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DAZN観戦 2022年J1リーグ第31節(順延) 清水エスパルスvsジュビロ磐田

2022-10-24 20:31:32 | サッカー視聴記(2022年J1)

<清水スタメン> 4-4-2(4-4-1-1)
GK 権田
RSB 片山 CB 立田 CB 鈴木義宜 LSB 山原
RSH 中山 DH 白崎 DH 松岡 LSH カルリーニョス・ジュニオ
FW チアゴ・サンタナ ST 北川
<磐田スタメン> 3-4-2-1
GK 三浦
RCB 森岡 CCB 伊藤 LCB 山本義道
RWB 鈴木雄斗 DH 山本康裕 DH 上原 LWB 松本
IH 山田大記 IH 金子
FW 杉本

歴史の長いダービーマッチは得てして「血で血を洗う」という表現が相応しくなりがち。
しかし今年はこの押し迫る状況で、17位と18位の戦いという要素も加わり、デスマッチと呼ぶ事すら生温く感じる一戦となりました。

前試合は首位・マリノス相手に勝利した(1-0)事で、首の皮一枚望みを繋いだという状況である最下位の磐田。
しかしそんな流れに水を差すように、ファビアン・ゴンザレスの契約問題におけるニュースが浮上してしまい、このままでは来季の選手獲得が全面的に不可能となってしまう事態に。
つまりは移籍する選手の穴埋めが出来なくなるという事であり、ここに来て何としても残留しなければならない理由を一つ増やすに至ってしまいました。
一つ上の17位つまり清水との勝ち点差は4で残り3試合、絶対に落とす事は許されない一戦となった静岡ダービー。

いきなりの前半1分に中山のボールカットから攻める清水、白崎が持ち上がってのミドルシュート(GK三浦セーブ)で幕を開け。
磐田にとって見れば、どうして降格圏に居るのか不思議に思う程の名選手を揃えている清水。
そんなメンバーに、この日はロングスローが出来る片山がスタメンに加わった事で、細かな繋ぎとアバウトな前進を織り交ぜた攻撃を繰り出していきました。

それに立ち向かう磐田は傍らから見ていても苦しさが伝わって来ますが、必勝が求められる状況で泣き言を言える訳も無く。
清水の左サイドからの前進を未然に防ぎ、何度か敵陣でボール奪取するシーンを目立たせ、対抗姿勢を取ります。
それでもカルリーニョスの推進力はじめ、止められない時は止められず。
20分に北川が左で受けたのを切欠として奥を突くカルリーニョスから、一旦戻されたのち右へとサイドチェンジ、受けた片山から低いクロス。
中央でサンタナが収めるとそのまま反転シュートに持っていき、ブロックに遭いこぼれたボールに白崎が反応してシュート、GK三浦が足で何とかセーブ。
しかしさらに攻撃継続、エリア内右で拾った中山からのクロスにサンタナが合わせヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と、立て続けにゴールを脅かされる危機を招きました。

飲水タイム(23分)ののちも、清水の強力助っ人のゴールへの圧力に再三悩まされ。
この日はボランチにホナウドが不在も、白崎がそれにとって代わるように最終ラインに降りてのビルドアップ・前線に跳び出す役割をこなしてカバー。
28分はスローインから繋いでサンタナがエリア内へラストパスを送ると、北川がスルーした所にカルリーニョスが走り込んでシュート。(GK三浦セーブ)
29分には磐田のクリアミスを左サイドで拾ったカルリーニョス、カットインでハーフレーンに移ったのちシュート。(ブロック)

厳しい凌ぎを強いられる磐田、そして34分についに決壊します。
右サイドからのCK、キッカーの位置に2人が立つ変則形を取った清水は中山のフェイクから山原がクロスを入れると、ニアサイドで白崎が走り込んでのフリック。
そして中央で鈴木義が足で折り返したボールを収めたサンタナ、すかさずシュートを放ちゴールネットを揺らし。
磐田の守備をぶち破ったのはやはり助っ人のサンタナで、先制に成功した清水。

追い掛ける立場となり、マリノス戦のような専守の姿勢では勝てなくなった磐田。
最終ラインから主体的に組み立てる姿勢へと傾倒していくも、攻撃同様に守備でもパワーを見せる清水の前線。
その猛烈に走り回るプレッシングに対し悪戦苦闘は避けられず。
それを何とか掻い潜って前進を果たした41分、右サイドから上原がクロスを入れ、ニアサイドで金子が収めたのち山田大へと渡り。
しかし中山の反則気味のチャージを受けて奪われると一転して清水がカウンターに持ち込む(シュートには繋がらず)という具合に、守備が薄くなっての追加点のリスクも高まる事となりました。

ダービーマッチ故という観点では、前半から何度かヒートアップし危うい場面が見られ。
36分に磐田・伊藤にボールを奪われたカルリーニョスが反則を犯すと、激しく異議を唱えるシーンとなり。
45分には磐田のCKで、クロスをダイレクトで抑えたGK権田でしたが、その後磐田・森岡の妨害を受けた事で逆に森岡に対しチャージしてしまい。
それは思わずユニフォームの胸倉を掴む程であり、二重の意味で負けられないという試合にある意味相応しくもあり。

結局前半は1-0のまま終え、迎えた後半。
早めに同点に追い付きたい磐田ですが、清水のような助っ人に頼れない状況では出来る事は少なく。
その中で、何度か攻撃に絡んでいた鈴木雄を中心とした右サイドアタックに活路を見出します。
3バックを全体右へとスライドさせ、伊藤・山本義の2CBという形を中心としたビルドアップを根底として前進。

しかし右サイドで奥へと辿り着いても、清水ディフェンスの戻りもあって中々クロスを入れられず、ないしは入れてもブロックに遭うシーンが目立ち。
そして人数を掛けた故のカウンターの恐怖も襲い掛かり、後半11分には金子の戻しのパスをカットされて清水の逆襲に。
カルリーニョスのドリブルからのスルーパスを、走り込む中山に対し何とか山本義が蓋をして防ぎます。(その後中山が山本義を倒してしまい反則)
19分には再びカルリーニョスのドリブルでカウンターになりかける所を、上原がスライディングで倒してしまい反則・警告。
攻撃よりも、守備で圧力を受けるシーンが圧倒的に目立ち、中々反撃機運を高められません。

何とか流れを変えようと、14分に山田大・金子→ジャーメイン良・大津に2枚替え。
続く22分には松本・上原→松原・遠藤に2枚替えと、ベンチも積極的に動きましたが、大勢は変わらず後半の飲水タイムが挟まれます。(23分)

元清水の松原がピッチに立った事で、彼が最初にボールを持つだけでブーイングが起こるという具合に、ダービーマッチの色は一層強まるスタジアム。
25分にようやく磐田の右サイドアタックが結実し、鈴木雄の縦パスを受けた大津がエリア内右奥へと切り込んでグラウンダーでクロス。
後半初めてクロスが中央に入る絵図が作られるも、走り込む杉本の手前でGK権田にキャッチされ実らず。

一方の清水、27分に中山が足を痛めるアクシデントに見舞われ、すかさずベンチが動いてヤゴ・ピカチュウを同ポジションで投入します。
それでも依然として優勢なのは変わらず、30分には右サイドでのスローイン(終始片山の長い距離のスローが脅威となっていた)から奥を取り、エリア内へのパスは跳ね返されるも中央で拾ったカルリーニョスがミドルシュート。
ドライブ回転でゴール上部を襲い、GK三浦が何とかセーブしてCKとなると、そこからも松岡がミドルシュートを放ち(GK三浦キャッチ)遠目からも磐田ゴールを脅かしに掛かります。

一向に挽回出来ない磐田、34分に最後のカードを切り山本義→古川に交代、そして4バックへと布陣をシフトします。
<後半34分以降の磐田> 4-4-2
GK 三浦
RSB 鈴木雄 CB 森岡 CB 伊藤 LSB 松原
RSH ジャーメイン DH 山本康 DH 遠藤 LSH 古川
FW 杉本 FW 大津
マリノス戦の殊勲となった高卒新人・古川の投入に、憚らずも賭ける形となります。
その古川は37分、左サイドからの前進を奥への切り込みで締めてクロスを上げると、ファーサイドゴール付近でGK権田が辛うじて弾き。
これにジャーメインが追撃にいくもディフェンスに阻まれて撃てずと、可能性を感じさせるシーンを創出します。

一方の清水はその直前の36分、浮き球をエリア内左で受けた北川がディフェンスに遭いながらも中央へ運び、サンタナのシュート(ブロック→GK三浦キャッチ)に繋げ。
助っ人が躍動する中でセカンドトップとして攻撃を支えてきたこの日の北川でしたが、38分に退く事となり。
代わってベンジャミン・コロリが投入され、先程のピカチュウと併せて「ここに来てまた助っ人が増えるのか……」という気分を齎したものの、これは不発となり以降失速します。

とはいってもその主要因の一つが、40分に杉本が生み出した珍妙なシーンであり、何とも言い難いのですが。
ボールと無関係な所で清水・白崎のチャージを受けると、味方がパスを繋いでいるのを尻目に一方的に白崎に詰め寄り、反撃の手を突き出しにかかる杉本。
ダービーマッチの熱さ云々というよりは、そこから何か歯車が違っていたとしか思えない杉本の蛮行に、異様な空気を生み出されたのがホームの清水にとっては災難だったでしょうか。
これが磐田ベンチにも伝染したか、暴言を吐いたとして西野泰正コーチに警告が出されるという事態も招き。

思わぬ水入りが入り、さらに45分に片山が足を攣らせてしまい、交代準備の間に数的不利を強いられるなどリズムが乱れてきた清水。
そのままアディショナルタイムに突入し、何度もクロスを入れるなどゴールに迫る磐田。
何とか片山→原への交代を果たし11人に戻った清水でしたが、直後の磐田の左スローインからの攻撃。
松原がエリア左脇でキープするも囲まれ、清水・ピカチュウに倒されてボールがこぼれ。
しかし古川が拾って攻撃を継続させると、入れられたマイナスのクロスをニアで受けたジャーメイン、ワントラップからのボレーシュート。
狙いすましたシュートがゴール左へと突き刺さり、土壇場でついに同点に追い付きます。

ATで追い付かれてしまった清水ですが、これが今季7度目の(勝ち点を失う)後半ATの失点という事で悔やんでももう遅く。
直後のキックオフでの攻撃、立田のロングパスから巧く繋がった末にサンタナがエリア内中央からシュートしましたがゴール上へと外れ。

危ういシーンを作ってしまった磐田ですが、直後に自らも決定機を作り。
GK三浦のロングフィードから、収めた杉本のシュートはブロックされましたが尚も繋ぎ、ジャーメインのスルーパスでエリア内右を突いて鈴木雄からマイナスのクロス。
合わせにいったのは古川、シュートは清水・原にブロックされるも横にこぼれたボールを再びシュート。
しかし決まったと思われたそのシュートは、ふかして大きく外してしまいました。
そして決まるのとそうで無いのとでは天と地程の差、というのを実感する事となった磐田サイド。

その後杉本に反則を犯した立田が異議を唱えて警告を受ける等、杉本ワールドに引き込まれた影響が未だ健在のようであった清水。
しかし最後にカウンターに持ち込み、ピカチュウのドリブルからのスルーパスを受けたのはサンタナ、そのままエリア内左に持ち込み。
後は撃つだけ、といった所で必死に戻ってきたのは先程決定機を外した磐田・古川で、そのディフェンスを受けて撃てずに終わります。

そして試合終了を告げる笛が鳴り、1-1で引き分けに終わった静岡ダービー。
磐田にとってはとうとう、残り試合全勝しか残された道は無くなる崖っぷちへ。
一方の清水も、今季も残留決定する時は最終節(ないしは入れ替え戦)というのが確定し、呪縛から抜け出せず。
「サッカー王国・静岡」というのは遠い昔になりつつある事を痛感させる試合だったでしょうか。


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