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DAZN観戦 2019年J2リーグ第33節 栃木SCvs鹿児島ユナイテッドFC

2019-09-26 07:59:49 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の栃木の記事はこちら(29節・山形戦)
※前回の鹿児島の記事はこちら(25節・徳島戦)

残留争い組の直接対決。
この日のために、なのかは不明ですが、先発メンバーをガラリと入れ替えてきた栃木。

1トップを張っていた大ベテラン・大黒をベンチ外とする方策には驚きましたが、それでもチームの低迷・補強選手の肥大という要素が相成って、普段からメンバーが流動的な栃木だっただけに違和感は少なく。
開幕からのレギュラーはユヒョン・ヘニキ・西谷和希ぐらいのものでしたが、その西谷和までも外しての再編成。
7試合ぶりのスタメンとなった大﨑、10試合ぶりの榊、13試合ぶりの久富という具合に間が空いたメンバーが続出となりました。

一方の鹿児島のスタメンを見ても、この日右サイドバックとなった酒本に象徴されるように、開幕時の編成からは大分変ってきているなという印象。
夏の補強で獲得したルカオがポストプレイヤーとして1トップに収まったのは好材料ですが、主力の助っ人だったニウドが、29節・横浜FC戦(1-5)での退場などで評価を落としているのかこの日はスタメン落ち。
栃木よりはメンバーは固定傾向ですが、攻撃的なサッカーを指標しているのもあって、大量失点での敗戦もしばしばあり戦いぶりは不安定です。

さて試合が始まると、早くも鹿児島にとって逆風が吹きます。
栃木はボールポゼッションに全く拘らない、ロングボールを主体にした守備的なサッカー。
しかもこの日は1トップに本来ボランチであるヘニキが起用されており、相手の出方を伺えず立ち上がりに躓いてしまいます。

前半4分の栃木、GKユヒョンの敵陣左サイドへのロングフィードをFW起用されたヘニキがヘディングで前方へ送り、大﨑→榊と渡りクロス。
これはブロックされますがコーナーキックになると、キッカー瀬川のクロスを、ヘニキの後方で田代が合わせてヘディングシュートを突き刺してゴール。
栃木はこれが実に6試合ぶりの得点でした。

反撃に出ようとする鹿児島ですが、いつものポゼッションを重視しつつ攻めるサッカーがこの日は裏目に出る事に。
中々シュートまで持っていけずにいると、前半14分には栃木DF・乾のかなり手前からのクロスからチャンスを作られ、最後はユウリがミドルシュート。(枠外)
そしてその直後、後方でボールを繋いでいるうちに栃木・ユウリに奪われ、そのボールが直接榊に渡ります。
GKアンジュンスはビルドアップのため前に出ていたのもあり、榊が放ったシュートに反応できずゴール右へと突き刺さり、早くも2点目となりました。
栃木ホームなだけに、栃木県グリーンスタジアムの芝の状態が鹿児島の繋ぐサッカーを困難にさせたのでしょうか。

奇襲ともいえる2得点を挙げた栃木。
その後は守備を固めつつ、いつも以上にロングボール主体にカウンターを狙います。
それを可能にしたのはやはりヘニキの存在。
ボランチとして起用された時も、ロングボールのターゲット役を務めしばしば前線に上がっていたヘニキ。
そのため守備が手薄になったり、ボールを持たされる展開になるとビルドアップ出来ずといった不具合が際立った試合も目立っていたシステム。
皮肉にも最初からFWという前線で起用される事で、霧が晴れたかのようにスムーズに栃木のサッカーが展開されていきました。
空いたボランチに起用されたベテラン・枝村の存在もあり、最前線という位置での執拗なプレスにより守備力も発揮するヘニキ。

一方ボールを繋ぐだけでは勝てない状況となった鹿児島。
2失点目直後の15分こそ、酒本がエリア内からシュートを放つ(ゴール右に外れる)という場面を作ったものの、その後はボールを握るもののシュートまで持っていけないという「ポゼッションサッカーあるある」的な状態に。
酒本・砂森の両SBが高い位置を取り、センターバック2人とGKからビルドアップを始めるという意図は解り易かったですが、栃木の守備を崩せぬまま時間が経過していくだけという展開は崩せず。
結局前半終わり際のコーナーキックの連続での攻め(1本目はクロスのこぼれ球を中原秀人がシュート・2本目はクリアボールを五領がボレーシュート)ぐらいで、2-0のまま後半を迎えます。

後半頭、鹿児島は早くも五領→萱沼に選手交代。
ルカオの加入前は1トップを務めた事もある萱沼、アタッカーを増やすための采配だったでしょうか。

後半も出合い頭で栃木に決定機が。
左サイドからのスローインをヘニキが収め、枝村→大﨑と渡りエリア内左角度の無い所からシュートを打たれ、GKアンジュンスがセーブ。
こぼれ球が浜下の足元に転がりましたが、浜下は詰められずにGKが抑え3点目とはならず。

しかしこの出会い頭の展開が、今度は鹿児島に味方します。
後半6分、右サイドからのフリーキックのチャンス。
キッカー酒本がニアサイドにクロスを上げると、水本が飛び込んでヘディングシュート。
どうしても破れなかったゴールを、セットプレーでこじ開ける事に成功して1点差とします。

これにより(?)1トップのルカオも躍動を始めます。
10分、牛之濱の左サイドへのスペースへのパスに走り込み、栃木・乾と競り合ってボールを拾います。
その後カットインで栃木ゴールに向かうものの、栃木・久富に阻まれシュートは撃てず。
11分には堤の縦パスを受けた牛之濱から攻撃開始、砂森・枝本を交えたパス回しにルカオもポストプレイで絡み、最後は牛之濱のエリア内左からのシュート。
GKユヒョンを抜きますが、ゴール手前で栃木・瀬川のブロックに阻まれ、詰めにいった枝本のヘディングも外れて同点ならず。

その後14分に枝本→藤澤へと交代し、さらに攻勢を強める鹿児島。
直後のコーナーキックからの二次攻撃、平川縦パス→ルカオポストプレイ→酒本ダイレクトでクロスで上がったボールに再び水本が飛び込みますが今度は僅かに合わず。
ルカオのポストプレイを交えながらのパス構成という、前半ではあまり見られなかった攻撃の形で栃木ゴールを脅かします。
しかし後一歩の所でゴールを奪えずという展開。

前線からのプレスも効果が無くなってきた栃木。
後半20分に榊→平岡、22分にヘニキ→キムヒョンと、その役を担っていた2人を共に交代。
それでも流れは変わらず鹿児島の攻勢は続き、26分にはルカオポストプレイ→中原秀左へ→藤澤カットインでゴールに迫りますが、栃木・ユウリのディフェンスでシュートは撃てず。
この直後、中原秀→韓勇太(ハンヨンテ)に交代し3枚のカードを使い切った鹿児島。

更なる攻勢を仕掛けようとした直後の27分、栃木に追加点が。
GKユヒョンからのロングフィード、キムヒョンがフリックで落としたボールは酒本のクリアミスもありエリア内にこぼれ、平岡がシュート。
GKアンジュンスがセーブしたものの、こぼれ球に大﨑が走り込んでシュートを放つと、ボールは無人のゴールに。
まさにカウンターともいうべき(攻撃の組み立ては全然カウンターでは無かったけど)得点が決まり、沸き立つ栃木サイド。

3枚目の交代で、ボランチに酒本が回り(右SBには藤澤)2トップへとシフトした鹿児島。
しかし交代で入った韓は殆どプレーに絡めず、中盤の枚数も少なくなった事でチャンスを作る場面も減少していきます。

逆に栃木が少ない攻撃機会で際どいシーンを作る事に。
33分はクリアボールを拾った久富がドリブルを仕掛けてパス、受けた平岡がエリア内に進入し、倒されますがこぼれ球を大﨑がシュート。(ゴール右に外れる)
アディショナルタイムには、カウンターで平岡がGKアンジュンスが前に出ていた隙を狙ってシュートしたものの、ボールは僅かに右に外れて惜しくも4点目はならず。
しかしそのまま3-1で勝利を挙げ、降格圏から抜け出すまで後一歩に迫りました(栃木勝ち点28・鹿児島30)。

前回栃木・田坂和昭監督の服装を取り上げましたが、あの日以降スーツ姿を見せる事は殆ど無く、この日は上着としてジャケットを着ての指揮。
スタメン構成も弄るなど、田坂氏の覚悟が現れた結果の勝ち点3という印象の試合でした。


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