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 Ashe店長のテニスショップ業務連絡

  四国の片田舎にあるテニススクール&ショップの宣伝日誌です。
  現在はX(旧Twitter)メインで更新中。

現状の問題が浮き彫りになったATPツアーファイナル

2017年11月20日 | ひとりごと

ディミトロフが初出場・初優勝、さらに全勝優勝の偉業[ATPファイナルズ]
(THE TENNIS DAILY)


昨年のトップ5(マレー、ジョコビッチ、ラオニッチ、ワウリンカ、錦織)は全員シーズン途中でリタイア、今年のランク1位のナダルも棄権、2位のフェデラーも年齢と連戦の疲労には勝てず力尽き、グランドスラムもツアーファイナルも優勝経験がなく、世界5位以内にも入ったことがない2人が最後の決勝を争いました。

2人のプレーにケチをつけるつもりはありませんし、「勝った者が強い」のがプロスポーツの世界だとは承知していますが、これだけ上位選手が軒並み消えてしまう状態はやはりまともではありません。
競技のレベル自体も下がってしまいますし、これではファン
も盛り上がれません。

若手がのし上がっていくにはそれまで上位に君臨していた強者達を自らの手で倒してはじめて彼等を乗り越えたという価値があると私は思います。
36歳のフェデラーはともかく、他の上位選手が休んでいる隙にトップに立ったとしても、真の王者とは認めてもらえないでしょう。

その意味で結果を見れば今年は残念な一年だったと思います。
最後までツアーを戦い抜いたディミトロフやゴファン、ソック達は今年の好成績はもちろん評価されてしかるべきですが、欠場していた選手達が復帰してくる来年にこそ真価が問われることになります。

以前から繰り返し述べているように、これだけTOP選手が欠場したのは偶然ではなく、ツアーの現状に問題があるということでしょう。
プレーレベルが上がった現在は選手の消耗も激しく、故障のリスクも高まっているのは明らかで、結果としてこういう状況を招いている以上、従来の出場義務条件は見直してもいいように思います。

各大会にTOP選手が出なくなるのを心配する関係者もいるかもしれませんが、現状を変えずに結局ケガで欠場されてしまえば同じなのですから、選手が万全の状態で試合に参加できる環境を整えるのがATPや大会主催者の責務ではないでしょうか。
来シーズン開幕までに何らかの改善が行われることを願ってやみません。


過ちては則ち改むるに憚るなかれ(失敗から学んだ加藤選手の成長)

2017年09月18日 | ひとりごと

JAPAN WOMEN'S OPEN 2017 シングルス決勝、日本勢としての初優勝を狙った加藤未唯(世界171位)は、ザリナ・ディアス(カザフスタン=100位)に6-2,7-5で敗れ準優勝だった。

予選から勝ち上がったディアスが優勝、ツアー初のタイトルを獲得
JTAオフィシャルメールマガジン Tennis Fan


この中で準優勝の加藤選手について次のような記事がありました。

全米オープンでは、シングルス予選で競り負けた悔しさのあまり、ボールとラケットをぶつけて電光掲示板を壊すなど、自分を抑えられなかった。
コーチ陣、
親、関係者などさまざまな人から、反省を促されたという。
「新しい自分を見せ
なきゃ」と、決意を持って臨んだ有明の舞台だった。
だからこそ、この大会を通
じて、試合中は感情を見せず、自らをコントロールしてプレーすることを徹底した。
すると、結果がついてきた。
予選初日からダブルスも含めると9日間、一日
も休みなく試合をして、「気持ちがぶれないことは、プレーもぶれないことと感じた」。
日本のファンの前での濃密な日々の最後に、ツアーで初めての決勝の舞
台も味わい、「自分の今の力は全部出したので、悔いはなく戦えたかなと思う」と充実感ものぞかせた。

彼女は先日全米オープンの予選決勝でフルセットの末に逆転負け、あと一歩で本戦をのがしてしまった際に、プロとしてはあるまじき醜態を晒していました。

「第2セットに入るとファーストサーブの確率がガクっと下がり、イライラが募る。ブレイクされて落とすと、持っていたボールを場外まで打ち上げた。」

「最終セット4―5の第10ゲームも、0―40と追い詰められた。ジュースまでしのいだが、最後は逆転負け。今度はコート後方にボールを思い切り打ちつけ、「ボコッ」という鈍い音が響いた。それでも悔しさと怒りが収まらなかったのか、ラケットをコートにたたきつけ、曲がったまま放置して会場を去った。」

「加藤未唯、逆転負けに試合後大荒れ…初の全米オープン本戦出場逃す」
(スポーツ報知)


先日もプロ選手のラケット投げについては述べましたが、これはそれどころの問題ではありません。

敗戦は自分の責任。
結果を受け入れられないからといって会場の施設を壊し、スポンサーからいただいたラケットを叩き折ってそのままコートに捨てて帰るような選手はプロとして感情のコントロールが未熟すぎます。

何度も言っていますが、負けた時にその選手の真価が問われます。
悔しいという感情があるのは当たり前なのでそれを責めるつもりはありませんが、せめて観客が見ていないロッカーで暴れるとか、叩き折ったラケットを拾って帰るくらいのふるまいが出来ないのはプロとしては失格、20歳を過ぎた大人としては幼すぎますし、施設を破壊するのは問題外です。
この悪癖が治らない、その程度のメンタルでは彼女がこれ以上大成するとは思えません。

しかしその後関係者は彼を諌め諭し、本人も反省するところがあったのでしょう。
それがメンタルの改善につながり、自身WTAツアー初の準優勝という結果に現れたとすれば、「感情を乱してもプレーには何一つ良い影響を与えない」ことを身をもって実感できたはずです。

過ちては則ち改むるに憚るなかれ。
やってしまった失敗を認め、それを反省し課題として修正することができれば次につながります。
個人的にはプロである以上、願わくば問題を起こした後すぐに何らかの形でファンや迷惑をかけた関係者にその気持ちを表明していればもっと良かったと思います。

生まれついての性格は簡単には変わらないでしょうが、まだ若いのだから挽回のチャンスはいくらでもあるでしょうし、後はファンや関係者に愛される選手になるべく、これからの自分の行いと結果で証明してほしいですね。
勝てば許されるというような態度だけは勘弁して欲しいと願います。

最後に、先輩である藤原里華プロのFacebookのコメントを引用しておきます。

私も以前は自分の感情をコントロールできず周りに当たったり
喚き散らしたりしていました。

ボーラーさんに対しての態度も何様だと言う態度、暑さ寒さの中、精一杯ジャッジしてくださってる
線審の方、主審の方にも自分の中の余裕の無さをぶつけるかのような
奢った態度

それに対して全く客観視できず
改めることもしておりませんでした。

でもそれがいかに恥ずかしい行為だったか
応援してくださってる方をガッカリ
せてしまう行為だったか

テニスと言う素晴らしいスポーツを盛り下げる
要因になってたか
気付きました。

フェデラー選手も若い頃の自分の態度を
自分で反省し改め今では誰からも尊敬され
愛されるプレーヤーで
テニスを盛り上げています。

気付いて改めて成長しようとすれば
誰でも前に進む。

すると見える世界が変わり出しています。

私は遠回りしたからこそ、伝えられるものもあると信じ進んでいきます。

加藤選手にもこの言葉が届いていればいいなあと祈りつつ、今後の成長と活躍に期待しています。

※9/19追記リンク
「加藤未唯、成長の鍵となった3つの敗戦「全てつながり」WTAツアー初の準V」
(スポーツナビ)

※9/21追記リンク
「「ラケット破壊」への悔い。感情を抑え込んだ加藤未唯が最後に笑うまで」
(web Sportiva)



錦織の長期欠場とツアーの過密日程問題

2017年08月18日 | ひとりごと

「男子テニスで世界ランキング9位の錦織圭(27=日清食品)が、右手首の腱(けん)を痛めたため、28日開幕の4大大会最終戦全米オープン(ニューヨーク)を含む今季の残り大会すべてを欠場すると16日、マネジメント会社が発表した。14日の練習で鋭い痛みが走り、今週のウエスタン・アンド・サザン・オープン(米シンシナティ)も欠場。3人の専門医に診断をあおいでいた。現時点では手術の予定はない。錦織は世界ランキングを大幅に落とすことになる。」

「14日のサーブの練習中、右手首から「プツ」っと音がしたという。あまりの痛みに、錦織はその場でうずくまったほど。顔をゆがめ、そのまま練習は中断。ベンチに引き揚げ、中尾公一トレーナーの応急処置を受けた。そのままコートから去り、全米オープンの前哨戦となるウエスタン・アンド・サザン・オープンを欠場した。」
「錦織今季欠場、古傷悲鳴「プツ」世界ランクは大下落」( 日刊スポーツ)

「先週のケガで、手首を痛めて、今年いっぱいは出られないことになりました。今はこの状態で(左手で右腕のギプスを触る)、全部、固定されています。とりあえず、3~4週間後に、ドクターに診てもらい、そこから今後、どうしていくかを決めていく予定です。皆さん、たくさんのメッセージありがとうございます。なるべく気持ちを前向きに、来年までに治したいと思います」
「錦織圭「今はこの状態」青いギプスで動画メッセージ」( 日刊スポーツ)

 「錦織が長期間、ツアーから離れるのは2009年の右ひじ手術以来で、このときは日本での手術を選択した。復帰までは、ほぼ1年かかり、59位まであがっていた世界ランキングも、52週(1年)の有効期限が過ぎ、消滅してしまった。
 仮定の計算だが、来季の開幕戦から復帰した場合、今季すでに稼いだポイント(1885点)が有効となる。今の世界ランキングに照らすと20位台前半になり、4大大会のシード(上位32人)には名を連ねる。」

「錦織、世界ランク20位台に転落か けがで残り大会欠場」(朝日新聞デジタル)

だましだましプレーしていても根本的な回復はありえません。
何とか今シーズン終了までもたせたかったのでしょうが、結局無理がたたって最悪の結果になってしまいました。

デルポトロのように手首の故障はくせになる危険性もあります。
手術は回避とのことですが、長引かないことを祈ります。

「錦織に決定的に欠けているのは、長期的な目標を立て、その目標を達成するためにメリハリをつけたスケジュールを立てることです。今年のこの大会に勝つとか、そういった目先のことではない。今後6、7年はコンスタントに世界ランクの上位にいてCMなどで稼ぎたいのか、何年かかっても構わないからグランドスラムをひとつでも取りたいのか、そういったビジョンがこれまでの錦織からはまるで見えませんでしたから。本人だけでなく、周囲のコーチやマネジメントにも問題はあるように思います。スポンサーや協会も含めてしがらみは大きいかもしれませんけど、かなりダイナミックな変化が求められる。ただ、ここで長期休養を決意したのは最終的に錦織自身です。このままではいけないと気付いたのかもしれませんし、チーム体制を含めて立て直そうという決意の表れのような気もします」

「右手首腱断裂で今季残り欠場 錦織は休養をどう使うべきか」(日刊ゲンダイ)

こう言っては酷ですが、結果的にランキングが下がることになっても、長期欠場してしっかりフィジカルを立て直す方が、長い目で見れば錦織にとってもプラスになるのではないでしょうか。
今シーズンの状態では試合に出ていても納得できる結果は出せなかったでしょう。
ただし、それはあくまで「手首の故障が完治する」ということが条件です。
もし完全に回復しないとすれば、ここまで無理に試合に出続けた代償は大きいでしょう。


錦織以外にもジョコビッチマレーワウリンカラオニッチやチリッチらの上位選手が休養、昨年はフェデラーとナダルがツアーから長期離脱しました。
現在の男子ツアーはレベルが上ってフィジカルの消耗が激しくなり、TOP選手の連戦が厳しくなっていることが実証された形です。

以前にも言いましたが、欠場者が続出したり、強行出場してもベストのプレーが見せられないようでは高いチケット代を払った観客を満足させることなど出来ません。
ひいてはテニス自体の人気を落とすことになるのは明らかです。
システムを見直す時期にきていることをツアー関係者は真剣に考えるべきです。





全仏とウィンブルドンの日程調整、何とかならんのか?

2017年07月19日 | ひとりごと

「「長い道のりだった」----フェデラーが記録破りの8度目タイトル獲得 」(THE TENNIS DAILY)

今年のウィンブルドンは全仏をスキップした35歳のフェデラーが優勝。
芝での彼のプレーは他の選手達より頭一つどころか群を抜いているとはいえ、マレー、ジョコビッチ、ナダルとの対戦がなかったのは幸運でした。
ジョコビッチとマレーは故障でリタイアと早期敗退、全仏優勝のナダルも調整期間が短すぎたこともあり、ウィンブルドンにピークをもってこれませんでした。

今の男子テニスのレベルではフィジカルに負担がかかるため、タイトなスケジュールをこなしながらベストの状態でグランドスラムを迎えるのがトップクラスの選手でも難しくなっています。
ましてや全くサーフェスが異なるクレーから芝への対応となれば、数週間ではナダルクラスの選手でも厳しくなっているということなのでしょう。

以前からフレンチオープンとウィンブルドンの間隔が短すぎることは関係者の間から指摘されてきました。
フェデラーのように全仏を欠場してウィンブルドンに備える選手や、ナダルのように対応が間に合わない選手が出るのはどちらの大会にとっても好ましいとは思えません。
数年前に2週間から3週間に間隔が伸びたとはいえ、それも付け焼き刃の対応にしかなっていません。

具体的な対応策とすれば、ウィンブルドンは芝の育成の問題もあって日程を遅らせるのは難しいでしょうから、全仏を1ヶ月程度前倒しするのが現実的だと思います。
1月の全豪からの間隔も空きすぎていますから、ちょうどいいはずです。

伝統ある日程を変えたくないという主催者側の思いもわからなくもないのですが、TOP選手が欠場したり、調整不十分で敗退するような状況では、最高の舞台で最高のプレーを見てもらうというグランドスラム大会の価値が下がってしまいます。
今回の結果を見ても、真剣に検討する時期にさしかかっているように思います。

それでもいいから伝統にこだわるというなら仕方ありませんが、ファンとしてはやはりどのグランドスラムでも世界最高レベルの選手が最高の状態でプレーしてくれることを望みたいですね。
いろいろ諸事情はあると思いますが、関係者の英断に期待しています。

(7/20追記)
条件を満たしたベテランに与えられるマスターズの出場義務の免除についてラオニッチは 
「誰もが同じルールでなくてはならない。ツアーに参加する義務があるなら全員参加するべきだし、または全員に義務にする必要をなくすべき。 
現在は選手によって少しルールに差があるが、そこには少しの差もあってはならないと思う」
「クレー全休フェデラーを批判?ラオニッチ「ベテラン選手の出場義務免除は不公平だ」」(
スマッシュ速報


これはラオニッチの「泣き言」にしか聞こえません。
長期に休めばランクも下がるし、その間に他の選手はランクを上げるチャンスになる。
フェデラーが特別扱いだといっても彼がラオニッチの歳の頃にどれだけ試合に出ていたか、知らない訳ではないでしょう。

ツアーのスケジュールがタイトすぎてTOP選手のコンディションが整えられないという現状を批判しているとすればわからないでもないですが、ペナルティ覚悟でも適度に休養を取るくらいのつもりでスケジュールを調整するくらいの覚悟が必要になってくるのかもしれません。

この発言は「俺がフェデラーと同じように休めば彼にも勝てるよ」と言っているのと同じですが、実際に彼に敗れたのはそれだけのせいではないはずですし、昨年のウィンブルドンで勝ったのはフェデラーがベストでなかったからだとでも言いたいのだとすれば、
あまりにも惨めすぎます。

見方を変えればそんな言い訳をしているうちはラオニッチはフェデラーを超えることはできないでしょう。
プロなのですから、自分できちんとコンディションを調整して、ベストの状態でフェデラーと対戦して、彼を打ち破ってもらいたいものです。


プロのラケット投げはマネしちゃダメ!

2017年06月06日 | ひとりごと

巷で話題になっている錦織のラケット投げ
プロでもない私が言うのもなんですが、思うところを書いてみます。

画像のシーンは全仏3回戦のチョン・ヒョン戦、2セットを連取し、取れば勝ちの第3セットをタイブレークで落とし、続く第4セットで開始早々連続ブレークを許し、流れが完全にチョンに傾いた場面でした。
こういう姿を見せる選手ではないはずなので、珍しいですね。

今シーズンの錦織は、
度重なるケガ

試合に出られない、トレーニングできない

復帰しても勝てない、調子が上がらない

勝ち上がれないので実戦経験が積めない、トレーニングの強度も上げられない

好調時のイメージ通りにプレーできずストレス溜まる

ラケット破壊

という悪循環に陥っています。
この試合はその後雨天で翌日順延となり、冷静さを取り戻した錦織が最終セットを取り返して勝ったのですが、もしあのまま試合が続いていたら危なかったと誰もが思ったでしょう。

「ラケット破壊は絶対にしてはいけない行為です。プロ選手としては子供たちの手本でなければいけない、というものがあります。大事な商売道具は大切にしなければいけません。選手も当然、それをわかっていますが、ツアーではラケット破壊のシーンは頻繁に起きています」

「集団競技の場合はチームメートとコミュニケーションを取ることで、試合中のプレッシャーやストレスのコントロールができますが、テニスの場合は試合中、孤独です。ベンチには誰もいません。基本的にはスタンドにいるコーチと話す機会もありません。感情のはけ口が唯一、ラケットということになってしまうのでしょうか」

「例えば、マレー選手はラケットやベンチを破壊するほどキレますが、彼はキレながらも、どんどん集中力を高めるタイプです。逆にワウリンカ選手もラケットをよく折ってしまう場面があります。反対に彼は一度キレてしまうと、集中力が戻らないタイプと言えます」

「フェデラー選手は、かつてはとんでもない悪童として有名でした。フェデラー選手はコートで暴れる自分自身の姿を恥じたそうです。そこから素行面を改めてジェントルマンになるとともに、プレーもどんどん洗練された最高の例ですね。一方、ナダル選手のようにキャリアを通じて、ずっと紳士的な選手もいます。フェデラー選手とナダル選手は振る舞いも、やはり超一流です」

「ラケット破壊などは大会毎の規定があります。悪いマナーや振る舞いがあれば、選手はコードバイオレーションとして罰金を支払うことになります。それだけでは『お金を払えばいいや』と、選手はその場の激情に任せてラケットを投げてしまいます。
ATPや日本のテニス協会が明確な罰則を設け、コードバイオレーションなどの累積ポイントで出場停止などのペナルティを与えれば、ラケット破壊も減るのではないでしょうか」

「なぜ、テニス選手はラケットを壊すのか 現役選手が明かすコート上の「孤独」」(THE ANSWER)

上記は日本のトッププロの綿貫敬介のコメントです。

「何故ラケットを投げるのか」と言われば、それはもう「そうすることでしか感情のコントロールができないから」としか言いようがないでしょう。

かつてのマッケンローが主審に悪態をついたり、キリオスが観客席にボールを叩き込んだりするのも同じですね。
それは精神面が未熟というより、それくらい勝負のプレッシャーが想像をこえる程厳しいものだといった方がいいのかもしれません。
だから許されるというものではありませんが、本人達もそれが決して良いことだとは思っていない、でもやらずにいられないというところでしょうか。

そう考えるとナダルやツォンガはそういう姿を見たことがないですね。
今のフェデラーもしかり、メンタルの安定が良い選手の条件であるなら、彼らの方がプレーヤーとしてはレベルが高いといえるでしょう。
見方を変えればラケットを折るプレーヤーはまだメンタル向上の余地があるということでもあります。

ラケットを折ってすっきりして、すぐプレーのレベルが上がるなら彼らにとっては安いものでしょうが、実際はそうとは限らず、むしろさらに悪くなることもあるでしょうし、メーカーさんや関係者の印象も悪くなりますから、効果がどれだけあるのかも疑問ですし、私としてはいいイメージはもっていません。

しかしさらに罰則を強化すればいいかといえば、現時点でもペナルティーはありますし、それを承知でそういう行為に及ぶのですから、私としてはそれ以上の罰を与える必要はないとも思います。
単純にパフォーマンスとして喜んでいるお客さんも多いようですし。

一番困るのはあれを見た一般のプレーヤー、特にジュニアがマネをして道具を粗末に扱うようになることでしょう。
指導者の方はそこはきちんと「そういうことはよくない、許さない」と厳しく指導していただきたいものです。

トッププロも自分達の影響力の大きさというものをもう少し意識して、できるならば自制してもらいたいですね。
ちなみに聞いた話では、ワウリンカはラケットを折った試合の後にはYONEXの社長に直接電話をして詫びるそうです(笑)。

※2019/1/17追記
ラケットを投げることについて錦織本人が「報道ステーション」での本田圭佑との対談でコメントしていました。

「まず、僕の中であの怒りの場面が試合中に無くなったら、これはこれで多分、選手として終わりだし、本気で100%でやってるから、その怒りの、すごく負けず嫌いっていうのもありますし、うーん。勝ちたいっていう思いですね。そこが一番に出て来るし、でプラスちょっと自分のいいとこでも悪いとこでもあるんですけど、完璧主義っていうのがあって、それにいっつも自分で悩まされる所はあるんですけど。」

「完璧じゃないと嫌だっていうのでいっつもコーチとやり合ったりはするんですけど。」 

「どうしても、やっぱり綺麗なショットが決まらないと嫌だったり。曖昧なポイントの取り方が嫌だったり。ただの相手のミスでポイント取ってもあんまり嬉しくなかったり。」
(掲載元:What an Interesting World

※2020/7/16追記
「ラファエル・ナダルはラケットを折ったことがなく、思春期に反抗期を迎えることもなかった」

「彼は教養のある子で、普段から行儀がよかった。そういう子はたくさんいるから、ラファだけがそうとは思わないで欲しい」
 
「テニスの世界ではラケットを折ったことがない人はほとんどいない。そうした人に教養がないなどとは言えず、コントロールを失う瞬間があったということだ。そう、しかし人はどんな状況にも、特に難しい状況に備えておく必要があると思うから、私は厳しくした」
「ナダルが決してラケットを壊さない理由。叔父のトニ氏が語る」(YHE TENNIS DAILY)

※2021/10/21追記
「私は競争が好きで、コートの上で自分をコントロールできる。感情的になってラケットを壊したことは一度もないし、クレイジーな振る舞いをしたこともない。私は弱音を吐かず、決してあきらめない。それが私のスポーツ全般に対する哲学だ」
「「ラケットを壊したことは一度もない」「YouTubeで何千ものテニス動画を」35歳ナダルが今も《新たな成功》に挑めるワケ」(Number Web)

※2022/3/1追記
「自分が小さい頃から大好きだったテニスを人生における大事なもの、仕事にできたのだから本当にラッキーだと思う。そしてそのテニスで多くの成功をおさめてきた。ラケットを破壊するようなネガティブな行為はしたくない。自分の幸運に感謝することなく、イライラして怒ってしまう行為は間違っている。それは幼い頃からの教育でも教わってきたことだ。そしてキャリアを通してセルフコントロールをうまくできてきたと自負している。物事が物凄く上手くいくとき、スムーズにいかないとき、どちらでもあまり感情的になり過ぎないことだ。物事をもっとリラックスした姿勢で見ている。そして自分の成功が長く続くように毎日努力を重ねている」
「「ラケット破壊が間違っているのは幼い頃から教わってきた」大会を制したナダル [ATPアカプルコ] 」( テニスマガジンONLINE)

※2024/11/28追記
「テニスの孤独な戦いは時に感情のコントロール力を失わせるが、ナダルがその苛立ちをラケットにぶつけたことはない。紳士の代表格のようなフェデラーでさえ、若い頃は違った。試合でうまくいかないときは、ラケットを叩きつけ、わめいたり、悪態をついたりした。フェデラー自身ものちにこう反省している。
「誰になんと言われようが、感情を外に吐き出すことが自分にとっては一番いい方法だと思っていたんだ。それがいかにエネルギーを無駄にしているか気づくまで、少し時間がかかった」
 ナダルがそんな時間さえ必要としなかったのは、幼少の頃からのトニーの教育があったからだ。
「ラケットを投げたら、もうテニスを教えないよ」
 そう厳しく言い聞かせていた。なぜラケットに当たってはいけないのか。集中力を乱すからとか、弱さが露呈されるからとか、そういった理由ではなかった。
「世界には、欲しくてもたった1本のラケットを持てない子供たちが何百万といることを忘れちゃいけない」


ナスターゼの暴言

2017年04月28日 | ひとりごと

「ルーマニアの元有名テニス選手で、現在は女子の国別対抗戦フェドカップで母国の代表監督を務めるイリ・ナスターゼ氏が22日、「クソアマ」と選手や相手監督に対して差別的な暴言を浴びせて退席処分を命じられた。」
「ナスターゼ氏は、妊娠中のケタボング監督とコンタを「このクソアマども」と呼び、この言葉に対してコンタは涙を流していた。」
「さらに同氏は前日にも、米国のスーパースターであるセレーナの妊娠に対して「(赤ん坊の)色はどんなだろうな。チョコレートミルクだな」と差別的なコメントをし、それをメディアに拾われていた。そしてそのコメントが世界中で報じられると、翌日、報じたメディアの1人である英国の女性記者を「ばか」や「ブス」と罵倒していた。」
「国際テニス連盟は、ナスターゼ氏の行為に「深刻な過ち」があったため退席を命じたと話し、さらに厳しい処分を下す可能性を示唆している。」
「ナスターゼ氏が性差別、人種差別の暴言連発 フェド杯から除外」(AFPBB News)

彼が実際に発言した際の状況がわからないとはいえ、女性を人前で泣かせるような暴言を吐く時点で対戦相手への敬意がゼロですから、コートにいる資格はありません。
セレナへのコメントについては論外です。

ナスターゼは選手時代から「お騒がせ男」として有名でした。
もう70歳、いい加減分別をつけてもらいたい歳なのに成長していないというか、ますます子供じみてしまったというか…。
いかにも彼らしいといえばそれまでですが、フェドカップ代表監督という立場で試合中という公の場で発言したのですから、許されるものではありません。

記事の中でシルステアが、
「私は世界中でプレーして、『アマ』に『クソッタレ』、『間抜け』といったやじを浴びたり、下品なジェスチャーをたくさん見せられたりしてきたけど、一度も泣かなかったし、コートから逃げ出しもしなかった」
と彼を擁護していますが、これは体罰教師とその教え子、あるいはカルト宗教の教祖と信者の関係に似ています。
自分が暴言に対して平気だからと言って、暴言を吐いていいということにはならないことくらいは理解できると思うのですが…。

これに対してセレナは次のようなコメントを発表しています。

「私と生まれてくる子供にあのような差別発言を行い、私の仲間に対しても性差別をするイリ・ナスターゼ氏のような人々が社会に暮らしていることが分かり、失望しています」

「言葉で私を攻撃し、その憎悪で私を殺そうとしたかもしれませんが、それでも空気のように私はよみがえります」
「今回の問題であらゆる配慮を示してくれたITFに心から感謝します。彼らを全面的に支持します」
と語った。」
「セレーナとコマネチ氏、差別発言連発のナスターゼ氏を痛烈批判」(AFPBB News)

セレナと姉のビーナスのはこれまでも数えられないほどの不条理な誹謗中傷を受けてきたことでしょう。
彼女のコメントは冷静で抑制的の中にも強い怒りと決して容認できないという意志を感じます。
感情に任せて相手を罵倒する70歳の老人とどちらが尊敬に値するかは比較するまでもありません。


一方記事にもあるコマネチはビートたけしのギャグで有名になったあの体操選手で、ルーマニアではナスターゼ同様偉大なスポーツレジェンドとして尊敬されているそうです。
私にはコマネチのコメントは正直日和見に聞こえます。
ナスターゼをかばう発言の方が本意だったのでしょうが、その後の周囲の反応と、彼の暴言の深刻さを受けて発言を修正したのでしょう。

なにが言いたいのかというと、イリ・ナスターゼはグランドスラム2勝でランキング1位のテニス殿堂入りしているレジェンドプレイヤーなのである。
簡単にいえばルーマニアテニス界で絶対的な存在である。
シルステアもハレプも今後もルーマニアで生きていくわけで、わざわざイリ・ナスターゼを敵にまわすリスクを考えずに批判できるわけがないのである。
「イリ・ナスターゼ問題を考えて見る。」(女子テニスも熱い  スポーツナビ+)

ルーマニアでナスターゼをは日本で言う長嶋茂雄のような人物なのかもしれません。
例えばもし長嶋氏がWBCの監督で試合中に相手チームの選手に差別的発言をしたら、日本の国民はそれを許すのでしょうか…?。

ナスターゼはその後謝罪のコメントを出しています。

「記者会見でセレナの妊娠についてどう思うかと聞かれたんだけど、そのとき彼女の妊娠についてはまったく知らなかったんだ。だから思わず口にしてしまっただけなんだよ。セレナは偉大な選手だ。これまで彼女がどれほどの努力をしてきたか、僕にはよくわかるからね」
「言い訳のように聞こえるかもしれないが、あれはルーマニア・チームとルーマニアテニス界のためのものであったと断言できる」
「まるでテニスが僕から消え去っていくと感じるような想定外の事が起こり、咄嗟にそれを何とかしようとしただけだったんだ」
「言い訳は何もできないことは分かっている。試合の緊張感が極度に高まってしまった訳でもなく、いつもの悪ふざけのような態度をとってしまった訳でもなく、状況が不運な方向に向かってしまった訳でもない。私はテニスと、テニス界のためにまだ頑張りたいと思っており、私の謝罪をできるだけ受け入れて欲しい」
「あの出来事は必要以上に事が大きくなってしまったと思う。それでもコンタは主審と話すべきではなかった。あれはチームの監督がやるべきことだよ。私はコンタに説明しようと礼儀正しく声をかけたつもりだった。そしてコート外に出された。そのあと主審が試合を中断したんだ。どうして試合を中断したのか、僕にはわからないよ」
「ナスターゼがセレナに対するコメントとフェドカップでの悪態について弁明」(THE TENNIS DAILY)

愚行を反省したのか、それとも周囲の反応を沈めるための形式上のものかはわかりません。
しかし最後のコンタに対するコメントを見ても彼がどこまでことの重大さを理解しているのか疑問と言わざるを得ません。

そもそもFacebookの投稿することが謝罪といえるのでしょうか?。
無礼をはたらいた相手に面と向かって詫び、許しを請わないと謝ったことにならないとご両親から教わらなかったのでしょう。
若気の至りで「つい口が滑った」というような年齢でも立場でもありません。
またナスターゼ個人の特別な問題で終わらせるのも間違っていると思います。

彼がああいう発言をしたのは、彼の性格によるものでしょうが、その裏に根強く残る男女差別・人種差別意識の現れなのでしょう。
ITFは彼に対して厳正なる処分を科さないと、このような失言はなくならないし、テニス界における差別の現実も改善されないと思います。

(5/8追記)
「元世界1位のイリー・ナスターゼ(ルーマニア)に、全仏オープン(フランス・パリ)への参加禁止命令が下された。国際テニス連盟(ITF)による出場停止処分に続き、全仏オープンへの参加を認めないと大会の公式ツイッターでコメントされた。」
「元世界1位のイリー・ナスターゼに全仏オープンへの参加禁止命令」(THE TENNIS DAILY)

不当な差別や暴言に対しては曖昧な態度をとらず、断固とした対応をとらないと効果はありません。
フレンチOPEN関係者の決断に敬意を評します。

(5/14追記)
「女子テニスのムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、レッドクレー、プレミアマンダトリー)は13日に行われたシングルス決勝で、第3シードのS・ハレプ(ルーマニア)が第14シードのK・ムラデノヴィック(フランス)を7-5, 6-7 (5-7), 6-2のフルセットで下して2連覇を達成。試合後に表彰式が行われたが、テニス界を騒がせているI・ナスターゼ(ルーマニア)氏が姿を見せたことで物議を醸している。」
「この件に対し、女子プロテニス協会のWTAは公式ツイッターでS・シモン最高経営責任者(CEO)の声明を発表。
シモン氏は「今日の唯一の影は、ナスターゼ氏が今日の表彰式へ招かれ、参列していたこと。今日コートに彼の居場所はなかった。彼は現在、以前の攻撃的な行為のためにITFによって暫定的な停止処分を下されている。マドリッド・オープンが彼に公式の役割を与えたことは、無責任で受け入れがたい」と批判を綴った。」
「物議 表彰式「無責任」と批判」(tennis365.net)

こういう曖昧なことをやっているようでは彼の愚行はお咎めなしということになってしまいます。
本当にそれでいいのでしょうか。
テニス界のみならず彼にとっても良い対応だとは思いませんし、WTAやフレンチOPENの処分も無駄になってしまいます。

(5/20追記)
「ナスターゼはITFの糾弾に答え、自分の発言とその解釈のされ方のせいで"気分を害した人々に"謝罪する手紙を書いた、と言った。彼は、決して誰の気分を害するつもりもなかった、と言った。」
「彼はまたITFに、自分が、"起こったことついての自分の見解と、状況を振り返り熟考した末に至った結論を、個人的に説明する"ことができるよう、弔問の機会を与えてほしいと頼んだ。」

「70歳のナスターゼは、過ちをおかしたこと、自分に(カッとなりやすい)欠点があることを認めたが、「私が戦う理由は、私が心から愛するスポーツ、テニスのためであり、私はそれを自分の人生から分かつことはできない」と主張した。」
「1973年に全仏オープンで優勝した元トッププレーヤーのナスターゼは、2度にわたり決勝に進出したウィンブルドンで、センターコートのロイヤルボックスに招待されることはないだろう。彼はまた、全仏オープンへの貴賓席への出入りも禁じられた。」
「しかしながら彼は、ITFの審査員たちが他のケースと同じ基準を使い、背景を鑑みた上で、(暴言を吐いた)自分の反応を分析してくれると信じている、と言った。ナスターゼは、この調査が終わるまでは、もはやコメントすることは控える、と言い添えた。」
「ナスターゼが暴言に関するITFの調査に全面協力すると確言」(THE TENNIS DAILY)

「悪気はなかった、頭は下げるから許してくれ」とでも言いたいのでしょうか。
70歳の分別ある大人の言い分としてはあまりにも幼稚です。
フェド杯という晴れの場、しかもコート上でが吐いた暴言によってどれだけの人が傷つき、どれだけテニス界に負の影響を与えたか、その言葉に重みも代表監督の責任感もありません。

彼の競技者としての功績に配慮し、最終的には許されることになるかもしれませんが、それでもそれはそれなりの謝罪をし、しかるべき処分を受けた後にしてもらいたいと思います。


シャラポワの復帰騒動

2017年04月27日 | ひとりごと

「薬物使用による出場停止処分を終えた女子テニスのマリア・シャラポワ(ロシア)は26日、ドイツ・シュツットガルトで開かれたポルシェ・テニス・グランプリで15か月ぶりの公式戦に臨み、ロベルタ・ビンチ(イタリア)を7-5、6-3で破った。シャラポワは復帰戦での白星を「世界で最高の気分」と表現した。」
(「世界最高の気分」 シャラポワ、念願の復帰戦で白星飾る」 (AFPBB News)

「私は怒りや苦痛を感じるタイプではない。ここ何ヶ月もの間、私はすべてのことに没頭してきた。20代のこれまで決してやらなかった多くのことをやった。勉強をし、生活をし、(多くのことに)打ち込み、ビジネスを展開させた。これまで全くする時間のなかった交友関係も築いた。29歳(現在30歳)の女性として、それらはとても開放感があった」
「私が(出場停止処分を受けて)こういう経験をしたかったと思う?もちろんノー。でも私にはその機会があり、実行することができた。私には人の言うことをコントロールできない。私にコント
ロールできる唯一のことは、あそこ(コート)でやること。それが私のモットー。私は物事をきちんと実行するということをずっと好んでやってきた。そして5度グランドスラムで優勝し、世界ナンバー1になった」
「それをオファーされた。でもそれで(優勝)トロフィーを得たわけではないし、私はランキングにも入っていない。それは試合に勝って得なければならない。それが私の仕事。自らに対する批判が個人的なものかどうかについて考えることは私の任務じゃない。言葉や発言や記事は人生においてどうでもいいこと。この1年でそれがよくわかった。結局のところ、大事なことはコートで何が起こっているかということ。だから私はここにいる」

「復帰勝利のシャラポワは「批判されることは人生においてどうでもいいこと」 (THE PAGE)

シャラポワの復帰に際し主催者がワイルドカードを与えることについて、多くの選手や関係者から疑問の声が上がっています。
誰にワイルドカードを使うかは主催者が決めることであり、またそれによって主催者の意図が見えてきます。
シャラポワがその恩恵を受けることは当然と考える主催者やスポンサーが多いのは事実でしょう。
問題はそれを観客やファンが受け入れるかどうかですが、それについてはもう少し時間をかけて注目していくしかありません。

シモナ・ハレプ(ルーマニア/WTA5位)
「子供たちのお手本となるためにも、若い選手たちのためにも、薬物使用で処分を受けた選手をワイルドカードで助けるのは許されることではないわ」
「これはシャラポワがどうこうという問題ではなく、薬物を使用したプレーヤー皆について言えることよ」
「私は大会ディレクターがやったことを支持できないわ。でもまた、批評することもできない」

アリゼ・コルネ(フランス/WTA41位)
「一般的に言って、私はWTAが薬物テストで陽性反応を出した選手のプロモーションを行うなんて、恥ずべきことだと思うわ。彼女は偉大なチャンピオンだから人々が彼女について話題にしているのはごく当然のこと。でもそれと、彼女の復帰をこうも大々的に奨励するのとでは大きな違いがある。正しいことじゃないと思うわ」

「フランステニス連盟の会長ベルナール・グイディセッリが最初に言ったことを守り、彼女に全仏でのワイルドカードを与えないよう祈るわ」
「薬物テストで陽性となった選手は、ほかの選手同様にゼロから始めて自分の場所を勝ち取るべき。彼女のためにレッドカーペットを敷くべきじゃない」
「不幸なことにテニスはビジネスであり続けている...(中略)...でも道徳的にそれはよいことじゃない」


カロリーナ・プリスコバ(チェコ/WTA3位)
「間違いなくこれは大会にとって大きなことね。シュツットガルトだけでなく、これからやってくるすべての大会において」
「大会側にしてみれば大きなプラスよ。セレナが戦線から離脱した今、テニス界はシャラポワのようなスターを必要としており、私はそれに反対するつもりはないわ」

キム・クライシュテルス(ベルギー/元WTA1位)
「彼女はもう罰を受けた。このニュースを聞いたとき、私は驚き、がっかりしたけれど、彼女は素晴らしいキャリアを積んできた選手であり、彼女がさらなる懲戒を必要としているとは思えない」
「誰にワイルドカードを出すか否かは、大会次第よ」
「こうも長いことコート外にいるということは、彼女にとってタフなことだったに違いないわ」
「でも、一週間のうちにこのニュースは終わり、彼女は通常通りのプレーに戻って、もしかすると彼女のベストのテニスをするかもしれないわよ」
「シャラポワのワイルドカード論争にハレプとコルネが新しい刺激を投入 [ポルシェ・テニス・グランプリ]」(THE TENNIS DAILY)

アンジェリック・ケルバー(ドイツ/WTA2位)
「最初の数日は会場に来ることすら許されない選手が、突然水曜日に現れて試合をするというのは奇妙」
「ドイツには今、いい選手がたくさんいる。私たちはドイツ代表として、国のために戦っているのに……」

バルボラ・ストリコバ(チェコ/WTA17位)
「今回の処遇は正しいとは思えない。彼女がシュツットガルト大会に出られると聞いたときは驚いた」
「でも彼女は、マリアだもの。なんでもできる」
「マリアに友人はいない。ロッカールームでも、彼女は孤立するだろう」
「シャラポワの特例復帰に批判の嵐。「ロッカールームで孤立するだろう」(web Sportiva)

私はクライシュテルスの意見に賛成です。
シャラポワはドーピングのルールに違反した。
よってルール通りの処分を受け、それが終わったのだから、それ以上の公的な処分は必要ないはずです。
ワイルドカードを与えるのは主催者側の権限であり、シャラポワを責めるのは筋違いでしょう。
それでも彼女がワイルドカードを受けるのがおかしい、筋が通らないというなら、「ドービング違反で処分を受けた選手に主催者はワイルドカードを与えてはいけない」というルールを設けるべきだと思います。

もちろん今回の問題でシャ
ラポワに対して感情的に納得できない関係者は少なくないでしょうし、今後も彼女に対する風当たりは強いでしょう。
特に女性同士であればどうしても嫉妬が出やすいのかもしれません。
しかし、モラルとルールの問題ははっきり別けて考える必要があります。
今回のシャラポワ個人に対する批判は「犯罪を犯した者は、罪を償い、刑務所から出てきてもその行動を制限されるべきだ」と主張しているのと同じなのではないでしょうか。

彼女がワイルドカードを辞退しなかったことを「気に入らない」と考え、それを表明するのは自由です。
シャラポワもそう言われることは承知の上でしょう。
ひょっとすればこういった孤立していること自体、彼女にとっては処分前と特に変わらないのかもしれません。

こういう状況を作り出したのは自分の責任ということは彼女もわかっているはずですから、それなりの覚悟をもって今後の選手生活を送るのでしょう。
繰り返しになりますが、ファンや関係者がどう評価するかは今後の彼女の振る舞い次第だと思います。

(4/29追記)
「女子テニスで2014年ウィンブルドン選手権準優勝のウージニー・ブシャール(カナダ)が26日、トルコメディアの取材に対し、ドーピング違反による資格停止処分から復帰を果たしたマリア・シャラポワ(ロシア)について「彼女はペテン師。復帰を認めるべきではない」と批判したとロイター通信などが伝えた。」 
「正しいことをしている他の選手にとって不公平。(女子ツアーを統括する)WTAは子どもたちに間違ったメッセージを示している」
「「シャラポワはペテン師」ブシャールが批判」(日刊スポーツ)

「ペテン師」というのが翻訳的にどれくらい適当なのかはわかりかねますし、この記事自体がブシャールの意図をどれだけ正確に反映しているかはわかりませんが、ドーピングした選手が復帰してはいけないというなら復帰を認めているWTAを批判すればいいだけです。
処分を受けて復帰したシャラポワ個人を非難しても「私はアンタが気に入らない」と言っているのと同じ、ならば黙って今のドーピングをしていない彼女を実力で叩き潰して、本人に直接「あなたはもうテニス界に必要ない」とでも言う方がよいと私は思うのですが…。

ブシャールも最近はケガなどで成績が振るわないせいか、テニス以外で話題になることが多いですね。
早く本来の調子を取り戻して、シャラポワと渡りあえるようなプレーを見せてほしいものです。

(4月30日追記)
「シャラポワの復帰戦は準決勝でムラデノビッチに敗退 [ポルシェ・テニス・グランプリ]」(THE TENNIS DAILY)


何故中学校に硬式テニス部が少ないのか?

2016年10月08日 | ひとりごと

硬式テニスをやっている小中学生、あるいはその保護者の方なら一度は思ったことがあると思います。
軟式より人気もあり、競技人口も多いのに、中学、特に地方の公立中学には軟式テニス部しかない。
私が中学生の頃は硬式テニスはまだそこまで普及していなかったこと、また道具も軟式より高価で指導者も少なかったこともあり、なくてもそれほど問題ではなかったのですが、学校の世界はそのころからまるで時間が止まっているようです。

日本テニス協会が現状についてのコメントを公式サイトに発表しています。

日本中体連加盟問題に対する日本テニス協会の対応について

個人的には意図的に硬式テニスの加盟を遅らせたい、できれば認めなくないということ以外に理由が思い当たりません。
では何故そうなるかといえば、すでに加盟している軟式テニスの既得権が奪われることを関係者が恐れているからとしかやはり考えられません。
もしそれ以外に問題があるとすれば中体連にそれは何なのか、はっきり示してもらいたいものです。

一番残念なのはこの問題では大人の理屈ばかり優先され、実際に競技をしているジュニア達が置き去りにされていることです。
何年後になるかわからないようでは今の現役中学生は間に合わないのですから…。

(参考リンク)
中学校に硬式テニス部を増やそうの会

 


錦織はなぜ試合中にストリングを張り替えるのか?

2016年09月26日 | ひとりごと

昨日の午前中は暇でしたが、夕方から立て続けに張替えの注文。
聞けば「今試合やっていて、ガット(ストリング)が切れたので、すぐ張り替えて欲しい」とのこと。
そういえば今日は高校生の新人戦をやっていたんですよね。
とはいっても流石に私も2本同時には張ることは出来ません。

試合中に切れて慌てるようなことがないように、試合前日までにはストリングが大丈夫か確認し、切れそうなら先に張り替えておきましょう。
それも含めて試合のうち、いくら練習しても道具が万全でなければそれで負けてしまうこともありますし、それでは悔いが残ります。
(参考:「試合の当日にストリングが切れた!」

錦織選手が試合中に度々張替えに出しているのをTVで見たことがあると思います。
彼がなぜそうするのかといえば、ストリングは張りたてが最も性能を発揮するので、常に一番良い状態で試合に臨みたいからです。
皆さんも錦織選手と同じようにするのは難しくても、試合前に張替えて新しいストリングで試合に臨むことくらいはできるはずです。
(参考:「ストリングは張りたてが最強!」

私も店に来られる学生さんやその親御さんにはそのことを話したりここで告知をしたりもしているのですが、まだまだ張替えの重要性は十分知られていません。
わかってくれた学生もやがて部活を引退し、春になればまたそのことを知らない新入生が入ってきます。
今年も夏までは試合や合宿前になると張替えの注文が増えていたのですが、今回は試合当日や試合後にも注文が多かったので、まだ宣伝が足りないですね(笑)。
できれば部活の顧問の先生やクラブのコーチも試合前にストリングを確認するよう指導してもらいたいと思います。
(参考:勝ちたければ、試合前にストリングのチェックを!」 


負けた時にこそその真価が問われる

2016年08月23日 | ひとりごと

リオオリンピックが閉幕しました。
2週間で多くの世界トップレベルの競技を見ることができました。
今回の五輪を見て強く感じたことは「負けた時にこそその真価が問われる」ということです。

福原や吉田… 敗れた姿に心動かされた五輪(日本経済新聞)

金メダルを手にするのは一人、残り全部が敗者です。
試合は勝つこともあれば負けることもある。
勝って喜ぶのは当たり前ですが、敗れた時に負けを受け入れ、勝者を称えることができる選手は前向きに進むことが出来ます。
そこにそのアスリートの、もっと言えば人としての価値が現れるのではないでしょうか。

テニスは昔から「グッドルーザー」の意識が強いスポーツです。
大会の表彰式ではウィナーズスピーチの前に準優勝者がチャンピオンを称える場を設けます。

「錦織のプレーは素晴らしかった。エネルギーの限界だった。持っている力はすべて出し尽くしたよ。考えてみてよ、仮に100%の力が出せる状況だったとしても、錦織との対戦で勝つというのはすごく難しいことだろう? だから、僕は4位という結果に満足しているよ。金メダルを目指して戦ってきたけど、それが敵わなかった。より強くなるためにもっともっとやらなければいけないことがある」
【錦織との3位決定戦後一問一答】ナダル「仮に100%の力が出せても錦織に勝つのは難しい」(SANSPO.COM)

ジュニアの選手達も、トップ選手が試合に敗れた時の選手の態度をよく見て欲しい。
また願わくば指導者も勝つことばかりでなく、負けることの意味もきちんと教えて欲しいと思います。
負けてみて初めて分かることもあるのですから。

さてこれでしばらく寝不足から解消されますが(笑)、次はパラリンピックですね。
国枝選手や上地選手の活躍に期待しましょう!。


楽天OPENチケット取れません…

2016年07月24日 | ひとりごと

今日から楽天ジャパンオープン2016の一日券が楽天チケットで先行発売開始です。
しかし12時から何度もアクセスしているのに全然つながらない(TT)。

2時間後、ようやくつながった時にはすでにほぼ全日程の指定席が完売になっていました。
これだけ人気があるなら仕方ない、残念だと思いたいところですが、これは本当に観戦を希望する人だけでなく、転売目的の購入も多くなっているということかもしれません。
公式サイトでは「営利目的の転売禁止」を謳ってはいますが、実際こういうサイトにはすでに高値でチケットが売りに出されています。


今の時点で都合が悪くなり売りに出したとは考えられず、また単に譲るだけなら料金を吊り上げる必要もありません。
だとすれば転売目的で購入してそれで儲けようという人達がいるということでしょう。
これでは本当に試合を見たい人は正規の料金でチケットを手に入れることができなくなります。
錦織人気で需要が高まったということでしょうが、それならまだ正規の料金を値上げしてくれた方が納得できますよね。

私は値段の高い安いではなく、転売屋から買ってまでは観戦したいとは思いませんので、10年以上毎年上京していましたが、残念ながら今年は断念することになりそうです。
少なくとも錦織が現役のうちは人気があるでしょうから、このままなら来年以降もしばらくは同様の事態が続くでしょう。

主催者側には観戦したい人が普通にチケットを購入できるように転売を防ぐシステムを導入していただくよう切に望みます。
それで少々料金が上がるのは仕方ありませんから、少なくとも購入者の名前入りにして、当日身分証明できるもので確認するくらいはできるのではないでしょうか。

まあ所詮は貧乏人の負け惜しみ。
「どうしても見たけれや転売屋から買えよ」ということなんでしょうね…。

※8/2追記
昨日から一般のプレイガイドでも発売されましたが、やっぱりS・A席以外は売り切れでした。
私が行くとすれば火曜日か水曜なのでSは自由席になってしまうし、やっぱり今年は行けそうにありません。


共同体としての「テニス業界」

2016年03月25日 | ひとりごと

以下のニュースについての感想です。

男女の賞金同額問題についてジョコビッチとセレナなどの間で論争に(THE TENNIS DAILY)

ジョコビッチの本音が思わず出たというのが実際ではないでしょうか。
プロテニス選手の男女格差問題(賞金、試合形式等)については以前から度々この手の発言が飛び出しています。
現場の選手や関係者、スポンサーなどそれぞれが主観的な思いがあるのは確かでしょう。

事実としてTV中継の視聴率や、大会の入場者数等のデータを分析すれば、テニスの人気に男女格差があるかどうかは数字としてはっきり現れるはずです。
マーケティングがこれだけ発達している今、大会スポンサーやテニス業界・メディア関係者がその数字を知らないはずもありません。
私もメーカーさんの商品説明会や営業担当さんの話を聞いている時に、具体的な例を聞いたことがあるくらいですから。

しかし、それと「ではそれを根拠に男女の賞金に差をつけるべきか」という問題は完全に一致するものではないと思います。
例えば錦織が「日本では私のおかげで観客が増えるから私の賞金を上げて欲しい」とか、シャラポワが「私が大会に出ればメディアが集まるからその分のボーナスはもらって当然」と発言するのと同じようなもの、と考えればわかりやすいでしょうか。

今回はセレナやマレー、エバート達の発言の方が冷静でより問題を的確に捉えていると思います。
またジョコビッチも自らのオフィシャルのコメントが誤りだったことをすぐに認め、撤回したという対応も良かったと思います。

ジョコビッチがビリー ジーン・キングやエバートと話して自身のコメントを撤回(THE TENNIS DAILY)

選手はテニスというプロスポーツがどのようにして成り立っていて、多くの関係者が汗を流した結果これだけの人気が出て、スポンサーが集まり、多額の賞金がプレーヤーの手に渡るのかということをよく考えて、大会に参加して欲しいと思います。
またそれは彼らプロ選手だけでなく、テニス人気が高まり、より多くの人々がテニスに親しんでくれる結果としてテニス界全体の経済効果も大きくなるという意味では、田舎の草トーナメントに出ているアマチュア選手や私のようなテニスに関わって生計を立てている関係者全てにおいても同様だと思います。
お客様に日々感謝ですな(笑)。


道具屋が提案する錦織パワーアップ作戦

2016年01月30日 | ひとりごと

連日の寒波や雨のせいでしょうか? 今週は開店休業状態。
だからという訳ではありませんが、ここでクイズです(いきなり)。

ジョコビッチとナダルが100、マレーは98、フェデラーとワウリンカは97。
これって何の数字でしょう?。
TVゲームの能力値ではありません(笑)。

わかる人にはわかりますね。
そう、彼らが使っていると言われているラケットのフェイスサイズ(公称)です。
単位は平方インチで、もちろんメーカー発表ですので実測値とは違うかもしれませんが、おそらく大差はないと思われます。

それに比べて錦織の使っているラケットのフェイスサイズは95。
実は現在のTOP10の中で彼のラケットフェイスが一番小さい(狭い)のです。
TOP100まで見渡しても彼と同じサイズを使用している選手はおそらく数名ほど、それより小さいものを使っている選手はほぼいないと思います。

一般的にラケットはフェイスサイズが広くなればボールが良く飛び、スピンもかけやすくなり、何よりスイートエリア(ボールを芯で捉えられ、振動も小さい範囲)が広くなるので、ミスショットが少なくなります。

では錦織より体格に恵まれ、パワーもあって、ボールを飛ばせるはずの外国人選手達が錦織より大きなサイズのラケットを使っているのは何故か?。

私はテニスのプレーでフェイスサイズの違いの差が一番出るのはディフェンスの局面だと思っています。
相手の深いストロークや厳しいコースのショットでもフェイスが大きい方が楽にしっかり打ち返せる確率が上がりますし、多少打点がズレたとしても広いスイートエリアのおかげでミスが少なくなる。
スピンもかかりやすくなり、ストロークの軌道が高くてもアウトしないので、必然的にネットのリスクも小さくなる。
そういった守備的なショットの安定感が増しますし、つなぎのストロークも少ないパワーで深く打ちやすくなりますし、ボレーをオフセンターで捉えるミスも減るはずです。

それではフェイスが大きければ良いのかといいますと、もちろんそうではありません。
大きくなりすぎるとボールが飛びすぎてコントロールが難しくなったり、振り抜きが悪くなってスイングスピードが落ちます。

それらの兼ね合いを総合的に判断すれば、今の男子のトップ選手には97~100くらいのサイズが一番バランスがよいということで、使用者も多くなっているのではないか、というのが私の分析です。

錦織との差は2~5平方インチ、僅かな差ですがこれだけでもトップレベルの高速ラリーでは使い勝手にかなりの違いが生まれるのではないでしょうか。
特に昨年後半から大事なポイントでそれほど難しくないショットを吹かしたりネットに掛ける姿を何度も見ていますので、それらの問題が多少なりとも解決できるきっかけになるかもしれません。

当然フェイスを大きくすることでのデメリットもあるでしょうが、ボールの飛びはストリングでもある程度調整できますし、振り抜きも他のTOP選手が使っているのと同じサイズですから、錦織も慣れれば問題なく使いこなせるはずです。

かつてフェデラーも全盛期に飛び抜けて小さい90平方インチのラケットを使っていましたが、30歳を過ぎやや低迷した時に97のラケットに換えて復活し、34歳の現在でも超一流のプレーを披露しています。

もちろんこれまでジュニア時代から形を変えずに使ってきた今のラケットにこだわりがあるのはわかりますし、本人が扱い易いモデルを使うのが一番ですが、道具屋の立場としては、少しでもプレーに良い影響を与える可能性があるなら、騙されたと思ってぜひ試してみてもらいたいなあ。
今シーズンが始まったばかりのこの時期に言うのも何ですが、オフになったら一度テストしてみて欲しいです。

と、先日のジョコビッチ戦を見ていて思ったのですが、この戯れ言、如何でしょう?。長々と失礼いたしました(笑)。

(おまけ) 錦織のこれまでの使用ラケットについての記事

これを見ると素材の変更こそあれ、基本スペックは一貫して同じです。
慣れ親しんだものを変えるのは勇気がいりますが、だからこそチャレンジして欲しい。
ダメなら戻せばいいのですから。


応援マナーとコーチング

2015年04月12日 | ひとりごと

(Twitterより転載)

一昨日、昨日と県の小中学生大会が開催されました。
引率されていた指導者の方から聞いた話ですが、特に中学生の保護者の観戦マナーが酷くなっているとのことです。
相手のミスに大勢で拍手をしたり、観客席から選手にアドバイスをおくったりする光景を何度も見たそうです。

自分の子どもや同じチームの選手を応援するのについ力が入るのはわかりますが、あまりにマナーが悪いのはみっともないだけでなく、プレーしている選手のためにもなりません。
それはプロの試合でも中学生でも同じです。

百歩譲って応援はモラルの問題だとしても、コート外からのコーチングは明確なルール違反です。
テニスは試合中に原則誰も選手にアドバイスを送ることはできません(団体戦のベンチコーチやダブルスのパートナー等の例外を除く)。
正式な試合でコーチングが見つかると警告の対象になります。

保護者の中にはそのことを知らない人もいるかもしれません。
もちろん知らないからといって許されるものではありませんので、指導者或いは選手は応援に来られた関係者にそのことを伝えておいて欲しいと思います。
また目に余るようでしたら本部に報告して注意してもらうようお願いしてください。


通販が必ずしも安いとは限らない

2015年02月09日 | ひとりごと

(Twitterより転載)

昨日張替えのご注文をいただいたお客様で、新品のラケットを持って来られた方が何名かおられました。
もちろん他店で購入されても張上げは同じ料金でやりますが、当店でラケットお買上げいただければ、初回の張上げは工賃がサービスとなります。

そういうサービスをしているお店は当店にかぎらず結構あると思います。
通販や量販店で購入されると、ラケット本体の価格は若干お安くなるかもしれませんが、そこでストリングの施工を頼まずに当店で張上だけをご注文頂いた場合、工賃がかかりますので結局割高になるかもしれません。

もちろんお買上げ時でも工賃を取る店もありますので、少しでもお安くご購入されたい方はストリング代や張上げ工賃も含めたトータルの金額でお店を選んだほうが良いと思います。
当店ではお買上げ時に特価でサービスしているストリングもありますので、ラケットをご購入の際はぜひご検討・ご相談下さい。