<ポルトガルスタメン> 4-1-2-3
GK コスタ
RSB ダロト CB ペペ CB ディアス LSB ゲレイロ
DH カルバーリョ
IH ベルナルド・シウバ IH オタビオ
RWG ブルーノ・フェルナンデス CF ラモス LWG フェリックス
<スイススタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK ゾマー
RCB アカンジ CCB シェア LCB ロドリゲス
RWB エジミウソン・フェルナンデス DH ジャカ LWB バルガス
IH ソウ IH フロイラー
FW エンボロ FW シャキリ
参考動画 -ポルトガル vs スイス|決勝トーナメント1回戦|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA
フランス・ブラジル同様に、グループリーグ3節をターンオーバーに費やしての1位通過を果たしたポルトガル。
それでも大スターのクリスティアーノ・ロナウドは、周囲の期待から使わざるを得なかったようで、代わりにこの日スタメン落ちの運びとなりました。
そんな強豪としての振る舞いを見せるチームとの対戦は、既に予選で経験済みのスイス。(2節・ブラジル戦、0-1)
しかしそこで敗れてしまい結局最終節で突破を決めるという事となった結果、ターンオーバーを果たせず。
スコア的にも点の取り合いとなり(セルビア戦、3-2)、余裕が作れないままの進出という感がありありで、離脱者の関係でこの日はフォーメーションも弄る事となりました。
試合が始まると、余裕の無かったスイスが立ち上がりから積極性を見せ。
ポルトガルのビルドアップに対ししっかりと前線に人数を掛けてプレスを嵌め、前に運ばせない立ち回り。
フィールダー同士で数的同数を確保し、ポルトガルはGKを使わなければ優位を確保できない状況を強いられます。(俗にいう7対6、8対7の状況か)
そうして相手にロングパスを蹴らせる事で、攻撃機会を確保していくスイス。
前半5分にGKコスタのフィードを跳ね返してから敵陣で攻撃開始、拾ったエンボロが単騎突撃でエリア内を突き、左へ流れつつシュートを放ち(ブロック)ポルトガルゴールを脅かし。
スイスペースで進んだ頭の10分間でしたが、ここからポルトガルが押し返します。
戦術的には、この辺りからアンカーのカルバーリョが降り、最終ラインを3枚にしてのビルドアップが始まり。
そして両サイドバックがデフォルトで高い位置を取る攻撃により、その分ウイングやインサイドハーフの流動性が増す事で、スイスは一気にプレスを嵌められない状況に陥りました。
迎えた17分のポルトガルの攻撃、左サイドからBフェルナンデスの裏へのミドルパス、スイスのクリアからの空中戦を制してフェリックスが中央で収め。
そして左ポケットを突いてのクロスがクリアされるも、直後の左スローインからの攻撃をフィニッシュに繋げます。
具体的には、スローをエリア脇で受けたフェリックスが左ポケットへパスを送ると、受けたラモスが豪快なシュート。
角度的に厳しい所からながら、ニアサイドを強烈に破ってゴールに突き刺さり。
ロナウドの代役としての出場ながら、先制点を挙げたラモス。
この得点で試合の針はポルトガルに振れたようで、21分にはオタビオがシュート(GKゾマーキャッチ)、22分にはラモスがシュート(GKゾマーキャッチ)と尚もスイスゴールに迫る攻撃。
コンディション的にも苦境に立たされたスイス、その後は左サイドでのバルガスの突破で何度かチャンスを作り。
まだ元気な選手の推進力でどうにかしようという思想に囚われたでしょうか。
29分にはパワー溢れるエンボロが、ポルトガル・ディアスのチャージを振り払いつつドリブルで中央を推進。
それに対し結局反則で止めてしまったディアスにより、直接フリーキックの好機となり。
やや遠目の距離ながらも、キッカー・シャキリから放たれた直接シュートはゴール右下を襲い、GKコスタが辛うじてセーブするという際どいフィニッシュを生み出します。
戦術的には、3バックでのスタートながら、攻撃時には左センターバックのロドリゲスが左SBとして振る舞う事で人数を掛け。
この左サイドでの体制が、バルガスの推進力にも繋がっていたようでした。
しかし前への意識を強めた結果か、5バックでのブロックで対抗する姿勢に乱れが生まれたでしょうか。
32分、ポルトガルが敵陣に進入し右→中央→左へとサイドを振り、ワイドで受けたフェリックスがカットインからクロス。
クリアされて右コーナーキックに移るも、キッカー・Bフェルナンデスのクロスをペペが合わせヘディングシュート。
綺麗にゴールネットを揺らし、ロナウド以上の高齢ながらもスタメン出場を続けるペペによる追加点で、点差を広げたポルトガル。
窮地に立たされたスイス、後半に向け望みを繋げたい状況で、38分にシェアのミドルパスから決定機が訪れます。
これをソウのフリックでエリア内右へ送られると、走り込んだE・フェルナンデスがシュート気味に速いクロスを入れ、GKコスタが弾き。
浮いたボールをフロイラーが詰めてヘディングシュート、決まったかと思われたシーンでしたが、素早く立て直したコスタの腕に弾かれたうえ後方のダロトにクリアされゴールならず。
点差を詰める事は出来なかったスイス。
逆に43分にポルトガルが決定機、フェリックスのポストプレイがシェアに倒されるも繋がってアドバンテージ、Bフェルナンデスのスルーパスでエリア内のラモスに繋がり。
そしてシュートが放たれるも、GKゾマーのセーブで何とか防いだスイス、その後シェアが警告を受けるという具合にギリギリの凌ぎを余儀なくされました。
結局2-0で前半を終え、押し返すために策を立てる必要性があるスイス。
ハーフタイムでシェア→キュマルトヘと交代し、本来のフォーメーションへとシフトします。
<後半頭~9分までのスイス> 4-2-3-1
GK ゾマー
RSB B・フェルナンデス CB アカンジ CB キュマルト LSB ロドリゲス
DH フロイラー DH ジャカ
RSH シャキリ CH ソウ LSH バルガス
FW エンボロ
かくして後半が始まったものの、圧力を強めるポルトガルに対し、布陣変更の効果を示す事が出来ないスイス。
攻撃機会を作れないまま、何とかして攻め上がりを見せたのが後半5分でしたが、無情にもそこから奪われての逆襲に沈む事となります。
縦パスを受けたエンボロが反則気味に奪われてポルトガルの攻撃に移ると、左サイドからのクロスは何とかクリアするも、逆の右で拾ったダロトが奥を突いて再度クロス。
このグラウンダーのボールをニアサイドでラモスが合わせシュート、GKの股を抜き3点目を告げるゴールが生まれる事となりました。
その後も8分に反則気味のボールロストから危機を招いたスイス。(フェリックスがエリア内からシュート、枠外)
戦術的にもデュエル勝負でも厳しいという状況で、再度布陣変更込みの交代。
9分にフロイラー・ソウ→ザカリア・セフェロビッチへと2枚替えし、セフェロビッチがFWに入る事で2トップ、つまり4-4-2へとシフトします。
しかしその矢先の10分に更なる得点が齎され。
左サイドでゲレイロがパス&ゴーで前線へ上がるなか、フェリックス→オタビオ→フェリックス→ラモスと経由して中央へ渡り前進し、ラモスのラストパスを受けたのはゲレイロ。
そして放たれたシュートがゴールに突き刺さり4点目と、ここに来てSBの得点が生まれるという具合に、やりたい放題の様相となったポルトガル。
何とか一筋の光明を見つけたいスイス、12分にポルトガルのクリアミス気味のプレーから得た右CK。
キッカー・シャキリのクロスが中央へ上がると、ここも(ラモスの)クリアミスがフリックのようになってファーサイドへ流れた所、アカンジが足で合わせてゴールに突き刺し。
ようやく1点を返し、反撃ムードに火を灯さんとします。
その後14分に、ポルトガル・Bフェルナンデスの裏抜けを止めようとしたキュマルトが反則・警告を受ける一幕はありましたが、ポルトガルの攻撃を凌ぎつつ攻め込むスイス。
しかしクロスの精度を欠くなど、コンディション面が最後まで足を引っ張ってしまっていたようであり。
21分にバルガス→オカフォーへと交代したスイスですが、またしても交代直後にポルトガルの得点が生まれます。
22分、GKコスタのターゲット(Bフェルナンデス)へのロングフィードから、セカンドボールを拾っての攻撃。
そして素早くエリア内を突き、スルーパスを受けたラモスがGKと一対一となると、出されたGKゾマーの足の上を通すループ気味のシュートで決めたラモス。
これでこの日3点目、即ちハットトリック達成と、抜擢にこれ以上ない結果で応える事となりました。
僅かな望みも潰されたスイス、こうなるとポルトガルの独壇場といった展開となるのは避けられず。
24分に右からBシウバが対角線のロングパスで一気にエリア内左を突くと、走り込んだゲレイロがダイレクトで折り返し、そしてBフェルナンデスが跳び込むも僅かに合わず。
13-1更なる追加点の期待が膨らむ中、ついにロナウド投入に踏み切ったのが28分でした。(ラモスと交代、同時にオタビオ・フェリックス→オルタ・ビティーニャに交代)
早速の30分に、Bシウバが(キュマルトに)反則を受けた事で直接FKの好機を得るポルトガル。
場内ほぼ全方位で、ロナウドのゴールに期待を寄せる声援が上がる中、その通りに放たれたロナウドの直接シュートでしたが壁を直撃してしまい実らず。
その後もロナウドが敵陣でボールを持つのみで大歓声が上がる場内の雰囲気という、とても辛い状況を強いられるスイス。
35分にエンボロがワントラップからのバイシクルシュートを見せゴールを脅かす(ブロックに当たり枠外)も、流れを変えるのは既に不可能でした。
そんな状態を齎したロナウドは39分、スイスのパスミスからの好機でダイレクトのスルーパスに抜け出し、シュートをゴールネットに突き刺すもオフサイドで得点ならず。
36分にBシウバ→ネベス、42分にBフェルナンデス→レオンと、次戦に向けて?のカードを切っていくポルトガル。
スイスは反撃を試みたいのはやまやまですが、終盤に来てパスミスも目立ち、攻勢に持ち込む事は出来ず。
そんな流れのまま突入したアディショナルタイム、さらに駄目を押すポルトガル。
左サイドへ展開ののちゲレイロとレオンがダイレクトでのパス交換で前進していき、スルーパスを受けたレオンがそのままエリア内を突いてシュート。
GKゾマーも反応できずあっさりとゴール右へ突き刺さり、これで6点目。
スイスを粉砕し尽くしたという試合となりました。
結局そのまま試合終了となり、最後にベスト8進出を決めたポルトガル。
最後だけに、ここから中3日→中2日という厳しい日程を強いられるものの、それを跳ね除けて初優勝に辿り着けるでしょうか。