落ちるボールに合わせにいくタレミ。
しかしアメリカ・ビッカーズに後ろから倒されてしまい、GKターナーがこぼしてゴールへと転がったボールはクリアされ、惜しくもモノに出来ず。
これにもイランサイドは血相を変えて審判団に猛抗議、PKをアピールしたものの判定は覆らず。(流石に今度はVARチェックが行われましたが)

結局最後までスコアは動かず、今大会初勝利・そしてグループリーグ突破に辿り着いたアメリカ。
失礼ながら、ここまでアメリカが組織立ったサッカーを見せるとは思っても見ず、逆にそれが結果に結び付く姿を観るのは気持ち良くもあり。
しかも平均年齢もかなり若いとあり、未来に向けて前途洋々といった今大会となるでしょうか。

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