「「長い道のりだった」----フェデラーが記録破りの8度目タイトル獲得 」(THE TENNIS DAILY)
今年のウィンブルドンは全仏をスキップした35歳のフェデラーが優勝。
芝での彼のプレーは他の選手達より頭一つどころか群を抜いているとはいえ、マレー、ジョコビッチ、ナダルとの対戦がなかったのは幸運でした。
ジョコビッチとマレーは故障でリタイアと早期敗退、全仏優勝のナダルも調整期間が短すぎたこともあり、ウィンブルドンにピークをもってこれませんでした。
今の男子テニスのレベルではフィジカルに負担がかかるため、タイトなスケジュールをこなしながらベストの状態でグランドスラムを迎えるのがトップクラスの選手でも難しくなっています。
ましてや全くサーフェスが異なるクレーから芝への対応となれば、数週間ではナダルクラスの選手でも厳しくなっているということなのでしょう。
以前からフレンチオープンとウィンブルドンの間隔が短すぎることは関係者の間から指摘されてきました。
フェデラーのように全仏を欠場してウィンブルドンに備える選手や、ナダルのように対応が間に合わない選手が出るのはどちらの大会にとっても好ましいとは思えません。
数年前に2週間から3週間に間隔が伸びたとはいえ、それも付け焼き刃の対応にしかなっていません。
具体的な対応策とすれば、ウィンブルドンは芝の育成の問題もあって日程を遅らせるのは難しいでしょうから、全仏を1ヶ月程度前倒しするのが現実的だと思います。
1月の全豪からの間隔も空きすぎていますから、ちょうどいいはずです。
伝統ある日程を変えたくないという主催者側の思いもわからなくもないのですが、TOP選手が欠場したり、調整不十分で敗退するような状況では、最高の舞台で最高のプレーを見てもらうというグランドスラム大会の価値が下がってしまいます。
今回の結果を見ても、真剣に検討する時期にさしかかっているように思います。
それでもいいから伝統にこだわるというなら仕方ありませんが、ファンとしてはやはりどのグランドスラムでも世界最高レベルの選手が最高の状態でプレーしてくれることを望みたいですね。
いろいろ諸事情はあると思いますが、関係者の英断に期待しています。
(7/20追記)
「条件を満たしたベテランに与えられるマスターズの出場義務の免除についてラオニッチは
「誰もが同じルールでなくてはならない。ツアーに参加する義務があるなら全員参加するべきだし、または全員に義務にする必要をなくすべき。
現在は選手によって少しルールに差があるが、そこには少しの差もあってはならないと思う」」
「クレー全休フェデラーを批判?ラオニッチ「ベテラン選手の出場義務免除は不公平だ」」(スマッシュ速報)
これはラオニッチの「泣き言」にしか聞こえません。
長期に休めばランクも下がるし、その間に他の選手はランクを上げるチャンスになる。
フェデラーが特別扱いだといっても彼がラオニッチの歳の頃にどれだけ試合に出ていたか、知らない訳ではないでしょう。
ツアーのスケジュールがタイトすぎてTOP選手のコンディションが整えられないという現状を批判しているとすればわからないでもないですが、ペナルティ覚悟でも適度に休養を取るくらいのつもりでスケジュールを調整するくらいの覚悟が必要になってくるのかもしれません。
この発言は「俺がフェデラーと同じように休めば彼にも勝てるよ」と言っているのと同じですが、実際に彼に敗れたのはそれだけのせいではないはずですし、昨年のウィンブルドンで勝ったのはフェデラーがベストでなかったからだとでも言いたいのだとすれば、あまりにも惨めすぎます。
見方を変えればそんな言い訳をしているうちはラオニッチはフェデラーを超えることはできないでしょう。
プロなのですから、自分できちんとコンディションを調整して、ベストの状態でフェデラーと対戦して、彼を打ち破ってもらいたいものです。