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DAZN観戦 2019年J2リーグ第19節 柏レイソルvsジェフユナイテッド千葉

2019-06-25 19:13:15 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の千葉の記事はこちら(15節・東京V戦)

長い事ご無沙汰していた千葉ダービー、リーグ戦では実に10年ぶり。
といっても、プレシーズンマッチでは毎年「ちばぎんカップ」で戦っているカードではあるのですが。

運命の悪戯か、両チーム10年前と同じ顔ぶれの監督となったこの日の試合。
柏のネルシーニョ氏は既に68歳の大ベテラン、しかもJリーグに初めて関わったのが1994年というかなり昔の事(ヴェルディのヘッドコーチ→翌年から監督)。
その後は南米をメインの仕事場としつつ、ポイントポイントで日本にやって来るネルシーニョ氏。
名古屋(2003年途中~2005年途中)ではあまり成功しませんでしたが、柏では2011年にクラブ初のJ1優勝へと導き、6年もの長期政権を達成。
その実績から直ぐに神戸の監督にも招聘され、2016年には2ndステージでクラブ最高の成績(2位)を残すなど名将ぶりを発揮しましたが、翌年ここから始まったオーナーの身の丈に合わないビッグクラブ指向の渦に巻き込まれ途中解任。
一旦ブラジルに戻ったものの、今季から再び柏の監督に招聘されました。

J2に転落した柏を救うべく……とはいうものの、前回の柏の監督就任時も、チームはJ2降格の危機に瀕しての登場でした(2009年途中)。
残念ながらこの時は降格を止められませんでしたが、翌年に1年で昇格させたうえ2011年の優勝に繋げた、この実績が彼の日本での評価を不変にしたのだと思います。
当時の流れをもう一度、という柏フロントの考えが透けて見えるのは明白ですが、今季はあの時のような圧倒的な成果(1年間で僅か2敗)は今の所得られていません。
J2のチーム数増加とともに、レベル自体も全体で確実に底上げされている現状。
前年は甲府・新潟・大宮の3クラブはいずれも1年でのJ1復帰が果たせなかったように、一度降格してしまうと浮上するのは困難なリーグと化しつつあります。

その柏と2009年に同時に降格した千葉。その当時の監督である江尻篤彦氏が、現在10年ぶりに指揮を執っています。
2010年に柏が圧倒的強さでJ1に返り咲いたのを見送るしか無く、以降は独自の戦いを続けるも昇格は果たせずズルズルと現在まで来てしまっている千葉。

J2の舞台で一度行われて以降、ずっと行われる事は無かった千葉ダービー。
柏の立場にしてみれば、「いつか上がって来い、待っているから」という思いを抱いていた方は少なくなかったはずですが、まさか自分達が落ちる事で再びJ2の舞台で出会ってしまうとは。

さてその試合ですが、一に前半で2点を奪う柏ペース。
二に前半千葉はシュート皆無という柏ペース。
三に、つまりは圧倒的な柏ペースという内容となりました。

後半開始前に千葉は2枚替え(乾→下平・堀米→佐藤寿人)を敢行し何とか流れを掴もうとしますが、無駄なあがきに終わります。
試合終盤こそペースダウンした柏に対し、ボールを持てるようになりますが、チャンスは相変わらず数少なく。
結局後半も放ったシュートは3本のみと、千葉はまさに完敗という試合内容。
スコアこそ2-0から動きませんでしたが、力の差は歴然でした。
ここまでの内容だと「一言で済ませたくない」と思っても、一言で終えてしまいたくなります。

そんな気持ちはとりあえず置いておき。
フォーメーションの観点から両チームを見ると、柏は4バックが基調でこれは前年・前々年から。
前年の降格寸前の時期に3バックを採用した試合もありましたが、その試合(アウェイ川崎戦だったか)は惨敗。

4バックがDNAのようなチームですが、ここ最近のネルシーニョ氏は3バック(3-4-2-1)を採用していました。
9・10節とスコアレスドローが相次いだためか、翌11節(横浜FC戦、この試合も0-0)でテコ入れをするべく代えて以降、17節の愛媛戦までそれは続きました。
それでも攻撃は一向に活性化せず、点が取れない、取れても1点のみの試合が続く事となりこの間の成績は2勝2敗3分と勝ち点を伸ばせず仕舞となります。

そして前節(福岡戦、1-1)で4バック(4-4-2)に戻し、この日も継続。
3バックにする事=チームの改善とはならないという事に気付けたという点が大きかったでしょうか。
この迷走期を有意義なものにするには今後も勝ち点を積み重ねる事が必須ですが、ここから巻き返せるのは十分可能でしょう。
クリスティアーノはじめ、個の力は十分揃っている陣容ですし。

一方の千葉は、江尻氏が監督となってからは3-4-2-1が基調。
しかしこの日、ディフェンスのリーダー格であるベテラン・増嶋が、レンタル元の柏との試合のため出場できず。
そのためか試合開始から4バックのような並びを見せ、元来右ウイングバックの茶島は疑似的な右サイドバックとして守備的なタスクが目立ち、左センターバックの乾は左SBのような位置取りで対面のクリスティアーノの対応に追われる事となりました。

かくして攻撃の流れを全く掴めずに時間が進む中、茶島は上がり目に位置するなど本来のWBの仕事もこなそうとします。
この無理矢理な二方面作戦が裏目となり、柏の左サイド(千葉の右サイド)からの攻撃で1失点目。
2失点目はクリスティアーノの下がりながらのキープで乾が前に出て対応するも、この動きで千葉のDFライン全体が高くなり、その隙を突かれてスルーパスを許しそこから小池のクロス→瀬川のシュート。
苦戦を経て迷いの無くなった柏に対し、イレギュラーへの対応を強いられフォーメーション的に迷走を余儀なくされた千葉。その差が表れていたと思います。

就任当初は守備的な戦術を取りしぶとい戦いで急場を凌いできた江尻氏ですが、この所は複数失点で敗れる試合や、ボール支配はするも点が取れない試合が目立ってきた千葉。
まるで前任監督のフアン・エスナイデル氏時代の弱点が再び露呈してきたような感じであり、監督が代わってもそれが続くとなれば、原因は根強くなってしまっているのか。

江尻氏のサッカーをチームに植え付ける事がとりあえずの最善策になるでしょうが、果たして江尻氏自身がエスナイデル氏のサッカーを受け継いでしまってはいないか。
1-4で大敗した16節・長崎戦以降そんな不安がどうしても拭えず、もしそうだとすると問題解決にはかなりの時間が掛かる事になるでしょう。

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