asayanのブログ

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『文づかひ』を読む

2014-08-28 23:06:04 | 日記
『舞姫』『うたかたの記』と読み進めたなら『文づかひ』にも焦点を当てたい。


注目した文章は、

 ① 人の世の春さへはや過ぎたるが多く、 (中略)  一行はや果てなむとす。

 ② 「我をばはや見忘れやしたまひつらむ」


上記の二文が気になった。

はや 果てなむ をば の[文づかひ]ならぬ言葉使いが、

『舞姫』の書き出し 「石炭をばはや積み果てつ」 を連想してしまう。


ドイツ三部作は 語彙の使い方・言葉のリズム に近いものを感じた。
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『うたかたの記』を読んで

2014-08-28 17:33:21 | 日記
森鷗外著『うたかたの記』。

漢文調古文調の文体、 気に入った箇所を列記。


 ① 人生いくばくもあらず。

 
 ② 雨いよいよ激しくなりて、湖水のかたを見わたせば、吹き寄する風一陣々、
   濃淡のたて縞おり出して、濃き所には風白く、淡き所には風黒し。

 
 ③ 林を出でて、坂路を下るほどに、風村雲を払ひさりて、雨もまたやみぬ。
   湖の上なる霧は、重ねたる布を一重、二重と剥ぐごとく、
   つかの間に晴れて、西岸なる人家も、また手にとるやうに見ゆ。
   ただここかしこなる木の下陰を過ぐるごとに、
   梢に残る露の風に払われて落つるを見るのみ。


①の文章、人生は短いものだと、心に突き刺さる。

作品の内容とは別にして、

やりたい事はたくさんあるのに、

何一つ出来ていない自分を反省。


②と③の文章、自然描写が気に入った。

②の 「濃き所には風白く、淡き所には風黒し」 白黒の対比が色鮮やかに浮かぶ。

③の 「湖の上なる霧は、重ねたる布を一重、二重と剥ぐごとく」 比喩の表現が具体的で明瞭。
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