ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

大堀貴士 「2代目のできることってなんやろう」第8話

2013-12-18 11:07:56 | ぼくらのありのまま記
第8話 「これ、最高!!俺、仕事にしたい!!」(大学4年の決意)

目次はこちら。

「カレッジをこれからも残したい!!」と思っている
スタッフが来て欲しいと思っているシュート。
17年前のシュートはどんな気持ちで就職したんですかねー?
今日は、そんな話し。妬いちゃうくらいアツいです。




シュートとチョロ。
鮨パーティもして来たよ。


シュート
でも、大好きなヒロさんの頼みやし、1年手伝おう!!
と思って行って。行ったら、
寄宿生との生活が毎日始まったやんか。


たら
立ち上げ手伝ってくれみたいな感じできたんだ?

シュート
そうそう。大学4年の時から、
寄宿塾ははじまってたんだけど。
卒業して、すぐ行った。


たら
じゃあ就活はしなかったんだ?

シュート
就活してたよ!!

たら
してたんだ!!へぇ。

シュート
で、4年の時にその話しが来たときに
心は鳥取に行ってたから、
もうそこに飛び込もうと思って。
そしたら毎日が。なんていうのかな。
「こころが震えるような毎日」やってん。
ほんま、笑いあり涙ありで。
金八先生みたいな毎日やったんよ笑


たら
うんうん

シュート
「これ、最高!!俺、仕事にしたい!!」
って一年経ったあと、思ってて。
ヒロさんに「続けたい」って話しを伝えたら、
ヒロさんも喜んでくれて、
そこから始まったかな、正式には。うん。
ヒロさんのなかではすごい覚悟をしたみたい。

たら
稼がないと行けないもんね。

シュート
うん。


たら
最低でも300万くらいはかかりますよね?人ひとり雇うって。

シュート
そんなにかかってないけどなぁ笑
俺、初任給5万やったから。

たら
そっかぁ。

シュート
最初の1年
5万しかだされへんけど
もしそれでよかったら。って。
で、大阪で学生時代
月9万か10万くらい俺のバイト代やったから。
「え~!!ずっと働いて5万か、、、!」って思ったんやけど。

たら
ははははは。
やっぱりそこは思うんですね。よかった。

シュート
いや、でも、ヒロさんの頼みやし、
それでも全然行きたいと思ったから。


たら
じゃあ、2年目も5万でもいいや!!って思ったんですか??

シュート
そう!!


たら
すげーなー。

シュート
でも、2年目はびっくり!!
8万くらいにあがって!!
そんなんやったから。
まぁ、それでも食、住はかからへんから。


たら
それは大きいか。でも大きいって言ったって、
子どもと一緒に要は仕事なわけですよね?
仕事というか、家族として、子どもと住んで。

シュート
そうそうそう。
だから、自分の時間は全然なかったし。

たら
さっき優さんが言ってたんだけど、
「私は、ちょっとそれがストレスになって、
ヒロさんにあたっちゃたことも、あったんだけど。
彼は、子どもと一緒にいることに関しては、
全くストレスを感じくて、楽しんでたから。
天職なんだな。って思ったよ」って話しをしてくれて。
シュートもそんな感じなんでしょうね。

シュート
おおん、そうやと思う。

たら
それで2年目の時には
もう続けられるだけ、ここで働こうって思いました?

シュート
自分の夢をハーモニィカレッジの夢に乗せようと思って。
ヒロさんが
「俺も覚悟するから。給料的にはまだ全然やし、
なんの保障もないけど。それでもいいか?」って。
俺は「とりあえず、走れるところまで、ヒロさんと走りたい」
ヒロさん「じゃあ、運命共同体で行けるところまでいこう」
みたいな感じやってん!!笑


たら
へえ。アツいなー!!笑

シュート
で、はじまったんやん。
でもドラマみたいなことがあってん笑

たら
なになに。

シュート
その2年目に。ヒロさんが信頼してる、臨床心理士がおって。
その人からシュートをひっぱりたいんやって話しが、
ヒロさんのところに来たみたいで。

たら
うんうん。

シュート
新しく、高校をつくるから。
スタッフとして、シュートを呼びたい。
給料もこれくらいは出すからという話しをして。
ヒロさんはその時、
「シュート、ちょっとテニスでもいこかー。」って。

たら
ははははは、テニス。

シュート
たまにテニス行くんやけど。

たら
会話も一緒にうちながらね。ここでテニスきたか。

シュート
よう寄宿生ともやってたんやんか。テニスして終って。


たら
どんな気持ちでテニスしてたんだろうか。
シュートもそんな話しされるなんて思ってもないしね。


シュート
そうやんな。

「シュート、実は話しがあるんだ。
シュートを引っぱりたい人がおるんや。
すごい信頼もできる人やから、どうだい?」って言われて
「え?ヒロさん、それ本気で言ってんの?」
ヒロさんとは運命共同体って思ってたから。

「俺は行かへんよ」

「給料も2、5倍くらいになるし、話しだけでも聞いた方がいいんじゃないか。」

「そんなんお金じゃないから行かへんよ」

「一回の人生やから、
俺と一緒にどうなるかわからんのもあれやろ。
せっかくのチャンスやから。」

声かけてくれた人を、ヒロさん信頼してたから。

たら
うんうん。

シュート
なんでこの状況で、ヒロさんにこんな話ししたんか。
っていうのを聞きに行きたくて。
「じゃあ、わかった。話し聞いてくる」
行ったんよ。断るつもりで。
ヒロさんはたぶんそれで、
向こうに行くんやろうと思ってて。
「シュートいってらっしゃい」って送り出してくれたんやけど。

たら
へえええ。それはドラマだね。

シュート
俺は最初に

「今回の話しは、ほんっとに嬉しかったんですけど、
あの受けれません。ハーモニィカレッジ始まってすぐなのに、
ヒロさんにこういう話しをしたことに、僕はびっくりして、
多分ヒロさんも複雑な想いだったんじゃないですか」

ってことを伝えて。で。話しのなかで、何回か

「じゃあ、いくらやったらこれる?」って話しになって。


たら
あーもう。そういう話しじゃなないのに!!

シュート
そう。そういう話しじゃないんよっていうので。

たら
「こっちは8万でも満足してます!!」って。

シュート
そう、結局、お金じゃないんだよ
ってところで、鳥取帰って来て。
「ヒロさん。断って来たよ。」

「今まで、シュートにこういう話しがあったら、
俺は応援せなあかんなっておもってた」

「俺は運命共同体だと思ってやってんねんから、
そんなこと言わんといてほしい」

「わかった、、、。一緒にやろう」

そんな感じやってん。
そこから、二度とそういう話しはせんかったね。

たら
他の仕事の話しは一切もってこなかったんだ。

シュート
で、俺はチョロを引っぱりたかったから。
チョロのおかげでハーモニィカレッジも知ったから。



今日はここまで。
読んでくれてありがとうございます。

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arinomamaki@gmail.com
今井たら竜介

運命共同体とか家族とか。
個人店の鮨屋みたいです。
僕も9年間そういう環境で
働いていたので、なんとなく
わかります。

経営者が家族のように従業員を
見てくれていていても、

働いているほうは、
全くそう思っていないこともあります。
というか、ほとんどの人がそう思っていると
考えていた方が、気持ちは楽だと思います。

ここで覚えたいことがあって、
いつかは離れるつもりでいる人。
ただ、「働いてみたい!」ってくらいの人。

仕事の付き合いはするし、
職人としては上司を尊敬するけど、
休日や、仕事以外の時間は
じぶんのことをしたい人。

親方が期待すればするほど、
弟子を追いつめて、すべてを
教えようとするだろうし。
つぶれちゃう人もいるし、
耐えられない人もいる。

「俺がこんなにしてやってんのに」っていう
親方の気持ちと、

「いやいや、そんなアツい気持ちで
この会社はいってないっす。
じぶんの未来と会社の未来は別なんで」

「いや、この店も仕事も好きっすよ。ほんとに。
でも運命共同体だとは全く思わないっすよね、、、」
なかなか言えない弟子の気持ちと。

どんな気持ちも報われるといいなーと思います。

恋愛だって、それぞれのかたちがあるように、
労働関係も会社によって様々で面白いですな。



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