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DAZN観戦 2024年J2リーグ第25節 V・ファーレン長崎vs水戸ホーリーホック

2024-08-07 16:46:17 | サッカー視聴記(J2)

※前回の長崎の記事はこちら(20節・仙台戦、2-2)
※前回の水戸の記事はこちら(19節・愛媛戦、0-1)
※水戸遠征記はこちら(24節・横浜FC戦、2-2)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 監督の下平隆宏氏の負傷が発表され、7/28のファン感謝デーで発生して翌日に手術実施。
  • 照山がいわきから完全移籍で加入し、前節(甲府戦、2-2)から登録されて今節ベンチ入り。
  • ジョップ・セリンサリウが育成型レンタルから復帰(J3・松本から)となり、今節から登録される。
  • 青木義孝がJ1・町田からレンタルで加入し、今節から登録される。
  • 瀬畠が群馬へ育成型レンタル移籍となり、23節(熊本戦、2-0)をもって登録抹消。
  • 新井一耀の負傷が発表され、6/25に手術実施して全治約6~8ヶ月との事。
  • 松本(新潟医療福祉大)の来季加入が発表され、同時に特別指定選手となり今節から登録される。

<水戸スタメン>

  • DAZNのスタメン予想では4-4-2(安藤・草野の2トップ)だが、前節の3-4-2-1を継続。
  • 長澤がJ1・鳥栖から育成型レンタルで加入し、22節(山口戦、1-1)から登録されて即スタメン出場。
  • 櫻井がJ1・神戸から育成型レンタルで加入し、23節(藤枝戦、1-3)から登録されて途中出場、次節からスタメンに。
  • 中島がJ1・札幌からレンタルで加入(藤枝からレンタル先変更)し、今節から登録されてベンチ入り。
  • GK富居がJ1・湘南からレンタルで加入し、今節から登録される。
  • GK中山がJ3・岐阜へレンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 寺沼の負傷が発表され、6/30に発生して全治は未定。

ここまで僅か1敗のみと、ほぼ盤石な成績で中断を挟んだ長崎。
引き分けが多いため首位にはなれず、という事を除けば昇格に向けて順風な状況であり。

しかしその中断期間で発表された故障者のリリースは、あろう事か監督の下平氏。
一時の休息の場でまさかのアクシデントに苛まれた格好ですが、不屈の精神で何とかこの試合に間に合わせ。
足に装着されたプロテクターが痛々しいながらも、一戦一戦が大事な時期で離脱は出来ないという姿勢が実を結ぶかどうか。

夏の移籍を挟んだ事で、大きく形を変えたのは水戸。
自分も現場(ケーズデンキスタジアム水戸)で観戦した前節は、3-4-2-1へと布陣を変更して臨んだ節目の試合となり。
そしてこの日も継続と守備意識を高める事で残留争いを戦う覚悟を決めたのは明白で、上位(横浜FC)相手に善戦したという結果を、ブレイク明けでも持ち越せるかが注目される一戦。

最初にボール保持の姿勢に入ったのはやはり長崎で、水戸は前節同様5-4-1の守備布陣で凌ぐ体勢を貫き。
しかし前半5分、水戸が最終ラインから繋ぐ攻撃に入ると、左サイドからの前進を経て大崎のスルーパスを受けた新井晴が奥へ切り込むと見せかけてポケットへ横パス。
受けた草野が改めて奥へと切り込み、よりゴールに近い位置でシュートと見間違うような速いクロスを送るも、ファーに走り込んだ長澤は合わせられずに終わり。
最初の好機が長崎ゴールのすぐ側を脅かすものとなると、8分にも安藤がドリブルで右ポケットへと切り込んでグラウンダーでクロス。
中央で受けた草野が右側へ切り返してシュートを放つと、ゴールバーを直撃とまたも惜しい場面となり。
さしたる好機はこの2度のみで、後は長崎のボール保持に対し自陣で守る時間が続くも、その決定機逸によりモチベーションを保ちます。

長崎は水戸の布陣変更に対応しきれていない感があり(前節の変更は、横浜FCに対するミラーゲームと判断したためか)、守備時はジェズスが前に出ての4-4-2で前線から規制を掛けにいくも、ウイングの対応にやや迷いが見られ。
即ち、片側が前に出ての3枚の前線で水戸の3バックに合わせるか、ないしは数的不利を覚悟で双方とも相手ウイングバックを見るかという二択。
前者を選択したようでしたが、その所為で右のギリェルメの対応が曖昧となった節がありました。(5分の好機はそのサイドを突いてのもの)

そんな思惑のぶつかり合いにより、優位に立った水戸は16分に長崎のパスミスを大崎が拾い、再び左からの前進。
新井晴が今度は奥へと切り込んでグラウンダーでクロスを入れ、クリアされるも左コーナーキックで継続。
そしてキッカー甲田のニアへのクロスに、手前に走り込んだ草野を囮としたその奥で長澤が合わせてのヘディングシュート。
ジェズスとの競り合いを力で制した、迫力溢れるフィジカルによるフィニッシュでゴールに突き刺し、先制に成功します。

追い掛ける立場となった長崎、「ボールを持たされる展開」がチラつきかねないその状況で、キックオフからの選択はエジガルをターゲットとしたロングパス。
ディフェンスに遭いこぼれた所を、ジェズスがダイレクトでミドルシュートを放った(枠外)事で、その危惧を払拭しに掛かり。

長崎のビルドアップは、4バックがしっかりと取った幅をふんだんに使うパスワークで、水戸のブロックを動かしにかかるもの。
水戸はハイプレスにはあまりいかないものの、前線五角形はボールサイドに圧縮して規制を掛ける、横移動は忙しないというスタイル。
それ故に長崎の距離の長いグラウンダーのパスに走らされ、地上で漸進を許していき結局リトリートの状況を強いられる事となり。
決定機こそ許さないものの、22分には増山のロングスローフェイントから、右サイド奥への侵入を許した所に新井晴が(増山に)反則を犯してしまうなどその守備陣は決して強固な楼閣という訳では無く。

何とかフィニッシュを撃たせないままやり過ごし、(23分に)飲水タイムを挟んで第2クォーターへ。
シュートには繋がらずも、ニアに走り込むエジガルに対する鋭いクロスという場面は幾度も発生する長崎の攻撃。

それ故に願わくば早めに2点目が欲しい水戸、30分にその好機が。
最終ラインから前田がドリブルで2人剥がして前進に成功し、左からの大崎のアーリークロスは流れるも、右奥で長澤が拾って継続。
そして甲田が右ポケットを抉る状況となり、入れられた低いクロスを逆サイドから走り込んだ新井晴が身を屈めてフリックし、ファーの草野の下へ。
ゴールから間近という位置で決定的なシュートが放たれたものの、ライン寸前で立ちはだかった増山が胸でブロックとまたも惜しい所でモノに出来ず。

ブレイク明けから、水戸はボール保持の際はボランチが最終ラインに降りる、言わば「ミシャ式」に近い形でのビルドアップが目立ち。
しかしそうなると、長崎の4-4-2の前線にマッチアップしてしまう(特に、開いた左右のCBが長崎のウイングに)ので、逆効果な感がありました。
上記の好機も、前田の個人技が無ければどうだったか……という流れであり。

次第に専守の状況へと追い込まれる水戸、クリアボールを拾われて二次攻撃というシーンも目立ち、長崎の攻撃機会が膨らむ一方な展開に。
40分、中央からジェズス縦パス→エジガルポストプレイを経て、受けた加藤のミドルシュートを牛澤がブロック。
これでCKになると、その後散々押し込んで来た成果とも併さり、5分間でCK3度というセットプレー中心の攻撃に。
その中で、左からのジェズスのクロスを加藤が合わせたヘディングシュートがゴールを襲う(GK松原セーブ)など、ゴールの匂いが高まって来ます。

そこから逃れるべく、アディショナルタイムに櫻井ロングパス→新井晴落としから好機を生み出す水戸。
前半終了まで後一歩という所でしたが、安藤の左からのグラウンダーのクロスが跳ね返されると、逆に長崎の好機になり。
拾ったギリェルメが右ワイドから、一気に左サイドを窺うという対角線を描くドリブルを経て、溜めたのちジェズスに託し。
そして豪快に放たれたミドルシュートがゴールネットを揺らし、そしてキックオフの前に前半終了と、最後の攻撃で同点に追い付きました。
ジェズスへの寄せは確かに甘かったですが、最も近くに居た新井晴が、右ワイドに走り込む加藤に釣られたため必然というフィニッシュであり。
即ち水戸が悔やむとすれば、やはり直前の攻撃が淡白に終わってしまった事でしょう。

そんな心理状況か、ハーフタイムで早くも動いた水戸。
安藤に代え、補強したての中島を最前線に投入します。

そして始まった後半。
長崎のキックオフからの攻めを切った水戸は、GK松原がその最前線へと送るパントキック。
バウンドを経て一気にエリア内まで届くボールとなると、収めた中島の戻しを受けた甲田がミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、最小手でフィニッシュに繋がります。
手数の少なさは単純ながらもある意味脅威であり、少なくとも数多パスを繋ぐ必要があるこの日の長崎にとっては尚更の事。

それを振り払いたい長崎、後半3分に秋野の縦パスを受けたエジガルがシュートするも、威力に欠けGK松原がキャッチ。
すると次の水戸の攻撃で、中盤の底(前田)からのパスに草野が入れ替わって前進、そしてスルーパスを中島の足下に通す緩急を経ての縦に速い運び。
ワントラップでエリア内を突いた中島、その勢いのままにシュートを放つと、ゴール左へと突き刺さり。
移籍後最初の試合で見事なゴールと、出来過ぎともいえる中島の働きで再度リードを奪いました。

しかしこのリードで当然ながら、長崎の一層の圧力を覚悟せざるを得ない状況に。
激しいデュエルの色を強める事で反則も量産してしまい、セットプレーからも再三脅かされる事で、とてもじゃないが攻撃の余裕は無くなります。

8分、右サイドで櫛引の縦パスをジェズスがワントラップで入れ替わって好機に。
即ち失点の危機に繋がり、奥で拾い直したのち大崎を股抜きしてのカットインでポケット奥へ持ち込むジェズス、入れられたマイナスのクロスがエジガルの下へ。
合わせきれずにこぼれたものの、逆にそこにギリェルメが走り込む決定機となり、たまらず後ろから甲田が倒してしまい。
しかし反則の笛は鳴らず、さらにこぼれた所を米田が放ったシュートがゴールを襲うも、ゴールライン寸前で牛澤がブロック。
こぼれ球をエジガルが追撃するも枠外、となった所で先程のプレーに一斉に異議を唱える長崎サイドですが、判定が覆る事は有りません。
それだけに、18節の同カード(水戸 2-3 長崎)で覆った事例の異例さを蘇らせる事にもなり。

長崎が(GK以外)全員敵陣に入り込んで攻める絵図が増え、息継ぐ暇もないという水戸。
14分にベンチも動き、草野・甲田→黒川・落合へと2枚替え。
采配で流れを取り戻したかった所ですが、長崎もすかさず動き秋野・加藤・笠柳→山田陸・フアンマ・松澤へと3枚替え。
枚数で上回り、フアンマの投入で4-4-2へと布陣変更というおまけも付いた(山田陸・ジェズスのドイスボランチ)事で、蓋をされる格好に。

そして16分ジェズスのパスカットから敵陣で攻撃開始となる長崎、左からの切り込みで一度は遮断されるも、奪い返した松澤が斜めのカットインでポケットへ進入。
切り返した所を前田に引っ掛かって倒れると、今度はしっかりと反則の笛が鳴ってPKが齎されます。
今度は水戸サイドが納得出来ないという絵図でしたが、流石に繰り返しでエリア内でこういった図を生んでしまえば(主審が)見逃す確率は下がるものであり。

願っても無い同点のチャンスで、キッカーは目下得点王のエジガル。
誰もが得点を予感するそのシーンでしたが、ゴール右へと放たれたシュートはGK松原が読みきってナイスセーブ。
眼前にこぼれたボールをさらにフアンマが詰めるも、これも反転して飛び付きセーブした松原。
しかしさらに連撃、ギリェルメが放ったシュートがゴール左へ外れた所で、凌ぎきり安堵の様相となる水戸サイド。
一方逃してしまった長崎、助っ人総出でのフィニッシュも実らずとあり、運気は完全に逃げてしまう格好に。

ともあれ、その後は布陣変更の妙を活かして尚もペースを確保する長崎。
山田陸が最終ラインに降りて3枚での組み立てが目立ちますが、正直水戸が専守に陥っている状態で必要かどうかはやや不透明。
しかしそれを補うように、増山が高目に位置取る事でギリェルメが中央~左へと張り出す可変システムを採り始め。
25分にはロングボールを増山が落とし、拾ったギリェルメが左へ張り出してドリブルと、その体制による好機。
そしてカットインでエリア内中央からシュート(枠外)と、逆サイドでもその突破力を見せ付け。

しかしその傍ら、後方では櫛引が足を攣らせてしまい不安定に。
照山と交代するという所で、飲水タイムが挟まれた(25分)のも間が悪く。
結局ブレイク明けでの交代となるも、投入された照山は直後の28分、落合のドリブルを後追いで反則で止めた事で早くも警告と踏んだり蹴ったり。
自身のプレーも、持ち運びから縦パスと積極的に前進に絡まんとするものの、それが悉く水戸ディフェンスに遮断された事で流れを齎せません。

そんなリズムが悪くなった相手の隙を突き、水戸は31分に最終ラインから地上で前進を果たし。
縦パスを打ち込み、ボールキープから戻しという奥深いポゼッションを経て、左奥を突いた末に新井晴のクロスが中央へ。
GK若原が跳び出したその手前で、中島がヘディングシュートを放ってガラ空きのゴールを突きにいったものの、僅かに左へと外れ逃してしまいます。

結局追加点は奪えず、1点差のまま逃げきりを図るという段階に突入する水戸。
前節は2点差で失敗しただけに不安が過るものの、その反省を踏まえてかベンチに楠本・長井を入れていたのが幸いし。
36分に新井晴→楠本に交代し、大崎を左ウイングバックに回し中央を堅固なものに。(山田奈が左CBに回る)
そして39分に足を攣らせた櫻井に代えて長井と、揃えた駒をフル活用します。

一方、第4クォーターで一気に好機が減る形となった長崎。
40分台に突入するとともに、セットプレー攻勢が訪れようやく好機が。
増山が逆の左サイドからもロングスローを投げ入れる、形振り構わない体勢を取ると、その二次攻撃(42分)で田中ロングパス→右ポケットで照山折り返しを経てフアンマの下へ。
トラップで浮かせてからのシュートにいったフアンマですが、ディフェンスに遭いミート出来ず不発と、水戸の粘りに屈する流れをどうしても崩せません。
そして44分に最後の交代を敢行、ギリェルメ→澤田へと代え、オーソドックスな4-4-2の布陣で最終局面のATへ。

とにかく押し込む他無い長崎ですが、最終ラインでボールを持つと地上での前進を選択する絵図が多く。
押し迫った状況で、フアンマ・エジガルの2トップへのロングボールの割合はもっと増やして良かった気がしますが、結果論に過ぎず。
セットプレーに持ち込み、CKからフアンマがヘディングシュートを放つも枠を捉えられずと、やっとの思いで繋げたフィニッシュも実らず。

逆に水戸は、右サイド裏に走り込む中島へ届けるロングボールによりCKをゲットし、時間稼ぎに利用する事で長崎の攻勢を断ち切り。
反則の連続で、6分の目安時間も定かではない状態に陥ったものの、無事に逃げきりを果たします。
試合終了の笛が鳴り、降格圏のクラブを一時的に振り切る勝ち点3をゲット。

その結果ついにと言うべきか、2敗目を喫する事となった長崎。
監督の負傷で流れが……という意見はオカルトの域を出ませんが、再開後いきなりの黒星で悪運を早めに払拭させたい状況に陥ったのは確かでしょう。

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