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 Ashe店長のテニスショップ業務連絡

  四国の片田舎にあるテニススクール&ショップの宣伝日誌です。
  現在はX(旧Twitter)メインで更新中。

アッシュのストリンギング お客様とのお約束 十ヶ条

2099年12月30日 | ストリンギング

一、ラケットを大切に扱います
お預かりしたラケットは泥や汚れをキレイに落とします。
その際にフレームのひび割れや傷、変形等がないかチェックします。
張り上がり後はビニールカバーをかけてプロ気分!。
※カバーは無料でサービスしていますので、ご希望の方はお申し出下さい。
 
二、豊富なストリングをご用意
ナチュラルガットから最新のポリエステルストリングまで、常時100種類以上のストリングの中からお選びいただけます。
在庫していない商品も取り寄せできます。
 
三、張り上がりが常に安定しています
同じストリンガーが同じ機械で張り上げるので、仕上がりにバラつきがありません。
張り上げ後には面圧を専用の測定器で必ずチェックしています。
 
四、テンションロスが少ない
コンピュータ制御のマシンを使用しており、張り上げ時の緩みは極力少なくなります。
※他店の同一テンションよりやや固めに張り上がる傾向がありますのでご注意ください。
 
五、ラケット・ストリングに最適な張り方を選んでいます
ラケットは張り上がり後の変形が少ない程フレームの負担も少なく、本来の性能が最も発揮できます。
当店では変形を極力抑えるよう、ラケットの特徴に合わせた張り方を行っています。
同様にストリングによっても張り方を変えています。
 
六、お客様の細かい要望にも対応します
「こだわりの張り」がある方はどんどんおっしゃってください!。
縦・横別々のテンション指定、特殊な張り方等も可能な限りお受けいたします。
もちろん張り上げ期日・時間も営業時間内ならご自由に指定できます。
ストリング、ストリンギングのご相談にものりますので、何なりとお問合わせください。
 
七、即張り対応で急ぎのお客様でもOK!
当日中はもちろん、最短1時間でお引渡しできます。
※即張りは本店のみ対応で追加料金が別途必要です。
また状況によってはお引渡しが遅れたり、注文をお受けできない場合があります。
ご来店前にお電話いただければより確実です。
 
八、データ管理を徹底
張り上げたラケットには日時・ストリング名・テンション等を記載したシールを張りますので、一目でデータがわかります。
また開店以来張り上げたラケット全てのデータをパソコンで管理しています。
 
九、すぐに切れても保証サービスで安心
お引渡し後1週間以内にストリングが切れた場合、次回の工賃を50%~全額割引いたします(詳細はお問合せ下さい)。

十、学生にお勧め! サービスストリングで
お安く張替え
学生なら工賃込で最安2,000円、一般で2,500円(いずれも税別)からご用意。会員及び3PLUSスクール生ならさらに5%OFF!。

追加のお願い「GOOD - CHEAP - FAST」


店長のストリング講座

2099年12月30日 | ストリンギング

ストリングについての簡単な解説です。
これだけ知っていれば、ストリング選びにもう迷わない!?。

ストリング(ガット)にはいろいろな種類があります。

【シンセティック】
ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル等の化学繊維。

[ナイロン]
安価で加工しやすいので、現在最も使われています。

[ポリエステル]
非常に硬く、切れにくい。ただし反発力も低いので、パワーがあるハードヒッターに向いています。また切れなくても打球感が変わるので、早めの張替えが必要です。プロのほとんどが使用しており、近年一般プレーヤーにも愛好者が急増しています。

【ナチュラル】
昔から使われてきた天然素材。以前は羊の腸を使用していたので「シープ」とも呼ばれていました。現在は牛の腸を主に使用しており、反発力・ホールド感・打球感など全てに高性能!。さらに緩みにくく、張り上がりの状態を長時間保つことができます。値段が高く、湿気や水に弱いのが欠点。

シンセティックストリングには大きく分けて
モノフィラメントとマルチフィラメントがあります。

[モノフィラメント]
太い芯糸があるタイプ。反発力に優れ、球離れがよいのでシャープな打感です。耐久性も比較的高いので、男性のストローカーやスピンをかけるプレーヤーに向いています。

モノフィラメントの代表、ゴーセン・ミクロスーパーの
 断面イメージ。

[マルチフィラメント]
極細の糸を束ねた構造で柔らかく、ナチュラルガットに似た打感が味わえます。衝撃吸収力も高く、テニスエルボー等の故障に悩む人にも向いています。ただし耐久性はあまりないので、ストリングを切らない女性や、ボレー主体のダブルスプレーヤーなどにオススメです。

マルチフィラメントの代表・ヨネックス・エアロンスーパー850の
断面イメージ。

※その他両方の特徴を併せ持つ中間的な構造のストリングもあります。

ヒジ・肩など痛みの原因はストリングかも?
自分に合わないストリングや、伸び切って反発力のないストリングを長時間使用していると腕に強い衝撃を受け、故障の原因になることがあります。
 
張り替え時期の目安は?
諸説ありますが、シンセティックストリングの場合、一般的には「実質使用時間20~30時間」または「1週間にプレイする回数が1年に張替える回数」と言われています。例えば週3回プレイする方なら年3回ということになります。ただし使う回数が少なくても張りっ放しにしていると伸び切ってしまうので、最低でも半年~1年に1回程度は張替えが必要です。目安としては、
①ボールが飛ばなくなったり飛びすぎたりする、または衝撃や振動が大きくなった気がする。
②ストリングが曲がってしまい、手で直しても元に戻らない。
③縦糸と横糸の交差部分に深いみぞ(ノッチ)ができている。

このような症状が現れたら、切れる前でも新しいストリングに交換して、気持ちよくボールを打ちましょう!

その他ストリング&ストリンギングに関する質問等がありましたら、何でもお問合せ下さい!

このブログでもストリンギングについて私が思うことをたまに書き留めています。
参考になるかどうかわかりませんが、興味がある方はこちらをご覧ください。
その他の業務内容(ラケットチューニング等)についてはこちらをご覧ください。


ストリンガーの「プロ」であり続けるということ

2021年02月14日 | ストリンギング
「プロのストリンガーに張ってもらえば、張り代はだいたい2,000円程度ですが、知り合いやお友達に張ってもらえばお小遣い料金。その差は一体どこに出るのか? 」
(「【テニスギア講座】プロのストリンガーとホームストリンガー、張り上がりの違いはどこに出る? 」THE DIGEST)


「お客様の要望を可能なかぎり実現してあげようと努めるのが本物のプロフェッショナルなストリンガーだと考えています。「張りは学生アルバイトの仕事」というお店もあり、そういうお店では張り代は「時給」ですが、プロのストリンガーは「技術料」として頂戴します。」
「あらゆるお客様の要望に応えられるよう、自分のノウハウのなかにたくさんの引出しを用意して、どれを使うべきかを考えて対応します。」
「お客様が知るよりも、はるかに深く、細かく、ときには裏の裏までストリンガーは知っているということです。各ストリングの特性や、ラケットとストリングとのマッチングなど、いろんな相談に答えられるのは熟達したストリンガーです。」
(「ダンロップ ストリンギング エキスパート 座談会 その1  」DUNLOP TENNIS NAVI)


料理や散髪、車の修理など、あらゆるところにプロと素人の差があります。
そこを理解し、お金を払い、自分でする時間と手間を節約できるというメリットを感じるならプロに頼んだ方がいいでしょう。

一方そのメリットを感じられない場合、例えばコスト重視なら安く張ってくれる知り合いに頼んでもよし、自分で経験して技術や知識を得ることが目的なら自ら張るのもアリだと思います。

要は何に価値を見出すかであり、それは個々で違って当然でしょう。

だからこそ我々プロは圧倒的な技術と知識の差を見せつけて、お客様に「高い料金を払っても、この店、このストリンガーにお願いするのが一番」だとメリットを感じさせなければ生き残れません。

私程度の技量と実績しかないストリンガーが言うのも何ですが、問題はその域に達していない、いわば素人と大差ないストリンガーが意外と少なくないという現状(ネットなどで誰でも簡単にノウハウや情報を入手できる時代になり、最近はどの分野でもそうなりつつあります)で、運悪くそういう店で張替えて、「何だ、自分が張ったのと変わりないじゃん」と思われたらそこで終わりです。
そういう店が多いと、結果的に業界全体の価値を下げることにもなるのですが…。

それでもプロとしての最低限の仕事をきちんとやっていれば、評価してくださる方は必ずついてくれるはずです。
なのでそういうお客様をいかに増やすかが、この仕事を続けられるカギになると思います。

当店も今年で18年目、少ないながらも評価してくださるお客様のおかげでここまでやってこられました。
今後ともより良い張りを学ぶ姿勢を忘れず、アップデートを繰り返して、お客様にテニスをより快適に楽しんでいただけるストリンギングを提供していきます。

同じラケット、ストリング、テンションでも張上がりが違う?

2017年04月22日 | ストリンギング

本日は高校の総体地区予選です。
県大会と団体戦はまだ残っていますが、レギュラーになれなかった3年生はこれが最後の大会になる人もいると思います。
勝ち負けも大事ですが、悔いのないよう、力を出し切ってプレーしてほしいですね。

この日は毎年「試合の途中でストリングが切れたので、すぐ張ってください」という保護者の方が飛び込んで来ます。
そのつもりで今年も準備していたら、案の定、スクールのジュニアのお母さんから電話。

しかし内容は「試合前にそちらに行くことができなかったので、違うお店でストリングもテンションも同じで張り替えたんですけど、使ってみたら本人が全然感触が違うと言うので、試合中ですけど張り直してほしい」とのこと。

これは一般の方には理解できないかもしれませんが、同じラケットに同じストリングを同じテンションで張っても、店によって仕上がりに差が出るということがあるということです。
さらに言えば、同じ店でも張り手や使用するマシーンが違うと、やはりフィーリングが違うということも少なくありません。

「張上がりの状態が常に一定」というのは良い張りの条件の一つです。
しかし張り手の技術やマシーンのメンテナンス状況などが違うので本来はあってはならないはずですが、店によってどうしても差が出てしまう。
複数の機械で多くの店員が張ってい
る大型店などでは同じ店でも仕上がりにバラつきがあるのが現状です。

当店は常に同じ機械で同じ張り手(私です)が張っていますので、少なくとも張り上がりに差が出ることはほとんどないと思います。
他店についてはこれ以上とやかく言えませんが、できれば常に信用できる「行きつけの店(ストリンガー)」を決めておいて、特に大事な試合の前などはそこで張ってもらうのが間違いないと思います。


アッシュ流・張り上がりの良し悪しの見分け方

2017年02月24日 | ストリンギング
ストリンガーは自分以外のストリンガーが張ったストリングがどうなっているのかが気になるものです。
先日張替えでお預かりしたラケット、ストリングが張ったままだったので拝見。
うーむ、なかなか上手く張られているなあと感心していたのですが、データを調べたら数ヶ月前に私が張ったものでした(笑)。
当店では張上げたラケットにストリングの種類・テンション・日付等のデータを記載したシールを貼っているのですが、それがなかったので気づきませんでした。
 
ちなみに私が張上がったストリングの良し悪しを見るポイントはいくつかありますが、一番わかりやすいのは、「ストリングのマス目がきちんと四角形になっているか」という点です。
 
ストリングは真っ直ぐ引っ張るのでそのまま一直線に張られていると思いがちですが、何もしなければ作業中に徐々にたわんだり、ズレたりします。
特に横糸は曲がりやすいので、気をつけていないと張上がった直後でもストリングが弧を描くような曲線になってしまいがちです。
ストリングが曲がっているということは最短距離を一直線に通っていないということですから、その時点で既に緩みが発生しているという訳です。
縦糸も横糸も曲がっていなければ互いが直角に交わるので、ラケットフェイスに幾何学模様のように真っ直ぐな四角形が並びます(一部の縦糸が斜めに張られるパターンのラケットのような例外もあります)。
そういうストリングの美しいマス目が並んでいるラケットは張り手がそのことをきちんと意識しているという証拠です。
 
※これは張上がり直後のラケットについてのお話です。
もちろんボールを打った後のストリングがある程度曲がってしまうのは不可抗力です。
高い技術をもつストリンガーさんの張ったラケットはストリングの種類にもよりますが、使用後でもほとんど曲がっていないそうです…。
 
もう一つわかりやすいのは、張上がり後のラケットフェイスの形をチェックすることです。
 
ストリングは通常、縦糸→横糸の順で張上げます。
縦糸だけを張った時点では力が上下方向のみにかかるため、フェイスが横に潰れようとします。
それを横糸を張ることで左右方向から力を加え、形を元に戻します。

その際、横糸の力が弱ければフェイスは横に潰れたままですし、強すぎれば逆に潰れてフェイスが縦長になります。
ラケットフェイスは楕円形でしかも機種によって素材の硬さ、形状、厚み、ストリングを張る位置や本数が異なりますから、そのラケットに合わせて横糸を調整しながら張らないと、機種によっては張上がった後のフェイスが変形してしまうこともあります。
(最近は素材の強度が上がったのでそこまで変形を気にしなくていいラケットも増えていますし、ストリンガーによっては変形を考慮する必要はないという方もいらっしゃるようです)。

ラケットは変形が少なければ少ないほどその性能が最も発揮されやすく、またフレームの負担も少ないので、特別な指定がない限りはストリングがない状態と全く同じ形で張り上がるのが理想だというのが私の考えです(ただしスイートエリアを好みの形状にする目的で意図的にフェイスの形を縦長や横広になるように張り上げる場合もあります。当店では指定がない限りはなるべく変形が少なくなるように張上げています)。
 
変形を見るにはストリングを張る前後でフェイスのサイズを計測したり、大きな紙に形をトレスしておいて、張上がり後にそれに合わせて比較したりすればわかりますが、大まかに見るなら張上がり後に同じ長さのストリングを張っていないラケットと並べて長さを比べるのが簡単です。
フェイスが縦につぶれていれば長く、横につぶれていれば短くなっているはずです。
 
その他ストリングの状態(傷やねじれの有無)やタイオフ(結び目)の位置や結び方の状態なども目安になります。
 
「良い張上がり」の定義はいろいろありますが、要は
「正確に」
「フレームやストリングに負担をかけず」
「見た目がキレイ」
に張っていればそれなりにきちんと仕上がっているはずなので、ホームストリンガーのみなさんも自分のラケットに決まったストリングを張るのであれば、丁寧にやれば難しいことではありません(あまり時間がかかりすぎるのはダメですが)。
 
我々はどんなラケットにどんなストリングを張る場合でもそれが、しかも一定の時間内にできなれけばいけないので、そこがプロとホームストリンガーの大きな違いだと思います。
それなりのお金をいただいているのですから、それくらいは出来て当たり前なんですけどね(笑)。
 
みなさんもぜひ一度、ご自分のラケットに張っているストリングをじっくり見てみてください!。

縦糸、横糸、どっちが切れる?(2022/2/24追記あり)

2016年11月21日 | ストリンギング

スクールのジュニア(中学生)の女の子がお母さんと一緒に張替えでご来店。

お母さん「この子のストリング、横糸が切れそうなんですけど、それっておかしいんでしょうか。一緒にテニスしていた人に、普通は縦糸が切れるもので、横が切れたのは見たことないっていわれたので…」

結論から言えば、おかしくも何ともありません。
指摘された方は善意で言われたのでしょうが、その方が見たことがないだけで、横糸が切れる場合も少なからずあるのです。

最近は少ないですがプロでも横糸を切る人がいますし、何を隠そう、私もだいたい切れる場合はほとんど横糸です(元々あまり切るタイプではありませんし、最近はプレー時間が減っているので切れる前に張り替えるのですが)。

確かに縦糸、横糸、どちらがよく切れるかといえば、縦糸が切れる場合が多い。
これは「縦糸が切れやすい打ち方」をしている人が多いためで、当然ですが「横糸が切れやすい打ち方」の人は横糸が切れます。
具体的には下から上にトップスピンをかけるスイングなら縦糸がよく動くので、横糸との摩擦で縦糸が切れます。
今の主流はこのスイングですから、必然的に縦糸が切れる人が多くなるという訳です。

一方、フラット系のボールを打つ方はインパクトの際に横糸がよく動くスイングになることがあります。
特にフォアハンド(もしくは女子に多いですが両手打ちバックハンド)で回り込んでの逆クロスのストロークを多用する人は、ラケットのグリップエンド側からボールを迎える形でスイングするので、インパクト時には横糸がよく動きます。
そういうプレーヤーは横糸を切ることが多いはずです。

もう一つの原因としてストリングの特性があります。
どんなプレーヤーでもインパクトの瞬間には縦糸だけ、横糸だけが動くことはありません。
両方が動いて、摩擦のダメージの大きい方が先に切れます。

いわゆるモノフィラメントと言われる硬めで単一構造のストリングは摩擦にも強いので、大きく動いている縦糸が先に切れます。
一方、いわゆるマルチフィラメントと呼ばれる、極細の糸を束ねた柔らかいストリングやナチュラルガットの場合、横糸の方が縦糸との摩擦でより多くダメージを受けて、徐々に細くなっていくことがあります。
そのまま縦糸が切れる前に横糸が削れてしまい、先に切れてしまうのです。
ですから横糸が切れる場合は縦糸のようにいきなりパーンと切れるのではなく、ストリングが徐々に毛羽立って細くなっていくことが多いと思います。

私はマルチチフィラメントのストリングやナチュラルガットを愛用し、しかもフラット系のスイングでフォアハンド逆クロスを多用するプレースタイルでしたので、まさに横糸が切れる典型的なパターンだった訳です(笑)。
そのジュニアもマルチ系のストリングでベースラインからフラット気味にバンバンハードヒットするタイプですので、おそらく横糸が早く摩耗するのでしょう。

というようなことを簡単に説明すると、2人とも納得していただけました。

ストリングがどう切れるかはあくまでその人の打ち方(スイング)の結果であり、ストリングを切るためにプレーしている訳ではありませんので、全く気にする必要はないと思います。

ただし、たとえば「こういうスイングをしたい」とか「こういうボールを打ちたい」という希望があり、それに近づけたいと思っているなら、ラケットフェイスのどこでボールをインパクトして、その結果どういうふうにストリングが切れているかを確認することは、一つの目安になると思います。

【追記】
ネット等を見ると「横糸が切れるのはおかしい、打ち方が悪いためだ」と言われているストリンガーやコーチといった専門家の方もいらっしゃるようです。
上記の記事は自分の経験や得た情報によって私の考えをまとめたもので、他の方の意見を否定するものではありません。
異論などありましたらご意見ください。 

関連リンク(個人のブログ等ですが、参考にさせていただきました)
「横糸切れるってヘン?」(go for it !ブログ)
「横糸が切れる。 」(On Court (Racquet) !)
「テニス ガットについて」(Yahoo!知恵袋)

(※2022/2/24追記)
検索などで今でもよくこの記事が見られているようですので追加情報。
横糸が切れた画像です。
縦糸はノッチ(ストリング同士の摩擦でできる溝)が深くなって切れるので、切断面も刃物で切ったように平らになることが多いのですが、横糸はストリングが動く範囲が摩擦で徐々に細くなって切れるので、断面もこのように尖ったような形になることが多いです。
これはポリエステルですが、ナイロンマルチだとさらに毛羽立って細くなります。

ちなみにこれは元県高校女子№1でインターハイ、全国選抜、国体にも出場し、今も関東の大学でプレーしている現役バリバリの選手のラケットです。
春休みの帰省中に張替えを注文いただいたのですが、「横糸が切れるのはおかしい」という主張がナンセンスだということがおわかりいただけると思います。

縦糸の画像はこちらをご確認ください。
これはまだ切れる前ですが、このまま使用し続けているとノッチが深くなって、最終的には切断されます。


打感がおかしいと感じたら

2016年02月09日 | ストリンギング

高校生の親御さんが当店で張り替えたラケットを持ってご来店。
「息子がラケットがおかしい、打つと手に響くと言うんですが」。
見ると特にラケットに異常はない様子。

この場合まず確認するのはストリング。
1ヶ月以上前に張ったポリエステルで、横糸をずらすと縦糸との交差部分に深い溝(ノッチ)ができています。


※ノッチの例(これはそのお客様のラケットではありません)

これはボールを何球も打っている間に縦糸と横糸が摩擦で削れてできたもので、これが大きくなるとストリング同士が食い込んでしまい、インパクト時に動きにくくなってしまうので、衝撃が吸収されず手に響くようになったり、ボールが飛ばなくなったりします。
特に硬いポリエステルではそういう症状も出やすく、今回はその可能性が高いと判断したので、とりあえず新品のストリングに張り替えて、改めて同じような現象が起こるか確かめてみることをお勧めしました。

もしそれでも打感が変わらない場合はグロメット(フレームの外側につけるストリングを直接通すパーツ)が傷んでいる可能性があるので、それを交換すれば直ることもあります。
もちろんフレーム自体が破損している場合もありますので、気になる時は専門店で相談してみてください。


角切れ(端切れ)の原因と対策

2015年10月23日 | ストリンギング

(Twitterより転載)
ポリエステルストリングを使用しているプレーヤーにとって一番困るのは「角切れ」(端切れ)です。
ストロークやリターン、スマッシュでラケットの先端にボールを引っ掛けるようにして打った時、ストリングが大きく動いてグロメットの端の部分(角)で傷つき、そのまま切れてしまう現象をいいます。

原因は様々で、張替え時にクランプ(ストリングを挟んで固定する部品)で締める力が強すぎて傷をつけてしまう、またグロメットが傷んでいてそこでストリングが引っかかるといったこともあります。
ポリエステルストリングは細くて硬いので、僅かな傷でもそこに力が加わると切れやすいのです。
極端な場合、張替え直後でもボールの当たりどころが悪ければ切れることもあります。

対策としては細いと切れやすいので太めのストリングにする、グロメットを新品に交換する、張替えの際に傷をつけないよう注意するなどでしょうか。一番良いのは「常にフェイスの真ん中で打つ」ということですが(笑)。

当店でも特にポリエステルストリングの使用率が高い学生で角切れが多く、毎週のように張替えにくるようなお客さんもいます。
こちらもいろいろ対応していますが、完全になくすのは難しいですね。

もし同じように角切れで悩んでいる方は、なじみのお店に相談してみてください。
専門店なら切れにくいストリングを勧めてくれたり、よく切れる箇所に角切れ防止の部品をつけてくれたりしてくれると思います。

ラケットにも角切れになりやすいものやなりにくいものもありますので、あまりに多い場合はラケットそのものを変えるという手もあります。
張替えにはどうしてもお金がかかりますから、ラケットを代えて角切れの回数が減るのなら、結果的にそちらの方が経済的ということもあるかもしれませんので。


ストリングは張りたてが最強!

2015年04月30日 | ストリンギング

(Twitterより転載)

今日も午後は当日、翌日渡しの張替えが続いてTwitterの更新どころではありませんでした。
休み明けでしたからまあ仕方ないのですが、少し気になったことがあります。

それは先週末に総体があったばかりの高校生の張替え注文が今週になっても多いことです。

中には大会前に張替えたのがまた切れてしまったという場合もありますが、ほとんどが1ヶ月程度、あるいはそれ以前に張替えたものばかりです。
おそらく1ヶ月以上使用し、切れる寸前の状態で試合に出て、試合中または試合後に切れた、あるいは試合で感触が悪かったので張替えに出したのだと思われます。

「だったらあと1週間早く張替えに出せば、張りたての一番いい状態で試合に臨めたのになあ、勿体無い」
というのが私の正直な感想です。

ストリングは張りたての状態がもっともその性能を発揮し、時間の経過とともに徐々に劣化していきいます。
だからこそプロは毎日張り替えますし、選手の中には試合中にでも張替えに出しているのをTV中継でご覧になった方も多いと思います。

張替えたばかりと1ヶ月たったストリングでは、試合に出るレベルのプレーヤーなら確実にわかるくらい、ボールを打った時の感触が違います。
もちろん、ボールの飛び、回転量、コントロール、打球感、全て張りたての方がよいはずです。
中には「切れる寸前が良い」といわれる方もいますが、それはおそらく張上げ時のテンションが高すぎるのではないかと思います。
ストリング自体の性能は伸びきる前の方が絶対に良いのです。

ですから試合後に張り替えるということは、一番悪い状態のストリングで試合をして、それが終わって改めて一番良い状態に戻すということなのです。
ならばもう1週間前に張替えて、一番良い状態で試合に出たほうが良いと思いませんか?。

こういうことは自分で意識していないと気づかないですし、教えてくれる人もなかなかいませんから、ご存じない人もいるかもしれません。
「本当かな~?」と思う人は、ぜひ今度は事前にストリングを張替えてから試合に臨んでみてください。
いつもより良いプレーができるかもしれませんよ!。


即張りは大変

2015年02月16日 | ストリンギング

(Twitterより転載)

即張りの際、私が最も気をつけているのは「ミスをしない」ということです。
焦って張上げても劇的に早く仕上がる訳でもありませんし、作業が雑になれば品質も落ちる。
小さなミスやトラブルがあるとそのリカバリーが結構なタイムロスになりますし、何より失敗すれば張り直す時間がありません。
むしろ普段と同じペースで、ミス無くリズムよく丁寧に最後まで張り切れば、時間はおのずとかからないものです。

大会のオフィシャルストリンガーさんはプロのラケットを20分以内で張り上げるそうですが(私の知る限りはグランドスラムで平均12分らしいです)、私がその時間で張ろうとすると、たとえできたとしても一定の質が保てるか自信はないですね。

私の場合、急ぎの注文でも実質の張替え時間は30分程です。
それに加え張上げ前のラケットの掃除や張上げ後の面圧等のチェックとデータ入力、それを記録したシールを作成して貼る時間なども含め、即張りでも最低1時間はお時間をいただいています(それ以上急ぎの場合は了解を得て掃除等の作業を省略します)。
実際はその間に接客や電話の応対などもあることが多いので、さらに時間が伸びることもあります。

また即張りが2本以上続けば後注文分はおのずと引き渡しが遅くなります。
出来る限りの対応はいたしますが、試合前などはどうしても急ぎの注文も重なりますので、なるべく余裕を持って張替えに出していただければ助かります。


面圧の測定

2014年12月09日 | ストリンギング

今年も何とか年を越せそうですので、自分へのご褒美に? 念願だったゴーセンの面圧測定器を購入。
今まではRA-TEST社の機械で手動で計測していましたが、これは内蔵のコンピューターがダイナミックテンション(DT)という値を測定します。


測り方はラケットフェイス中央部のストリングにマシーンを引っ掛けてボタンを押すだけ!。
測定されるDT値はこれまでのRA-TESTの数値とは別の種類のものですので、当店で張り上げたラケットは、2種類のデータを取る事になります。


面圧の数値はRA-TESTでもDTでもあくまで張上げた結果としてのデータです。
お店で指定するテンションはストリングを引っ張る力の強さ(張力)ですので、また違うものです。
実際に自分のラケットがどれ位の面圧か知っていることはひとつの目安になるでしょう。

当店までお越しいただければいつでもご持参いただいたラケットの面圧を測定いたします。
またそれらのデータの値についても詳しく説明いたします。


ストリンギングの基本は「正確」

2014年10月18日 | ストリンギング

(Twitterより転載)

昨日、高校生が「打った時に変な音がするんですけど…」と当店でお買い上げいただいたラケットを持って来られました。
見たところラケットにひび等の異常は見当たりません。

こういう時はストリング(特にポリエステル系)の劣化やグロメットの不具合等が原因として考えられるので、よく見てみると…

なんとストリングの張り方が間違っている!。

一瞬ドキッとしたものの、当店で張り替えたものではないとすぐわかったのでホッとしました。

本人あるいは知り合いが張ったのか、あるいはどこかの店で頼んだのかまでは聞かなかったのですが、プロなら確実に張り直さないといけないレベルのミスです。

ストリングは正しく張って初めてラケット本来の性能が発揮されます。
誤った張り方のまま使用すればラケットを痛めるだけでなくプレーヤーのケガにもつながりかねません。

きちんと張れるストリンガーに頼めば間違いないのですが、そうでない人に頼む場合は仕上がりをきちんとチェックして下さい。
また自分で張る時にも正確・丁寧に張ることを心がけていただければと思います。

張り方等の質問があれば私も出来る範囲でアドバイスしますので、当店までお問い合わせ下さい。


寒くなったらテンションはやや低めに

2012年01月05日 | ストリンギング

(Twitterより転載)

寒さも本格化し、張りたてのストリングがいつもより固く感じるというお客様が増えています。

気温が下がるとボールの飛びやストリングの伸縮性も落ちるので、冬場はそう感じる方が多いようです。

打感が固い、ボールが飛ばないと感じる方は夏場よりテンションを2~3lbs程度下げる事をお勧めします。


ナチュラルガットの張替え

2011年10月14日 | ストリンギング

(Twitterより転載)

昨日に引き続き雨模様。

こんな時困るのがナチュラルガットの張替えです。
ナチュラルは水分に弱く、湿気を嫌います。
アルミのパックに入っているのをギリギリまで封を切らず、張り終えたラケットも乾燥剤と一緒に袋に入れておきますが、張り替え作業中は空調を効かせていても、どうしても影響が出ます。

特に今は気候がよく冷房も暖房も入れないので室内の湿度も空調の影響を受けず、あまり乾燥しません。
ナチュラルを張る前には巻かれていたねじれを伸ばす作業をするのですが、店内が狭いため普段は外に出て一気に引っ張るところを雨の日は室内で少しづつ伸ばすことになり、そのあたりでも仕上がりが微妙に違ってきます。

当店では時間に余裕がある場合、ナチュラルの張替えは天気予報など見ながらなるべく晴れた日の日中に張り替えるように心がけていますが、急ぎの張替えや即張りではそうもいきません。

それ位デリケートなガットですので、ナチュラル愛好家の方は張替えも余裕を持って注文して頂くことをお勧めします。