最終話 娘たちが受け継ぐちまき
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たら
僕が最後に食べたのは2年前かな。
北海道行く前に里美が
届けてくれたんだよね。3月だった。
里美
そうそう。鮨パーティの時に。
前からばぁばのちまき食べたいな
ってずっと言ってたんだよね。でも、
今ママが作ってるんだよって言って。
たら
亡くなったの知らなくて。
里美
そうやって言ってくれる
友だちもいないからさ。
矢田
そうそうそう。
里美
だから手帳に5月になったら
ちまきって今年も書いたよ。
たら
その2年前に食べたちまきが
ばぁばのちまきと同じ味で、
グッときちゃいました。
そういう仕事いいなって。
里美
いいよね。
ゆきおさん
でも、だいぶ小規模になったよね。
普通の鍋で作るんだから。
たら
昔で言ったら
一件に納める量ですよね、きっと。
矢田
そうそう。
たら
家業があるのに、
里美たちをよくキャンプに
出していましたよね。その自由さが
矢田家はすごくいいなと思ってて。
里美
はははは。ほんとだよね。
たら
家業があったら
「この時期は手伝いなさい」って。
里美
今思えばそうだよね、
その時にやっていたら今作れるかも。
(親子でちまき作り。
いつかは里美のちまきになるのかな。)
矢田
あんたが産まれたころは。
じぃじいないじゃない。
里美
ばぁばとママでやってたんでしょ。
なんでいなかったんだろうな笑。
ゆきおさん
おばあちゃん作っていた時は
ママも手伝いに行ってたっけ?
矢田
おばあちゃん、ひとりでやってたから。
だから里美たちも手伝っていなかったの。
私は手伝った時もありますけど。
たら
ばぁばは全くひとりで作っていた年も
あったんですか?
矢田
そうそう。
たら
すごいですね。
矢田
あの人すごいのよ。
最期の方は視力が下がってきていて、
髪の毛が入らないか
それだけがすごく心配だったけど。
たら
あぁ。里美はこれから覚えるの?
里美
里美もお手伝いしてるけど、
巻くのはまだまだへたなんだよね。
一年に一度じゃ覚えられないよ。
子どもの時にやってないから。
たら
お母さんはどうやって覚えたんですか?
矢田
子どもの頃からやってましたから。
姉達は台所係だったんだけど、
私は作るほうで。私の時は
人手もないから、やらざるを得ない。
たら
時代の変化もあったんですね。
矢田
そう。お姉さんたちまかない作りを。
私は、笹洗いから始めてういろう、
水仙と徐々に手伝っていって。
熱い鍋から、笹の葉に取るのね。
そういうのを毎年やっていました。
今は姉も一緒に作っていますけど、
「上手にできた!」って言っても、
私が、まだだめ。って。
たら
ははは。でも、
手伝いに来てくれるのは心強いですね。
今年でお母さんのちまきは7年目か。
里美
そうだね、はやいね。
たら
今年は二日間。
里美
4月26、27日。
たら
二日で出来るの?
里井
うん?できる。
一回戦で何個できるんだっけ?
ゆきおさん
だいたい20本。
矢田
それを4回くらいね、
午前と午後にわけて。
ゆきおさん
一日100本くらいかな。
里美
小さい雪平でやるからね。
その前に笹を洗ったり、下準備をして。
毎年、誰に何本。って
記録があるから、それを基につくって。
ゆきおさん
出来たら包装してどんどん送っちゃうの。
たら
すぐに?へー。
里美
生ものだから、二日三日しか持たない。
たら
その日に送るんだ?
里美
そう、その日に。
たら
1年に一度だと忘れちゃいそうですけど。
矢田
それがさ、自転車乗りと同じで
覚えちゃえば、作れるのよ。
ゆきおさん
手で覚えてるんだよね、手で。
矢田
笹にとるときもいがらで束ねるときも。
里美
強くても弱くてもだめなんだよね。
たら
今年も楽しみですね。
矢田
5月前はさぁやるぞって感じになりますね。
これで終ります。
ありがとうございました。
感想を送る。
arinomamaki@gmail.com
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たら
僕が最後に食べたのは2年前かな。
北海道行く前に里美が
届けてくれたんだよね。3月だった。
里美
そうそう。鮨パーティの時に。
前からばぁばのちまき食べたいな
ってずっと言ってたんだよね。でも、
今ママが作ってるんだよって言って。
たら
亡くなったの知らなくて。
里美
そうやって言ってくれる
友だちもいないからさ。
矢田
そうそうそう。
里美
だから手帳に5月になったら
ちまきって今年も書いたよ。
たら
その2年前に食べたちまきが
ばぁばのちまきと同じ味で、
グッときちゃいました。
そういう仕事いいなって。
里美
いいよね。
ゆきおさん
でも、だいぶ小規模になったよね。
普通の鍋で作るんだから。
たら
昔で言ったら
一件に納める量ですよね、きっと。
矢田
そうそう。
たら
家業があるのに、
里美たちをよくキャンプに
出していましたよね。その自由さが
矢田家はすごくいいなと思ってて。
里美
はははは。ほんとだよね。
たら
家業があったら
「この時期は手伝いなさい」って。
里美
今思えばそうだよね、
その時にやっていたら今作れるかも。
(親子でちまき作り。
いつかは里美のちまきになるのかな。)
矢田
あんたが産まれたころは。
じぃじいないじゃない。
里美
ばぁばとママでやってたんでしょ。
なんでいなかったんだろうな笑。
ゆきおさん
おばあちゃん作っていた時は
ママも手伝いに行ってたっけ?
矢田
おばあちゃん、ひとりでやってたから。
だから里美たちも手伝っていなかったの。
私は手伝った時もありますけど。
たら
ばぁばは全くひとりで作っていた年も
あったんですか?
矢田
そうそう。
たら
すごいですね。
矢田
あの人すごいのよ。
最期の方は視力が下がってきていて、
髪の毛が入らないか
それだけがすごく心配だったけど。
たら
あぁ。里美はこれから覚えるの?
里美
里美もお手伝いしてるけど、
巻くのはまだまだへたなんだよね。
一年に一度じゃ覚えられないよ。
子どもの時にやってないから。
たら
お母さんはどうやって覚えたんですか?
矢田
子どもの頃からやってましたから。
姉達は台所係だったんだけど、
私は作るほうで。私の時は
人手もないから、やらざるを得ない。
たら
時代の変化もあったんですね。
矢田
そう。お姉さんたちまかない作りを。
私は、笹洗いから始めてういろう、
水仙と徐々に手伝っていって。
熱い鍋から、笹の葉に取るのね。
そういうのを毎年やっていました。
今は姉も一緒に作っていますけど、
「上手にできた!」って言っても、
私が、まだだめ。って。
たら
ははは。でも、
手伝いに来てくれるのは心強いですね。
今年でお母さんのちまきは7年目か。
里美
そうだね、はやいね。
たら
今年は二日間。
里美
4月26、27日。
たら
二日で出来るの?
里井
うん?できる。
一回戦で何個できるんだっけ?
ゆきおさん
だいたい20本。
矢田
それを4回くらいね、
午前と午後にわけて。
ゆきおさん
一日100本くらいかな。
里美
小さい雪平でやるからね。
その前に笹を洗ったり、下準備をして。
毎年、誰に何本。って
記録があるから、それを基につくって。
ゆきおさん
出来たら包装してどんどん送っちゃうの。
たら
すぐに?へー。
里美
生ものだから、二日三日しか持たない。
たら
その日に送るんだ?
里美
そう、その日に。
たら
1年に一度だと忘れちゃいそうですけど。
矢田
それがさ、自転車乗りと同じで
覚えちゃえば、作れるのよ。
ゆきおさん
手で覚えてるんだよね、手で。
矢田
笹にとるときもいがらで束ねるときも。
里美
強くても弱くてもだめなんだよね。
たら
今年も楽しみですね。
矢田
5月前はさぁやるぞって感じになりますね。
これで終ります。
ありがとうございました。
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