十七時を過ぎると、空はまだ昼の余韻で明るさが殘ってゐても、すでに日に照らされてゐない下界は薄暗く、道を歩いてゐると、前方にナニがあるのか、ナニが来るのか、本當にかなりわかりづらい。
人災疫病禍元年に棲家軟禁を余儀なくされてゐた當時、夜道を散歩してゐて暗がりと云ふ空間の危険をはっきり學んだ私は、それからは暗い道ではペンライトを點灯して歩くやう心掛けてゐる。
前方を照射すると云ふより、前方に對し、「ここにヒトがおるで」と注意喚起のためだ。
たまに、夜間にスマホ背面のライトを點けて、歩きスマホをしてゐる御仁を見かける。
前を注意すべきは相手ぢゃない、オマエのはうだヨと、だから私は避けてやったことはない。